有価証券報告書-第161期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/12 9:17
【資料】
PDFをみる
【項目】
172項目
②戦略
STEP1リスク重要度の評価

[重要度の評価基準]
1年間に発生する収益・費用における財務影響の評価基準を基に重要度を3段階(大・中・小)で設定しています。
大=100億円以上、中=10億円以上~100億円未満、小=10億円未満
[発現時期]
短期(~2026年)、中期(2027年~2030年)、長期(2031年~2050年)
0102010_008.png
0102010_009.png
STEP2シナリオ群の定義

2024年3月期に実施したシナリオ分析では、ヤマト運輸株式会社を対象とし、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)や国際エネルギー機関(IEA)の情報*1などをもとに下記2つのシナリオを想定しました。
ⅰ.1.5℃シナリオ*2:規制強化や燃料・電力の価格上昇に加えて炭素排出低減に対応するコストが必要になる一方で、サステナブルが製品の競争力につながる社会
ⅱ.4℃シナリオ:従来型の経営が継続されるが、各所での自然災害等に対応するためのコストが必要となる社会

*1IPCC…RCP8.5
IEA …Net Zero Emissions by 2050 Scenario、Sustainable Development Scenario、Stated Policies Scenarioなど
*21.5℃でシナリオがない項目は2℃シナリオを参照

STEP3事業インパクト評価

抽出したリスクの中でも炭素税導入や異常気象・災害が収益・費用について大きな影響を与える可能性があることを認識し、以下の分析・事業インパクト評価を実施しました。(ⅰとⅲは2025年に再評価)
●評価を実施した項目
ⅰ.炭素税導入による財務影響
ⅱ.異常気象・災害による収益の減少や施設・設備の修理費用増加の財務影響
ⅲ.洪水災害による資産損失や営業停止の財務的影響
●詳細
ⅰ.炭素税導入による財務影響
炭素税が本格導入・増税された場合、車両の稼働や大型拠点の操業等に伴う排出が課税対象となり、税負担が増える可能性があります。2030年の炭素税価格を140USドル/tCO2、2050年の価格を250USドル/tCO2と仮定した場合*3、2030年には156億円、2050年には279億円と試算しました(1.5℃シナリオ。対策なしの場合の金額)。
*3 出典:International Energy Agency(IEA)(2024)World Energy Outlook 2024. p.329
ⅱ.異常気象・災害による収益の減少や施設・設備の修理費用増加の財務影響評価
台風の激甚化や線状降水帯による豪雨など異常気象による収益の減少や施設・設備の修理費用*4について事業インパクトを試算した結果、2030年には19億円、2050年には38億円と算出しました。
*4過去に発生した災害を参考に試算

ⅲ.洪水災害による資産損失や営業停止の財務的影響
洪水災害により資産損失や営業停止の財務的影響が出る可能性があります。100年に一度起こりうる洪水が発生した場合、4℃シナリオ(RCP8.5相当)における年間の影響は、2030年に4億円、2050年に4億円と試算しました。評価対象拠点の浸水深に応じた被害率や影響日数を用いて、建物資産、償却資産、営業停止の被害・損失額を算出しています。
[試算ロジック]
国土交通省「TCFD提言における物理的リスク評価の手引き」の一部算出方法に基づき、洪水リスクは、世界資源研究所(WRI)の「Aqueduct Floods」のデータを参照しています*5。
*5 下記5つの気候モデルの浸水深を平均した面的浸水深データ。46拠点の当該地点を評価。気候モデル:GFDL-ESM2M(Geophysical Fluid Dynamics Laboratory)、HadGEM2-ES(Met Office Hadley Centre)、IPSL-CM5A-LR(Institut Pierre Simon Laplace)、MIROC-ESM-CHEM(東京大学大気海洋研究所、国立環境研究所、国立研究開発法人海洋研究開発機構)、NorESM1-M(Bjerknes Centre for Climate Research, Norwegian Meteorological Institute)。
STEP4対応策の方向性

ⅰ.炭素税導入
ヤマトグループは、温室効果ガス(GHG)排出量削減に向け2050年自社排出実質ゼロの高い目標を掲げて取り組んでいます。
イ.2030年の目標値を2021年3月期比48%削減と掲げ、実現に向けて主な施策として2030年までに低炭素車両(主にEV)23,500台の導入や太陽光発電設備の設置などを計画しています。これにより、取り組まなかった場合と比較して、2030年には69億円の削減効果があると試算しています。
ロ.2050年に向けて、カートリッジ式EVを含む低炭素車両の導入や、ヤマトグループの拠点に設置した太陽光発電設備および地域の発電事業者の再生可能エネルギー由来電力の使用率を高めるなどの施策も強化することで自社排出実質ゼロを達成した場合、炭素税の財務影響は解消すると想定しています。
ハ.低炭素化に向けた設備投資が積極的に行われることを目指し、インターナルカーボンプライシングの導入を検討しています。
ⅱ.異常気象・災害による収益の減少や施設・設備の修理費用の増加
ヤマトグループでは、ハザードマップを活用した出店やBCPマニュアルの定期的な更新に加え、社内やパートナーへの気候変動に適応する情報の発信を行っています。今後、レジリエンスを高める再生可能エネルギーやカートリッジ式EVの利用モデルの実証を行っていきます。
ⅲ.消費者・顧客の環境意識の高まりを機会に捉えた取組み
ヤマトグループは、「2050年温室効果ガス(GHG)排出実質ゼロ(自社排出)」に向けて、EVの導入やヤマトグループの拠点、地域の発電事業者の再生可能エネルギー由来電力の調達などにより、温室効果ガス(GHG)排出量削減を推進しています。また、お客様が環境負荷の少ないサプライチェーンを構築するための支援として、2025年11月から法人顧客を対象に、「宅急便」「宅急便コンパクト」「EAZY」の宅配便3商品(以下、宅配便3商品)の輸配送工程で生じたGHG排出量を算定する「温室効果ガス排出量提供サービス」の提供を開始しました。本サービスの算定方法は、2023年3月に発行された物流領域におけるGHG排出量算定基準の国際規格ISO 14083:2023*6に準拠しており、ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社による妥当性評価を取得しています。2023年3月期より、宅配便3商品を対象とした「カーボンニュートラリティ宣言」を実施しています。本宣言は、2023年3月期以降各年度において、国際規格ISO 14068-1:2023に準拠したカーボンニュートラリティを達成したことを示すとともに、今後も事業活動に伴う温室効果ガス(GHG)自社排出量の削減に向けて継続的に取り組むことにより、2050年までの宅配便3商品のカーボンニュートラリティ実現をコミットメントしたものです。なお、本宣言は第三者機関であるBSIグループジャパン株式会社の検証を受けています。ヤマトグループは、このような気候変動に配慮した輸送サービスの提供を通じて、個人および法人顧客のさらなる利用促進につなげていきます。
また、環境課題を解決するビジネスモデルの創出を通じて、経済価値を生み出す取組みを推進します。2026年3月期は、ラストマイル領域で培った商用EV導入・活用の知見を活かした「EVライフサイクルサービス」の提供拡大、また、2025年1月に設立したヤマトエナジーマネジメント株式会社が、まずはヤマト運輸株式会社の全国拠点に対し脱炭素化に向けた再生可能エネルギー由来電力などの提供を開始しました。また、2024年5月に設立したSustainable Shared Transport株式会社は、企業間の垣根を越えた「共同輸配送」による物流の標準化・効率化を目指して、荷主企業や物流事業者など多様なステークホルダーが参画できる共同輸配送のオープンプラットフォームの構築、事業拡大に取り組んでいます。また、2025年11月、ヤマト運輸株式会社は、全国にて、国際規格ISO 14083:2023に準拠した「温室効果ガス排出量提供サービス」の提供を開始しました。これらの取組みを通じて、ヤマトグループの利益成長と社会・物流業界全体のサステナビリティへの貢献に取り組んでいきます。
*6 輸送(道路、鉄道、航空、海上、水上など)で生じるGHG排出量の算定および報告の国際基準

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。