有価証券報告書-第33期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/24 10:45
【資料】
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【項目】
180項目

有報資料

(1) 当社グループを取り巻く経営環境
当社グループを取り巻く経営環境は、自然災害の激甚化、人口減少に伴う市場の縮小や労働力の減少に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大により、経済活動全般が大きな影響を受け、観光のご利用減、出張の抑制等の出控えや消費の減退等、当社グループにおいても非常に厳しい状況下にあります。このような中、当社グループの商品やサービスをお客様に安全に安心してご利用いただけるよう最善を尽くしていきます。
そのためにも、直面する経営環境の変化を踏まえて、当社グループの中長期的経営戦略である「JR西日本グループ中期経営計画2022」(以下、「中計2022」)について、基幹事業である鉄道の安全性の確保を前提としつつ、改めて検証を行い、中長期的に社会インフラ企業グループとしての使命を果たしていきます。
(2) 経営の基本方針
当社グループは、鉄道を基軸とした社会インフラ企業グループとして、「企業理念」、「経営ビジョン」に「安全」が経営の根幹であることを掲げております。
「企業理念」、「経営ビジョン」の実現に向け、「中計2022」を推進し、地域の皆様と一体となって「めざす未来」である「人々が出会い、笑顔が生まれる、安全で豊かな社会」づくりに貢献します。
また、「めざす未来」の実現に向け「地域共生企業として、私たちの使命を果たす」こと、「挑戦し続ける企業となる」ことを当社グループの「ありたい姿」に掲げ、ステークホルダーの皆様を「笑顔」にできるよう、以下の価値を提供していきます。
<ステークホルダーの皆様に提供する価値>ア.「お客様」:安全、安心で、心地よく、「うれしい」と感じていただけるサービス
イ.「地域の皆様」:訪れたいまち、住みたいまちづくり
ウ.「株主の皆様」:株主価値の持続的な拡大
エ.「共に働く仲間」:働きがいと誇り
(3) 中長期的経営戦略
上記、(1)「当社グループを取り巻く経営環境」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、当社グループの中長期的経営戦略については、改めて検証を行いますが、以下、(3)「中長期的経営戦略」の全ての項目につきましては現在の「中計2022」の内容について記載しています。
「中計2022」においては、3つのグループ共通戦略と、鉄道事業、創造事業それぞれにおける戦略を推進するとともに、持続的で健全な事業運営を行うための「経営基盤づくり」を進め、JR西日本グループ全体で成長に向けて絶えず進化していきます。
① グループ共通戦略と提供する価値
ア.地域価値の向上
地域の皆様と一体となって、誰もが訪れたくなるまち、誰もが住みたくなるまちや沿線をつくります。
イ.線区価値の向上
安全で高品質な鉄道サービスと生活サービスの提供を通じて、便利で快適な暮らしを実現します。
ウ.事業価値の向上
当社グループが提供する商品、サービスの品質を高めます。
② 鉄道事業における各戦略と提供する価値
○基本戦略
ア.安全性の向上
引き続き「安全」を最重要戦略と位置づけ、組織全体で安全を確保する仕組みと安全最優先の風土の構築に取り組み、「JR西日本グループ鉄道安全考動計画2022」(以下、「安全考動計画2022」)を完遂し、重大な事故や労働災害の未然防止を実現します。
イ.CSの向上
「顧客起点の経営」により、お客様に“JR西日本ファン”になっていただくことをめざします。
ウ.生産性の向上
将来にわたり鉄道・交通サービスを持続的に提供するため、安全で高品質な鉄道サービスを、ハード、ソフト両面からの改善により、効果的に提供してまいります。
エ.人財育成と技術による変革
鉄道事業運営を支える「人財」、「技術」を伸ばすことにより、鉄道サービスの品質を高めます。
○事業戦略
ア.新幹線
高速鉄道としての安全を確かなものとし、広域鉄道ネットワークの基軸としての強みを磨き、交流人口の拡大に貢献します。
イ.近畿エリア
安心・信頼される輸送サービスと沿線開発を通じて、線区価値を向上します。
ウ.西日本各エリア
地域との対話と連携を通じて、エリアに即した事業を展開し、西日本各エリアの活性化に貢献します。
③ 創造事業における各戦略と提供する価値
○基本戦略
ア.主要事業の深耕
主要事業を基軸に沿線で「駅からはじまるまちづくり」を進め、魅力的な商品やサービスを提供し、まち全体の価値を高めます。
イ.新たな市場への進出
強みを発揮できる事業は、新たな市場への進出によりチェーン競争力を強化するとともに、持続的な成長を支える最適な事業ポートフォリオを構築していきます。
ウ.新たな事業領域への展開
地域と連携し、当社自身も参画しながら、地場産業の振興や地域資源を活かした新たな価値創造に挑戦し、地域活性化に貢献します。
エ.成長を支える基盤づくり
ICTツールや外部ノウハウの積極的な活用、事業に即した人財・組織づくりやグループ総合力を発揮するための仕組みの構築等、成長を支える基盤づくりに取り組みます。
○事業戦略
ア.物販・飲食
「生活ステーション」としての機能を強化し、日々の暮らしや旅の楽しみをサポートします。
イ.不動産賃貸・販売
「住みたい、訪れたい」まちづくりを展開し、沿線・地域の発展に貢献します。
ウ.ショッピングセンター(SC)
「モノ」や「コト」の提供を通じ、上質なライフスタイルを提案します。
エ.ホテル
多様なお客様の宿泊ニーズに応え、快適な滞在をサポートします。
④ 経営基盤づくり
ア.ESGへの取り組み
ESG(環境・社会・企業統治)の観点から重点分野を設定し、「SDGs(※)」も念頭に取り組みを進め、社会の一員としての責任を果たすとともに、長期持続的な成長をめざします。(※ 2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」において、2016~2030年までの国際目標として記載された「持続可能な開発目標」)
イ.安全と成長に資する組織づくり
安全性の向上とグループ全体での成長を実現すべく、各事業がさらに自立した経営を行うとともに、経営環境の変化に適応し、迅速に意思決定を行うことのできるグループ経営体制(カンパニー制)への移行に向けた準備を進めます。
(4) 連結設備投資計画
※「中計2022」の内容につき、改めて検証します。以下は、現在の「中計2022」の内容について記載しています。
経営の根幹である安全への投資と持続的な成長に資する投資を推進していきます。
「中計2022」期間(2018~2022)
維持更新投資
(うち安全投資)
8,100億円
(5,300億円)
成長投資4,600億円
総額1兆2,700億円

(5) 経営指標
<「中計2022」目標>※「中計2022」の内容につき、改めて検証します。以下は、現在の「中計2022」の内容について記載しています。
2022年度目標
連結営業収益1兆6,300億円
連結EBITDA4,000億円
連結ROA6%台半ば
[参考]連結ROE10%程度

(6) 資金使途の優先順位と株主還元方針
① 資金の使途の優先順位
※「中計2022」の内容につき、改めて検証します。以下は、現在の「中計2022」の内容について記載しています。
本計画における資金使途の優先順位は、ⅰ)安全・成長投資、ⅱ)株主還元、ⅲ)債務削減、とします。
「めざす未来~ありたい姿」の実現に向け、安全・成長投資を着実に行い、長期持続的な成長をめざします。
② 株主還元方針
※「中計2022」の内容につき、改めて検証します。以下は、現在の「中計2022」の内容について記載しています。
株主還元は、長期安定的に行っていくことが重要と考えています。
具体的には、2022年度において配当性向35%程度をめざし、安定配当を行います。あわせて、本計画期間累計の総還元性向40%程度を目安とし、機動的な自己株式取得も行っていきます。
また、株主の皆様との長期安定的な関係を構築するため、株主優待の充実に努めていきます。
(7) 対処すべき課題
2019年度は、「中計2022」及び「安全考動計画2022」の2年目の年として、グループ一丸となって取り組みを進めました。
グループ全体の最重要課題である基幹事業としての鉄道の安全に関し、「安全考動計画2022」の目標達成に向けて各種取り組みを進めました。お客様が死傷する鉄道人身障害事故、踏切障害事故については取り組みの効果が表れてきている一方で、労働災害については課題となる事象も発生させているほか、部内原因による輸送障害についても目標達成に向けさらなる抑え込みが必要であり、これらについて原因を深掘りし、組織として本質的な対策を迅速に実行していきます。
また、激甚化する自然災害については、2019年度も大型台風の接近・上陸等がありましたが、お客様への事前の周知と準備のもとで大きな混乱を未然に防止することを目的とした計画運休を含めて列車を止める安全確保を行いました。豪雨やそれに伴う車両等への浸水といった災害についても、引き続き必要な対策を推進していきます。
斜面防災対策等の計画的な災害対策の取り組み効果は着実に表れてきていますが、従来の想定に基づく対策では対応しきれない災害が起こりうるという認識のもと、限られた経営資源を最大限に活用して対策を講じていきます。
新型コロナウイルス感染症への対応等に関しては、1月に社長を本部長とする対策本部を立ち上げ、感染症の拡大防止に努めてきました。初期からの対応として、駅係員及び乗務員のマスク着用や従来からの列車内の換気に加え消毒を行うとともに、お客様に感染症拡大防止に向けたご協力を要請してきました。また、3月下旬以降順次、ご利用状況を踏まえ、新幹線・在来線特急列車の臨時列車を中心に列車の運休を開始しました。
さらに、緊急事態宣言の発令に伴い、当社グループ各社の多くの商業施設において、営業休止もしくは営業時間の変更を実施しました。加えて、社員の出社体制の見直し等を行いました。
引き続き、感染症の拡大防止に努めるとともに、公共交通機関としての使命を果たし、グループ全体の事業継続に万全を期していきます。あわせて、そのために必要な資金の確保に努め、今後の状況の変化に応じて適切な対策を講じていきます。
経営的には、ご利用の落ち込みが極めて大きいことに加え、回復にどの程度の期間を要するのかを見通すことが極めて困難であり、さらには社会経済構造や価値観、行動様式等の変化をもたらす可能性もあり、会社発足以来、財務面において最大の危機であると認識しています。
このような厳しい経営環境の中でも、安全を基軸とした「地域共生企業」として、地域とともにグループ一丸となってこの難局を乗り切るべく、当社グループの中長期的経営戦略を改めて検証しつつ、経営環境の変化に適応し、重要な社会インフラを担う企業グループとして、その使命を果たしていきます。
また、次期の業績予想及び配当予想につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、今後の収入動向等が極めて不透明であることから、現時点では未定とさせていただき、今後予想が可能になった段階で速やかに公表いたします。
なお、文中における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日において当社グループが判断したものであります。

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