有価証券報告書-第27期(2023/07/01-2024/06/30)
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高279億65百万円(前連結会計年度比38.0%増)、営業利益27億26百万円(同12.2%増)、経常利益24億26百万円(同13.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益17億1百万円(同17.5%増)となり、いずれの数値も、2023年12月22日に開示いたしました「通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」を上回ることができました。
これは、当社グループが主に不動産事業において、「ものづくり」にこだわり、東京23区、駅徒歩10分圏内での都市型賃貸マンション開発・1棟販売というビジネスを推進し販売先から高い評価を得たことに加え、建築コストの急激な上昇の中においても、将来不安を抱えた若年層の不動産投資意欲、相続税対策を目的とした富裕層による需要及びファンド・リートを含めた国内外投資家による収益物件への需要に応えることができたことによるものであります。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。
(不動産事業)
不動産事業につきましては、売上高は277億47百万円(前連結会計年度比38.0%増)、セグメント利益は38億73百万円(同10.4%増)となりました。
このうち、不動産開発販売につきましては、都市型賃貸マンション等11棟712戸及び戸建・テラスハウス分譲等23戸並びに用地5件の売却により、売上高は271億15百万円(同38.5%増)となりました。都市型賃貸マンション開発については、棟数・戸数ともに期初予定以上の売上を計上することができました。また、戸建・テラスハウス分譲等につきましては、株式会社ケーナイン(2024年2月29日に子会社化)が主に東京23区南西部や川崎市・横浜市等において売上計上したものであります。不動産仕入販売につきましては、中古分譲マンションの買取再販(1戸)により、売上高は46百万円(同23.7%増)となりました。その他不動産事業につきましては、不動産仲介及び不動産賃貸業等により、売上高は5億85百万円(同18.0%増)となりました。
(ホテル事業)
ホテル事業につきましては、「ホテルアジール東京蒲田」の宿泊料等により、売上高は2億18百万円(前連結会計年度比43.2%増)、セグメント利益は31百万円(前連結会計年度はセグメント損失8百万円)となりました。
これは、国内旅行需要の回復及びインバウンドの増加等を背景に、前連結会計年度に比べて大幅に客室単価及び客室稼働率が上昇したことによるものであります。
当連結会計年度末における財政状態については、総資産が前連結会計年度末に比べ27億35百万円増加した469億72百万円、負債が前連結会計年度末に比べ28億63百万円増加した319億8百万円、純資産が前連結会計年度末に比べ1億28百万円減少した150億64百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ19億69百万円増加し、393億80百万円となりました。これは主として、都心のマンション用地について厳しい仕入環境が続く中、若手社員による好立地のプロジェクト用地購入が進んだこと、また、2024年2月29日に子会社化した株式会社ケーナインによる積極的な戸建・アパート用地等の購入により、棚卸資産が21億49百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ7億65百万円増加し、75億92百万円となりました。これは主として、収益物件等の購入により有形固定資産が9億56百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ34億60百万円増加し、138億8百万円となりました。これは主として、前受金が7億53百万円減少する一方で、株式会社ケーナインの子会社化により短期借入金が28億48百万円、1年内返済予定の長期借入金が9億26百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ5億96百万円減少し、180億99百万円となりました。これは主として、物件の販売に伴う長期借入金の返済が、株式会社ケーナインの子会社化による増加を上回ったことにより、長期借入金が8億41百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ1億28百万円減少し、150億64百万円となりました。これは主として、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金について、それぞれ2億62百万円増加し、利益剰余金についても、配当金支払による6億31百万円の減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益17億1百万円の計上等により10億69百万円増加した一方で、子会社による優先株式の償還により非支配株主持分が16億41百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動において資金が増加した一方、投資活動及び財務活動において資金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ6億21百万円減少の85億9百万円となりました。
これは主に、株式会社ケーナインの子会社化により営業活動によるキャッシュ・フローがプラスとなった一方で、物件の販売に伴う長期借入金の返済が用地購入に伴う長期借入れ等による収入を上回った結果、財務活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなったことによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の増加は、29億78百万円(前連結会計年度は28億36百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上及び棚卸資産が減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、81百万円(前連結会計年度は9億53百万円の減少)となりました。これは主に、株式会社ケーナインを対象とした連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が投資その他の資産の減少を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の減少は、35億17百万円(前連結会計年度は44億35百万円の増加)となりました。これは主に、物件の販売に伴う長期借入金の返済及び配当金の支払並びに連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が、自社開発用地購入に伴う長期借入れ等による収入を上回ったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは不動産事業及びホテル事業を行っており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。
c.販売実績
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
当連結会計年度における売上高は、2023年12月22日に開示いたしました「通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」を上回る279億65百万円(前連結会計年度比38.0%増)となりました。
これは主に、当社グループの開発物件がワンルームマンション業界をはじめ、不動産市場において高い評価を受けていることに加え、昨今の建設業界における工事期間の長期化傾向に対して、施工業者との綿密な協議の実施等により工程管理を徹底した結果、2025年6月期に計上予定であった1棟57戸のプロジェクトについて、当連結会計年度の計上となったことによるものです。また、株式会社ケーナイン(2024年2月29日に子会社化)が高品質の戸建・テラスハウスを適正な価格で売上計上できたことによります。これらの背景には、従来から進めてきた販売先の多角化を始め、プロジェクトごとに綿密な販売戦略をたて、それを遂行したこと及び、不動産市場動向を注視し、適時適切な販売に努めたことがあります。
b.営業利益
当連結会計年度における営業利益は、27億26百万円(前連結会計年度比12.2%増)となり、業績予想数値を上回りました。
これは、主に、当社グループが創業以来、都心の都市型賃貸マンション開発を中核事業として、少人数体制を堅持しつつ、モノづくりに拘り差別化に取り組んできた結果、国内外の販売先・投資家から商品性について高く評価されたことに加え、ゼネコン各社と協議しつつ工事原価の上昇抑制に努めたこと、ホテル事業の黒字化及び株式会社ケーナインの利益が上積みされたことによります。なお、当社グループが重要指標とする売上総利益率は、16.6%(前連結会計年度比3.3ポイント減)となりました。
しかしながら、開発用地の高騰と建設資材並びに人件費の値上がりによる建築コストの上昇が続いており、今後も、売上総利益率を維持すべく、一層の営業努力が必要であると認識しております。
なお、販売費及び一般管理費は、人件費や及び不動産仲介に係る支払手数料等の増加により、前連結会計年度比2億95百万円増加しております。
c.経常利益
当連結会計年度における経常利益は、24億26百万円(前連結会計年度比13.4%増)となりました。
当社グループは、開発プロジェクトにおける開発用地資金を金融機関からの間接金融によって賄っているため、開発プロジェクトの増加及び大型化と建築工期を中心とした開発期間の長期化等により、営業外費用である支払利息が増加する傾向にあります。当連結会計年度については借入金の増加により金融関連費用は増加しておりますが、融資に関する金利等の条件は市場金利の上昇分を除けば、前連結会計年度と概ね変化なく、取引金融機関とは引き続き良好な関係を維持しており、資金調達に問題はございません。
なお、長期にわたる低金利政策は徐々に変化するものと認識しておりますが、急激な上昇が起こる可能性は低いと考えております。しかしながら、金融政策の動向や、物価の上昇や人手不足に起因する賃金上昇等、今後の経済状況や金融機関の動きについては、十分留意してまいります。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、17億1百万円(前連結会計年度比17.5%増)となりました。これは、経常利益に特別損益項目を加減し、法人税等合計及び非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いたものであります。
前連結会計年度は、特別利益は保険解約返戻金で45百万円、特別損失はゴルフ会員権評価損で5百万円でしたが、当連結会計年度は特別利益で保険解約返戻金を85百万円計上し、特別損失はありませんでした。
法人税等合計については、前連結会計年度は6億89百万円、当連結会計年度は7億99百万円でした。また、法人税等調整額は、前連結会計年度は△40百万円、当連結会計年度は△80百万円となり、利益を増加させております。なお、当社では基本的な配当方針として、親会社株主に帰属する当期純利益から法人税等調整額の影響を排除した数値の40%を配当することとしております。
非支配株主に帰属する当期純利益につきましては、2020年3月に連結子会社による優先株式を発行したことから発生したもので、当連結会計年度は32百万円が計上されております。なお、本優先株式につきましては2024年4月に償還を実施しております。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、主に都市型賃貸マンション開発事業又は戸建・テラスハウス分譲の開発販売事業を行うための事業計画に照らして、必要な資金を主に銀行からの長期借入により調達しております。長期借入金の返済期間は、事業計画における竣工・販売時期に対応して概ね1年~3年であります。一時的な余資は主として安全性の高い金融資産(銀行預金)にて運用しております。
b.経営資源の配分に関する考え方
資金の流動性における最大の項目である現金及び預金については、当社は過去のリーマンショックの経験から、東京23区、駅徒歩10分以内という当社開発用地における土地価格の下落率を最大35%と想定し、毎月の用地購入から売買契約締結前の棚卸不動産総額の35%を確保するとともに、2年分の固定経費を保持することを目安としております。
c.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要の主なものは、不動産開発販売事業における開発用地の取得及び建築工事代金等のプロジェクト資金であります。資金調達につきましては、各プロジェクトや物件ごとに取引金融機関より調達しており、調達コストの低減に留意しつつ、借入金並びに現金及び預金の残高を検討材料としております。
d.資金調達
当社グループは、事業活動の維持及び将来の成長のために必要な資金について、安定的かつ機動的に確保することに努めております。
当社グループは、資金調達に際して、特定の金融機関に依存することなく、多数の金融機関と良好な関係を構築する一方で、新たな金融機関との取引開始による間接金融の拡大、エクイティ等の直接金融での資金調達を実施し、資金調達の円滑化と多様化に努めております。また、主要な取引金融機関とは良好な取引関係を長期にわたり維持しており、必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題ないと認識しております。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況
当社グループは大規模な経済変動に耐え得る企業であるために、これまでキャッシュポジションの重要性を常に認識し、財務体質を強化してまいりました。
当社のビジネスモデルは、少人数かつアウトソーシングの活用を前提に、都心23区駅徒歩10分圏内に都市型賃貸マンションの開発・1棟販売するというものでありますが、昨今の都心土地価格高騰とプロジェクト用地の取得競争激化、さらには工事原価の上昇等の厳しい経営環境において「持続的成長」を展望するためには、事業領域の拡大が必要と考えております。これまでも、東京都心以外の地域での開発や戸建・マンション分譲販売、ホテル事業や戸数100戸を超える大規模プロジェクト等に挑戦してまいりましたが、2024年2月29日に株式会社ケーナインをM&Aで子会社化する等、着実に持続的成長並びに企業価値の向上に資する投資を進めてまいります。
なお、当社の経営方針・経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標は売上総利益率であります。当連結会計年度の売上総利益率は、「② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.営業利益」に記載のとおり、前連結会計年度を3.3ポイント下回る16.6%となりました。これは、工事原価の上昇やM&A等による影響もありますが、引き続き売上総利益率の維持向上に努めてまいります。
当連結会計年度の実績値は、売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益のいずれについても、2023年12月22日に開示いたしました「通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」を上回ることができました。
当連結会計年度における予想数値に対する実績の状況を示すと、次のとおりであります。
2024年6月期につきましては、都市型賃貸マンション販売についての販売計画は651戸でしたが、実績は712戸と予定を上回りました。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高279億65百万円(前連結会計年度比38.0%増)、営業利益27億26百万円(同12.2%増)、経常利益24億26百万円(同13.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益17億1百万円(同17.5%増)となり、いずれの数値も、2023年12月22日に開示いたしました「通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」を上回ることができました。
これは、当社グループが主に不動産事業において、「ものづくり」にこだわり、東京23区、駅徒歩10分圏内での都市型賃貸マンション開発・1棟販売というビジネスを推進し販売先から高い評価を得たことに加え、建築コストの急激な上昇の中においても、将来不安を抱えた若年層の不動産投資意欲、相続税対策を目的とした富裕層による需要及びファンド・リートを含めた国内外投資家による収益物件への需要に応えることができたことによるものであります。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。
(不動産事業)
不動産事業につきましては、売上高は277億47百万円(前連結会計年度比38.0%増)、セグメント利益は38億73百万円(同10.4%増)となりました。
このうち、不動産開発販売につきましては、都市型賃貸マンション等11棟712戸及び戸建・テラスハウス分譲等23戸並びに用地5件の売却により、売上高は271億15百万円(同38.5%増)となりました。都市型賃貸マンション開発については、棟数・戸数ともに期初予定以上の売上を計上することができました。また、戸建・テラスハウス分譲等につきましては、株式会社ケーナイン(2024年2月29日に子会社化)が主に東京23区南西部や川崎市・横浜市等において売上計上したものであります。不動産仕入販売につきましては、中古分譲マンションの買取再販(1戸)により、売上高は46百万円(同23.7%増)となりました。その他不動産事業につきましては、不動産仲介及び不動産賃貸業等により、売上高は5億85百万円(同18.0%増)となりました。
(ホテル事業)
ホテル事業につきましては、「ホテルアジール東京蒲田」の宿泊料等により、売上高は2億18百万円(前連結会計年度比43.2%増)、セグメント利益は31百万円(前連結会計年度はセグメント損失8百万円)となりました。
これは、国内旅行需要の回復及びインバウンドの増加等を背景に、前連結会計年度に比べて大幅に客室単価及び客室稼働率が上昇したことによるものであります。
当連結会計年度末における財政状態については、総資産が前連結会計年度末に比べ27億35百万円増加した469億72百万円、負債が前連結会計年度末に比べ28億63百万円増加した319億8百万円、純資産が前連結会計年度末に比べ1億28百万円減少した150億64百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ19億69百万円増加し、393億80百万円となりました。これは主として、都心のマンション用地について厳しい仕入環境が続く中、若手社員による好立地のプロジェクト用地購入が進んだこと、また、2024年2月29日に子会社化した株式会社ケーナインによる積極的な戸建・アパート用地等の購入により、棚卸資産が21億49百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ7億65百万円増加し、75億92百万円となりました。これは主として、収益物件等の購入により有形固定資産が9億56百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ34億60百万円増加し、138億8百万円となりました。これは主として、前受金が7億53百万円減少する一方で、株式会社ケーナインの子会社化により短期借入金が28億48百万円、1年内返済予定の長期借入金が9億26百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ5億96百万円減少し、180億99百万円となりました。これは主として、物件の販売に伴う長期借入金の返済が、株式会社ケーナインの子会社化による増加を上回ったことにより、長期借入金が8億41百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ1億28百万円減少し、150億64百万円となりました。これは主として、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金について、それぞれ2億62百万円増加し、利益剰余金についても、配当金支払による6億31百万円の減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益17億1百万円の計上等により10億69百万円増加した一方で、子会社による優先株式の償還により非支配株主持分が16億41百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動において資金が増加した一方、投資活動及び財務活動において資金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ6億21百万円減少の85億9百万円となりました。
これは主に、株式会社ケーナインの子会社化により営業活動によるキャッシュ・フローがプラスとなった一方で、物件の販売に伴う長期借入金の返済が用地購入に伴う長期借入れ等による収入を上回った結果、財務活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなったことによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の増加は、29億78百万円(前連結会計年度は28億36百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上及び棚卸資産が減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、81百万円(前連結会計年度は9億53百万円の減少)となりました。これは主に、株式会社ケーナインを対象とした連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が投資その他の資産の減少を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の減少は、35億17百万円(前連結会計年度は44億35百万円の増加)となりました。これは主に、物件の販売に伴う長期借入金の返済及び配当金の支払並びに連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が、自社開発用地購入に伴う長期借入れ等による収入を上回ったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは不動産事業及びホテル事業を行っており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。
c.販売実績
| セグメント名称 | 当連結会計年度 自 2023年7月1日 至 2024年6月30日 | |||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 前年同期比(%) | ||
| 不動産事業 | 不動産開発販売 | 27,115,652 | 97.0 | 38.5 |
| 不動産仕入販売 | 46,234 | 0.2 | 23.7 | |
| その他 | 585,734 | 2.0 | 18.0 | |
| 計 | 27,747,622 | 99.2 | 38.0 | |
| ホテル事業 | 218,288 | 0.8 | 43.2 | |
| 合計 | 27,965,910 | 100.0 | 38.0 | |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 自 2022年7月1日 至 2023年6月30日 | 当連結会計年度 自 2023年7月1日 至 2024年6月30日 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 東急不動産株式会社 | - | - | 8,249,688 | 29.5 |
| ケネディクス株式会社 | - | - | 7,926,863 | 28.3 |
| 株式会社PIM | 2,212,370 | 10.9 | 50,701 | 0.2 |
| M-SMYインベストメント合同会社 | 3,800,000 | 18.8 | - | - |
| 合同会社ゴールドJ | 3,800,000 | 18.8 | - | - |
| 株式会社メイクス | 3,447,404 | 17.0 | - | - |
| 株式会社GRAND CITY | 2,173,686 | 10.7 | - | - |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
当連結会計年度における売上高は、2023年12月22日に開示いたしました「通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」を上回る279億65百万円(前連結会計年度比38.0%増)となりました。
これは主に、当社グループの開発物件がワンルームマンション業界をはじめ、不動産市場において高い評価を受けていることに加え、昨今の建設業界における工事期間の長期化傾向に対して、施工業者との綿密な協議の実施等により工程管理を徹底した結果、2025年6月期に計上予定であった1棟57戸のプロジェクトについて、当連結会計年度の計上となったことによるものです。また、株式会社ケーナイン(2024年2月29日に子会社化)が高品質の戸建・テラスハウスを適正な価格で売上計上できたことによります。これらの背景には、従来から進めてきた販売先の多角化を始め、プロジェクトごとに綿密な販売戦略をたて、それを遂行したこと及び、不動産市場動向を注視し、適時適切な販売に努めたことがあります。
b.営業利益
当連結会計年度における営業利益は、27億26百万円(前連結会計年度比12.2%増)となり、業績予想数値を上回りました。
これは、主に、当社グループが創業以来、都心の都市型賃貸マンション開発を中核事業として、少人数体制を堅持しつつ、モノづくりに拘り差別化に取り組んできた結果、国内外の販売先・投資家から商品性について高く評価されたことに加え、ゼネコン各社と協議しつつ工事原価の上昇抑制に努めたこと、ホテル事業の黒字化及び株式会社ケーナインの利益が上積みされたことによります。なお、当社グループが重要指標とする売上総利益率は、16.6%(前連結会計年度比3.3ポイント減)となりました。
しかしながら、開発用地の高騰と建設資材並びに人件費の値上がりによる建築コストの上昇が続いており、今後も、売上総利益率を維持すべく、一層の営業努力が必要であると認識しております。
なお、販売費及び一般管理費は、人件費や及び不動産仲介に係る支払手数料等の増加により、前連結会計年度比2億95百万円増加しております。
c.経常利益
当連結会計年度における経常利益は、24億26百万円(前連結会計年度比13.4%増)となりました。
当社グループは、開発プロジェクトにおける開発用地資金を金融機関からの間接金融によって賄っているため、開発プロジェクトの増加及び大型化と建築工期を中心とした開発期間の長期化等により、営業外費用である支払利息が増加する傾向にあります。当連結会計年度については借入金の増加により金融関連費用は増加しておりますが、融資に関する金利等の条件は市場金利の上昇分を除けば、前連結会計年度と概ね変化なく、取引金融機関とは引き続き良好な関係を維持しており、資金調達に問題はございません。
なお、長期にわたる低金利政策は徐々に変化するものと認識しておりますが、急激な上昇が起こる可能性は低いと考えております。しかしながら、金融政策の動向や、物価の上昇や人手不足に起因する賃金上昇等、今後の経済状況や金融機関の動きについては、十分留意してまいります。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、17億1百万円(前連結会計年度比17.5%増)となりました。これは、経常利益に特別損益項目を加減し、法人税等合計及び非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いたものであります。
前連結会計年度は、特別利益は保険解約返戻金で45百万円、特別損失はゴルフ会員権評価損で5百万円でしたが、当連結会計年度は特別利益で保険解約返戻金を85百万円計上し、特別損失はありませんでした。
法人税等合計については、前連結会計年度は6億89百万円、当連結会計年度は7億99百万円でした。また、法人税等調整額は、前連結会計年度は△40百万円、当連結会計年度は△80百万円となり、利益を増加させております。なお、当社では基本的な配当方針として、親会社株主に帰属する当期純利益から法人税等調整額の影響を排除した数値の40%を配当することとしております。
非支配株主に帰属する当期純利益につきましては、2020年3月に連結子会社による優先株式を発行したことから発生したもので、当連結会計年度は32百万円が計上されております。なお、本優先株式につきましては2024年4月に償還を実施しております。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、主に都市型賃貸マンション開発事業又は戸建・テラスハウス分譲の開発販売事業を行うための事業計画に照らして、必要な資金を主に銀行からの長期借入により調達しております。長期借入金の返済期間は、事業計画における竣工・販売時期に対応して概ね1年~3年であります。一時的な余資は主として安全性の高い金融資産(銀行預金)にて運用しております。
b.経営資源の配分に関する考え方
資金の流動性における最大の項目である現金及び預金については、当社は過去のリーマンショックの経験から、東京23区、駅徒歩10分以内という当社開発用地における土地価格の下落率を最大35%と想定し、毎月の用地購入から売買契約締結前の棚卸不動産総額の35%を確保するとともに、2年分の固定経費を保持することを目安としております。
c.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要の主なものは、不動産開発販売事業における開発用地の取得及び建築工事代金等のプロジェクト資金であります。資金調達につきましては、各プロジェクトや物件ごとに取引金融機関より調達しており、調達コストの低減に留意しつつ、借入金並びに現金及び預金の残高を検討材料としております。
d.資金調達
当社グループは、事業活動の維持及び将来の成長のために必要な資金について、安定的かつ機動的に確保することに努めております。
当社グループは、資金調達に際して、特定の金融機関に依存することなく、多数の金融機関と良好な関係を構築する一方で、新たな金融機関との取引開始による間接金融の拡大、エクイティ等の直接金融での資金調達を実施し、資金調達の円滑化と多様化に努めております。また、主要な取引金融機関とは良好な取引関係を長期にわたり維持しており、必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題ないと認識しております。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況
当社グループは大規模な経済変動に耐え得る企業であるために、これまでキャッシュポジションの重要性を常に認識し、財務体質を強化してまいりました。
当社のビジネスモデルは、少人数かつアウトソーシングの活用を前提に、都心23区駅徒歩10分圏内に都市型賃貸マンションの開発・1棟販売するというものでありますが、昨今の都心土地価格高騰とプロジェクト用地の取得競争激化、さらには工事原価の上昇等の厳しい経営環境において「持続的成長」を展望するためには、事業領域の拡大が必要と考えております。これまでも、東京都心以外の地域での開発や戸建・マンション分譲販売、ホテル事業や戸数100戸を超える大規模プロジェクト等に挑戦してまいりましたが、2024年2月29日に株式会社ケーナインをM&Aで子会社化する等、着実に持続的成長並びに企業価値の向上に資する投資を進めてまいります。
なお、当社の経営方針・経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標は売上総利益率であります。当連結会計年度の売上総利益率は、「② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.営業利益」に記載のとおり、前連結会計年度を3.3ポイント下回る16.6%となりました。これは、工事原価の上昇やM&A等による影響もありますが、引き続き売上総利益率の維持向上に努めてまいります。
当連結会計年度の実績値は、売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益のいずれについても、2023年12月22日に開示いたしました「通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」を上回ることができました。
当連結会計年度における予想数値に対する実績の状況を示すと、次のとおりであります。
| 項目 | 売上高 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 経常利益 (百万円) | 親会社株主に 帰属する 当期純利益 (百万円) | 1株当たり 当期純利益 (円) |
| 予想数値 (A) | 27,000 | 2,550 | 2,300 | 1,550 | 49.73 |
| 実績値 (B) | 27,965 | 2,726 | 2,426 | 1,701 | 54.15 |
| 差額 (B)-(A) | 965 | 176 | 126 | 151 | 4.42 |
| 予想比 (%) (B)/(A) | 103.6 | 106.9 | 105.5 | 109.7 | 108.9 |
2024年6月期につきましては、都市型賃貸マンション販売についての販売計画は651戸でしたが、実績は712戸と予定を上回りました。