有価証券報告書-第27期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 14:59
【資料】
PDFをみる
【項目】
155項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループの経営の基本方針
当社グループは、『Simple & Concentrate』をグループの新スローガンとして、今後成長の見込める病院関連事業に特化する方針の基、事業に取り組んでまいりました。経営資源を同事業に集中するため、保有する物流・商業施設は外部売却を推進します。
(2)目標とする経営指標
当社の企業集団では、中期的な企業価値向上を目的に、親会社株主に帰属する当期純利益の継続的拡大を経営指標としております。また、その企業価値向上のためには、病院関連事業において管理対象となる病院の増加(=ベッド数の増加)を重要指標として注視しております。
(3)経営環境
今後の当社グループの経営環境につきましては、引き続き現政権による経済政策(アベノミクス)が、わが国の経済活動を活発化させることができるか、が大きなポイントとなるだろうと考えております。特に、消費税率10%への引き上げ及び東京オリンピックの開催が経済にどのような影響を与えるか、が重要だと考えます。
病院関連事業としては、社会的な意義がある一方で、様々な解決すべき問題を抱えております。特に、事業継承及び社会的ニーズを背景とした「地域包括ケアシステム」の構築については、重大かつ差し迫った課題として挙げられております。また、建物の老朽化、適正な設備投資、IT化への速やかかつ適切な対応が必要とされております。
当社グループは、病院関連事業については、医療法人によるオフバランスや病院周辺事業及び病院建物の適正な管理など、長年のノウハウを有し、社会的な役割を果たせると考えております。今後病院関連事業については、成長が見込める有望な分野であり、当社グループとしては、引き続き主たる事業として発展させたいと考えております。
(4)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、経営方針を遵守しつつ、以下の中長期的ビジョンを具現化してまいります。
① 病院関連事業
新たな病院施設及び関連施設の事業承継を実現し、経営支援やサービスの提供を拡大していきます。また、新設した子会社3社によるにより周辺業務のサポートに注力してまいります。
② 不動産賃貸関連事業
所有する不動産の早期売却を目指します。
③ 不動産ファンド関連事業
病院不動産のオフバランス化の実現を目指します。
④ クラウドファンディング事業
個別事業の推進を資金面から助けます。
(5)会社の対処すべき課題
ⅰ.病院関連事業の促進
① 事業継承の更なる促進
本事業年度は12医療法人の事業継承を目標としており、前事業年度において未達成であった中期経営計画の実現に向け、全社一丸となって邁進する所存であります。
② 医療法人の経営に対するバックアップ強化
事業継承した後の医療法人等の経営支援につき、効率的かつ安定的な経営が行えるよう一層の支援を行ってまいります。
③ 病院不動産のオフバランス化の実現
前事業年度では実現できなかった病院不動産のオフバランス化について、本事業年度では必ず実現し、病院関連事業の実績を積み上げていくことが重要と認識しております。
④ アライアンス医療機関への人材紹介、訪問看護、メディカルツーリズム等周辺ビジネスの促進
上記課題と同時並行して、上記の事業に資する周辺ビジネスである人材紹介、訪問看護ステーションの設立・運営、外国から人間ドック等の受診を呼び込むメディカルツーリズム、などの実績を作ることが重要と認識しております。
ⅱ.ノンコア事業の整理
ノンコア(非主要)事業である不動産賃貸関連事業については、国内・国外を問わず、当社グループが保有する賃貸用不動産を売却し、いち早く病院関連事業への経営資源の集中を図ることが必須であると認識しております。
ⅲ. 持株会社制について
当社グループは、収益事業の強化。グループ全体のマネジメントを実践する部門を独立させ、各社の役割を果たすことに専念できる環境。組織的、機動的かつ効率的なグループ経営の実施。を目的として持株会社制(ホールディング制)に移行しました。今般の事業方針変換により新たな体制構築にむけた取り組みが依然継続しております。