有価証券報告書-第123期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
① 財務状態及び経営成績の状況
(財政状態)
資産合計は29,819百万円(前連結会計年度比3.1%減)となりました。これは、有形固定資産の合計が998百万円減少したこと等によるものであります。
負債合計は16,081百万円(前連結会計年度比5.1%減)となりました。これは、前受金が766百万円、長期借入金が392百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
純資産合計は13,737百万円(前連結会計年度比0.7%減)となりました。これは、その他有価証券評価差額金が32百万円、退職給付に係る調整累計額が42百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(経営成績)
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善が続き、景気は引き続き緩やかな回復基調で推移したものの、一方で米中間の貿易摩擦の長期化や中国経済の減速等、先行き不透明な状況で推移いたしました。直近においては新型コロナウィルスの世界的感染拡大が懸念され、不透明感は増大しております。
本県経済は、個人消費は底堅く、観光関連では、クルーズ船入港等に伴うインバウンドの増加と「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録効果も恒常的なポテンシャルとなる中で、主要施設入場者、宿泊者数ともに堅調に推移しました。
また、企業の設備投資は、消費税増税前の駆け込みの反動から微増傾向に留まり、公共投資も全国水準を上回る水準を維持しましたが、人手不足による設備稼働率の低下などにより、中小企業の景況感が大きく改善するには至りませんでした。
このような中、当社、連結子会社及び持分法適用会社は、2019年6月に五島市において「GOTO TSUBAKI HOTEL」をオープンいたしました。9月には、長崎スマートカードの後継として導入した地域創生型ICカード「エヌタスTカード」のサービスを開始し、当社グループ一丸となり、経営基盤の強化と事業の拡大を図って参りました。
この結果、売上高は19,318百万円(前連結会計年度比 7.1%増)、営業利益は565百万円(同 36.5%増)、経常利益は638百万円(同 26.3%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は163百万円(同 52.1%減)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
1.自動車運送事業
乗合バス事業においては、沿線人口の減少という厳しい環境の中、4月のダイヤ改正にて路線編成の適正化を実施すると共に、原爆資料館からグラバー園前までを結ぶ観光ルートバスの運行を開始し、お客様の利便性とサービスの向上を図った他、10月には消費税率引き上げに伴う運賃改定を実施し、収支バランスの改善に努めました。
広告部門においては、グループ会社との連携により、ラッピングバス広告と車内音声CMの新規受注に向けた営業力の強化を図りました。
貸切バス事業においては、地域のバス輸送に力を注ぎましたが、稼働最盛期における度重なる天候不良や貸切バスの大型受注の減少の影響もあり、売上高は前連結会計年度実績を下回りました。
以上の結果、運送収入は8,700百万円(前連結会計年度比 4.7%増)、営業損失は467百万円(前連結会計年度は営業損失 447百万円)となりました。
なお、前連結会計年度の島原鉄道㈱の経営成績は、2018年4月1日~2018年9月30日を取り込んでおります。
2.鉄道事業
鉄道事業においては、島原半島における少子高齢化の影響などを受け、厳しい経営環境が続いております。
そのような中、カフェ・トレインの定期運行化による顧客リピート率の向上や、路線バスと連携したダイヤ編成の効率化、駅名変更等、利用者の利便性向上に努めました。
その結果、売上高は545百万円(前連結会計年度比 140.8%増)、営業損失は87百万円(前連結会計年度は営業損失79百万円)となりました。
なお、前連結会計年度の島原鉄道㈱の経営成績は、2018年4月1日~2018年9月30日を取り込んでおります。
3.船舶運航事業
船舶運航事業においては、夏季繁忙期の天候不良による運休の影響などがありましたが、カーフェリー分野の拡充を図るため、旅行会社への営業強化を図りました。
以上の結果、売上高は364百万円(前連結会計年度比89.6%増)、営業利益は42百万円(前連結会計年度比278.1%増)となりました。
なお、前連結会計年度の島原鉄道㈱の経営成績は、2018年4月1日~2018年9月30日を取り込んでおります。
4.旅館業
県内観光においては、インバウンドの増加と「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録効果により、堅調に推移しました。
このような状況の下、長崎バスホテルズ㈱は、五島自動車㈱が運営する「カンパーナホテル」、及び島原鉄道㈱が運営する「諫早ターミナルホテル」に加え、五島自動車㈱が運営する「GOTO TSUBAKI HOTEL」との連携を実施し、今後に向けた更なる体制強化に努めました。また、㈱青雲荘におきましては大規模な客室リニューアルを実施し、顧客層の拡大に努めました。
総じて、売上高は3,154百万円(前連結会計年度比 1.4%減)、営業利益は409百万円(同 6.5%増)となりました。
なお、前連結会計年度の島原鉄道㈱の経営成績は、2018年4月1日~2018年9月30日を取り込んでおります。
5.旅行業
主催旅行部門におきましては、ウェブサイトの大幅な改修を行うとともに、ツアー商品数の多種多様化、顧客分析に基づいた販売展開などを実施し、全員セールスに取り組んで誘客の増加に努めました。
結果として、売上高は179百万円(前連結会計年度比 20.1%増)、営業損失は48百万円(前連結会計年度は営業損失 78百万円)となりました。
6.保険代理業
保険代理業を営む長崎バス商事㈱におきましては、生命保険部門において、主力商品の「がん保険」の販売に加え、医療保険の販売強化に努めました。また、損害保険部門では、法人・個人顧客の新規獲得に向け営業展開の強化を図りました。しかしながら、保険業界によるインターネット個人加入促進策にて、代理店手数料の減額が顕在化しております。
その結果、売上高は334百万円(前連結会計年度比 12.4%増)、営業利益は4百万円(同 20.2%減)となりました。
7.不動産事業
不動産事業の中核は、当社(提出会社)の不動産事業であります。
「みらい長崎ココウォーク」においては、2018年春と秋にオープン10周年に伴う大規模リニューアルを実施し、全館売上高においても過去最高を計上いたしました。この効果は当連結会計年度においても継続し、新たな顧客層の取り込みにも効果を発揮いたしました。
その結果、売上高は2,154百万円(前連結会計年度比 1.9%増)、営業利益は715百万円(同 47.8%増)となりました。
なお、前連結会計年度の島原鉄道㈱の経営成績は、2018年4月1日~2018年9月30日を取り込んでおります。
8.レジャーサービス業
レジャーサービス業においては、㈱COCOアドバンスが担務しており、TSUTAYA事業をはじめ吉野家、びっくりドンキーなどのフードサービス、ゴルフ用品を取り扱うゴルフ・ドゥなどのフランチャイズ事業を営んでおります。当連結会計年度においては、TSUTAYA事業における㈱エヌタスへの事業シナジー提供を実施するとともに、各フランチャイズ店のリニューアルを実施し、更なる顧客獲得と収益力増強に努めて参りました。
また、フードサービスにおいては、体制強化の為、一部店舗のFC本部への直営化を実施いたしました。
その結果、売上高は3,309百万円(前連結会計年度比 8.7%増)となり、営業利益は68百万円(前連結会計年度は営業損失9百万円)となりました。
9.ICカード事業
ICカード事業は、地域創生型ICカード事業の運営会社である㈱エヌタスの事業となります。
事業開始に伴うシステムインフラ投資および付帯費用の先行投資等により、売上高は6百万円、営業損失は249百万円(前連結会計年度は営業損失6百万円)となりました。
10.関連事業
関連事業部門は、当社(提出会社)の自動車整備事業、太陽光発電事業、林業と当社連結子会社が営む広告代理業、ビル管理業、ビル清掃業、システム事業、及び航空貨物運送事業が含まれております。
太陽光発電事業につきましては、発電量は順調に推移し、収益確保に貢献するものでしたが、電力会社による九州地区出力制御の影響を受けました。広告代理業では、引き続き、バス車体を利用したシースルーラッピングバス製作や「みらい長崎ココウォーク」関連の催事のディスプレイ、看板、ポスター等の製作を受注しました。また、自社制作の情報誌「樂」の販売と同誌への広告受注に向けた営業を強化しました。
システム事業では、ICカード事業を運営している㈱エヌタスの新規展開に伴う、バス事業の基幹システム開発・受注を積極的に推進するなど収益の確保に努めました。
総じて、売上高は569百万円(前連結会計年度比 13.9%増)、営業利益は149百万円(前連結会計年度比 23.4%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて148百万円増加し、当連結会計年度末残高は3,002百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、4,188百万円(前連結会計年度比 179.0%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益に減価償却費等を加減算した結果によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、3,354百万円(同 117.0%増)となりました。これは主に固定資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、685百万円(前連結会計年度は、736百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループはセグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
当連結会計年度におけるセグメント別の販売実績については「(セグメント情報等)セグメント情報3.報告セグメントごとの売上高、収益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報」と同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債及び報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積もりを行わねばなりません。これら見積もりは、過去の実績等に基づき合理的に判断しておりますが、見積もり特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
営業の状況
当連結会計年度の売上高(営業収益)をセグメント別に示すと下記のとおりであります。
(1)自動車運送事業
(注) 当社(提出会社)の営業実績は下記のとおりであります。
(注)1.乗車効率の算定方法は次のとおりです。
1人当たり平均乗車キロ×総輸送人員=延人キロ
延人キロ÷(平均乗車定員×総走行キロ)=乗車効率
2.定期とは定期券による輸送人員であります。
3.運送収入については消費税等は含んでおりません。
(2)鉄道事業
(注) 売上高欄に記載の金額には消費税等は含んでおりません。
(3)船舶運航事業
(注) 売上高欄に記載の金額には消費税等は含んでおりません。
(4)旅館業
(注) 売上高欄に記載の金額には消費税等は含んでおりません。
(5)旅行業
(注) 売上高欄に記載の金額には消費税等は含んでおりません。
(6)保険代理業
(注) 売上高欄に記載の金額には消費税等は含んでおりません。
(7)不動産事業
(注) 売上高欄に記載の金額には消費税等は含んでおりません。
(8)レジャーサービス業
(注) 売上高欄に記載の金額には消費税等は含んでおりません。
(9)ICカード事業
(注) 売上高欄に記載の金額には消費税等は含んでおりません。
(10)関連事業
(注) 売上高欄に記載の金額には消費税等は含んでおりません。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高19,318百万円となり、前連結会計年度に比べ1,287百万円の増収となりました。これは主に、前連結会計年度より連結子会社として新たに加わった島原鉄道㈱の連結決算取込期間が増えたことによるものです。一方、営業費用は、18,752百万円となり、前連結会計年度に比べ1,135百万円の増加となりました。
その結果、営業利益は565百万円となり、前連結会計年度に比べ151百万円増加しました。当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は163百万円となり、前連結会計年度に比べ177百万円減少しました。
(a)経営成績等に重要な影響を与える要因について
当社グループの主体である旅客自動車運送事業の経費の主なものは燃料費であり、原油価格の高騰は、経営成績等に重要な影響を与えます。よって、燃料仕入単価をいかに抑えるかが経営戦略上重要となります。
(b)戦略的原状と見直し
当社グループといたしましては、燃料の共同仕入による燃料費コストの圧縮、抑制に加え、整備などの徹底と運行の効率化により経費削減に努め、効率的な経営を目指します。
(c)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金の状況については、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入金により資金調達することとしております。短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入金を基本としております。
なお、当社グループ(9社)では、グループ内資金効率向上のため、キャッシュ・マネジメント・システム
(CMS)を導入しております。
(d)セグメントごとの財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
1 自動車運送事業
自動車運送事業の当連結会計年度の営業損失は467百万円となり、前連結会計年度に比べ20百万円の損失増となりました。自動車運送事業の課題は、沿線人口の減少、基幹産業の縮小に伴う輸送人員の恒常的な減少と認識しております。引き続き、需要に応じたダイヤ改正、設定を実施し、運行ダイヤの適正化に努めて参ります。
今後は、継続した増加傾向にある交流人口の取り込みを見据えた観光ルートバスの新設等にて、更なる収支バランスの改善を図るものです。
2 鉄道事業
鉄道事業の当連結会計年度の営業損失は87百万円で、前連結会計年度に比べ7百万円の損失増となりました。
鉄道事業の課題は、沿線人口の減少による輸送人員の恒常的な減少と認識しております。需要に応じたダイヤ改正を実施し、運行ダイヤの適正化に努めて参ります。今後は、交流人口の増加を見据え、より一層、営業活動を強化するとともに、リピート率の向上に向けての施策を課題とし、また、主要駅の再開発など、関係自治体と協力し、観光の拠点とすることを検討するものです。
3 船舶運航事業
船舶運航事業の当連結会計年度の営業利益は42百万円で、前連結会計年度に比べ、31百万円の増益となりました。これは前連結会計年度より連結子会社として新たに加わった島原鉄道㈱の連結決算取込期間が増えたことよるものです。
船舶運航事業の今後の課題は、現在使用している設備について、安全性の観点からも更新を検討する時期と認識しております。今後の対策としては、口之津港拠点移転後の運営状況を鑑み、検討をすすめるものです。
4 旅館業
旅館業の当連結会計年度の営業利益は409百万円で、前連結会計年度に比べ25百万円の増益となりました。
旅館業の今後の課題は、設備の老朽化に対し、その更新を検討する時期と認識しております。今後の対策としては、長崎市内における大規模開発の動向や長崎新幹線開業の効果を考慮しながら設備投資の時期及び内容などを検討するものです。
5 旅行業
旅行業の当連結会計年度の営業損失は48百万円で、前連結会計年度に比べ29百万円改善いたしました。
旅行業の今後の課題は、営業力の強化と認識しております。インバウンド、アウトバウンドを含めた交流人口の増加による価格競争が激化しており、収益獲得のための強力な営業力と、顧客との緻密なインフラ構築が必要です。
今後の対策としては、競争力ある価格設定のための原価構造の見直しとグループ内企業との連携、地場団体への営業促進を積極的に行うものです。
6 保険代理業
保険代理業の当連結会計年度の営業利益は4百万円で、前連結会計年度と比べ1百万円の減益となりました。
保険代理業の今後の課題は、販売網の強化と認識しております。他社参入や保険見直し、また保険加入のIT化などで顧客の獲得競争が激化しており、今後の対策としては、グループ内企業との連携と新規保険販売の機会点の絞り込みと認識しております。グループ内企業との連携による新規顧客獲得と既存顧客への新規提案時期の精査にて、確実な契約数増加を目指すものです。
7 不動産事業
不動産事業の当連結会計年度の営業利益は715百万円で、前連結会計年度と比べ231百万円の増益となりました。これは前連結会計年度に実施した「みらい長崎ココウォーク」のリニューアル工事に係る費用の削減、並びに空床期間の解消による売上高の増加等によるものです。
今後の課題は、当社(提出会社)における不動産事業の中核となる「みらい長崎ココウオーク」の設備及びマーケティング、ブランディングの再構築と認識いたします。今後は、周辺地域の開発に伴うインフラ再編の拠点となるべく、情報の収集を図り、地域顧客への更なるサービス拡充をもって確実な成長を構築するものです。
8 レジャーサービス業
レジャーサービス業の当連結会計年度の営業利益は68百万円で、前連結会計年度に比べ78百万円の増益となりました。これは「みらい長崎ココウオーク」内のTSUTAYA BOOK&CAFEの好調な推移と、フードサービス部門において、体制強化策の一環として固定費の圧縮、削減に努めたものです。レジャーサービス業の今後の課題は、業界全体の将来性、成長力はさることながら、市場は少子高齢化をむかえ人口減少は避けられず、縮小していくものと認識いたします。将来的な需要の減少が確実となっている以上、新たな手法による需要拡大構築が最大の課題となります。今後は、フランチャイズ事業を含めた、既存運営の安定稼働を進めながら、新たな商材の検討を鋭意すすめるものです。
9 ICカード事業
ICカード事業の当連結会計年度の営業損失は249百万円で、前連結会計年度に比べ243百万円の損失増となりました。これは地域創生型ICカード事業を運営する㈱エヌタスの事業開始に伴う付帯費用の増加によるものです。ICカード事業の今後の課題は、㈱エヌタスの更なる事業拡大と認識しております。交通系、商業系でのサービス提供に、数多くの競合他社が参入する中、サービス提供エリア内での地域創生型ICカードとしての地位とシェアを拡充、拡大することは当社グループの責務であり、今後は地域に根付いたサービス提供を幅広く検討、採用し交通系に限定されないサービスと利便性を鋭意訴求するものです。
10 関連事業
関連事業の当連結会計年度の営業利益は149百万円で、前連結会計年度に比べ28百万円の増益となりました。これは、広告代理業を営む㈱イーズワークスにおいて地域創生型ICカード「エヌタスTカード」事業開始に伴うプロモーション関連売上が増加したこと等によります。関連事業の今後の課題は、太陽光発電事業における発電量の安定推移を維持し、収益確保に貢献させると共に、広告代理業での継続した受注獲得、及び自社制作の情報誌「樂」の販売と同誌への広告受注に向けた営業の更なる強化を図ります。
また、システム事業でのICカード事業であります、㈱エヌタスの新規展開に伴う、バス事業の基幹システムの推進継続となります。今後は、各事業の効率的な維持とシステム事業におけるICカード事業のサポートに拡充にて、更なる収益獲得を目指すものです。
(e)経営者の問題意識と今後の方針について
当社経営陣は、現在の企業環境及び入手可能な情報に基づいて、最善の経営戦略・経営方針を立案すべく努めております。しかしながら、地域人口の減少、少子高齢化の加速化、公共交通利用状況の変化などにより、売上高は毎年減少する厳しい状況にあり、引き続き厳しい経営環境が予想されます。直近においては、予期せぬパンデミックリスクも視野に入れる必要性が露見しております。このような経営環境において、当社経営陣は経営に関する諸問題に対する意識を、経営陣だけにとどめず広く社内全般で共有し、問題解決に全社員で取り組み、速やかに解決する所存であります。
当社グループは、あらゆる事象に対処すべく、常に対策を具備し、今後も経営改革、事業改革をより一層推進して参ります。
(f)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当事業年度の目標達成状況(単体)は以下のとおりです。
① 財務状態及び経営成績の状況
(財政状態)
資産合計は29,819百万円(前連結会計年度比3.1%減)となりました。これは、有形固定資産の合計が998百万円減少したこと等によるものであります。
負債合計は16,081百万円(前連結会計年度比5.1%減)となりました。これは、前受金が766百万円、長期借入金が392百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
純資産合計は13,737百万円(前連結会計年度比0.7%減)となりました。これは、その他有価証券評価差額金が32百万円、退職給付に係る調整累計額が42百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(経営成績)
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善が続き、景気は引き続き緩やかな回復基調で推移したものの、一方で米中間の貿易摩擦の長期化や中国経済の減速等、先行き不透明な状況で推移いたしました。直近においては新型コロナウィルスの世界的感染拡大が懸念され、不透明感は増大しております。
本県経済は、個人消費は底堅く、観光関連では、クルーズ船入港等に伴うインバウンドの増加と「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録効果も恒常的なポテンシャルとなる中で、主要施設入場者、宿泊者数ともに堅調に推移しました。
また、企業の設備投資は、消費税増税前の駆け込みの反動から微増傾向に留まり、公共投資も全国水準を上回る水準を維持しましたが、人手不足による設備稼働率の低下などにより、中小企業の景況感が大きく改善するには至りませんでした。
このような中、当社、連結子会社及び持分法適用会社は、2019年6月に五島市において「GOTO TSUBAKI HOTEL」をオープンいたしました。9月には、長崎スマートカードの後継として導入した地域創生型ICカード「エヌタスTカード」のサービスを開始し、当社グループ一丸となり、経営基盤の強化と事業の拡大を図って参りました。
この結果、売上高は19,318百万円(前連結会計年度比 7.1%増)、営業利益は565百万円(同 36.5%増)、経常利益は638百万円(同 26.3%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は163百万円(同 52.1%減)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
1.自動車運送事業
乗合バス事業においては、沿線人口の減少という厳しい環境の中、4月のダイヤ改正にて路線編成の適正化を実施すると共に、原爆資料館からグラバー園前までを結ぶ観光ルートバスの運行を開始し、お客様の利便性とサービスの向上を図った他、10月には消費税率引き上げに伴う運賃改定を実施し、収支バランスの改善に努めました。
広告部門においては、グループ会社との連携により、ラッピングバス広告と車内音声CMの新規受注に向けた営業力の強化を図りました。
貸切バス事業においては、地域のバス輸送に力を注ぎましたが、稼働最盛期における度重なる天候不良や貸切バスの大型受注の減少の影響もあり、売上高は前連結会計年度実績を下回りました。
以上の結果、運送収入は8,700百万円(前連結会計年度比 4.7%増)、営業損失は467百万円(前連結会計年度は営業損失 447百万円)となりました。
なお、前連結会計年度の島原鉄道㈱の経営成績は、2018年4月1日~2018年9月30日を取り込んでおります。
2.鉄道事業
鉄道事業においては、島原半島における少子高齢化の影響などを受け、厳しい経営環境が続いております。
そのような中、カフェ・トレインの定期運行化による顧客リピート率の向上や、路線バスと連携したダイヤ編成の効率化、駅名変更等、利用者の利便性向上に努めました。
その結果、売上高は545百万円(前連結会計年度比 140.8%増)、営業損失は87百万円(前連結会計年度は営業損失79百万円)となりました。
なお、前連結会計年度の島原鉄道㈱の経営成績は、2018年4月1日~2018年9月30日を取り込んでおります。
3.船舶運航事業
船舶運航事業においては、夏季繁忙期の天候不良による運休の影響などがありましたが、カーフェリー分野の拡充を図るため、旅行会社への営業強化を図りました。
以上の結果、売上高は364百万円(前連結会計年度比89.6%増)、営業利益は42百万円(前連結会計年度比278.1%増)となりました。
なお、前連結会計年度の島原鉄道㈱の経営成績は、2018年4月1日~2018年9月30日を取り込んでおります。
4.旅館業
県内観光においては、インバウンドの増加と「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録効果により、堅調に推移しました。
このような状況の下、長崎バスホテルズ㈱は、五島自動車㈱が運営する「カンパーナホテル」、及び島原鉄道㈱が運営する「諫早ターミナルホテル」に加え、五島自動車㈱が運営する「GOTO TSUBAKI HOTEL」との連携を実施し、今後に向けた更なる体制強化に努めました。また、㈱青雲荘におきましては大規模な客室リニューアルを実施し、顧客層の拡大に努めました。
総じて、売上高は3,154百万円(前連結会計年度比 1.4%減)、営業利益は409百万円(同 6.5%増)となりました。
なお、前連結会計年度の島原鉄道㈱の経営成績は、2018年4月1日~2018年9月30日を取り込んでおります。
5.旅行業
主催旅行部門におきましては、ウェブサイトの大幅な改修を行うとともに、ツアー商品数の多種多様化、顧客分析に基づいた販売展開などを実施し、全員セールスに取り組んで誘客の増加に努めました。
結果として、売上高は179百万円(前連結会計年度比 20.1%増)、営業損失は48百万円(前連結会計年度は営業損失 78百万円)となりました。
6.保険代理業
保険代理業を営む長崎バス商事㈱におきましては、生命保険部門において、主力商品の「がん保険」の販売に加え、医療保険の販売強化に努めました。また、損害保険部門では、法人・個人顧客の新規獲得に向け営業展開の強化を図りました。しかしながら、保険業界によるインターネット個人加入促進策にて、代理店手数料の減額が顕在化しております。
その結果、売上高は334百万円(前連結会計年度比 12.4%増)、営業利益は4百万円(同 20.2%減)となりました。
7.不動産事業
不動産事業の中核は、当社(提出会社)の不動産事業であります。
「みらい長崎ココウォーク」においては、2018年春と秋にオープン10周年に伴う大規模リニューアルを実施し、全館売上高においても過去最高を計上いたしました。この効果は当連結会計年度においても継続し、新たな顧客層の取り込みにも効果を発揮いたしました。
その結果、売上高は2,154百万円(前連結会計年度比 1.9%増)、営業利益は715百万円(同 47.8%増)となりました。
なお、前連結会計年度の島原鉄道㈱の経営成績は、2018年4月1日~2018年9月30日を取り込んでおります。
8.レジャーサービス業
レジャーサービス業においては、㈱COCOアドバンスが担務しており、TSUTAYA事業をはじめ吉野家、びっくりドンキーなどのフードサービス、ゴルフ用品を取り扱うゴルフ・ドゥなどのフランチャイズ事業を営んでおります。当連結会計年度においては、TSUTAYA事業における㈱エヌタスへの事業シナジー提供を実施するとともに、各フランチャイズ店のリニューアルを実施し、更なる顧客獲得と収益力増強に努めて参りました。
また、フードサービスにおいては、体制強化の為、一部店舗のFC本部への直営化を実施いたしました。
その結果、売上高は3,309百万円(前連結会計年度比 8.7%増)となり、営業利益は68百万円(前連結会計年度は営業損失9百万円)となりました。
9.ICカード事業
ICカード事業は、地域創生型ICカード事業の運営会社である㈱エヌタスの事業となります。
事業開始に伴うシステムインフラ投資および付帯費用の先行投資等により、売上高は6百万円、営業損失は249百万円(前連結会計年度は営業損失6百万円)となりました。
10.関連事業
関連事業部門は、当社(提出会社)の自動車整備事業、太陽光発電事業、林業と当社連結子会社が営む広告代理業、ビル管理業、ビル清掃業、システム事業、及び航空貨物運送事業が含まれております。
太陽光発電事業につきましては、発電量は順調に推移し、収益確保に貢献するものでしたが、電力会社による九州地区出力制御の影響を受けました。広告代理業では、引き続き、バス車体を利用したシースルーラッピングバス製作や「みらい長崎ココウォーク」関連の催事のディスプレイ、看板、ポスター等の製作を受注しました。また、自社制作の情報誌「樂」の販売と同誌への広告受注に向けた営業を強化しました。
システム事業では、ICカード事業を運営している㈱エヌタスの新規展開に伴う、バス事業の基幹システム開発・受注を積極的に推進するなど収益の確保に努めました。
総じて、売上高は569百万円(前連結会計年度比 13.9%増)、営業利益は149百万円(前連結会計年度比 23.4%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて148百万円増加し、当連結会計年度末残高は3,002百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、4,188百万円(前連結会計年度比 179.0%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益に減価償却費等を加減算した結果によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、3,354百万円(同 117.0%増)となりました。これは主に固定資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、685百万円(前連結会計年度は、736百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループはセグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
当連結会計年度におけるセグメント別の販売実績については「(セグメント情報等)セグメント情報3.報告セグメントごとの売上高、収益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報」と同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債及び報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積もりを行わねばなりません。これら見積もりは、過去の実績等に基づき合理的に判断しておりますが、見積もり特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
営業の状況
当連結会計年度の売上高(営業収益)をセグメント別に示すと下記のとおりであります。
(1)自動車運送事業
| 区分 | 売上高(営業収益) 単位:千円 | 前年同期比(%) |
| 一般乗合旅客自動車運送事業 | 7,973,312 | 103.8 |
| 一般貸切旅客自動車運送事業 | 742,658 | 116.7 |
| 内部取引の消去 | △15,690 | 269.8 |
| 合計 | 8,700,280 | 104.7 |
(注) 当社(提出会社)の営業実績は下記のとおりであります。
| 項目 | 単位 | 第122期 | 第123期 | |
| (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) | (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | |||
| 一般乗合旅客運送事業 | ||||
| 乗合免許路線キロ | キロ | 870.6 | 871.2 | |
| 営業日数 | 日 | 365 | 365 | |
| 乗合走行キロ | キロ | 24,229,759.4 | 22,636,834.8 | |
| 乗合認可車両数 | 両 | 578 | 557 | |
| 乗合延実働車両数 | 〃 | 177,321 | 170,628 | |
| 輸送人員 | 定期 | 人 | 12,867,642 | 12,394,980 |
| 定期外 | 〃 | 25,487,391 | 23,320,599 | |
| 運送収入 | 定期 | 千円 | 2,018,944 | 2,075,571 |
| 定期外 | 〃 | 4,826,261 | 4,640,875 | |
| 計 | 〃 | 6,845,205 | 6,716,447 | |
| 運送雑収入 | 〃 | 189,529 | 196,728 | |
| 収入計 | 〃 | 7,034,735 | 6,913,176 | |
| 一日平均収入 | 〃 | 19,273 | 18,940 | |
| 平均キロ当たり収入 | 円 | 290.30 | 305.39 | |
| 乗車効率 | % | 12.2 | 11.9 | |
(注)1.乗車効率の算定方法は次のとおりです。
1人当たり平均乗車キロ×総輸送人員=延人キロ
延人キロ÷(平均乗車定員×総走行キロ)=乗車効率
2.定期とは定期券による輸送人員であります。
3.運送収入については消費税等は含んでおりません。
(2)鉄道事業
| 区分 | 売上高(営業収益) 単位:千円 | 前年同期比(%) |
| 鉄道事業 | 550,424 | 243.1 |
| 内部取引の消去 | △5,273 | - |
| 合計 | 545,150 | 240.8 |
(注) 売上高欄に記載の金額には消費税等は含んでおりません。
(3)船舶運航事業
| 区分 | 売上高(営業収益) 単位:千円 | 前年同期比(%) |
| 船舶運航事業 | 365,644 | 190.3 |
| 内部取引の消去 | △1,457 | - |
| 合計 | 364,186 | 189.6 |
(注) 売上高欄に記載の金額には消費税等は含んでおりません。
(4)旅館業
| 区分 | 売上高(営業収益) 単位:千円 | 前年同期比(%) |
| 旅館業 | 3,160,184 | 98.6 |
| 内部取引の消去 | △5,304 | 88.8 |
| 合計 | 3,154,879 | 98.6 |
(注) 売上高欄に記載の金額には消費税等は含んでおりません。
(5)旅行業
| 区分 | 売上高(営業収益) 単位:千円 | 前年同期比(%) |
| 旅行業 | 184,088 | 123.4 |
| 内部取引の消去 | △5,028 | - |
| 合計 | 179,059 | 120.1 |
(注) 売上高欄に記載の金額には消費税等は含んでおりません。
(6)保険代理業
| 区分 | 売上高(営業収益) 単位:千円 | 前年同期比(%) |
| 保険代理業 | 424,079 | 114.9 |
| 内部取引の消去 | △89,933 | 124.9 |
| 合計 | 334,145 | 112.4 |
(注) 売上高欄に記載の金額には消費税等は含んでおりません。
(7)不動産事業
| 区分 | 売上高(営業収益) 単位:千円 | 前年同期比(%) |
| 不動産事業 | 2,335,772 | 103.1 |
| 内部取引の消去 | △180,815 | 119.6 |
| 合計 | 2,154,957 | 101.9 |
(注) 売上高欄に記載の金額には消費税等は含んでおりません。
(8)レジャーサービス業
| 区分 | 売上高(営業収益) 単位:千円 | 前年同期比(%) |
| レジャーサービス業 | 3,310,881 | 108.7 |
| 内部取引の消去 | △1,873 | 139.3 |
| 合計 | 3,309,007 | 108.7 |
(注) 売上高欄に記載の金額には消費税等は含んでおりません。
(9)ICカード事業
| 区分 | 売上高(営業収益) 単位:千円 | 前年同期比(%) |
| ICカード事業 | 41,502 | - |
| 内部取引の消去 | △34,948 | - |
| 合計 | 6,554 | - |
(注) 売上高欄に記載の金額には消費税等は含んでおりません。
(10)関連事業
| 区分 | 売上高(営業収益) 単位:千円 | 前年同期比(%) |
| 自動車整備事業 | 174,623 | 104.3 |
| 太陽光発電事業 | 45,711 | 91.3 |
| コラス事業 | - | - |
| 林業 | - | - |
| 広告代理業 | 357,673 | 132.6 |
| ビル管理業 | 368,751 | 92.0 |
| ビル清掃業 | 186,544 | 101.1 |
| システム事業 | 68,651 | 120.9 |
| 航空貨物運送事業 | 69,745 | 515.1 |
| 内部取引の消去 | △701,768 | 109.0 |
| 合計 | 569,932 | 113.9 |
(注) 売上高欄に記載の金額には消費税等は含んでおりません。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高19,318百万円となり、前連結会計年度に比べ1,287百万円の増収となりました。これは主に、前連結会計年度より連結子会社として新たに加わった島原鉄道㈱の連結決算取込期間が増えたことによるものです。一方、営業費用は、18,752百万円となり、前連結会計年度に比べ1,135百万円の増加となりました。
その結果、営業利益は565百万円となり、前連結会計年度に比べ151百万円増加しました。当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は163百万円となり、前連結会計年度に比べ177百万円減少しました。
(a)経営成績等に重要な影響を与える要因について
当社グループの主体である旅客自動車運送事業の経費の主なものは燃料費であり、原油価格の高騰は、経営成績等に重要な影響を与えます。よって、燃料仕入単価をいかに抑えるかが経営戦略上重要となります。
(b)戦略的原状と見直し
当社グループといたしましては、燃料の共同仕入による燃料費コストの圧縮、抑制に加え、整備などの徹底と運行の効率化により経費削減に努め、効率的な経営を目指します。
(c)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金の状況については、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入金により資金調達することとしております。短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入金を基本としております。
なお、当社グループ(9社)では、グループ内資金効率向上のため、キャッシュ・マネジメント・システム
(CMS)を導入しております。
(d)セグメントごとの財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
1 自動車運送事業
自動車運送事業の当連結会計年度の営業損失は467百万円となり、前連結会計年度に比べ20百万円の損失増となりました。自動車運送事業の課題は、沿線人口の減少、基幹産業の縮小に伴う輸送人員の恒常的な減少と認識しております。引き続き、需要に応じたダイヤ改正、設定を実施し、運行ダイヤの適正化に努めて参ります。
今後は、継続した増加傾向にある交流人口の取り込みを見据えた観光ルートバスの新設等にて、更なる収支バランスの改善を図るものです。
2 鉄道事業
鉄道事業の当連結会計年度の営業損失は87百万円で、前連結会計年度に比べ7百万円の損失増となりました。
鉄道事業の課題は、沿線人口の減少による輸送人員の恒常的な減少と認識しております。需要に応じたダイヤ改正を実施し、運行ダイヤの適正化に努めて参ります。今後は、交流人口の増加を見据え、より一層、営業活動を強化するとともに、リピート率の向上に向けての施策を課題とし、また、主要駅の再開発など、関係自治体と協力し、観光の拠点とすることを検討するものです。
3 船舶運航事業
船舶運航事業の当連結会計年度の営業利益は42百万円で、前連結会計年度に比べ、31百万円の増益となりました。これは前連結会計年度より連結子会社として新たに加わった島原鉄道㈱の連結決算取込期間が増えたことよるものです。
船舶運航事業の今後の課題は、現在使用している設備について、安全性の観点からも更新を検討する時期と認識しております。今後の対策としては、口之津港拠点移転後の運営状況を鑑み、検討をすすめるものです。
4 旅館業
旅館業の当連結会計年度の営業利益は409百万円で、前連結会計年度に比べ25百万円の増益となりました。
旅館業の今後の課題は、設備の老朽化に対し、その更新を検討する時期と認識しております。今後の対策としては、長崎市内における大規模開発の動向や長崎新幹線開業の効果を考慮しながら設備投資の時期及び内容などを検討するものです。
5 旅行業
旅行業の当連結会計年度の営業損失は48百万円で、前連結会計年度に比べ29百万円改善いたしました。
旅行業の今後の課題は、営業力の強化と認識しております。インバウンド、アウトバウンドを含めた交流人口の増加による価格競争が激化しており、収益獲得のための強力な営業力と、顧客との緻密なインフラ構築が必要です。
今後の対策としては、競争力ある価格設定のための原価構造の見直しとグループ内企業との連携、地場団体への営業促進を積極的に行うものです。
6 保険代理業
保険代理業の当連結会計年度の営業利益は4百万円で、前連結会計年度と比べ1百万円の減益となりました。
保険代理業の今後の課題は、販売網の強化と認識しております。他社参入や保険見直し、また保険加入のIT化などで顧客の獲得競争が激化しており、今後の対策としては、グループ内企業との連携と新規保険販売の機会点の絞り込みと認識しております。グループ内企業との連携による新規顧客獲得と既存顧客への新規提案時期の精査にて、確実な契約数増加を目指すものです。
7 不動産事業
不動産事業の当連結会計年度の営業利益は715百万円で、前連結会計年度と比べ231百万円の増益となりました。これは前連結会計年度に実施した「みらい長崎ココウォーク」のリニューアル工事に係る費用の削減、並びに空床期間の解消による売上高の増加等によるものです。
今後の課題は、当社(提出会社)における不動産事業の中核となる「みらい長崎ココウオーク」の設備及びマーケティング、ブランディングの再構築と認識いたします。今後は、周辺地域の開発に伴うインフラ再編の拠点となるべく、情報の収集を図り、地域顧客への更なるサービス拡充をもって確実な成長を構築するものです。
8 レジャーサービス業
レジャーサービス業の当連結会計年度の営業利益は68百万円で、前連結会計年度に比べ78百万円の増益となりました。これは「みらい長崎ココウオーク」内のTSUTAYA BOOK&CAFEの好調な推移と、フードサービス部門において、体制強化策の一環として固定費の圧縮、削減に努めたものです。レジャーサービス業の今後の課題は、業界全体の将来性、成長力はさることながら、市場は少子高齢化をむかえ人口減少は避けられず、縮小していくものと認識いたします。将来的な需要の減少が確実となっている以上、新たな手法による需要拡大構築が最大の課題となります。今後は、フランチャイズ事業を含めた、既存運営の安定稼働を進めながら、新たな商材の検討を鋭意すすめるものです。
9 ICカード事業
ICカード事業の当連結会計年度の営業損失は249百万円で、前連結会計年度に比べ243百万円の損失増となりました。これは地域創生型ICカード事業を運営する㈱エヌタスの事業開始に伴う付帯費用の増加によるものです。ICカード事業の今後の課題は、㈱エヌタスの更なる事業拡大と認識しております。交通系、商業系でのサービス提供に、数多くの競合他社が参入する中、サービス提供エリア内での地域創生型ICカードとしての地位とシェアを拡充、拡大することは当社グループの責務であり、今後は地域に根付いたサービス提供を幅広く検討、採用し交通系に限定されないサービスと利便性を鋭意訴求するものです。
10 関連事業
関連事業の当連結会計年度の営業利益は149百万円で、前連結会計年度に比べ28百万円の増益となりました。これは、広告代理業を営む㈱イーズワークスにおいて地域創生型ICカード「エヌタスTカード」事業開始に伴うプロモーション関連売上が増加したこと等によります。関連事業の今後の課題は、太陽光発電事業における発電量の安定推移を維持し、収益確保に貢献させると共に、広告代理業での継続した受注獲得、及び自社制作の情報誌「樂」の販売と同誌への広告受注に向けた営業の更なる強化を図ります。
また、システム事業でのICカード事業であります、㈱エヌタスの新規展開に伴う、バス事業の基幹システムの推進継続となります。今後は、各事業の効率的な維持とシステム事業におけるICカード事業のサポートに拡充にて、更なる収益獲得を目指すものです。
(e)経営者の問題意識と今後の方針について
当社経営陣は、現在の企業環境及び入手可能な情報に基づいて、最善の経営戦略・経営方針を立案すべく努めております。しかしながら、地域人口の減少、少子高齢化の加速化、公共交通利用状況の変化などにより、売上高は毎年減少する厳しい状況にあり、引き続き厳しい経営環境が予想されます。直近においては、予期せぬパンデミックリスクも視野に入れる必要性が露見しております。このような経営環境において、当社経営陣は経営に関する諸問題に対する意識を、経営陣だけにとどめず広く社内全般で共有し、問題解決に全社員で取り組み、速やかに解決する所存であります。
当社グループは、あらゆる事象に対処すべく、常に対策を具備し、今後も経営改革、事業改革をより一層推進して参ります。
(f)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当事業年度の目標達成状況(単体)は以下のとおりです。
| 指標 | 当事業年度(計画) | 当事業年度(実績) | 計画比 |
| 売上高 | 9,471百万円 | 9,415百万円 | 55百万円減( 0.6%減) |
| 営業利益 | 82百万円 | 294百万円 | 211百万円増(256.0%増) |
| 経常利益 | 129百万円 | 361百万円 | 232百万円増(180.1%増) |
| 税引前当期純利益 | 118百万円 | 267百万円 | 149百万円増(126.3%増) |