有価証券報告書-第6期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/23 15:32
【資料】
PDFをみる
【項目】
128項目

業績等の概要

(1) 業績
当期のわが国経済は、政府の経済政策による景気回復への期待などを背景に、企業収益の改善や設備投資の持ち直しがみられるとともに、個人消費が拡大するなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。
損害保険業界におきましては、このような景気動向を反映して保険料収入が引き続き増加したものの、大雪などの自然災害の影響を受け、依然として厳しい事業環境が続きました。また、生命保険業界におきましては、保険契約の小口化が進んだものの、保有件数が増加し、保有契約高の減少傾向に歯止めがかかりました。
このような経営環境のもと、当社グループは、平成22年度からスタートいたしました中期経営計画「MS&ADニューフロンティア2013」の総仕上げの年を迎え、国内損害保険事業、国内生命保険事業、海外事業、金融サービス事業、リスク関連サービス事業において、商品・サービスの品質向上を通じて成長の実現に努めるとともに、システムの統合や業務の効率化などを進めグループシナジーを発揮し、収益力の向上に取り組みました。当社は、グループの事業を統括する持株会社として、グループ全体の経営戦略の策定やリスク管理態勢及びコンプライアンス態勢の強化など、グループ会社の事業推進に対する支援及び経営管理を行いました。また、当社、三井住友海上火災保険株式会社、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社及び三井住友海上あいおい生命保険株式会社は、平成25年9月27日、グループ全体の「成長」と「効率化」を実現し、企業価値向上を図るため、当社傘下の保険会社の機能別再編を行うことについて合意し、事業・販売チャネルの再編、販売網・拠点の集約、拠点の共同利用、第三分野長期契約の三井住友海上あいおい生命保険株式会社への移行、海外事業の再編と当社のガバナンス体制強化などを平成26年4月以降に順次実施することとし、平成25年10月より本社機能の集約などを先行実施いたしました。
このような中、当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
経常収益は、保険引受収益が3兆7,069億円、資産運用収益が6,459億円、その他経常収益が98億円となった結果、4兆3,627億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が3兆5,647億円、資産運用費用が263億円、営業費及び一般管理費が5,487億円、その他経常費用が329億円などとなった結果、4兆1,724億円となりました。
以上の結果、経常利益は、保険料の増収による保険引受収益の増加に加え、有価証券評価損の減少を主因として資産運用費用が減少したことなどから、前連結会計年度に比べ399億円増加し、1,902億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税等などを加減した当期純利益は、翌期の法定実効税率の変更に伴う繰延税金資産の取崩による影響などがありましたが、前連結会計年度に比べ98億円増加し、934億円となりました。
セグメントごとの業績は以下のとおりであります。
① 国内損害保険事業(三井住友海上火災保険株式会社)
経常収益は、保険引受収益が1兆5,865億円、資産運用収益が1,416億円、その他経常収益が31億円となった結果、1兆7,313億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が1兆3,881億円、資産運用費用が84億円、営業費及び一般管理費が2,145億円、その他経常費用が182億円となった結果、1兆6,293億円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ366億円増加し、1,019億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ153億円増加し、580億円となりました。
② 国内損害保険事業(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)
経常収益は、保険引受収益が1兆2,458億円、資産運用収益が689億円、その他経常収益が30億円となった結果、1兆3,178億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が1兆811億円、資産運用費用が98億円、営業費及び一般管理費が1,978億円、その他経常費用が10億円となった結果、1兆2,899億円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ20億円増加し、278億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ57億円減少し、131億円となりました。
③ 国内損害保険事業(三井ダイレクト損害保険株式会社)
経常収益は、保険引受収益が356億円、資産運用収益が1億円となった結果、357億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が283億円、営業費及び一般管理費が71億円となった結果、354億円となりました。
以上の結果、経常利益及び当期純利益は前事業年度に比べそれぞれ2億円減少し、2億円となりました。この結果、出資持分考慮後の当期純利益(セグメント利益)は、前事業年度に比べ1億円減少し、1億円となりました。
④ 国内生命保険事業(三井住友海上あいおい生命保険株式会社)
経常収益は、保険料等収入が4,176億円、資産運用収益が415億円、その他経常収益が19億円となった結果、4,611億円となりました。一方、経常費用は、保険金等支払金が1,666億円、責任準備金等繰入額が1,971億円、資産運用費用が11億円、事業費が710億円、その他経常費用が77億円となった結果、4,436億円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ100億円増加し、174億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ62億円増加し、66億円となりました。
⑤ 国内生命保険事業(三井住友海上プライマリー生命保険株式会社)
経常収益は、保険料等収入が8,294億円、資産運用収益が3,835億円、その他経常収益が51億円となった結果、1兆2,180億円となりました。一方、経常費用は、保険金等支払金が7,624億円、責任準備金等繰入額が3,493億円、資産運用費用が10億円、事業費が589億円、その他経常費用が64億円となった結果、1兆1,781億円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ9億円増加し、398億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ75億円増加し、179億円となりました。
⑥ 海外事業(海外保険子会社)
正味収入保険料は前連結会計年度に比べ544億円増加し、2,406億円となりました。
経常利益は前連結会計年度に比べ110億円増加し、298億円となり、当期純利益(セグメント利益)は前連結会計年度に比べ72億円増加し、199億円となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローが保険料の収入額が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ3,711億円増加し、4,899億円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは有価証券の取得による支出が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ3,838億円減少し、△5,491億円となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは社債の発行による収入が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ909億円減少し、△573億円となりました。これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より911億円減少し、6,250億円となりました。