有価証券報告書-第37期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/20 15:08
【資料】
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【項目】
175項目
②戦略
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が示すシナリオに照らした気候変動の影響や社会経済シナリオに基づき、気候変動に関連する事業へのリスクと機会を分析しました。
我が国におけるカーボンプライシング導入による費用負担の増加、また台風・洪水の発生頻度増加による被害の増加といったリスクを認識しております。一方、鉄道の環境優位性が評価され、MaaS普及等による利便性向上も通じてご利用増加の機会を得ることも分かりました。
具体的な分析内容は「JR西日本グループ統合レポート」60~62ページに記載のとおりであります。(分析は社会が気候変動に積極的な緩和策を実施し気温上昇が抑制されるケースを1.5℃シナリオ(RCP※1.9)及び2℃シナリオ(RCP2.6)として、一方、緩和策が不十分で気温上昇が抑制されないケースを4℃シナリオ(RCP8.5)として行いました。なお、定性的な分析内容は社会が気候変動に積極的な対応を実施する1.5℃シナリオ(RCP1.9)・2℃シナリオ(RCP2.6)に基づいております。)
※RCP(Representative Concentration Pathways)…代表濃度経路シナリオ
(参照URL:https://www.westjr.co.jp/company/action/csr_report/2023/pdf/report2023_18.pdf)
当社グループは、環境長期目標「JR西日本グループ ゼロカーボン2050」を策定し、その目標として、グループ全体のCO2排出量(スコープ1及びスコープ2排出量(連結))を2050年に「実質ゼロ」、その達成に向けた中間目標として、2025年度に35%削減、2030年度に50%削減(いずれも2013年度比)することを掲げております。また、サプライチェーン上の排出量となるスコープ3排出量についても、より正確な把握と削減の取り組みを推進していきます。
目標達成に向け、「長期ビジョン」及び「中期経営計画2025」における地球環境保護の取り組みとして、省エネルギー型鉄道車両の導入等による省エネルギーのさらなる推進、再生可能エネルギー由来電力の導入や次世代バイオディーゼル燃料の実装等再生可能エネルギーの活用の推進に取り組みます。併せて、MaaS等を通じた鉄道・公共交通の利便性向上や都市圏・都市間輸送における鉄道の環境優位性の訴求強化を通じて旅客輸送のモーダルシフトを推進するなど、地域・社会と連携し、社会全体の脱炭素化に取り組んでいきます。
(参照URL:https://www.westjr.co.jp/company/action/env/warming/)
今後、当社グループは、認識したリスクと機会に対して適切な対処を講じることで、社会インフラを担う企業グループとして長期持続的な企業価値向上を図りつつ、持続可能な社会の実現に貢献していきます。