有価証券報告書-第74期(2023/04/01-2024/03/31)
| ① 人財 1)ANAグループの人的資本経営における人財戦略の位置づけ 人財はANAグループの最大の資本です。従業員一人ひとりの価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上(社会的価値・経済的価値)につなげることを目的に、人財への投資を起点に、さらなるエンゲージメント向上を図りながら生産性を向上させていきます。人財戦略の各種取組みを強化することで、価値創造サイクルの確実な循環を目指します。 | 「ANAグループの価値創造サイクル」 | |
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2)人財戦略の全体像
人財戦略の最終目標は、持続的な企業価値の向上(社会的・経済的価値)と、社員とその家族、当社グループに関わる人たちの豊かな人生の実現です。社員一人ひとりが圧倒的当事者意識を持ち、自ら行動を起こし、高い目標を達成していきます。
経営戦略を実現するための人・組織に関わる現在の課題は下記の3つとなります。
(ⅰ)事業規模の拡大に向けた、オペレーションを支える人財不足
(ⅱ)非航空事業で収益の柱を確立するための人財不足
(ⅲ)変化に機敏に対応する変革力(レジリエンスの強化)
人財戦略の重要テーマとして、「人の力」と「チームワーク(組織の力)」の相乗効果を発揮するためのベースとなる、①チームスピリットを高める取り組みを推進するとともに、上記(ⅰ)~(ⅲ)の課題の改善を図るために、②社員の人間力×専門性を高める、③変化に強い組織をつくる、④働きやすい環境をつくるための対応策を実行します 。

3)エンゲージメント関連指標及び目標(ANAグループ社員意識調査「ANA’s Way Survey」)
当社グループでは、「人財・組織のありたい姿」の達成度を測るため「社員意識調査」を毎年実施しています。この調査は「ANA’s Way」に掲げる「安全」、「お客様視点」、「社会への責任」、「チームスピリット」、「努力と挑戦」の5項目や「エンゲージメント」に関わる設問を含む68問で構成されています。2023年度はグループ従業員35,280名が回答(回答率95.9%)し、全設問の平均スコアは3.95(5点満点)と高い水準を維持しました。「私はANAグループで働いていることを誇りに思っている」のスコアが4.05となるなど、従業員が会社に対して高い愛着心を持ちながら働いていることも当社グループの経営基盤となっています。
| 2022年度実績 | 2023年度実績 | 2025年度目標 (KPI) | ||||
| (a)全体指標 | ||||||
| 全設問平均スコア | 3.96 | 3.95 | 4.03 | |||
| (b)エンゲージメント関連指標 | ||||||
| 「私はANAグループで働いて いることを誇りに思っている」 | 4.05 | 4.05 | 4.09 | |||
| 「私は今の仕事にやりがい ・達成感を感じている」 | 3.75 | 3.80 | 3.88 | |||
| 「私は、ANAグループの将来について期待を持っている」 | 3.82 | 3.87 | 3.91 |
4)人財戦略における重点施策と主な指標

② DEI(多様性、公正性、受容・共生)
大きく変化するグローバル環境において、当社グループが持続的な成長と価値創造を実現し、よりよい社会と豊かな生活に貢献していくため、「多様化推進」(ジェンダー・障がいの有無・外国籍従業員・キャリア人財・世代など)と「エクイティ・インクルージョン浸透」を進めています。その進捗状況を可視化し、指標に基づいた課題抽出と対応策を実施していきます。
ジェンダー平等
人事サポート制度の見直しや能力開発・意識醸成を進め、女性役員・女性管理職の比率を向上させ、意思決定の場における多様性を確保していきます。
[KPI]2020年代の可能な限り早い時期に当社グループの女性役員・女性管理職比率を30%以上とする。
(2024年4月 女性役員比率 当社グループ 10.4%、ANA 21.3%
女性管理職比率 当社グループ 20.3%、ANA 20.2% )
LGBTQ+
2022年度に「多様な性に関する基本ポリシー」を策定し、従業員がその性的指向や性自認に関わらず、いきいきと働くことが出来る環境整備と職場の理解促進に取り組んでいます。2023年度にはアライ※活動をスタートし、約380名の社員がアライメンバーとして意識醸成活動に取り組んでいます。
※アライ:性的マイノリティのおかれた環境に関心を持ち、自ら理解を深めて支援する人のこと
多様な働き方(両立支援)の推進
従業員の育児や介護等と仕事との両立、一人一人の多様な働き方を支援する制度(短時間・短日数勤務、リモートワーク、事由を問わないサバティカル休暇など)の整備と職場の意識醸成を進めています。2023年度からはこれまで一部の会社で導入されていた3日間の育児休暇制度をグループ全体に展開し、男性の育児参画を促進することにより社員や家族の生活と充実した人生のサポートに取り組んでいます。
[KPI]「育児休暇制度(3日間)」対象男性社員の休暇取得率100%(2023年度 99.8%)
障がい者雇用の推進
2015年に障がい者雇用に関わる行動規範「3万6千人のスタート」を策定し、グループ全体で障がい者雇用に関わる理解促進を図っています。
[KPI]2025年のグループ全体の障がい者雇用率2.80%(2024年4月 2.70%)
③ 人権尊重
当社グループでは、「2023-2025年度ANAグループ中期経営戦略」において「サプライチェーン上の人権尊重の徹底」を中核的な取り組み項目とし、推進していくことを掲げています。
空港ハンドリングにかかわる当社グループの協力会社では、多数の外国人が就労しています。これらの人たちの雇用環境に問題がないかどうかを正確に把握するため、定期的に労働状況調査や本人への直接インタビュー等を実施しています。
また、国際線航空機を利用した違法な人身取引の防止を徹底することを目的に、全客室乗務員に対して人身取引防止に関わる教育を行っています。
これらの人権尊重に関わるグループの最新の取り組みをまとめた「人権報告書2023」を発行しています。また、「国連ビジネスと人権フォーラム」等の様々な場でも、積極的にANAグループの人権尊重の取り組みを発信しています。
