有価証券報告書-第76期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 11:21
【資料】
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【項目】
206項目
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営の基本方針
① 経営ビジョン
当社グループは、グループの使命・存在意義である経営理念として「安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の 翼で夢にあふれる未来に貢献します」を掲げています。経営の基盤である安全を堅持しつつ、「世界中のグループ社員がいきいきと挑戦を続け、お客様や社会に寄り添いながら新たな価値を提供し、世界を期待や喜びで満たしたい」という想いを込め、グループ経営ビジョンを「ワクワクで満たされる世界を」と定めています。
人とモノのつながりを拡大し、「早く、快適で、楽しい」価値を生み出し続け、ステークホルダーに信頼される企業を目指します。
② ANAグループが社会へ提供する価値
「人とモノのつながりの拡大」と「ANAグループのファン層の拡大」により、3つの社会的インパクト、「交流・物流による経済活性化と社会の絆の強化」、「安全安心で快適な移動による心の豊かさ向上」、「早い移動による時間価値の創出」を生み出します。
③ マテリアリティへの対応を通じた企業価値向上
「人とモノのつながりの拡大(量的拡大)」と「ANAグループのファン層の拡大(質的深化)」に繋げる価値創造の羅針盤として、8つのマテリアリティを新たに策定しております。それぞれの重要課題の解決を通じた社会的価値と経済的価値の同時創造の実現により、企業価値向上を目指します。
・価値創造プロセス
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・8つのマテリアリティ
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(2) 経営環境
① 「2023-2025年度 ANAグループ中期経営戦略」の振り返り
2023~2025年度は、国際線旅客事業が好調に推移したことなどを背景に、航空事業を中心に計画を上回る利益を蓄積した結果、最優先課題としていた財務基盤の回復は着実に進捗しました。また、事業環境に柔軟に対応するとともに、グループ全体での利益最大化に向けて、NCAのグループ化やAirJapanブランド便の運航休止を決定するなど、エアラインポートフォリオを変革しました。さらに2023年度の復配以降、安定継続配当を実施しながら、大規模な自己株式取得も開始しました。
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② 今後の経済見通し
2026年度の日本経済は、原油価格上昇に伴う交易条件の悪化などから成長ペースは減速するものの、雇用・所得環境の改善や、政府による各種施策、緩和的な金融環境などが経済の下支えとなり、緩やかな成長が続くことが期待されています。一方で、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れなどを通じて個人消費に及ぼす影響や、ウクライナや中東地域情勢など、国際情勢の不透明さは、景気の下振れリスクとして想定されます。
中東情勢の影響については、2026年度第1四半期末までに収束し、段階的に正常化に向かう想定で計画に反映しておりますが、今後の情勢を注視しながら機動的なリスクマネジメント体制を備えて対応してまいります。
③ 経営環境の認識
当社グループを取り巻く外部環境は不透明ではあるものの、訪日外国人旅行者数は2025年は4,200万人を超過し、政府が掲げる2030年の目標である6,000万人に向けてさらなる増加が見込まれていることに加え、世界の航空需要も引き続き拡大基調にあると予想されています。
こうした需要の伸びを見据え、成田空港においては2029年以降、発着枠を約1.5倍規模に拡大する機能強化が計画されるなど、事業機会の拡大が期待されます。
一方で、国内総人口の減少が進行しており、AIをはじめとする新技術の活用等、イノベーションによる生産性向上が喫緊の課題となっています。
(3) 対処すべき課題
① 重要テーマと基本戦略
2023~2025年度中期経営戦略の期間で顕在化した3つの課題である、資産効率の向上、利益変動リスクの低減、株主価値の向上を重点テーマとし、①成長投資の加速、②利益成長の加速、③株主価値の向上の3つの変革を実行します。
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② 3つの変革を裏付ける定量的変化
人財・DX・航空機を中心として5年間で2.7兆円規模の大規模な成長投資を実施します。成長領域である国際線旅客・国際線貨物事業の利益成長を加速し、2030年度に営業利益3,100億円、営業利益率10%の水準を目標とします。収益性向上と、株式数削減による資本コントロールを掛け合わせることで、安定的にROE12%以上、EPS CAGR約10%を実現することで、株価上昇や株主価値向上に繋げます。
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③ 2030年度に目指す事業ポートフォリオ
成長領域の「国際線旅客事業」と「貨物事業」に経営資源を優先配分します。多額の資産を投下しながら収益性が低迷している「国内線旅客事業」を安定収益基盤へ復元、また「LCC事業(Peach)」は近距離アジア市場で基盤固めを行います。グループエアラインネットワークと各事業リソースの最適化により、世界のトップエアライングループとの競争に勝ち抜くことを目指します。
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④ 新たな戦略の位置付け
2025年度までの足元固めのステージから、2026年度以降は先行投資を加速することに加え、主に財務健全性の維持向上と資本効率向上による「質の変革」を進めることで、更なる増益を目指します。その後、生産量を増加させ「量×質」の相乗効果で、飛躍的な利益成長のステージに移行していくことを目指します。
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⑤ 価値創造目標とキャッシュアロケーション
前中期経営戦略はコロナ禍からの回復を果たし、成長回帰への「足元固め」の期間でした。2026年度は、足元の中東情勢の影響により増収減益を見込みますが、本戦略期間最終年度となる2028年度には過去最高となる営業利益2,500億円、営業利益率9%の達成を目指します。人財・DX・航空機を中心に今後5年間で過去最大規模の2.7兆円の投資を計画し、2030年度には営業利益3,100億円、営業利益率10%の実現へと繋げます。
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⑥ 事業戦略
1)国際線旅客事業
・事業規模(座席キロ)を1.3倍へ拡大、中期的なネットワークと成田を中心としたダイヤ構造の競争力を
強化します。
・2028年度までは羽田便を優先的に拡充し、成田空港拡張後の2029年度以降は北米線・アジア線を増強
し、事業規模1.7倍(成田便)を目指します。
・2026年8月に受領予定の国際線主力機であるボーイング787-9型機の全クラスに新シートを装備し、快適
性の向上につなげます。
0102010_010.png2)貨物事業
・ANAとNCAで「統合・シナジー効果300億円」を創出、アジアを代表するコンビネーションキャリア
を目指します。
・欧米路線を増強し、アジア=欧米間を中心に成長する貨物需要を取り込みます。
・グループ内貨物事業会社の再編、統合を2027年4月に予定し、構造改革を推進します。
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3)国内線旅客事業
・2028年度以降に導入するエンブラエルE190-E2型機等の新機材により各路線の需給適合を一層進める
ことや、訪日客の需要の取り込みを強化する等、対応策を講じることで収益性を改善します。
・また、空港ハンドリング領域では日本航空㈱との協業も進めて効率化を図ります。
・国土交通省「国内航空のあり方に関する有識者会議」の議論状況については引き続き注視します。
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4)LCC事業(Peach)
・国際線の運航比率を拡大し、関西空港を中心に旺盛な訪日客やレジャー層を取り込みます。
・ANAの未就航路線も開拓し、グループ全体のネットワークを拡充します。
・オペレーションとサービス品質の向上により、選好率・イールドを引き上げます。
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5)フリート戦略
・グループ全体の保有機数はコロナ禍前の303機を超える約330機体制に拡大します。
・新機種を順次導入し、路線ごとの最適な機材配置を目指します。
・加えて、省燃費機材の比率を高め、環境負荷低減と収益性向上の両面を実現します。
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⑦ 「デジタル×人の力」で価値創出を最大化
過去最大規模のDX投資を通じてデジタル活用を推進し、業務効率化によって新たな余力を創出します。この生まれた余力を当社の強みである「人の力」へと再配分し、デジタルと人の力を掛け合わせることで人にしか生み出せない付加価値を創出します。これにより他社との圧倒的な差別化を図り、企業価値の最大化を実現します。

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