四半期報告書-第30期第2四半期(平成28年7月1日-平成28年9月30日)
有報資料
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境などが改善し、緩やかな回復傾向が続きました。このような状況の中、当社、連結子会社および持分法適用関連会社は、「グループ経営構想Ⅴ ~限りなき前進~」のもと、鉄道事業や生活サービス事業、Suica事業を中心に様々な施策を着実に展開しました。
この結果、定期収入を中心に当社の運輸収入が増加したことなどにより、当第2四半期連結累計期間の営業収益は前年同期比1.0%増の1,435,158百万円となりました。しかし、新幹線鉄道大規模改修引当金繰入などに伴い当社の営業費用が増加したことにより、営業利益は前年同期比5.0%減の277,644百万円、経常利益は前年同期比4.9%減の244,957百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比1.5%減の164,787百万円となりました。
重点課題と位置づけている「安全・安定輸送のレベルアップ」については、輸送に係る事故・事象の「再発防止」を徹底するとともに、リスク・弱点の把握による「未然防止」に取り組んでいます。具体的には、弱点克服に向けて関係する設備の強化を進めたほか、訓練センターや技能教習所においてより実践的な安全教育・訓練を実施し、社員の安全意識の向上を図りました。また、グループ会社等との人事交流を拡大するとともに、パートナー会社との協働により鉄道工事における安全マネジメントの定着に努め、グループ全体での技術力の向上に取り組みました。さらに、安定した輸送サービスの提供に努め、特に輸送障害発生時においては、影響拡大防止や早期運転再開、迅速なお客さま対応などの取組みを進めました。
また、インバウンド戦略については、当社グループ全体での商品の充実や受入態勢の整備に取り組みました。具体的には、平成28年4月に北陸新幹線も利用可能な「東京・大阪『北陸アーチパス』」や、北海道新幹線も利用可能な「JR東日本-南北海道レールパス」を発売しました。あわせて、平成28年8月には東北エリア向け新商品「TOHOKU BUFFET(東北ブッフェ)」を発売し、訪日旅行商品ブランド「東日本鉄道ホリデー」のラインナップを拡充しました。また、訪日旅行に関する情報発信やサポートを目的に、平成28年11月の「JAPAN RAIL CAFE」(シンガポール)開業に向けて準備を進めました。さらに、首都圏エリアにおいて、駅名標の4ヵ国語表記や、路線記号と駅番号を組み合わせて表示する駅ナンバリングの導入を順次開始しました。加えて、「JR東日本訪日旅行センター」について、東京駅で平成28年6月に窓口を拡充するとともに、池袋駅での平成28年10月からの開設に向けて準備を進めました。そのほか、神田駅等周辺において、訪日旅行者が低廉な価格で長期滞在できる宿泊施設の開発に着手しました。
さらに、品川駅・田町駅周辺エリアについて、当社の車両基地から生み出される用地を活用し、国際的に魅力のある交流拠点の創出をめざしています。平成28年4月に国家戦略特別区域の区域計画として認定されたことを踏まえ、国・東京都・関係区等と引き続き連携しながら、2020年暫定開業に向けた品川新駅(仮称)の設計など、まちづくりに向けた手続きを進めています。
なお、当社は、平成28年6月に公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と「東京2020オフィシャルパートナー(旅客鉄道輸送サービス)」契約を締結し、果たすべき役割を「JR東日本2020Project」として公表しました。これを踏まえ、円滑な大会運営の支援や大会開催の気運醸成に向けて取り組みました。あわせて、当社グループが一丸となって質の高いサービスの提供に取り組んでいくため、コミュニケーションスローガン「TICKET TO TOMORROW ~未来のキップを、すべてのひとに。~」の検討を進めました。
加えて、「地方創生」については、観光振興、地域産業活性化および地方中核駅を中心としたまちづくりなどに取り組みました。具体的には、平成29年5月から運転開始予定のクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島(トランスイート しきしま)」について、運行日程・ルートの詳細を公表し、旅行商品のお申込みを受け付けました。また、農林漁業の「6次産業化」の取組みとして、株式会社JRとまとランドいわきファームで生産したトマトを出荷するとともに、株式会社JR新潟ファームにおいて日本酒の原料に適した米を生産しました。さらに、秋田県、秋田市および当社の三者で締結した「地方創生に向けたコンパクトなまちづくりに関する連携協定」を踏まえ、秋田駅の観光拠点整備および西口駐車場建替えについて、平成28年7月に工事着手しました。
そのほか、海外鉄道プロジェクトへの参画については、都市鉄道「パープルライン」(タイ・バンコク)が平成28年8月に開業し、子会社の株式会社総合車両製作所が製造したステンレス車両「sustina(サスティナ)」の運行が開始されました。また、他社との共同出資により設立した現地法人が、鉄道システムのメンテナンス業務を開始しました。さらに、インド高速鉄道について、平成28年3月に子会社の日本コンサルタンツ株式会社が「インド国高速鉄道に係る制度整備支援プロジェクト」を独立行政法人国際協力機構(JICA)から受注し、高速鉄道の技術基準策定に関するコンサルティングに着手しました。当社も新幹線オペレーターとしての経験を活かし、技術的な支援を行いました。加えて、今後のグローバル展開を担う人材の育成に向け、「グローバル人材育成プログラム Ever Onward」を推進しました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 運輸業
運輸業においては、鉄道事業を中心に、安全・安定輸送の確保とお客さま満足の向上を前提として、鉄道ネットワークの利用促進策の展開などにより収入確保に努めました。
安全面では、第6次安全5ヵ年計画「グループ安全計画2018」に基づく施策を着実に実施しました。首都直下地震等を想定し、平成24年度から平成28年度を重点整備期間とする総額3,000億円の耐震補強対策等を着実に進めました。また、ホームドアについては、山手線品川駅で平成28年8月に使用開始するとともに、京浜東北線赤羽駅など6駅で設置工事に着手しました。あわせて、工期短縮やコストダウンに向け、新しい形式のホームドアを横浜線町田駅に試行導入する準備を進めました。さらに、踏切事故防止などの対策を推進したほか、保守作業員の安全性向上を目的として、GPSを活用した列車接近警報装置を平成28年4月に八高線および飯山線で使用開始しました。
サービス品質面では、「サービス品質改革中期ビジョン2017」のもと、「顧客満足度 鉄道業界No.1」の実現に向けた施策を推進しました。直通ネットワーク拡充を踏まえ、輸送障害発生時の折返し運転の拡大など、輸送品質向上に取り組みました。また、「JR東日本アプリ」については、アクセス集中時等の表示方法を改善し、当第2四半期連結会計期間末の累計ダウンロード数は約213万件となりました。さらに、トンネル内における携帯電話不通区間の解消に関係各社等と共同で取り組み、北陸新幹線高崎・安中榛名間、東北新幹線いわて沼宮内・二戸(手前)間および横須賀線東京・品川間においてご利用いただける環境を整備しました。加えて、関係各社等と共同でエスカレーターの安全な利用を呼びかける「みんなで手すりにつかまろう」キャンペーンを展開するとともに、「やめましょう、歩きスマホ。」キャンペーンの準備を進めました。そのほか、お困りのお客さまにお声かけする「声かけ・サポート」運動を実施しました。
営業面では、地域間の交流人口拡大を目的として、「青森県・函館デスティネーションキャンペーン」や「行くぜ、東北。」キャンペーン等を展開しました。また、西日本旅客鉄道株式会社と連携し、平成28年10月からの「美味しさ五ツ星。北陸新幹線キャンペーン」や、平成28年11月に仙台・金沢間を直通運行する旅行商品専用新幹線の準備を進めました。さらに、平成28年4月から越後湯沢・新潟間においてアートカフェ新幹線「GENBI SHINKANSEN(現美新幹線)」を運行しました。加えて、平成28年7月から小田原・伊豆急下田間において、伊豆急行株式会社との連携によりリゾート列車「IZU CRAILE(伊豆クレイル)」の運行を開始しました。そのほか、列車と宿泊施設を自由に組み合わせることができる価格変動型旅行商品「JR東日本ダイナミックレールパック」について、平成28年4月より1名様からのお申込みを可能としました。
Suicaについては、iPhone7等により決済サービス「Apple Pay」で利用できるよう準備を進めました。また、「モバイルSuica10周年キャンペーン」を展開するなど、さらなる利用促進に取り組みました。なお、Suicaの発行枚数は、当第2四半期連結会計期間末で約6,144万枚となりました。
この結果、当社の鉄道事業の輸送人員は前年同期を上回り、当第2四半期連結累計期間の売上高は前年同期比0.4%増の1,015,081百万円となりましたが、新幹線鉄道大規模改修引当金繰入などに伴い営業費用が増加したことにより、営業利益は前年同期比6.3%減の209,914百万円となりました。
東日本大震災により甚大な被害を受けた太平洋沿岸線区の復旧については、地域全体の復興やまちづくりの計画策定と一体となって進めるべく、国や関係自治体との協議を実施しています。山田線宮古・釜石間では、三陸鉄道株式会社による南北リアス線との一体運営に向けて復旧工事を進めました。また、気仙沼線・大船渡線の仮復旧区間については、全ての沿線自治体とBRTによる本格復旧で合意したことを踏まえ、今後のサービス改善等について協議を行いました。さらに、常磐線相馬・浜吉田間では平成28年12月の運転再開をめざして、復旧工事を進めました。
福島第一原子力発電所20km圏内の方針としては、避難指示解除準備区域では、沿線地域の除染や住民帰還に向けた準備開始など必要な環境整備について国・自治体の協力をいただき、運転再開の準備を進めることとしています。その方針に基づき、常磐線小高・原ノ町間で平成28年7月に運転を再開するとともに、浪江・小高間は平成29年春、竜田・富岡間は平成29年末までの運転再開に向けて、復旧工事を進めました。また、帰還困難区域では、被災施設の復旧と合わせ、国・自治体の支援・協力のもと、通行に必要な除染や異常時の利用者の安全確保対策の完了後に開通させることをめざしており、平成31年度末までの常磐線富岡・浪江間の運転再開に向けて、復旧工事を進めました。
② 駅スペース活用事業
駅スペース活用事業では、新宿駅新南エリアにおいて「NEWoMan(ニュウマン)(第2期)」(東京)を平成28年4月に開業しました。また、東京駅の丸の内地下エリアに新設する「グランスタ丸の内」(東京)および「グランスタ」(東京)増床エリアについて、平成28年7月に第1期が開業しました。さらに、コンビニエンスストア「NewDays(ニューデイズ)」の新デザイン店舗や、駅売店「KIOSK(キオスク)」の新型ショップ「NewDays KIOSK」の展開を継続しました。加えて、日本各地の名所・名物を再現したカプセルフィギュア「LuckyDrop(ラッキードロップ)」の新シリーズを発売しました。そのほか、平成28年11月の「ペリエ千葉エキナカ」(千葉)の開業に向けて工事を進めました。
これに加え、仙台駅等の店舗の売上が好調であったものの、工事支障による閉店の影響などにより、当第2四半期連結累計期間の売上高は前年同期比0.3%減の208,822百万円となり、営業利益は前年同期比10.7%減の16,927百万円となりました。
③ ショッピング・オフィス事業
ショッピング・オフィス事業においては、当社グループ共通の「JRE POINT(ジェイアールイー・ポイント)」について、平成28年9月に「ラスカ茅ヶ崎」(神奈川)においてご利用可能とするなど、首都圏を中心とした駅ビル40館に順次拡大しました。また、平成28年4月に「アトレ恵比寿西館」(東京)および「nonowa国立WEST」(東京)、平成28年6月に「nonowa武蔵境EAST」(東京)、平成28年9月に「JEBL秋葉原スクエア」(東京)をそれぞれ開業しました。さらに、平成28年11月開業予定の「ラスカ熱海」(静岡)、平成31年度完成予定の渋谷駅街区開発計画Ⅰ期(東棟)および平成32年開業予定の横浜駅西口開発ビル(仮称)の建設工事を進めました。
これに加え、「JR新宿ミライナタワー」(東京)、「NEWoMan(第1期)」(東京)および「エスパル仙台東館」(宮城)の増収などにより、当第2四半期連結累計期間の売上高は前年同期比3.9%増の135,815百万円となりましたが、開業に伴う費用が増加したことなどにより、営業利益は前年同期比0.1%減の38,325百万円となりました。
④ その他
ホテル業では、「ホテルメトロポリタン仙台イースト」(宮城)およびホテルドリームゲート舞浜別館(仮称)の建設工事を進めました。また、既存ホテルの競争力強化をめざし、平成28年12月の開業に向けて「ホテルメッツ渋谷」(東京)のリニューアルに取り組みました。広告代理業では、他の鉄道事業者も含めた全ての対象路線で中吊り広告を同時展開できる「首都圏11社局中づりドリームネットワークセット」の販売促進に努めました。
クレジットカード事業では、首都圏8駅で海外発行カード専用キャッシュディスペンサーの設置に着手し、平成28年9月に新宿駅および上野駅でサービスを開始しました。Suica電子マネーについては、「Suicaポイントクラブ」をより便利にご利用いただくため、平成28年7月から「Suicaポイントアプリ」の配信を開始しました。また、広域展開するチェーン店への導入を進めるなど、引き続き加盟店開拓に積極的に取り組みました。その結果、Suica電子マネーが利用可能な店舗等の数は、当第2四半期連結会計期間末で約36万店舗となりました。
このほか、「HAPPY CHILD PROJECT(ハッピーチャイルドプロジェクト)」の一環として、子育て支援と高齢者福祉の複合施設「COTONIOR(コトニア)西船橋」(千葉)を平成28年4月に開業しました。また、駅ビル内などにおいて子育て支援施設の整備を進め、当第2四半期連結会計期間末で累計96箇所となりました。
これに加え、広告代理業、クレジットカード事業の売上が増加したことなどにより、当第2四半期連結累計期間の売上高は前年同期比3.4%増の277,579百万円となり、営業利益は前年同期比15.7%増の11,744百万円となりました。
(注)1 当社は、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」(企業会計基準第17号 平成22年6月30日)および「セグメント情報等の開示に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第20号 平成20年3月21日)におけるセグメント利益について、各セグメントの営業利益としております。
2 「iPhone」および「Apple Pay」はApple Inc.の登録商標です。
(参考)
当社の鉄道事業の営業実績
① 輸送実績
(注) 1 輸送人員および輸送人キロについては、従来発売日を基に算出しておりましたが、第1四半期累計期間より、有効期間開始日を基にした算出方法に変更しております。
2 「関東圏」とは、当社東京支社、横浜支社、八王子支社、大宮支社、高崎支社、水戸支社および千葉支社管内の範囲であります。
② 収入実績
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローについては、法人税等の支払額が増加したことなどにより、流入額は前年同期に比べ16,977百万円減の281,262百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローについては、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、流出額は前年同期に比べ27,856百万円増の302,093百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローについては、流出額は前年同期に比べ5,145百万円減の70,280百万円となりました。
なお、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ91,110百万円減の216,698百万円となりました。
また、当第2四半期連結会計期間末の有利子負債残高は3,231,607百万円となりました。
(3) 事業上および財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題について、重要な変更はありません。
① 今後の経営環境の変化
わが国の経済情勢は、雇用や所得環境の改善傾向が続く中、各種政策の効果もあり、緩やかな回復に向かうことが期待されます。中長期的には、より一層の人口減少や高齢化、都市圏への人口集中が見込まれるとともに、技術革新やグローバル化の進展、インバウンド需要の拡大なども想定されます。
また、当社グループにおいても、会社発足30年の節目を目前に控え、社員の世代交代の進展や鉄道ネットワークの拡充など、様々な変化に直面しております。
このような経営環境の変化に適切に対応していくため、当社グループは、平成24年10月に「グループ経営構想Ⅴ ~限りなき前進~」を策定し、「地域に生きる。世界に伸びる。」という経営の方向性を定めました。お客さまや地域の皆さまから期待されている「変わらぬ使命」を果たすとともに、「無限の可能性の追求」に向けて、日々挑戦を続けております。さらに、「グループ経営構想Ⅴ」の実現に向けた取組みを加速させるため、特に力を込めて推進する項目である「今後の重点取組み事項」について、毎年、進捗状況を確認し、施策を更新しており、平成28年10月には、次の3つを「横断的な重点課題」として設定しております。
◇ 安全・安定輸送のレベルアップ
当社グループは、鉄道のシステムチェンジ、「水平分業」の深度化、急速な世代交代の進展など、社内外で新たな「変化点」に直面していることを踏まえ、関係設備の強化や安全教育・訓練の見直しなどにより、課題を主体的に解決していきます。
◇ 収益力向上への挑戦
北海道新幹線開業による鉄道ネットワーク拡充やJR新宿ミライナタワー開業などの実現を踏まえ、当社グループがお客さまに提供する「付加価値」をさらに高めることにより、営業収益の最大化に挑戦していきます。
◇ 「TICKET TO TOMORROW ~未来のキップを、すべてのひとに。~」の推進
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、「JR東日本2020Project」を着実に推進します。コミュニケーションスローガン「TICKET TO TOMORROW」のもと、当社グループが一丸となって質の高いサービスを提供することにより、お客さまのご期待に応え、2020年以降の社会に「レガシー」を引き継いでいきます。
② 中長期的な経営戦略「グループ経営構想Ⅴ ~限りなき前進~」
当社グループは、安全・安定輸送などの「変わらぬ使命」を果たし続けること、そして「無限の可能性の追求」により持続的成長をめざすことを経営の重要な柱と位置づけ、以下の6つの基本的な方向性を掲げております。
[変わらぬ使命]
a 「究極の安全」に向けて
b サービス品質の改革
c 地域との連携強化
[無限の可能性の追求]
a 技術革新
b 新たな事業領域への挑戦
c 人を伸ばし、人を活かす企業風土づくり
③ 「今後の重点取組み事項」
「グループ経営構想Ⅴ」の実現に向けた取組みを加速させるため、3つの「横断的な重点課題」を踏まえ、6つの基本的な方向性に沿って「今後の重点取組み事項」の更新を行いました。
[変わらぬ使命]
a きわめる~ 「究極の安全」に向けて
○ 「グループ安全計画2018」の推進
・ 「再発防止」策の徹底と弱点の把握による「未然防止」
・ より実践的な内容への安全教育・訓練の見直し
・ パートナー会社との協働によるグループ全体での技術力向上
・ 新幹線設備・車両および首都圏電気設備の強化
・ 積極的なホームドア整備など、ホーム上における安全対策の推進
○ 強靭な鉄道づくり
・ 耐震補強対策について平成28年度末までに計画の約8割を完了見込み
・ 新幹線大規模改修や東北新幹線のレール交換など、老朽設備の適切な更新
b みがく~ サービス品質の改革
○ 「サービス品質改革中期ビジョン2017」の推進
・ 自然災害対策の推進や設備故障防止などによる輸送障害の発生防止
・ 輸送障害発生時の影響拡大防止、早期運転再開および迅速なお客さま対応
・ 「声かけ・サポート」運動実施など、情報提供・サポートの充実
・ バリアフリー整備をはじめとした駅改良など、「JR東日本2020Project」の推進
○ 鉄道ネットワークの利用促進(キャンペーン展開による観光需要の創出など)
c ともにいきる~ 地域との連携強化
○ 「3つのまちづくり」の着実な推進
・ 品川新駅(仮称)および品川駅を中心としたまちづくり計画の推進などによるターミナル駅における利便性の向上およびブランドの確立
・ 既存店舗リニューアル等による「付加価値」向上
・ 「HAPPY CHILD PROJECT」推進などによる選ばれる沿線ブランドの確立
・ 秋田など地方中核駅における地方自治体等と連携したまちづくりの展開
○ 地域産業の活性化(「6次産業化」の推進など)
○ 観光立国への取組み(インバウンド需要取込みなど)
[無限の可能性の追求]
a ひらく~ 技術革新
○ 技術革新の推進
・ リスクの最小化に向けた「安全・安心」分野における保守用車ロケーションシステムの試行および突風探知システムの開発
・ 革新的なサービス提供に向けた「サービス&マーケティング」分野におけるコミュニケーションサイネージの実用化および次世代新幹線の研究開発
・ コスト構造の変革に向けた「オペレーション&メンテナンス」分野における車両、線路・電気設備のスマートメンテナンスの推進および自動運転技術・乗務員支援技術の開発
・ 鉄道エネルギーマネジメントの確立に向けた「エネルギー・環境」分野における自動省エネ列車制御のための省エネ走行パターンの開発
・ 上記4分野で技術革新を推進するためのクラウドシステムプラットフォーム構築
○ 環境戦略の推進(2030年度環境目標の達成に向けた取組みなど)
b のびる~ 新たな事業領域への挑戦
○ 海外プロジェクトへの挑戦
・ インド高速鉄道プロジェクトの推進
・ 英国フランチャイズ参画に向けた取組み強化
・ 「パープルライン」(タイ・バンコク)での質の高いメンテナンスの提供
・ インドネシアでの技術支援等の深度化
○ 生活サービス事業の海外展開(「JAPAN RAIL CAFE」(シンガポール)開業など)
c はばたく~ 人を伸ばし、人を活かす企業風土づくり
○ 社員の意欲を引き出し、さらなる成長機会を提供
・ 公募制の人事異動や研修制度の充実
・ 多様な海外派遣メニューの継続展開による企業風土のグローバル化
・ ダイバーシティの推進
○ 一体感のあるグループ経営の推進
・ 「グループストレッチ目標」の深度化
・ グループ会社を中心とした働きやすい環境の整備
○ 経営体質の強化(コンパクトでより生産性の高い業務執行体制の追求など)
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費総額は、6,380百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動について、重要な変更はありません。
(5) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第2四半期連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。
① 新設
当第2四半期連結累計期間に完了した主要な設備の新設は次のとおりであります。
② 新たな設備の計画
当第2四半期連結累計期間において、運輸業の輸送改善等として「飯田橋駅改良工事」に着手しております。当該件名の予定総額は17,255百万円であり、平成34年度に完成する予定であります。
(6) 資本の財源および資金の流動性についての分析
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは281,262百万円の流入、投資活動によるキャッシュ・フローは302,093百万円の流出、財務活動によるキャッシュ・フローは70,280百万円の流出となり、現金及び現金同等物の当第2四半期連結会計期間末残高は216,698百万円となりました。
当第2四半期連結会計期間末の有利子負債残高は、3,231,607百万円であります。
当社は、当第2四半期連結累計期間に国内において償還期限が平成38年の無担保普通社債を10,000百万円、償還期限が平成48年の無担保普通社債を10,000百万円、償還期限が平成58年の無担保普通社債を20,000百万円、償還期限が平成68年の無担保普通社債を20,000百万円発行いたしました。
また、短期資金の需要に対応するため、主要な銀行に総額330,000百万円の当座借越枠を設定しておりますが、当第2四半期連結会計期間末における当座借越残高はありません。
さらに、銀行からのコミットメント・ライン(一定の条件のもと契約内での借入れが自由にできる融資枠)を60,000百万円設定しております。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境などが改善し、緩やかな回復傾向が続きました。このような状況の中、当社、連結子会社および持分法適用関連会社は、「グループ経営構想Ⅴ ~限りなき前進~」のもと、鉄道事業や生活サービス事業、Suica事業を中心に様々な施策を着実に展開しました。
この結果、定期収入を中心に当社の運輸収入が増加したことなどにより、当第2四半期連結累計期間の営業収益は前年同期比1.0%増の1,435,158百万円となりました。しかし、新幹線鉄道大規模改修引当金繰入などに伴い当社の営業費用が増加したことにより、営業利益は前年同期比5.0%減の277,644百万円、経常利益は前年同期比4.9%減の244,957百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比1.5%減の164,787百万円となりました。
重点課題と位置づけている「安全・安定輸送のレベルアップ」については、輸送に係る事故・事象の「再発防止」を徹底するとともに、リスク・弱点の把握による「未然防止」に取り組んでいます。具体的には、弱点克服に向けて関係する設備の強化を進めたほか、訓練センターや技能教習所においてより実践的な安全教育・訓練を実施し、社員の安全意識の向上を図りました。また、グループ会社等との人事交流を拡大するとともに、パートナー会社との協働により鉄道工事における安全マネジメントの定着に努め、グループ全体での技術力の向上に取り組みました。さらに、安定した輸送サービスの提供に努め、特に輸送障害発生時においては、影響拡大防止や早期運転再開、迅速なお客さま対応などの取組みを進めました。
また、インバウンド戦略については、当社グループ全体での商品の充実や受入態勢の整備に取り組みました。具体的には、平成28年4月に北陸新幹線も利用可能な「東京・大阪『北陸アーチパス』」や、北海道新幹線も利用可能な「JR東日本-南北海道レールパス」を発売しました。あわせて、平成28年8月には東北エリア向け新商品「TOHOKU BUFFET(東北ブッフェ)」を発売し、訪日旅行商品ブランド「東日本鉄道ホリデー」のラインナップを拡充しました。また、訪日旅行に関する情報発信やサポートを目的に、平成28年11月の「JAPAN RAIL CAFE」(シンガポール)開業に向けて準備を進めました。さらに、首都圏エリアにおいて、駅名標の4ヵ国語表記や、路線記号と駅番号を組み合わせて表示する駅ナンバリングの導入を順次開始しました。加えて、「JR東日本訪日旅行センター」について、東京駅で平成28年6月に窓口を拡充するとともに、池袋駅での平成28年10月からの開設に向けて準備を進めました。そのほか、神田駅等周辺において、訪日旅行者が低廉な価格で長期滞在できる宿泊施設の開発に着手しました。
さらに、品川駅・田町駅周辺エリアについて、当社の車両基地から生み出される用地を活用し、国際的に魅力のある交流拠点の創出をめざしています。平成28年4月に国家戦略特別区域の区域計画として認定されたことを踏まえ、国・東京都・関係区等と引き続き連携しながら、2020年暫定開業に向けた品川新駅(仮称)の設計など、まちづくりに向けた手続きを進めています。
なお、当社は、平成28年6月に公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と「東京2020オフィシャルパートナー(旅客鉄道輸送サービス)」契約を締結し、果たすべき役割を「JR東日本2020Project」として公表しました。これを踏まえ、円滑な大会運営の支援や大会開催の気運醸成に向けて取り組みました。あわせて、当社グループが一丸となって質の高いサービスの提供に取り組んでいくため、コミュニケーションスローガン「TICKET TO TOMORROW ~未来のキップを、すべてのひとに。~」の検討を進めました。
加えて、「地方創生」については、観光振興、地域産業活性化および地方中核駅を中心としたまちづくりなどに取り組みました。具体的には、平成29年5月から運転開始予定のクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島(トランスイート しきしま)」について、運行日程・ルートの詳細を公表し、旅行商品のお申込みを受け付けました。また、農林漁業の「6次産業化」の取組みとして、株式会社JRとまとランドいわきファームで生産したトマトを出荷するとともに、株式会社JR新潟ファームにおいて日本酒の原料に適した米を生産しました。さらに、秋田県、秋田市および当社の三者で締結した「地方創生に向けたコンパクトなまちづくりに関する連携協定」を踏まえ、秋田駅の観光拠点整備および西口駐車場建替えについて、平成28年7月に工事着手しました。
そのほか、海外鉄道プロジェクトへの参画については、都市鉄道「パープルライン」(タイ・バンコク)が平成28年8月に開業し、子会社の株式会社総合車両製作所が製造したステンレス車両「sustina(サスティナ)」の運行が開始されました。また、他社との共同出資により設立した現地法人が、鉄道システムのメンテナンス業務を開始しました。さらに、インド高速鉄道について、平成28年3月に子会社の日本コンサルタンツ株式会社が「インド国高速鉄道に係る制度整備支援プロジェクト」を独立行政法人国際協力機構(JICA)から受注し、高速鉄道の技術基準策定に関するコンサルティングに着手しました。当社も新幹線オペレーターとしての経験を活かし、技術的な支援を行いました。加えて、今後のグローバル展開を担う人材の育成に向け、「グローバル人材育成プログラム Ever Onward」を推進しました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 運輸業
運輸業においては、鉄道事業を中心に、安全・安定輸送の確保とお客さま満足の向上を前提として、鉄道ネットワークの利用促進策の展開などにより収入確保に努めました。
安全面では、第6次安全5ヵ年計画「グループ安全計画2018」に基づく施策を着実に実施しました。首都直下地震等を想定し、平成24年度から平成28年度を重点整備期間とする総額3,000億円の耐震補強対策等を着実に進めました。また、ホームドアについては、山手線品川駅で平成28年8月に使用開始するとともに、京浜東北線赤羽駅など6駅で設置工事に着手しました。あわせて、工期短縮やコストダウンに向け、新しい形式のホームドアを横浜線町田駅に試行導入する準備を進めました。さらに、踏切事故防止などの対策を推進したほか、保守作業員の安全性向上を目的として、GPSを活用した列車接近警報装置を平成28年4月に八高線および飯山線で使用開始しました。
サービス品質面では、「サービス品質改革中期ビジョン2017」のもと、「顧客満足度 鉄道業界No.1」の実現に向けた施策を推進しました。直通ネットワーク拡充を踏まえ、輸送障害発生時の折返し運転の拡大など、輸送品質向上に取り組みました。また、「JR東日本アプリ」については、アクセス集中時等の表示方法を改善し、当第2四半期連結会計期間末の累計ダウンロード数は約213万件となりました。さらに、トンネル内における携帯電話不通区間の解消に関係各社等と共同で取り組み、北陸新幹線高崎・安中榛名間、東北新幹線いわて沼宮内・二戸(手前)間および横須賀線東京・品川間においてご利用いただける環境を整備しました。加えて、関係各社等と共同でエスカレーターの安全な利用を呼びかける「みんなで手すりにつかまろう」キャンペーンを展開するとともに、「やめましょう、歩きスマホ。」キャンペーンの準備を進めました。そのほか、お困りのお客さまにお声かけする「声かけ・サポート」運動を実施しました。
営業面では、地域間の交流人口拡大を目的として、「青森県・函館デスティネーションキャンペーン」や「行くぜ、東北。」キャンペーン等を展開しました。また、西日本旅客鉄道株式会社と連携し、平成28年10月からの「美味しさ五ツ星。北陸新幹線キャンペーン」や、平成28年11月に仙台・金沢間を直通運行する旅行商品専用新幹線の準備を進めました。さらに、平成28年4月から越後湯沢・新潟間においてアートカフェ新幹線「GENBI SHINKANSEN(現美新幹線)」を運行しました。加えて、平成28年7月から小田原・伊豆急下田間において、伊豆急行株式会社との連携によりリゾート列車「IZU CRAILE(伊豆クレイル)」の運行を開始しました。そのほか、列車と宿泊施設を自由に組み合わせることができる価格変動型旅行商品「JR東日本ダイナミックレールパック」について、平成28年4月より1名様からのお申込みを可能としました。
Suicaについては、iPhone7等により決済サービス「Apple Pay」で利用できるよう準備を進めました。また、「モバイルSuica10周年キャンペーン」を展開するなど、さらなる利用促進に取り組みました。なお、Suicaの発行枚数は、当第2四半期連結会計期間末で約6,144万枚となりました。
この結果、当社の鉄道事業の輸送人員は前年同期を上回り、当第2四半期連結累計期間の売上高は前年同期比0.4%増の1,015,081百万円となりましたが、新幹線鉄道大規模改修引当金繰入などに伴い営業費用が増加したことにより、営業利益は前年同期比6.3%減の209,914百万円となりました。
東日本大震災により甚大な被害を受けた太平洋沿岸線区の復旧については、地域全体の復興やまちづくりの計画策定と一体となって進めるべく、国や関係自治体との協議を実施しています。山田線宮古・釜石間では、三陸鉄道株式会社による南北リアス線との一体運営に向けて復旧工事を進めました。また、気仙沼線・大船渡線の仮復旧区間については、全ての沿線自治体とBRTによる本格復旧で合意したことを踏まえ、今後のサービス改善等について協議を行いました。さらに、常磐線相馬・浜吉田間では平成28年12月の運転再開をめざして、復旧工事を進めました。
福島第一原子力発電所20km圏内の方針としては、避難指示解除準備区域では、沿線地域の除染や住民帰還に向けた準備開始など必要な環境整備について国・自治体の協力をいただき、運転再開の準備を進めることとしています。その方針に基づき、常磐線小高・原ノ町間で平成28年7月に運転を再開するとともに、浪江・小高間は平成29年春、竜田・富岡間は平成29年末までの運転再開に向けて、復旧工事を進めました。また、帰還困難区域では、被災施設の復旧と合わせ、国・自治体の支援・協力のもと、通行に必要な除染や異常時の利用者の安全確保対策の完了後に開通させることをめざしており、平成31年度末までの常磐線富岡・浪江間の運転再開に向けて、復旧工事を進めました。
② 駅スペース活用事業
駅スペース活用事業では、新宿駅新南エリアにおいて「NEWoMan(ニュウマン)(第2期)」(東京)を平成28年4月に開業しました。また、東京駅の丸の内地下エリアに新設する「グランスタ丸の内」(東京)および「グランスタ」(東京)増床エリアについて、平成28年7月に第1期が開業しました。さらに、コンビニエンスストア「NewDays(ニューデイズ)」の新デザイン店舗や、駅売店「KIOSK(キオスク)」の新型ショップ「NewDays KIOSK」の展開を継続しました。加えて、日本各地の名所・名物を再現したカプセルフィギュア「LuckyDrop(ラッキードロップ)」の新シリーズを発売しました。そのほか、平成28年11月の「ペリエ千葉エキナカ」(千葉)の開業に向けて工事を進めました。
これに加え、仙台駅等の店舗の売上が好調であったものの、工事支障による閉店の影響などにより、当第2四半期連結累計期間の売上高は前年同期比0.3%減の208,822百万円となり、営業利益は前年同期比10.7%減の16,927百万円となりました。
③ ショッピング・オフィス事業
ショッピング・オフィス事業においては、当社グループ共通の「JRE POINT(ジェイアールイー・ポイント)」について、平成28年9月に「ラスカ茅ヶ崎」(神奈川)においてご利用可能とするなど、首都圏を中心とした駅ビル40館に順次拡大しました。また、平成28年4月に「アトレ恵比寿西館」(東京)および「nonowa国立WEST」(東京)、平成28年6月に「nonowa武蔵境EAST」(東京)、平成28年9月に「JEBL秋葉原スクエア」(東京)をそれぞれ開業しました。さらに、平成28年11月開業予定の「ラスカ熱海」(静岡)、平成31年度完成予定の渋谷駅街区開発計画Ⅰ期(東棟)および平成32年開業予定の横浜駅西口開発ビル(仮称)の建設工事を進めました。
これに加え、「JR新宿ミライナタワー」(東京)、「NEWoMan(第1期)」(東京)および「エスパル仙台東館」(宮城)の増収などにより、当第2四半期連結累計期間の売上高は前年同期比3.9%増の135,815百万円となりましたが、開業に伴う費用が増加したことなどにより、営業利益は前年同期比0.1%減の38,325百万円となりました。
④ その他
ホテル業では、「ホテルメトロポリタン仙台イースト」(宮城)およびホテルドリームゲート舞浜別館(仮称)の建設工事を進めました。また、既存ホテルの競争力強化をめざし、平成28年12月の開業に向けて「ホテルメッツ渋谷」(東京)のリニューアルに取り組みました。広告代理業では、他の鉄道事業者も含めた全ての対象路線で中吊り広告を同時展開できる「首都圏11社局中づりドリームネットワークセット」の販売促進に努めました。
クレジットカード事業では、首都圏8駅で海外発行カード専用キャッシュディスペンサーの設置に着手し、平成28年9月に新宿駅および上野駅でサービスを開始しました。Suica電子マネーについては、「Suicaポイントクラブ」をより便利にご利用いただくため、平成28年7月から「Suicaポイントアプリ」の配信を開始しました。また、広域展開するチェーン店への導入を進めるなど、引き続き加盟店開拓に積極的に取り組みました。その結果、Suica電子マネーが利用可能な店舗等の数は、当第2四半期連結会計期間末で約36万店舗となりました。
このほか、「HAPPY CHILD PROJECT(ハッピーチャイルドプロジェクト)」の一環として、子育て支援と高齢者福祉の複合施設「COTONIOR(コトニア)西船橋」(千葉)を平成28年4月に開業しました。また、駅ビル内などにおいて子育て支援施設の整備を進め、当第2四半期連結会計期間末で累計96箇所となりました。
これに加え、広告代理業、クレジットカード事業の売上が増加したことなどにより、当第2四半期連結累計期間の売上高は前年同期比3.4%増の277,579百万円となり、営業利益は前年同期比15.7%増の11,744百万円となりました。
(注)1 当社は、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」(企業会計基準第17号 平成22年6月30日)および「セグメント情報等の開示に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第20号 平成20年3月21日)におけるセグメント利益について、各セグメントの営業利益としております。
2 「iPhone」および「Apple Pay」はApple Inc.の登録商標です。
(参考)
当社の鉄道事業の営業実績
① 輸送実績
| 区分 | 単位 | 前第2四半期累計期間 (自 平成27年4月1日 至 平成27年9月30日) | 当第2四半期累計期間 (自 平成28年4月1日 至 平成28年9月30日) | |||
| 営業日数 | 日 | 183 | 183 | |||
| 新幹線 | キロ | 1,194.2 | 1,194.2 | |||
| 営業キロ | 在来線 | 〃 | 6,263.1 | 6,262.5 | ||
| 計 | 〃 | 7,457.3 | 7,456.7 | |||
| 定期 | 千人 | 2,003,536 | 2,005,919 | |||
| 輸送人員 | 定期外 | 〃 | 1,228,210 | 1,232,166 | ||
| 計 | 〃 | 3,231,747 | 3,238,085 | |||
| 輸 送 人 キ ロ | 定期 | 千人キロ | 883,252 | 887,288 | ||
| 新幹線 | 定期外 | 〃 | 10,966,841 | 10,879,996 | ||
| 計 | 〃 | 11,850,093 | 11,767,285 | |||
| 在来線 | 定期 | 〃 | 35,730,406 | 35,654,511 | ||
| 関東圏 | 定期外 | 〃 | 18,153,216 | 18,131,083 | ||
| 計 | 〃 | 53,883,623 | 53,785,595 | |||
| 定期 | 〃 | 1,627,240 | 1,590,102 | |||
| その他 | 定期外 | 〃 | 1,421,301 | 1,319,137 | ||
| 計 | 〃 | 3,048,542 | 2,909,239 | |||
| 定期 | 〃 | 37,357,646 | 37,244,614 | |||
| 計 | 定期外 | 〃 | 19,574,518 | 19,450,221 | ||
| 計 | 〃 | 56,932,165 | 56,694,835 | |||
| 定期 | 〃 | 38,240,899 | 38,131,903 | |||
| 合計 | 定期外 | 〃 | 30,541,359 | 30,330,217 | ||
| 計 | 〃 | 68,782,258 | 68,462,120 | |||
(注) 1 輸送人員および輸送人キロについては、従来発売日を基に算出しておりましたが、第1四半期累計期間より、有効期間開始日を基にした算出方法に変更しております。
2 「関東圏」とは、当社東京支社、横浜支社、八王子支社、大宮支社、高崎支社、水戸支社および千葉支社管内の範囲であります。
② 収入実績
| 区分 | 単位 | 前第2四半期累計期間 (自 平成27年4月1日 至 平成27年9月30日) | 当第2四半期累計期間 (自 平成28年4月1日 至 平成28年9月30日) | |||
| 旅 客 運 輸 収 入 | 定期 | 百万円 | 11,970 | 12,076 | ||
| 新幹線 | 定期外 | 〃 | 283,756 | 281,649 | ||
| 計 | 〃 | 295,726 | 293,726 | |||
| 在来線 | 定期 | 〃 | 228,955 | 230,590 | ||
| 関東圏 | 定期外 | 〃 | 354,223 | 357,946 | ||
| 計 | 〃 | 583,179 | 588,537 | |||
| 定期 | 〃 | 9,461 | 9,470 | |||
| その他 | 定期外 | 〃 | 27,238 | 26,145 | ||
| 計 | 〃 | 36,700 | 35,616 | |||
| 定期 | 〃 | 238,417 | 240,060 | |||
| 計 | 定期外 | 〃 | 381,462 | 384,092 | ||
| 計 | 〃 | 619,879 | 624,153 | |||
| 定期 | 〃 | 250,387 | 252,136 | |||
| 合計 | 定期外 | 〃 | 665,218 | 665,742 | ||
| 計 | 〃 | 915,605 | 917,879 | |||
| 荷物収入 | 〃 | 35 | 31 | |||
| 合計 | 〃 | 915,641 | 917,911 | |||
| 鉄道線路使用料収入 | 〃 | 3,432 | 2,947 | |||
| 運輸雑収 | 〃 | 81,957 | 81,872 | |||
| 収入合計 | 〃 | 1,001,031 | 1,002,731 | |||
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローについては、法人税等の支払額が増加したことなどにより、流入額は前年同期に比べ16,977百万円減の281,262百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローについては、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、流出額は前年同期に比べ27,856百万円増の302,093百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローについては、流出額は前年同期に比べ5,145百万円減の70,280百万円となりました。
なお、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ91,110百万円減の216,698百万円となりました。
また、当第2四半期連結会計期間末の有利子負債残高は3,231,607百万円となりました。
(3) 事業上および財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題について、重要な変更はありません。
① 今後の経営環境の変化
わが国の経済情勢は、雇用や所得環境の改善傾向が続く中、各種政策の効果もあり、緩やかな回復に向かうことが期待されます。中長期的には、より一層の人口減少や高齢化、都市圏への人口集中が見込まれるとともに、技術革新やグローバル化の進展、インバウンド需要の拡大なども想定されます。
また、当社グループにおいても、会社発足30年の節目を目前に控え、社員の世代交代の進展や鉄道ネットワークの拡充など、様々な変化に直面しております。
このような経営環境の変化に適切に対応していくため、当社グループは、平成24年10月に「グループ経営構想Ⅴ ~限りなき前進~」を策定し、「地域に生きる。世界に伸びる。」という経営の方向性を定めました。お客さまや地域の皆さまから期待されている「変わらぬ使命」を果たすとともに、「無限の可能性の追求」に向けて、日々挑戦を続けております。さらに、「グループ経営構想Ⅴ」の実現に向けた取組みを加速させるため、特に力を込めて推進する項目である「今後の重点取組み事項」について、毎年、進捗状況を確認し、施策を更新しており、平成28年10月には、次の3つを「横断的な重点課題」として設定しております。
◇ 安全・安定輸送のレベルアップ
当社グループは、鉄道のシステムチェンジ、「水平分業」の深度化、急速な世代交代の進展など、社内外で新たな「変化点」に直面していることを踏まえ、関係設備の強化や安全教育・訓練の見直しなどにより、課題を主体的に解決していきます。
◇ 収益力向上への挑戦
北海道新幹線開業による鉄道ネットワーク拡充やJR新宿ミライナタワー開業などの実現を踏まえ、当社グループがお客さまに提供する「付加価値」をさらに高めることにより、営業収益の最大化に挑戦していきます。
◇ 「TICKET TO TOMORROW ~未来のキップを、すべてのひとに。~」の推進
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、「JR東日本2020Project」を着実に推進します。コミュニケーションスローガン「TICKET TO TOMORROW」のもと、当社グループが一丸となって質の高いサービスを提供することにより、お客さまのご期待に応え、2020年以降の社会に「レガシー」を引き継いでいきます。
② 中長期的な経営戦略「グループ経営構想Ⅴ ~限りなき前進~」
当社グループは、安全・安定輸送などの「変わらぬ使命」を果たし続けること、そして「無限の可能性の追求」により持続的成長をめざすことを経営の重要な柱と位置づけ、以下の6つの基本的な方向性を掲げております。
[変わらぬ使命]
a 「究極の安全」に向けて
b サービス品質の改革
c 地域との連携強化
[無限の可能性の追求]
a 技術革新
b 新たな事業領域への挑戦
c 人を伸ばし、人を活かす企業風土づくり
③ 「今後の重点取組み事項」
「グループ経営構想Ⅴ」の実現に向けた取組みを加速させるため、3つの「横断的な重点課題」を踏まえ、6つの基本的な方向性に沿って「今後の重点取組み事項」の更新を行いました。
[変わらぬ使命]
a きわめる~ 「究極の安全」に向けて
○ 「グループ安全計画2018」の推進
・ 「再発防止」策の徹底と弱点の把握による「未然防止」
・ より実践的な内容への安全教育・訓練の見直し
・ パートナー会社との協働によるグループ全体での技術力向上
・ 新幹線設備・車両および首都圏電気設備の強化
・ 積極的なホームドア整備など、ホーム上における安全対策の推進
○ 強靭な鉄道づくり
・ 耐震補強対策について平成28年度末までに計画の約8割を完了見込み
・ 新幹線大規模改修や東北新幹線のレール交換など、老朽設備の適切な更新
b みがく~ サービス品質の改革
○ 「サービス品質改革中期ビジョン2017」の推進
・ 自然災害対策の推進や設備故障防止などによる輸送障害の発生防止
・ 輸送障害発生時の影響拡大防止、早期運転再開および迅速なお客さま対応
・ 「声かけ・サポート」運動実施など、情報提供・サポートの充実
・ バリアフリー整備をはじめとした駅改良など、「JR東日本2020Project」の推進
○ 鉄道ネットワークの利用促進(キャンペーン展開による観光需要の創出など)
c ともにいきる~ 地域との連携強化
○ 「3つのまちづくり」の着実な推進
・ 品川新駅(仮称)および品川駅を中心としたまちづくり計画の推進などによるターミナル駅における利便性の向上およびブランドの確立
・ 既存店舗リニューアル等による「付加価値」向上
・ 「HAPPY CHILD PROJECT」推進などによる選ばれる沿線ブランドの確立
・ 秋田など地方中核駅における地方自治体等と連携したまちづくりの展開
○ 地域産業の活性化(「6次産業化」の推進など)
○ 観光立国への取組み(インバウンド需要取込みなど)
[無限の可能性の追求]
a ひらく~ 技術革新
○ 技術革新の推進
・ リスクの最小化に向けた「安全・安心」分野における保守用車ロケーションシステムの試行および突風探知システムの開発
・ 革新的なサービス提供に向けた「サービス&マーケティング」分野におけるコミュニケーションサイネージの実用化および次世代新幹線の研究開発
・ コスト構造の変革に向けた「オペレーション&メンテナンス」分野における車両、線路・電気設備のスマートメンテナンスの推進および自動運転技術・乗務員支援技術の開発
・ 鉄道エネルギーマネジメントの確立に向けた「エネルギー・環境」分野における自動省エネ列車制御のための省エネ走行パターンの開発
・ 上記4分野で技術革新を推進するためのクラウドシステムプラットフォーム構築
○ 環境戦略の推進(2030年度環境目標の達成に向けた取組みなど)
b のびる~ 新たな事業領域への挑戦
○ 海外プロジェクトへの挑戦
・ インド高速鉄道プロジェクトの推進
・ 英国フランチャイズ参画に向けた取組み強化
・ 「パープルライン」(タイ・バンコク)での質の高いメンテナンスの提供
・ インドネシアでの技術支援等の深度化
○ 生活サービス事業の海外展開(「JAPAN RAIL CAFE」(シンガポール)開業など)
c はばたく~ 人を伸ばし、人を活かす企業風土づくり
○ 社員の意欲を引き出し、さらなる成長機会を提供
・ 公募制の人事異動や研修制度の充実
・ 多様な海外派遣メニューの継続展開による企業風土のグローバル化
・ ダイバーシティの推進
○ 一体感のあるグループ経営の推進
・ 「グループストレッチ目標」の深度化
・ グループ会社を中心とした働きやすい環境の整備
○ 経営体質の強化(コンパクトでより生産性の高い業務執行体制の追求など)
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費総額は、6,380百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動について、重要な変更はありません。
(5) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第2四半期連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。
① 新設
当第2四半期連結累計期間に完了した主要な設備の新設は次のとおりであります。
| 件名 | 総工事費(百万円) | 完了年月 |
| 運輸業 | ||
| 車両新造 | 13,209 | 平成28年9月 |
② 新たな設備の計画
当第2四半期連結累計期間において、運輸業の輸送改善等として「飯田橋駅改良工事」に着手しております。当該件名の予定総額は17,255百万円であり、平成34年度に完成する予定であります。
(6) 資本の財源および資金の流動性についての分析
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは281,262百万円の流入、投資活動によるキャッシュ・フローは302,093百万円の流出、財務活動によるキャッシュ・フローは70,280百万円の流出となり、現金及び現金同等物の当第2四半期連結会計期間末残高は216,698百万円となりました。
当第2四半期連結会計期間末の有利子負債残高は、3,231,607百万円であります。
当社は、当第2四半期連結累計期間に国内において償還期限が平成38年の無担保普通社債を10,000百万円、償還期限が平成48年の無担保普通社債を10,000百万円、償還期限が平成58年の無担保普通社債を20,000百万円、償還期限が平成68年の無担保普通社債を20,000百万円発行いたしました。
また、短期資金の需要に対応するため、主要な銀行に総額330,000百万円の当座借越枠を設定しておりますが、当第2四半期連結会計期間末における当座借越残高はありません。
さらに、銀行からのコミットメント・ライン(一定の条件のもと契約内での借入れが自由にできる融資枠)を60,000百万円設定しております。