四半期報告書-第153期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)
有報資料
当第3四半期連結累計期間の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、以下に記載する事項のうち将来に関する事項は、当四半期連結会計期間末日現在においてヤマトグループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間における経済環境は、企業業績は底堅さを維持し緩やかな回復基調が続いているものの、海外政治情勢による影響など、引き続き、先行きは不透明な状況にあります。また、消費スタイルの急速な変化に伴うEC市場の拡大等による小口貨物の増加基調に加え、国内労働需給の逼迫など、物流業界は厳しい経営環境が継続しています。
このような状況下、ヤマトグループは高品質なサービスを提供し続けるため、「働き方改革」を経営の中心に据え、「デリバリー事業の構造改革」、「非連続成長を実現するための収益・事業構造改革」、「持続的に成長していくためのグループ経営構造改革」の3つの改革を柱とした中期経営計画「KAIKAKU 2019 for NEXT100」を策定し、ヤマトグループが持続的に成長していくための経営基盤の強化に注力しました。
デリバリー事業においては、「社員の労働環境の改善と整備」、「宅急便の総量コントロール」、「宅急便ネットワーク全体の最適化」、「ラストワンマイルネットワークの強化による効率向上」、「宅急便の基本運賃と各サービス規格の改定」を内容とする「デリバリー事業の構造改革」を推進しました。大口の法人のお客様に対し、出荷調整や再配達削減などを要請するとともに、法人のお客様に対し、運賃の見直し交渉を進め、既に多くのお客様にご理解とご協力をいただいております。なお、交渉途上にある法人のお客様とは交渉を継続しています。その結果、当第3四半期連結会計期間は、宅急便取扱数量が減少に転じ、プライシングの適正化により宅急便単価が上昇し始めるなど、「働き方改革」の推進などにより費用が増加する中で、業績は回復基調となりました。
ノンデリバリー事業においては、グループ各社の強みを活かした既存サービスの拡充に取り組むとともに、グループ横断的に連携してお客様の課題解決に当たるソリューション営業を積極的に推進し、業績は堅調に推移しました。
当第3四半期連結累計期間の連結業績は以下のとおりとなりました。
<ヤマトグループ全体としての取組み>① ヤマトグループは、グループの原点である「全員経営」を実践するため、「働き方改革」を最優先課題とし、ヤマト運輸株式会社の「働き方改革室」、グループ各社の「働き方創造委員会」を中心に、社員がより「働きやすさ」と「働きがい」を持ち、イキイキと働ける労働環境の整備に全社一丸で取り組んでいます。また、各事業が一体となって付加価値の高い事業モデルを創出し、日本経済の成長戦略と、国際競争力の強化に貢献する「バリュー・ネットワーキング」構想を推進するとともに、事業の創出・成長の基盤となる健全な企業風土の醸成に取り組んでいます。
② 健全な企業風土の醸成に向けて、引き続き輸送体制の整備やITによる業務量の見える化など、業務の効率性・信頼性を向上させる施策を推進するとともに、環境施策や安全施策、地域社会の活性化に向けた取組みなど、ヤマトグループの事業活動に結びついたCSR活動を積極的に推進しています。
③ 「バリュー・ネットワーキング」構想の更なる進化に向け、ヤマトグループのネットワークを活かした高付加価値モデルの創出に取り組んでいます。国内外のお客様の様々なニーズに対応するために、既存のラストワンマイルネットワークに加え、「羽田クロノゲート」、「厚木ゲートウェイ」、「中部ゲートウェイ」、「沖縄国際物流ハブ」、11月に稼働を開始した「関西ゲートウェイ」といった革新的なネットワーク基盤を、より効果的に活用していきます。
④ 海外市場に対しては、クロスボーダー物流の拡大に対応すべく、日本・東アジア・東南アジア・欧州・米州の5極間の連携と各地域の機能強化に取り組んでいます。当期はフランス国内最大手のエクスプレス事業者と日仏間のクロスボーダー小口保冷輸送ビジネスの拡大と両社が持つ小口保冷輸送に関するノウハウを共有するクロスライセンスを含む包括的なパートナーシップ契約を締結したほか、9月にクール宅急便の取扱いを開始したベトナムを含め、ヤマトグループ7社が小口保冷配送サービスに関する国際規格の認証を取得するなど、コールドチェーンを核として、高付加価値なクロスボーダー・ネットワークの構築を推進しています。
⑤ EC市場を中心としたお客様の利便性向上を図るべく、駅やコンビニエンスストアなどを中心にオープン型宅配便ロッカーネットワークの構築を積極的に推進するなど、手軽に荷物を受け取れる環境の整備に取り組むとともに、自動運転技術を活用したオンデマンド配送サービス等を提供する「ロボネコヤマト」プロジェクトの実用実験を引き続き実施するなど、次世代物流サービスの開発に取り組むとともに、大量輸送が可能な日本初の新規格の長大連結トレーラを導入するなど、輸送効率化に向けた先端技術の活用も加速させています。また、当第3四半期連結累計期間においては、日本初の三辺自動梱包機を厚木ゲートウェイに導入するなど、今後深刻化する労働力不足などの社会的課題や、益々拡大するEC市場に対応するため、物流全体におけるデジタル化、自動化に取り組んでいます。
<事業フォーメーション別の概況>○デリバリー事業
宅急便、クロネコDM便の取扱数量は以下のとおりです。
① デリバリー事業は、お客様にとって一番身近なインフラとなり、豊かな社会の実現に貢献するために、宅急便を中心とした事業の展開に取り組んでいます。
② 消費スタイルの急速な変化に伴うEC市場の拡大等による小口貨物の増加基調に加え、国内労働需給の逼迫など厳しい事業環境が継続している中、「社員の労働環境の改善と整備」、「宅急便の総量コントロール」、「宅急便ネットワーク全体の最適化」、「ラストワンマイルネットワークの強化による効率向上」、「宅急便の基本運賃と各サービス規格の改定」を内容とする「デリバリー事業の構造改革」を推進しました。「社員の労働環境の改善と整備」においては、社員の昼休憩の確保や長時間労働防止に向け、宅急便受付締切り時間を繰り上げ、宅急便の配達時間帯の指定区分を従来の6区分から5区分に変更しました。当第3四半期連結累計期間においては、10月に宅急便の基本運賃を改定しました。また、大口の法人のお客様に対し、出荷調整や再配達削減などを要請するとともに、法人のお客様に対する運賃の見直し交渉を進め、既に多くのお客様にご理解とご協力をいただいております。なお、交渉途上にある法人のお客様とは交渉を継続しています。
③ 成長が見込まれるEC市場に対しては、小さな荷物をリーズナブルな料金で手軽に送ることができる「宅急便コンパクト」、「ネコポス」の拡販を進めるとともに、複数のフリマサイトと連携し、発送窓口拡大を推進しています。当第3四半期連結累計期間においては、EC事業者様向けにオープンプラットフォームを提供する事業者と連携し、お客様が商品を購入した場合に、受け取り場所としてヤマト運輸株式会社の営業所やコンビニエンスストア、オープン型宅配便ロッカー(PUDO)を指定できる環境を提供するなど、お客様の利便性向上に取り組みました。
④ 法人のお客様については、お客様の経営課題を的確に把握し、その課題に沿ったソリューション提案を積極的に推進しています。また、グループの経営資源を活用した付加価値の高い提案を行い、収益性の向上に取り組んでいます。当第3四半期連結累計期間においては、クラウド上でご利用いただける新たな送り状発行サービス「B2クラウド」のご利用を推進しました。また、EC事業者様のビジネスを支援するため、法人向け会員制サービス「ヤマトビジネスメンバーズ」を通じて、荷物の発送や受け取りを便利にするAPIを公開するなど、新たなサービスの提供に取り組みました。
⑤ 地域活性化に向けた事業としては、複数の自治体や企業と連携し、買い物困難者の支援、高齢者見守りなど、住民へのサービス向上に取り組みました。また、農水産物をはじめとする生鮮品の鮮度を保ったままスピーディーにアジア圏へ配送することで、地域産品の販売拡大を支援するなど、地元産業の活性化につながる取組みを推進しました。
⑥ 営業収益は、当第3四半期連結会計期間においては、宅急便取扱数量が伸率△4.5%と減少したものの、プライシングの適正化により宅急便単価が上昇し増収となりました。その結果、当第3四半期連結累計期間では9,217億92百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ3.9%増加しました。
⑦ 営業利益は、当第3四半期連結会計期間においては、「働き方改革」の推進などにより費用が増加する中で、回復基調となりました。その結果、当第3四半期連結累計期間では96億96百万円となりましたが、前第3四半期連結累計期間に比べ73.2%減少しました。
○BIZ-ロジ事業
① BIZ-ロジ事業は、宅急便ネットワークをはじめとした経営資源に、ロジスティクス機能、メンテナンス・リコール対応機能、医療機器の洗浄機能、国際輸送機能などを組み合わせることにより、お客様に革新的な物流システムを提供しています。
② EC業界等に向けたサービスとしては、お客様のご要望に応じて、受発注処理から在庫の可視化、スピード出荷などの多様な物流支援サービスをワンストップで提供しています。当第3四半期連結累計期間においては、既存サービスの取扱いが増加したことなどにより、収益が好調に推移しました。
③ メディカル事業者様に向けたサービスとしては、医療機器のローナー支援(保管・洗浄・配送)をはじめとする、物流改革の支援サービスを展開しています。当第3四半期連結累計期間においては、新たに獲得したお客様のご利用が拡大するなど、収益は堅調に推移しました。
④ 営業収益は、EC事業者様向けの既存サービスが好調であったことなどにより894億79百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ13.6%増加しました。利益面では、海外引越しなどの一部サービスで委託コストが増加したことなどにより30億57百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ6.5%減少しました。
○ホームコンビニエンス事業
① ホームコンビニエンス事業は、お客様の便利で快適な生活の実現に向けて、ヤマトグループの全国ネットワークを活用し、生涯生活支援事業や法人活動支援事業に取り組んでいます。
② 個人のお客様に向けては、大型家具・家電の配送サービス「らくらく家財宅急便」や引越関連サービス、「イエナカ」での日常のお困りごとを解消する「快適生活サポートサービス」など、日々の生活を支援するサービスを展開しています。当第3四半期連結累計期間においては、引き続き、フリマアプリと連携し、大型荷物を簡単に送れる新たな配送サービスを提供する「らくらく家財宅急便」の取扱い拡大に取り組むとともに、年末の需要期に向け「快適生活サポートサービス」の拡販を積極的に推進しました。
③ 法人のお客様に向けては、ヤマトグループと工事会社のネットワークを融合し、住宅設備などの配送・設置から工事・保守までをワンストップで提供する「テクニカルネットワーク事業」をはじめとする事業支援サービスを展開しています。当第3四半期連結累計期間においては、オフィス移転案件などの獲得に着実に取り組みました。
④ 営業収益は、「らくらく家財宅急便」や、「快適生活サポートサービス」の取扱いが好調に推移したことに加え、スポット案件の獲得などにより353億44百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ2.4%増加しました。利益面では、前第3四半期連結累計期間に比べ1億63百万円改善しましたが、3億円の営業損失となりました。
○e-ビジネス事業
① e-ビジネス事業は、お客様の業務プロセスの効率化や潜在的な課題の解決に向けて、情報機能に物流機能、決済機能を融合させたソリューションプラットフォームビジネスを積極的に行っています。また、グループの事業成長を加速させるため、従来のITにとどまらず、AIやIoTなどを用いた新技術の活用を推進しています。
② 商品の受注・出荷業務を支援するサービスとしては、出荷情報の処理や伝票印字、荷物追跡などの業務を包括的にサポートする「Web出荷コントロールサービス」を提供しています。当第3四半期連結累計期間においては、EC市場の成長などを背景に、既存大口のお客様を中心にサービスのご利用が拡大しました。
③ 営業活動で主にパンフレット・カタログ等の販促品を使用するお客様に向けては、販促品の受発注システムや倉庫保管・管理・配送等の物流、印刷をトータルで提供する「e-オンデマンドソリューション事業」を展開しています。当第3四半期連結累計期間においては、新たに獲得したお客様や既存のお客様のご利用が拡大しました。
④ 営業収益は、「Web出荷コントロールサービス」の取扱い拡大や、「e-オンデマンドソリューション事業」において、お客様のご利用が拡大したことなどにより351億68百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ4.1%増加しました。営業利益は83億82百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ15.1%増加しました。
○フィナンシャル事業
① フィナンシャル事業は、通販商品の代金回収、企業間の決済、および車両のリースなど、お客様の様々なニーズにお応えする決済・金融サービスを展開しています。
② 決済サービスに関しては、主力商品である「宅急便コレクト」の提供に加えて、ネット総合決済サービス「クロネコwebコレクト」や「クロネコ代金後払いサービス」、電子マネー決済機能の利用拡大を推進しています。当第3四半期連結累計期間においては、「クロネコwebコレクト」、「クロネコ代金後払いサービス」のご利用を促進し、お客様に幅広い決済サービスを提供するとともに、収益性の向上に取り組みました。また、お客様のコスト削減や業務効率化、利便性向上を目的に、各種決済サービスの精算業務の一本化を推進しました。
③ リース事業では、トラックを中心としたファイナンス・リースや割賦販売が順調に推移するとともに、車両の紹介や売却サポートなどの周辺業務を展開し、車両に関するトータルソリューション提案を推進しました。
④ 営業収益は、代引き市場の縮小などにより、主力である「宅急便コレクト」の取扱いが減少したものの、リース事業などが好調に推移したことにより625億46百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ7.8%増加しました。営業利益は63億26百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ1.4%増加しました。
○オートワークス事業
① オートワークス事業は、物流・流通事業者様へ「車両整備における利便性の向上」、「整備費用の削減」という価値を提供するため、「24時間365日営業・お客様の稼働を止めないサービス」を展開しています。さらに、「物流施設、設備機器の維持保全や職場環境改善」や、これらの資産を対象に「お客様のリスクマネジメントに繋がる最適な保険提案」という機能を付加することで、お客様の事業運営に係るワンストップサービスを実現しています。
② 当第3四半期連結累計期間においては、定期的にお客様のもとへ訪問する「リペアワークス」の営業を積極的に行うなど、取扱いの拡大に向け取り組みました。
③ 営業収益は、車両機器の販売などが伸び悩んだことにより184億72百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ0.5%減少しました。営業利益は35億18百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ24.6%増加しました。
○その他
① 「JITBOXチャーター便」は、複数の企業グループのネットワークを用いたボックス輸送を通じて、お客様に「適時納品」や「多頻度適量納品」という付加価値を提供しています。当第3四半期連結累計期間においては、既存のサービスが好調であったことにより、ご利用が着実に拡大しました。
② 営業利益は、ヤマトホールディングス株式会社がグループ各社から受け取る配当金などを除いて18億30百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ6.0%増加しました。
① ヤマトグループは、人命の尊重を最優先とし、安全に対する様々な取組みを実施しています。当第3四半期連結累計期間においては、ヤマト運輸株式会社が「第7回全国安全大会」を開催し、プロドライバーとしての安全運転のレベルアップと全社の安全意識や運転技術の向上に取り組みました。また、子どもたちに交通安全の大切さを伝える「こども交通安全教室」を1998年より継続して全国の保育所・幼稚園・小学校などで開催しており、累計参加人数は約300万人となりました。
② ヤマトグループは、環境保護活動を「ネコロジー」と総称し、環境に優しい物流の仕組みづくりに取り組んでいます。また、次世代を担う子どもたちへの環境教育をサポートする「クロネコヤマト環境教室」を2005年より継続して全国各地で開催しており、累計参加人数は約24万人となりました。
③ ヤマトグループは、社会とともに持続的に発展する企業を目指し、ヤマト福祉財団を中心に、障がい者が自主的に働く喜びを実感できる社会の実現に向けて様々な活動を行っています。具体的には、パンの製造・販売を営むスワンベーカリーにおける積極的な雇用や、クロネコDM便の委託配達を通じた働く場の提供、就労に必要な技術や知識の訓練を行う就労支援施設の運営など、障がい者の経済的な自立支援を継続的に行っています。
④ ヤマトグループは、より持続的な社会的価値の創造に向けて、社会と価値を共有するCSV(クリエーティング・シェアード・バリュー=共有価値の創造)という概念に基づいた取組みを推進しています。当第3四半期連結累計期間においては、過疎化や高齢化が進む中山間地域におけるバス路線網の維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目的とする「客貨混載」を、岩手県、宮崎県、北海道、熊本県、兵庫県、長野県、和歌山県、徳島県で推進するとともに、岐阜県の鉄道会社と連携して鉄道を活用した実証実験も開始しました。また、神奈川県藤沢市のFujisawa SST(Fujisawa サスティナブル・スマートタウン)内に開業した、一括配送など街の物流インフラを担う「Next Delivery SQUARE(ネクストデリバリースクエア)」においては、引き続き物流効率化や次世代物流サービスの実現に向けた取組みを推進しています。さらに、全国各地で高齢者の見守り支援や観光支援、産物の販路拡大支援など、ヤマトグループの経営資源を活用した地域活性化や課題解決に取り組み、行政と連携した案件数の累計は2,041件となりました。
⑤ ヤマトグループは、社会的インフラとしてお客様をはじめ社会の信頼に応えていくために、コンプライアンス経営を推進し、労働時間管理ルールの見直しや社員の新しい働き方を創造するなど、社員が「働きやすさ」と「働きがい」を持ち、イキイキと働ける労働環境の整備を進め、「働き方改革」に全社を挙げて取り組んでいます。
(2)連結財政状態
総資産は1兆1,507億46百万円となり、前連結会計年度に比べ360億74百万円増加しました。これは主に、受取手形及び売掛金が680億71百万円、投資有価証券が81億15百万円増加した一方で、現金及び預金が595億1百万円減少したことによるものであります。
負債は5,913億81百万円となり、前連結会計年度に比べ222億68百万円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金が383億94百万円増加した一方で、借入金が168億27百万円減少したことによるものであります。
純資産は5,593億65百万円となり、前連結会計年度に比べ138億6百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益が174億29百万円となったこと、および剰余金の配当を106億45百万円実施したこと等により、利益剰余金が67億82百万円増加したことによるものであります。
以上により、自己資本比率は前連結会計年度の48.4%から48.0%となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
ヤマトグループは、引き続き、持続的に成長していくために「社員満足」を最優先とした経営の実現、すなわち労働環境の改善(「働き方改革」)を図るとともに、グループ全体の事業モデルについて、これからの時代にあわせた変革を進めつつ、株主様・お客様・社会・社員ならびに取引先の満足の実現に向けて、以下の戦略に取り組んでまいります。
① 健全な企業風土の醸成に向けて、お客様に信頼される品質の確立に最優先で取り組むとともに、ESGの強化、すなわち、社員満足の向上や、法務面や財務面におけるガバナンスの強化、CSR活動などを推進してまいります。特に社員満足の向上については、「働き方改革」を最優先の課題とし、多様な人材から選ばれる魅力のある人事制度に刷新することで、労働力の確保に取り組むとともに、社員の自主・自律が評価され、イキイキと働くことができる評価制度の導入や、教育体系を再構築することで、社員の誇りとやりがいを創出するなど、グループ全体で「働きやすさ」と「働きがい」を実現し、ヤマトグループの原点である「全員経営」を実践してまいります。
② グループの中核であるヤマト運輸株式会社の「働き方改革」については、「社員がイキイキと働くことができる労働環境を実現し、社員の満足を高めていくこと」を最優先事項に据え、引き続き、「労務管理の改善と徹底」、「ワークライフバランスの推進」などに取り組むとともに、将来にわたる労働力の不足に対して、事業者様とのシステム連携やオープン型宅配便ロッカー設置の加速化、先端技術の積極活用を進め、集配部門・事務部門・作業部門などあらゆる領域における生産性の向上に取り組んでまいります。さらに、現在推進している「継続的かつ適正なプライシング施策」、「効率的なラストワンマイルネットワークの再構築」によって、集配キャパシティの拡大と収益力の回復を両立させてまいります。
③ 日本経済の成長戦略に貢献するため、物流改革を実現する「バリュー・ネットワーキング」構想を推進してまいります。引き続き、「羽田クロノゲート」、「厚木ゲートウェイ」、「中部ゲートウェイ」、「沖縄国際物流ハブ」そして、11月に稼働を開始した「関西ゲートウェイ」を活用し、ヤマトグループの最大の強みであるラストワンマイルネットワークをさらに進化させていくとともに、そのネットワークに、情報・物流・決済などの経営資源を融合させることで、物流のスピード・品質・コストの全てを向上させる高付加価値モデルの創出、展開に取り組んでまいります。
④ 海外市場に対しては、ヤマトグループ7社が取得した小口保冷配送サービスに関する国際規格の認証を梃とし、高付加価値なクロスボーダー・ネットワークの構築を積極的に推進するなど、引き続きクロスボーダー物流の拡大に対応すべく、日本・東アジア・東南アジア・欧州・米州の5極間の連携と各地域の機能強化に取り組んでまいります。
⑤ 経営基盤の強化に向けて、最先端のデジタルテクノロジーを取り入れ、新たな事業を創出し、既存事業を進化・革新することに加え、グループの総合力を発揮し、「稼ぐ力」を高めるため、今後、組織構造を改革し、アカウントマネジメント・管理会計・人事(評価)の三位一体で経営システムを刷新してまいります。
⑥ 地域の皆様の生活支援や地域経済の活性化に向けて、日本各地の行政や企業と連携したプラットフォームを構築してまいります。本業を通じて、企業と社会が共有できる価値を創造し、「社会から一番愛され信頼される企業グループ」となることを目指してまいります。
なお、以下に記載する事項のうち将来に関する事項は、当四半期連結会計期間末日現在においてヤマトグループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間における経済環境は、企業業績は底堅さを維持し緩やかな回復基調が続いているものの、海外政治情勢による影響など、引き続き、先行きは不透明な状況にあります。また、消費スタイルの急速な変化に伴うEC市場の拡大等による小口貨物の増加基調に加え、国内労働需給の逼迫など、物流業界は厳しい経営環境が継続しています。
このような状況下、ヤマトグループは高品質なサービスを提供し続けるため、「働き方改革」を経営の中心に据え、「デリバリー事業の構造改革」、「非連続成長を実現するための収益・事業構造改革」、「持続的に成長していくためのグループ経営構造改革」の3つの改革を柱とした中期経営計画「KAIKAKU 2019 for NEXT100」を策定し、ヤマトグループが持続的に成長していくための経営基盤の強化に注力しました。
デリバリー事業においては、「社員の労働環境の改善と整備」、「宅急便の総量コントロール」、「宅急便ネットワーク全体の最適化」、「ラストワンマイルネットワークの強化による効率向上」、「宅急便の基本運賃と各サービス規格の改定」を内容とする「デリバリー事業の構造改革」を推進しました。大口の法人のお客様に対し、出荷調整や再配達削減などを要請するとともに、法人のお客様に対し、運賃の見直し交渉を進め、既に多くのお客様にご理解とご協力をいただいております。なお、交渉途上にある法人のお客様とは交渉を継続しています。その結果、当第3四半期連結会計期間は、宅急便取扱数量が減少に転じ、プライシングの適正化により宅急便単価が上昇し始めるなど、「働き方改革」の推進などにより費用が増加する中で、業績は回復基調となりました。
ノンデリバリー事業においては、グループ各社の強みを活かした既存サービスの拡充に取り組むとともに、グループ横断的に連携してお客様の課題解決に当たるソリューション営業を積極的に推進し、業績は堅調に推移しました。
当第3四半期連結累計期間の連結業績は以下のとおりとなりました。
| 区分 | 前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 | 伸率(%) | |
| 営業収益 | (百万円) | 1,118,143 | 1,171,775 | 53,632 | 4.8 |
| 営業利益 | (百万円) | 58,063 | 32,131 | △25,931 | △44.7 |
| 経常利益 | (百万円) | 58,263 | 32,378 | △25,885 | △44.4 |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | (百万円) | 35,719 | 17,429 | △18,289 | △51.2 |
<ヤマトグループ全体としての取組み>① ヤマトグループは、グループの原点である「全員経営」を実践するため、「働き方改革」を最優先課題とし、ヤマト運輸株式会社の「働き方改革室」、グループ各社の「働き方創造委員会」を中心に、社員がより「働きやすさ」と「働きがい」を持ち、イキイキと働ける労働環境の整備に全社一丸で取り組んでいます。また、各事業が一体となって付加価値の高い事業モデルを創出し、日本経済の成長戦略と、国際競争力の強化に貢献する「バリュー・ネットワーキング」構想を推進するとともに、事業の創出・成長の基盤となる健全な企業風土の醸成に取り組んでいます。
② 健全な企業風土の醸成に向けて、引き続き輸送体制の整備やITによる業務量の見える化など、業務の効率性・信頼性を向上させる施策を推進するとともに、環境施策や安全施策、地域社会の活性化に向けた取組みなど、ヤマトグループの事業活動に結びついたCSR活動を積極的に推進しています。
③ 「バリュー・ネットワーキング」構想の更なる進化に向け、ヤマトグループのネットワークを活かした高付加価値モデルの創出に取り組んでいます。国内外のお客様の様々なニーズに対応するために、既存のラストワンマイルネットワークに加え、「羽田クロノゲート」、「厚木ゲートウェイ」、「中部ゲートウェイ」、「沖縄国際物流ハブ」、11月に稼働を開始した「関西ゲートウェイ」といった革新的なネットワーク基盤を、より効果的に活用していきます。
④ 海外市場に対しては、クロスボーダー物流の拡大に対応すべく、日本・東アジア・東南アジア・欧州・米州の5極間の連携と各地域の機能強化に取り組んでいます。当期はフランス国内最大手のエクスプレス事業者と日仏間のクロスボーダー小口保冷輸送ビジネスの拡大と両社が持つ小口保冷輸送に関するノウハウを共有するクロスライセンスを含む包括的なパートナーシップ契約を締結したほか、9月にクール宅急便の取扱いを開始したベトナムを含め、ヤマトグループ7社が小口保冷配送サービスに関する国際規格の認証を取得するなど、コールドチェーンを核として、高付加価値なクロスボーダー・ネットワークの構築を推進しています。
⑤ EC市場を中心としたお客様の利便性向上を図るべく、駅やコンビニエンスストアなどを中心にオープン型宅配便ロッカーネットワークの構築を積極的に推進するなど、手軽に荷物を受け取れる環境の整備に取り組むとともに、自動運転技術を活用したオンデマンド配送サービス等を提供する「ロボネコヤマト」プロジェクトの実用実験を引き続き実施するなど、次世代物流サービスの開発に取り組むとともに、大量輸送が可能な日本初の新規格の長大連結トレーラを導入するなど、輸送効率化に向けた先端技術の活用も加速させています。また、当第3四半期連結累計期間においては、日本初の三辺自動梱包機を厚木ゲートウェイに導入するなど、今後深刻化する労働力不足などの社会的課題や、益々拡大するEC市場に対応するため、物流全体におけるデジタル化、自動化に取り組んでいます。
<事業フォーメーション別の概況>○デリバリー事業
宅急便、クロネコDM便の取扱数量は以下のとおりです。
| 区分 | 前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 | 伸率(%) | |
| 宅急便 | (百万個) | 1,437 | 1,445 | 7 | 0.5 |
| クロネコDM便 | (百万冊) | 1,147 | 1,111 | △36 | △3.1 |
① デリバリー事業は、お客様にとって一番身近なインフラとなり、豊かな社会の実現に貢献するために、宅急便を中心とした事業の展開に取り組んでいます。
② 消費スタイルの急速な変化に伴うEC市場の拡大等による小口貨物の増加基調に加え、国内労働需給の逼迫など厳しい事業環境が継続している中、「社員の労働環境の改善と整備」、「宅急便の総量コントロール」、「宅急便ネットワーク全体の最適化」、「ラストワンマイルネットワークの強化による効率向上」、「宅急便の基本運賃と各サービス規格の改定」を内容とする「デリバリー事業の構造改革」を推進しました。「社員の労働環境の改善と整備」においては、社員の昼休憩の確保や長時間労働防止に向け、宅急便受付締切り時間を繰り上げ、宅急便の配達時間帯の指定区分を従来の6区分から5区分に変更しました。当第3四半期連結累計期間においては、10月に宅急便の基本運賃を改定しました。また、大口の法人のお客様に対し、出荷調整や再配達削減などを要請するとともに、法人のお客様に対する運賃の見直し交渉を進め、既に多くのお客様にご理解とご協力をいただいております。なお、交渉途上にある法人のお客様とは交渉を継続しています。
③ 成長が見込まれるEC市場に対しては、小さな荷物をリーズナブルな料金で手軽に送ることができる「宅急便コンパクト」、「ネコポス」の拡販を進めるとともに、複数のフリマサイトと連携し、発送窓口拡大を推進しています。当第3四半期連結累計期間においては、EC事業者様向けにオープンプラットフォームを提供する事業者と連携し、お客様が商品を購入した場合に、受け取り場所としてヤマト運輸株式会社の営業所やコンビニエンスストア、オープン型宅配便ロッカー(PUDO)を指定できる環境を提供するなど、お客様の利便性向上に取り組みました。
④ 法人のお客様については、お客様の経営課題を的確に把握し、その課題に沿ったソリューション提案を積極的に推進しています。また、グループの経営資源を活用した付加価値の高い提案を行い、収益性の向上に取り組んでいます。当第3四半期連結累計期間においては、クラウド上でご利用いただける新たな送り状発行サービス「B2クラウド」のご利用を推進しました。また、EC事業者様のビジネスを支援するため、法人向け会員制サービス「ヤマトビジネスメンバーズ」を通じて、荷物の発送や受け取りを便利にするAPIを公開するなど、新たなサービスの提供に取り組みました。
⑤ 地域活性化に向けた事業としては、複数の自治体や企業と連携し、買い物困難者の支援、高齢者見守りなど、住民へのサービス向上に取り組みました。また、農水産物をはじめとする生鮮品の鮮度を保ったままスピーディーにアジア圏へ配送することで、地域産品の販売拡大を支援するなど、地元産業の活性化につながる取組みを推進しました。
⑥ 営業収益は、当第3四半期連結会計期間においては、宅急便取扱数量が伸率△4.5%と減少したものの、プライシングの適正化により宅急便単価が上昇し増収となりました。その結果、当第3四半期連結累計期間では9,217億92百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ3.9%増加しました。
⑦ 営業利益は、当第3四半期連結会計期間においては、「働き方改革」の推進などにより費用が増加する中で、回復基調となりました。その結果、当第3四半期連結累計期間では96億96百万円となりましたが、前第3四半期連結累計期間に比べ73.2%減少しました。
○BIZ-ロジ事業
① BIZ-ロジ事業は、宅急便ネットワークをはじめとした経営資源に、ロジスティクス機能、メンテナンス・リコール対応機能、医療機器の洗浄機能、国際輸送機能などを組み合わせることにより、お客様に革新的な物流システムを提供しています。
② EC業界等に向けたサービスとしては、お客様のご要望に応じて、受発注処理から在庫の可視化、スピード出荷などの多様な物流支援サービスをワンストップで提供しています。当第3四半期連結累計期間においては、既存サービスの取扱いが増加したことなどにより、収益が好調に推移しました。
③ メディカル事業者様に向けたサービスとしては、医療機器のローナー支援(保管・洗浄・配送)をはじめとする、物流改革の支援サービスを展開しています。当第3四半期連結累計期間においては、新たに獲得したお客様のご利用が拡大するなど、収益は堅調に推移しました。
④ 営業収益は、EC事業者様向けの既存サービスが好調であったことなどにより894億79百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ13.6%増加しました。利益面では、海外引越しなどの一部サービスで委託コストが増加したことなどにより30億57百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ6.5%減少しました。
○ホームコンビニエンス事業
① ホームコンビニエンス事業は、お客様の便利で快適な生活の実現に向けて、ヤマトグループの全国ネットワークを活用し、生涯生活支援事業や法人活動支援事業に取り組んでいます。
② 個人のお客様に向けては、大型家具・家電の配送サービス「らくらく家財宅急便」や引越関連サービス、「イエナカ」での日常のお困りごとを解消する「快適生活サポートサービス」など、日々の生活を支援するサービスを展開しています。当第3四半期連結累計期間においては、引き続き、フリマアプリと連携し、大型荷物を簡単に送れる新たな配送サービスを提供する「らくらく家財宅急便」の取扱い拡大に取り組むとともに、年末の需要期に向け「快適生活サポートサービス」の拡販を積極的に推進しました。
③ 法人のお客様に向けては、ヤマトグループと工事会社のネットワークを融合し、住宅設備などの配送・設置から工事・保守までをワンストップで提供する「テクニカルネットワーク事業」をはじめとする事業支援サービスを展開しています。当第3四半期連結累計期間においては、オフィス移転案件などの獲得に着実に取り組みました。
④ 営業収益は、「らくらく家財宅急便」や、「快適生活サポートサービス」の取扱いが好調に推移したことに加え、スポット案件の獲得などにより353億44百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ2.4%増加しました。利益面では、前第3四半期連結累計期間に比べ1億63百万円改善しましたが、3億円の営業損失となりました。
○e-ビジネス事業
① e-ビジネス事業は、お客様の業務プロセスの効率化や潜在的な課題の解決に向けて、情報機能に物流機能、決済機能を融合させたソリューションプラットフォームビジネスを積極的に行っています。また、グループの事業成長を加速させるため、従来のITにとどまらず、AIやIoTなどを用いた新技術の活用を推進しています。
② 商品の受注・出荷業務を支援するサービスとしては、出荷情報の処理や伝票印字、荷物追跡などの業務を包括的にサポートする「Web出荷コントロールサービス」を提供しています。当第3四半期連結累計期間においては、EC市場の成長などを背景に、既存大口のお客様を中心にサービスのご利用が拡大しました。
③ 営業活動で主にパンフレット・カタログ等の販促品を使用するお客様に向けては、販促品の受発注システムや倉庫保管・管理・配送等の物流、印刷をトータルで提供する「e-オンデマンドソリューション事業」を展開しています。当第3四半期連結累計期間においては、新たに獲得したお客様や既存のお客様のご利用が拡大しました。
④ 営業収益は、「Web出荷コントロールサービス」の取扱い拡大や、「e-オンデマンドソリューション事業」において、お客様のご利用が拡大したことなどにより351億68百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ4.1%増加しました。営業利益は83億82百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ15.1%増加しました。
○フィナンシャル事業
① フィナンシャル事業は、通販商品の代金回収、企業間の決済、および車両のリースなど、お客様の様々なニーズにお応えする決済・金融サービスを展開しています。
② 決済サービスに関しては、主力商品である「宅急便コレクト」の提供に加えて、ネット総合決済サービス「クロネコwebコレクト」や「クロネコ代金後払いサービス」、電子マネー決済機能の利用拡大を推進しています。当第3四半期連結累計期間においては、「クロネコwebコレクト」、「クロネコ代金後払いサービス」のご利用を促進し、お客様に幅広い決済サービスを提供するとともに、収益性の向上に取り組みました。また、お客様のコスト削減や業務効率化、利便性向上を目的に、各種決済サービスの精算業務の一本化を推進しました。
③ リース事業では、トラックを中心としたファイナンス・リースや割賦販売が順調に推移するとともに、車両の紹介や売却サポートなどの周辺業務を展開し、車両に関するトータルソリューション提案を推進しました。
④ 営業収益は、代引き市場の縮小などにより、主力である「宅急便コレクト」の取扱いが減少したものの、リース事業などが好調に推移したことにより625億46百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ7.8%増加しました。営業利益は63億26百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ1.4%増加しました。
○オートワークス事業
① オートワークス事業は、物流・流通事業者様へ「車両整備における利便性の向上」、「整備費用の削減」という価値を提供するため、「24時間365日営業・お客様の稼働を止めないサービス」を展開しています。さらに、「物流施設、設備機器の維持保全や職場環境改善」や、これらの資産を対象に「お客様のリスクマネジメントに繋がる最適な保険提案」という機能を付加することで、お客様の事業運営に係るワンストップサービスを実現しています。
② 当第3四半期連結累計期間においては、定期的にお客様のもとへ訪問する「リペアワークス」の営業を積極的に行うなど、取扱いの拡大に向け取り組みました。
③ 営業収益は、車両機器の販売などが伸び悩んだことにより184億72百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ0.5%減少しました。営業利益は35億18百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ24.6%増加しました。
○その他
① 「JITBOXチャーター便」は、複数の企業グループのネットワークを用いたボックス輸送を通じて、お客様に「適時納品」や「多頻度適量納品」という付加価値を提供しています。当第3四半期連結累計期間においては、既存のサービスが好調であったことにより、ご利用が着実に拡大しました。
② 営業利益は、ヤマトホールディングス株式会社がグループ各社から受け取る配当金などを除いて18億30百万円となり、前第3四半期連結累計期間に比べ6.0%増加しました。
② ヤマトグループは、環境保護活動を「ネコロジー」と総称し、環境に優しい物流の仕組みづくりに取り組んでいます。また、次世代を担う子どもたちへの環境教育をサポートする「クロネコヤマト環境教室」を2005年より継続して全国各地で開催しており、累計参加人数は約24万人となりました。
③ ヤマトグループは、社会とともに持続的に発展する企業を目指し、ヤマト福祉財団を中心に、障がい者が自主的に働く喜びを実感できる社会の実現に向けて様々な活動を行っています。具体的には、パンの製造・販売を営むスワンベーカリーにおける積極的な雇用や、クロネコDM便の委託配達を通じた働く場の提供、就労に必要な技術や知識の訓練を行う就労支援施設の運営など、障がい者の経済的な自立支援を継続的に行っています。
④ ヤマトグループは、より持続的な社会的価値の創造に向けて、社会と価値を共有するCSV(クリエーティング・シェアード・バリュー=共有価値の創造)という概念に基づいた取組みを推進しています。当第3四半期連結累計期間においては、過疎化や高齢化が進む中山間地域におけるバス路線網の維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目的とする「客貨混載」を、岩手県、宮崎県、北海道、熊本県、兵庫県、長野県、和歌山県、徳島県で推進するとともに、岐阜県の鉄道会社と連携して鉄道を活用した実証実験も開始しました。また、神奈川県藤沢市のFujisawa SST(Fujisawa サスティナブル・スマートタウン)内に開業した、一括配送など街の物流インフラを担う「Next Delivery SQUARE(ネクストデリバリースクエア)」においては、引き続き物流効率化や次世代物流サービスの実現に向けた取組みを推進しています。さらに、全国各地で高齢者の見守り支援や観光支援、産物の販路拡大支援など、ヤマトグループの経営資源を活用した地域活性化や課題解決に取り組み、行政と連携した案件数の累計は2,041件となりました。
⑤ ヤマトグループは、社会的インフラとしてお客様をはじめ社会の信頼に応えていくために、コンプライアンス経営を推進し、労働時間管理ルールの見直しや社員の新しい働き方を創造するなど、社員が「働きやすさ」と「働きがい」を持ち、イキイキと働ける労働環境の整備を進め、「働き方改革」に全社を挙げて取り組んでいます。
(2)連結財政状態
総資産は1兆1,507億46百万円となり、前連結会計年度に比べ360億74百万円増加しました。これは主に、受取手形及び売掛金が680億71百万円、投資有価証券が81億15百万円増加した一方で、現金及び預金が595億1百万円減少したことによるものであります。
負債は5,913億81百万円となり、前連結会計年度に比べ222億68百万円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金が383億94百万円増加した一方で、借入金が168億27百万円減少したことによるものであります。
純資産は5,593億65百万円となり、前連結会計年度に比べ138億6百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益が174億29百万円となったこと、および剰余金の配当を106億45百万円実施したこと等により、利益剰余金が67億82百万円増加したことによるものであります。
以上により、自己資本比率は前連結会計年度の48.4%から48.0%となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
ヤマトグループは、引き続き、持続的に成長していくために「社員満足」を最優先とした経営の実現、すなわち労働環境の改善(「働き方改革」)を図るとともに、グループ全体の事業モデルについて、これからの時代にあわせた変革を進めつつ、株主様・お客様・社会・社員ならびに取引先の満足の実現に向けて、以下の戦略に取り組んでまいります。
① 健全な企業風土の醸成に向けて、お客様に信頼される品質の確立に最優先で取り組むとともに、ESGの強化、すなわち、社員満足の向上や、法務面や財務面におけるガバナンスの強化、CSR活動などを推進してまいります。特に社員満足の向上については、「働き方改革」を最優先の課題とし、多様な人材から選ばれる魅力のある人事制度に刷新することで、労働力の確保に取り組むとともに、社員の自主・自律が評価され、イキイキと働くことができる評価制度の導入や、教育体系を再構築することで、社員の誇りとやりがいを創出するなど、グループ全体で「働きやすさ」と「働きがい」を実現し、ヤマトグループの原点である「全員経営」を実践してまいります。
② グループの中核であるヤマト運輸株式会社の「働き方改革」については、「社員がイキイキと働くことができる労働環境を実現し、社員の満足を高めていくこと」を最優先事項に据え、引き続き、「労務管理の改善と徹底」、「ワークライフバランスの推進」などに取り組むとともに、将来にわたる労働力の不足に対して、事業者様とのシステム連携やオープン型宅配便ロッカー設置の加速化、先端技術の積極活用を進め、集配部門・事務部門・作業部門などあらゆる領域における生産性の向上に取り組んでまいります。さらに、現在推進している「継続的かつ適正なプライシング施策」、「効率的なラストワンマイルネットワークの再構築」によって、集配キャパシティの拡大と収益力の回復を両立させてまいります。
③ 日本経済の成長戦略に貢献するため、物流改革を実現する「バリュー・ネットワーキング」構想を推進してまいります。引き続き、「羽田クロノゲート」、「厚木ゲートウェイ」、「中部ゲートウェイ」、「沖縄国際物流ハブ」そして、11月に稼働を開始した「関西ゲートウェイ」を活用し、ヤマトグループの最大の強みであるラストワンマイルネットワークをさらに進化させていくとともに、そのネットワークに、情報・物流・決済などの経営資源を融合させることで、物流のスピード・品質・コストの全てを向上させる高付加価値モデルの創出、展開に取り組んでまいります。
④ 海外市場に対しては、ヤマトグループ7社が取得した小口保冷配送サービスに関する国際規格の認証を梃とし、高付加価値なクロスボーダー・ネットワークの構築を積極的に推進するなど、引き続きクロスボーダー物流の拡大に対応すべく、日本・東アジア・東南アジア・欧州・米州の5極間の連携と各地域の機能強化に取り組んでまいります。
⑤ 経営基盤の強化に向けて、最先端のデジタルテクノロジーを取り入れ、新たな事業を創出し、既存事業を進化・革新することに加え、グループの総合力を発揮し、「稼ぐ力」を高めるため、今後、組織構造を改革し、アカウントマネジメント・管理会計・人事(評価)の三位一体で経営システムを刷新してまいります。
⑥ 地域の皆様の生活支援や地域経済の活性化に向けて、日本各地の行政や企業と連携したプラットフォームを構築してまいります。本業を通じて、企業と社会が共有できる価値を創造し、「社会から一番愛され信頼される企業グループ」となることを目指してまいります。