有価証券報告書-第108期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 17:06
【資料】
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【項目】
135項目
(業績等の概要)
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資や個人消費といった国内需要の増加基調がつづいていたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などからリーマンショックを上回る厳しい景気状況となっている。また、道内経済においても、景気は緩やかに拡大していたが、新型コロナウイルス感染症拡大などの影響により、観光は急速に悪化しており、住宅投資は弱めの動きとなっている。
運輸業では、主たる営業基盤である札幌市南区における人口減少や乗務員不足という厳しい事業環境の中、利用実態に即したダイヤ編成や運行効率化によるコスト削減に努めた。また、高まる観光需要に対応すべく、旅行代理店と提携し、ハイグレードな貸切バスで道内の人気スポットを巡るバスツアーを企画・運行したほか、市内中心部と定山渓エリアを結ぶ直行便「かっぱライナー号」の運賃改定を行うなど、収益性の向上に努めた。新型コロナウイルス感染症拡大の影響による大幅な利用者減少により、前連結会計年度比で減収となったものの、営業費用および設備投資の抑制により増益となった。
不動産業では、2019年暦年の札幌市内分譲マンション市況は、消費税増税により販売価格が上昇したため、期分け分譲による販売戸数の調整や販売時期が延期され、新規販売戸数は1,333戸(前連結会計年度比20.5%減)、年間成約戸数1,411戸(同21.1%減)となった。
このような市場環境の中、分譲業では「アイム山鼻市電通リベルテ」、「アイム山鼻市電通フィエルテ」で原価圧縮により適正な販売価格を実現し、20戸の引渡しをした。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高が9,960,023千円(同1.5%増)、営業利益は662,984千円(同4.3%増)、経常利益は659,076千円(同8.2%増)となった。また、親会社株主に帰属する当期純利益では、435,473千円(同4.5%減)となった。
また、セグメントの業績は次のとおりである。
① 運輸業
乗合業では、上期においては訪日外国人をはじめとする観光客の増加や「かっぱライナー号」の運賃改定効果、さらには札幌ドーム・真駒内セキスイハイムアリーナでのイベント輸送も増加し、乗合営業収入は前連結会計年度比3.4%増と好調に推移した。しかしながら、消費税増税後の出控えや日韓摩擦の高まりによる訪日韓国人の減少、さらには新型コロナウイルス感染症拡大により、利用客は大きく減少し、通期の乗合営業収入は2,649,615千円(同2.7%減)となった。また、貸切業では、旅行代理店との提携による新規バスツアーの運行や観光貸切の受注増により、新型コロナウイルス感染症拡大の影響はあったものの、貸切営業収入は121,323千円(同12.2%増)となった。
以上の結果、札幌市路線維持補助金およびその他雑収入を加えた運輸業の売上高は2,948,928千円(同2.2%減)となった。これに対する営業費用は、主に運行効率化による要員数・人件費の減少および設備投資の抑制による減価償却費の減少により2,837,005千円(同3.3%減)、営業利益は111,923千円(同33.0%増)となった。
② 不動産業
分譲業では、札幌市内の地価および建築費の高騰に伴う新規販売価格の高値が続く事業環境の中、前連結会計年度に販売を開始した「アイム山鼻市電通リベルテ」に加え、当連結会計年度に販売を開始した「アイム山鼻市電通フィエルテ」の販売に努めた。その結果、「アイム山鼻市電通リベルテ」15戸、「アイム山鼻市電通フィエルテ」5戸の合計20戸の売上を計上した。
賃貸業では、札幌市内の新築賃貸住宅の需要が高く、築年数の古い物件はより一層苦戦を強いられている。このような状況の中、当社既存賃貸物件12棟は、空室の早期成約に努め、高稼働を維持することができた。また、賃貸業の拡充として、「ドエル豊平7条」(31戸)を取得し、さらには北4条西3丁目に所在する複合商業ビル「aune札幌駅前」の信託受益権の一部を取得した。
建設業の住宅リフォーム業では、消費税増税後の消費の落ち込みに加えて、新型コロナウイルス感染症拡大により、消費マインドが低下しており、需要の低下がみられる市場環境の中、受注件数が前年を下回るとともに、大型工事の受注に苦戦し、前連結会計年度比で減収となるものの、営業費用の抑制により増益となった。
以上の結果、不動産業の売上高は2,119,620千円(同10.2%増)、営業費用は1,673,176千円(同16.7%増)、営業利益は446,444千円(同9.0%減)となった。
③ 小売業
小売業の新千歳空港売店では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2月以降空港利用客数が減少し、来店客数も大きく減少したものの、期首からインバウンドを中心に増加した観光客の取り込みに努めた結果、前連結会計年度比で増収となった。
店舗販売以外では、カタログ販売や農産物の斡旋販売で、グループのスケールメリットを活かした営業を展開し、収益の拡大に努めた。
以上の結果、小売業の売上高は1,046,835千円(同0.0%増)、営業費用は1,023,863千円(同0.6%減)、営業利益は22,972千円(同40.2%増)となった。
④ サービス業
警備業や施設管理業では、官公庁入札は苦戦を強いられたものの、既存物件の条件改定や民間の新規受注などに努めた。この結果、サービス業の売上高は3,102,609千円(同0.1%増)、営業費用は3,021,166千円(同1.3%減)、営業利益は81,443千円(同103.5%増)となった。
⑤ その他業
介護業は、主力のグループホーム事業において、未契約や入院による空室の増加により、稼働率が低下した。
この結果、その他業の営業収益は837,334千円(同0.8%減)、営業費用は837,492千円(同0.1%減)、営業損失158千円(前期は5,144千円の営業利益)となった。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は524,691千円となり、前連結会計年度に比べて72,127千円の増加となった。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益634,732千円に、減価償却費480,603千円、たな卸資産、売上債権及び仕入債務の増減等を調整した結果、274,615千円の支出となった。前連結会計年度に比べて646,415千円減少した主な要因は、たな卸資産の増加である。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等により1,267,731千円の支出となった。また、前連結会計年度に比べて1,874,073千円減少した主な要因は、貸付金の回収による収入の減少である。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増加等により、1,614,473千円の収入となった。また、前連結会計年度に比べて2,581,736千円増加した主な要因は、借入金の増加である。
(3) 財政状態の状況
当連結会計年度における総資産は、18,007,546千円となり、前連結会計年度に比べて2,192,542千円増加した。
① 流動資産
当連結会計年度における流動資産は、3,326,601千円であり、前連結会計年度と比較して1,131,481千円増加した。増加の主な要因は、たな卸資産の増加である。
② 固定資産
当連結会計年度における固定資産は、14,680,945千円であり、前連結会計年度と比較して1,061,061千円増加した。増加の主な要因は、設備投資による有形固定資産の増加である。
③ 流動負債
当連結会計年度における流動負債は、4,060,550千円であり、前連結会計年度と比較して431,687千円増加した。増加の主な要因は、借入による短期借入金の増加である。
④ 固定負債
当連結会計年度における固定負債は、3,739,409千円であり、前連結会計年度と比較して1,356,751千円増加した。増加の主な要因は、借入による長期借入金の増加である。
⑤ 純資産
当連結会計年度における純資産は、10,207,587千円であり、前連結会計年度と比較して404,104千円増加した。増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加である。
(生産、受注及び販売の状況)
当社グループは運輸業及びサービス業を主体とする事業を行っているため、受注、生産の状況については記載を省略する。なお、販売の状況については、前述の「(業績等の概要)」に記載している。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析、検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容である。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月25日)現在において当社グループが判断したものである。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されている。これらの連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とする。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 ― 1 連結財務諸表等 ―(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているが、特に以下の事項は経営者の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えている。
なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況― 1 連結財務諸表等 ―(追加情報)」に記載している。
① たな卸資産の評価基準
たな卸資産は、「棚卸資産の評価に関する会計基準」を適用している。このため当社グループの販売するたな卸資産のうち、特に販売用不動産は、経済情勢や不動産市況の悪化等により、売却価額の下落や販促費等の費用が増加した場合、簿価切下げに伴う損失が計上される可能性がある。
② 繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっている。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性がある。
③ 固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しているが、固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、減損処理が必要となる可能性がある。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの経営成績は、当連結会計年度において連結売上高は9,960,023千円、営業利益662,984千円、経常利益は659,076千円となっており、前連結会計年度と比較し、連結売上高は1.5%増収、営業利益は4.3%増益、経常利益は8.2%増益となった。前連結会計年度と比較して増収増益となった主な要因は、分譲マンションの販売戸数の増加ならびに新規取得賃貸物件の通年稼働である。
(3) キャッシュ・フローの状況、資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 財政状態
当連結会計年度末の財政状態は、資産合計18,007,546千円(前連結会計年度末比2,192,542千円増)、負債合計7,799,959千円(同1,788,438千円増)、純資産合計は、10,207,587千円(同404,104千円増)となった。資産および負債の増加の主な要因は、固定資産の取得、並びに借入による借入金の増加である。純資産の増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、利益剰余金が増加したことである。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フロー274,615千円の支出に対して、投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得等により1,267,731千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては、借入金の増加等により1,614,473千円の収入となった。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の増加額は、72,127千円となり、期首残高を加えた現金及び現金同等物の期末残高は、524,691千円となった。
なお、詳細は前述の「(業績等の概要)」に記載している。
当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達は可能であると考える。
(4) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、グループの総合力を最大限発揮し連結収益の最大化を目指すべく、2018年度を始期とする中期経営計画を策定し、本計画の目標達成に努めた。
当連結会計年度の業績は、新型コロナウイルス感染症拡大による運輸業ならびに小売業への影響、コストの増加などにより、目標とした利益を下回った。
今後は、本計画に則り、外部環境の変化に対応するための事業基盤強化と収益性の向上を図っていく。
運輸業においては、輸送の安全を最優先に「運輸安全マネジメント制度」を活用し、全社を挙げて安全運行に努めるともに不足する運転士及び整備士の雇用確保や働き方改革を含めた雇用対策に努めていく。
不動産業においては、分譲業では情報収集の強化により適正価格でのマンション用地確保に努め、賃貸業では既存物件の高稼働を維持するとともに、優良な収益物件を取得し、事業基盤の強化を図っていく。
小売業においては、新千歳空港店のお客様満足を追求し、魅力ある商品とサービスの提供に取り組んでいく。
また、サービス業、その他業においても、同業他社との競争が厳しさを増す中で、営業力を強化するとともにグループ間連携をこれまで以上に推進し、継続して安定的な経営基盤の確立に努める方針である。
なお、事業別の問題意識と今後の方針については、前述の「第2 事業の状況 ― 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりである。

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