有価証券報告書-第71期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/30 13:35
【資料】
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【項目】
153項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、グループの使命・存在意義である経営理念として「安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します」を掲げています。経営の基盤である安全を堅持しつつ、数あるエアライングループのなかで、お客様に選ばれ、世界の航空業界をリードする確固たる地位を築くことを目指し、グループ経営ビジョンとして「ANAグループは、お客様満足と価値創造で世界のリーディングエアライングループを目指します」と定めています。
(2) 経営環境
航空業界は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、旅客需要が大幅に減少する等、甚大な影響を受けており、極めて厳しい経営状況が続いています。世界各国の入国制限により、海外渡航は大きく低迷している中、国内線旅客需要は5月に緊急事態宣言が解除されて以降、第3四半期にかけて需要が回復傾向にありましたが、12月以降は感染者数の増加により再び低迷する等、感染者数の動向に連動して推移しています。
資金面については、4月から6月の3か月間で、民間金融機関及び日本政策投資銀行から、合計5,350億円規模の借入を実施した他、10月に劣後特約付シンジケートローン(4,000億円)、12月から1月に公募増資及び第三者割当増資(2,976億円)により、合計1兆2,000億円以上の資金調達を実施したことから、当連結会計年度末現在においては、十分な手元流動性を確保しています。
(3) 対処すべき課題
このような状況下で当社グループは、2020年10月27日に公表した「ANAグループの新しいビジネス・モデルへの変革」に基づき、コロナがもたらす人々の行動変容に対応し、感染症の再来にも耐え得る強靭な企業グループに生まれ変わるための事業構造改革プランを着実に遂行していきます。
① 需要に合わせた航空事業の一時的な縮小
需要動向に応じた運航規模の抑制による運航関連費用の削減に加え、固定費の大幅な削減を進めていきます。具体的には大型機を中心とした航空機の大量退役を実施した他、グループ役職員の報酬・賃金・一時金の削減や、休業・休職制度の拡充、外部企業への出向等の人件費抑制策を実施していきます。
② 最適な航空事業ポートフォリオの追求
ANA、Peachに加え、エアージャパン㈱を活用した第3ブランドの設立・活用により、お客様の価格・サービスにおける幅広いニーズに対応できるエアライングループとして持続的な成長を追求します。各エアラインはコロナ後の新常態に適合した新しいサービス・モデルを展開するとともに、マーケティングにおいて連携を図り、顧客回遊を促進することにより、お客様のライフタイム・バリューを最大化します。
③ 顧客データを活用したプラットフォーム事業の確立
航空事業、旅行事業、日常的な購買を中核に、当社グループが蓄積してきた顧客データとANAアプリやホームページ等のデジタルタッチポイントを活用したプラットフォーム・ビジネスを具現化し、グループにおける非航空収益を拡大します。
(4) 今後の見通し等
大都市圏における感染拡大を背景にした外出自粛の長期化や、世界各国の入国制限が当社に与える影響は大きく、前期に引き続き業績への影響は避けられないと考えています。一方でわが国においても本年2月よりワクチン接種が開始されており、既に接種の先行している諸外国の事例からも、今後順調に接種が進めば感染拡大が沈静化し、旅客需要が急速に回復することが期待されています。
このような状況下で当社グループでは、2022年3月末に国内線旅客需要はコロナ前の水準、国際線旅客需要はコロナ前に比べて5割まで回復すると予測しています。さらに、費用面でも固定費を中心に3,000億円のコスト削減を行う等、コストマネジメントを徹底し、2021年度は黒字化の実現を目指してまいります。

(5) (参考)社会的価値と経済的価値の同時創造
地球環境や社会が抱える課題への対応が企業の長期的な成長に大きな影響を及ぼすなか、経営理念である「安心」と「信頼」を基礎としながら、「経済的価値」と「社会的価値」を同時に創出していくことを目指しています。
ANAグループでは、その具体的な取り組みとして、事業戦略や社会動向を踏まえ、社内外のステークホルダーへ配慮しつつ、「環境」「人権・ダイバーシティ&インクルージョン」「地域創生」を経営における重要課題(マテリアリティ)として特定しました。グローバルレベルの観点から国際基準に基づき、持続可能な開発目標(SDGs)をはじめとする国際的な目標も意識しながら活動を推進していきます。
「環境」についてはCO2排出量の削減のため、低燃費航空機の導入、並びに持続可能なジェット燃料導入の取り組み等を行っています。「人権・ダイバーシティ&インクルージョン」では、「ビジネスと人権に関する国連指導原則」への対応や、お客様のダイバーシティに着目したサービスの開発・導入を推進しています。また「地域創生」については、ANAグループ内リソースを戦略的に活用し、国内では、訪日需要の取り込みや地域産品の宣伝・販売をはじめとした地域活性化支援事業等を行っており、海外就航地域では、当該地域の社会課題解決に向け、次世代教育や観光資源の保全等の社会貢献活動を積極的に行っています。

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