有価証券報告書-第13期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
1 経営成績等の状況の概要
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本の経済は、企業収益や雇用・所得環境が継続的に改善する中で、設備投資や個人消費についても持ち直し、民需の改善もみられるなど、緩やかな回復が続きました。
このような事業環境のなか、当社は、グループ一体経営を推進しつつ、経営方針である「お客さま第一」、「公正で透明な企業活動」、「終わりなき効率化の追求」、「チャレンジ精神の重視」及び「CSR経営の推進」を常に念頭に置き、お客さまに安全・安心・快適・便利な高速道路空間を提供すべく、当社設立から20年後にあたる2025年に達成したい姿を描いた「グループ長期ビジョン2025」の実現に向け、新たに策定した「NEXCO東日本グループ中期経営計画(平成29~32年度)」の初年度として、「安全・安心・快適・便利な高速道路サービスの提供」「地域社会への貢献とインバウンド・環境保全への対応」「社会に貢献する技術開発の推進」「関連事業の収益力強化」「グループ全体の経営力強化」という5つの基本方針のもと、着実に事業を実施してまいりました。
また、事業の実施にあたっては、コンプライアンス体制やリスクマネジメント体制などの内部統制システムの構築を図り、コーポレート・ガバナンスを充実させ適正かつ効率的に業務を遂行するとともに、明るく健康的な職場環境をつくり、ワーク・ライフ・バランスの充実を図るために「E-Shokuba(ES)づくり運動」に取り組みました。
当連結会計年度の営業収益は1,056,448百万円(前期比2.1%増)、営業損失が169百万円(前期は営業利益19,021百万円)、経常利益が3,304百万円(前期比85.0%減)となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は20,858百万円(同13.9%減)となりました。
(高速道路事業)
高速道路事業においては、安全・快適に走行できる道路空間を確保するため、道路機能の向上、清掃や点検、道路の補修等の道路管理事業を適正かつ効率的に行うとともに、高速道路ネットワークの早期整備に向け高速道路の新設及び改築に取り組んできました。
当連結会計年度末現在で管理延長は計43道路3,880㎞となっております。
安心・安全を次の世代へ引き継ぐため、インフラ老朽化への対策として実施する大規模更新・修繕事業(高速道路リニューアルプロジェクト)については、平成27年度より事業に着手し、引き続き同事業の推進に向け、必要な各種調査・設計を進めるとともに工事を計画的に進めております。
加えて、道路構造物の劣化に多大な影響を与え、重大な交通事故を惹起する恐れのある車両制限令違反車両への対応として、大口・多頻度割引制度における車両制限令違反者に対する割引停止措置等の見直しや車両重量自動計測装置の整備等取締強化を進めました。
交通事故削減に向け、高速道路での逆走事故ゼロを目指しハード対策・ソフト対策を継続的に実施するとともに、更なる逆走対策を推進するため一般から公募した逆走検知や抑制に係る技術の実地検証を実施したほか、対面通行区間における突破・正面衝突事故の防止に向け、ワイヤロープ式防護柵の試行運用・検証を開始しました。
生産年齢人口や雇用環境の変化を見据えた、道路管理事業における効率性・生産性向上も喫緊の課題であり、ICTなどの最新技術を活用した次世代インフラ総合マネジメントシステム「SMH」の実現に向けた取り組みを進めております。各種インフラデータを統合的に可視化するためのシステム開発については、2020年度 の全社導入に向けて、試行検証フェーズに入りました。また、準天頂衛星を活用した除雪車運転支援システムの試行導入や、人工知能(AI)を活用した渋滞予測実証実験の開始等、様々な技術の活用を図りました。
高速道路の更なる利便性向上のため、多様なニーズに応えた料金割引等、高速道路の料金サービスを拡充しました。ETCを活用した時間帯割引、ETCマイレージサービスに加え、ETC周遊割引「ドラ割」について、二輪車向けの「首都圏ツーリングプラン」や訪日外国人旅行者向けに全国版の定額乗り放題パス「Japan Expressway Pass」を初めて発売したほか、「ウインターパス2017-2018」などのプラン内容や販売期間の充実を図りました。
日本は非常に自然災害の多い国であり、緊急時や災害時には命の道として救援・復旧・復興のため交通路を確保することも当社グループの大きな使命です。
防災・減災の強化として、高速道路機能が損なわれることを防ぐため、巨大地震発生時に落橋に至る可能性があるロッキングピアを有する橋梁の耐震補強工事に着手しました。
また、当社グループが管轄する事業エリアは、冬期の気象条件が厳しい地域が多いという特徴があり、当連結会計年度においては、各地で記録的な積雪がある中、安全な冬期交通を確保するため、効率的に雪氷対策を実施するとともに関係機関との連携強化やお客さまへの事前情報提供等の強化に努めました 。
平成28年8月に発生した台風10号で被害を受けた北海道道央地方と道東地方を結ぶ一般国道274号(日勝峠)の通行止めは平成29年10月28日まで続きました。その間国道の代替路として道東自動車道の並行区間を無料措置し、道民の生活や道内経済を支えました。
福島第一原子力発電所事故により警戒区域等から避難されている方を対象として平成23年6月から国の施策に基づき開始した高速道路の無料措置(注1)を当連結会計年度においても継続するとともに、福島第一原子力発電所事故による母子避難者等を対象とした高速道路の無料措置(注2)についても継続しました。
一方、計6道路147㎞の区間で高速道路の新設事業を実施し、当連結会計年度においては、東関東自動車道(鉾田インターチェンジ(以下「IC」といいます。)~茨城空港北IC)の1道1区間について新規開通しました。この結果、当連結会計年度において、全体計画延長4,018㎞の約97%にあたる3,880㎞の高速道路ネットワークを形成させました。
新設事業のうち東京外環自動車道(三郷南IC~高谷JCT)、北海道横断自動車道(余市IC~小樽JCT)及び東北中央自動車道(南陽高畠IC~山形上山IC)の3区間63㎞につきましては、平成30年度の開通に向け着実に事業進捗を図ってきました。
また、平成29年8月10日に4箇所のスマートIC整備等を、平成30年3月30日には一般国道468号首都圏中央連絡自動車道(久喜白岡JCT~大栄JCT)における4車線化事業及び同自動車道(大栄JCT~松尾横芝IC)の整備加速等を、それぞれ行う高速道路事業の変更について、国土交通大臣から許可を受けました。
4車線化拡幅等の改築事業は、計19道路211kmの区間で実施しました。
高速道路の新設及び改築事業にあたっては、良好な沿道環境の保全や地域との調和を図るため、遮音壁の設置や盛土のり面の樹林化等を進め、地球温暖化防止等にも寄与すべく努力してきました。
加えて、コスト削減の取組みにつきましては、トンネル設備における新技術の採用や北関東自動車道(足利IC~岩舟JCT)の早期供用等について、機構との協定に基づき助成金を獲得しました。
当連結会計年度の高速道路事業における営業収益は975,573百万円(前期比2.2%増)、営業費用は978,340百万円(同4.3%増)となりました。以上の結果、営業損失は2,766百万円(前期は営業利益17,118百万円)となりました。
(受託事業)
受託事業においては、国及び地方公共団体等の委託に基づく道路の新設、改築、維持、修繕等で、経済性、効率性等から当社が行う事業と一体として実施することが適当と認められる工事等について、事業を推進してきました。
当連結会計年度の受託事業における営業収益は42,153百万円(前期比0.7%増)、営業費用は42,111百万円(同0.5%増)となりました。以上の結果、営業利益は42百万円(前期は営業損失48百万円)となりました。
(道路休憩所事業)
道路休憩所事業においては、地元の特産品や名産品等の地域産品を紹介・応援することを目的とした「地域産品応援フェア!」や、お客さまにSA・PAで地域の味を楽しんでいたたくことを目的とした「NEXCO東日本新メニューコンテスト」を開催する等、地域の「ショーウィンドウ」化を推進するとともに、エリアコンシェルジェによる通訳クラウドサービスやフードメニューの外国語表示等、訪日外国人のお客さまへ柔軟に対応するための取組みを推進してきました。
また、平成29年4月に道央自動車道輪厚PA(上り線)を地域性・旅の楽しみを凝縮した旅のドラマを演出する「ドラマチックエリア」としてリニューアルしたほか、同年4月には上信越自動車道千曲川さかきPA(上下線)、同年8月には常磐自動車道四倉PA(下り線)において、お客さまへのサービス・利便性の向上のためこれまで商業施設の無かったPAに新たに商業施設を設置する等、お客さまにご満足いただけるエリアづくりに努めました。
当連結会計年度の道路休憩所事業における営業収益は41,699百万円(前期比0.8%減)、営業費用は39,243百万円(同1.6%減)となりました。以上の結果、営業利益は2,455百万円(同15.2%増)となりました。
(その他)
その他の事業においては、旅行事業では平成29年11月から12月に東京湾アクアラインの風の塔等を見学コースとしたクルージングツアー等のインフラツーリズムの取組みを実施したほか、当社の会員カード「E-NEXCO pass」では、平成29年7月から「イオン E-NEXCO passカード 2017夏のキャンペーン」を実施する等、事業の拡大に努めてまいりました。更には、日比谷駐車場事業、仙台南及び郡山トラックターミナルで実施しているトラックターミナル事業、高速道路の高架下における占用施設活用事業等を行いました。
また、新規事業開発につきましては、新たな事業領域への展開、新たな技術や成長分野を踏まえたサービスの開発・拡充を図るため、社内ビッグデータや人工知能技術の利活用に関する調査検討や実用化に向けた実証実験を実施しました。
国内のコンサルティング事業としましては、国土交通省が事業促進PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)として発注した「三陸沿岸道路事業監理業務(気仙沼唐桑工区)」(10km)を平成24年6月から平成30年3月まで実施しました。
なお、本業務は、平成30年4月に新たな契約を締結し、平成30年4月から2020年3月まで実施することになりました。
海外事業の分野では、他社と共同でインドの有料道路運営に参画することについて基本合意をする等、インド道路事業への本格参入を進めるとともに、高速道路事業を通じて蓄積された技術とノウハウを活用し、インド、ミャンマー等においてODAコンサルティング業務を行いました。
当連結会計年度のその他の事業における営業収益は3,453百万円(前期比47.3%増)、営業費用は3,370百万円(同33.4%増)となりました。以上の結果、営業利益は82百万円(前期は営業損失183百万円)となりました。
(注)1. 福島第一原子力発電所事故により国として避難を指示又は勧奨している区域等から避難されている方を対象とした生活再建に向けた一時帰宅等の移動の支援を目的として実施している無料措置をいいます。この無料措置は特定のICを入口又は出口とする走行に対して適用され、2020年3月31日までの予定で継続されております。
2. 福島第一原子力発電所事故により警戒区域等を除く福島県浜通り・中通り等の対象地域から避難して二重生活を強いられている母子等及び対象地域内に残る父親等を対象とした生活支援を目的として実施している無料措置をいいます。この無料措置は母子等避難先の最寄りICと父親等居住地の最寄りIC間の走行に対して適用され、平成31年3月31日までの予定で継続されております。
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益31,808百万円に加え、減価償却費24,701百万円等の資金増加要因があった一方、たな卸資産の増加額265,425百万円等の資金減少要因があったことから、営業活動によるキャッシュ・フローは229,338百万円の資金支出(前期比17,925百万円増)となりました。
なお、上記たな卸資産の増加額のうち264,733百万円は、特措法第51条第2項及び第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の増加であります。かかる資産は、連結貸借対照表上は「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上され、その建設には財務活動の結果得られた資金を充てております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有価証券の売却による収入196,000百万円等があった一方、料金機械、ETC装置等の設備投資による支出26,863百万円、有価証券の取得による支出229,970百万円等があったことから、投資活動によるキャッシュ・フローは59,976百万円の資金支出(前期比12,947百万円減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金債務の返済等130,004百万円(機構法第15条第1項による債務引受額130,000百万円を含みます。)等の支出があった一方、道路建設関係社債の発行による収入426,091百万円及び長期借入れによる収入30,386百万円があったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは324,908百万円の資金収入(前期比58,427百万円増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、162,770百万円(前期比35,592百万円の増)となりました。
(参考情報)
提出会社の当事業年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)における、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)第6条の規定により作成した「高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表」は、以下のとおりであります。
(注) 配賦基準は下記のとおりであります。
・高速道路事業又はその他の事業の収益として事業が特定できるものは、各々の特定の事業部門に直接配賦
・事業が特定できないものについては、以下の方法により各事業に配賦
営業外収益及び特別利益については、営業損益比
(3) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「業績等の概要」においてセグメント別の業績に関連付けて記載しております。
2 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針、所感等の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
(1) 経営成績等の状況に重要な影響を与える要因について
① 高速道路事業の特性について
高速道路事業においては、高速道路会社法及び機構法の規定により機構と平成18年3月31日付けで締結した協定(後記「第2 4 経営上の重要な契約等 (1)機構と締結する協定について」を参照ください。)並びに特措法の規定による同日付事業許可に基づき、機構から道路資産を借り受けた上、道路利用者より料金を収受、かかる料金収入を機構への道路資産賃借料及び当社が負担する管理費用の支払いに充てております。
かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社の収受する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされております。なお、各会計年度においては、料金収入や管理費用等の実績と当初計画との乖離等により利益又は損失が生じる場合があり、かかる利益は、高速道路事業における将来の経済情勢の変動や自然災害等のリスクに備え、積み立てることとしております。
また、高速道路事業においては、冬季における交通確保のための雪氷対策や維持修繕関係の工事が下半期に完成することが多いこと等から、上半期よりも下半期に費用がより多く計上される傾向にあります。他方、夏季の好天や長期休暇が多いこと等に伴い、料金収入は上半期のほうがより多い傾向にあります。
② 機構による債務引受け等について
既述のとおり、当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところでありますが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされております。
当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を原則として弁済期日が到来する順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定すること、債務引受けは重畳的債務引受けの方法によること等、債務引受けの実際の運用について確認しております。
なお、高速道路に係る道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表ないし財務諸表に計上されないこととなりますが、当該債務について、当社は引き続き機構と連帯してその弁済の責めを負うこととされており、かかる債務の履行に関する主たる取扱いは機構が行うこととなります。
また、道路公団の民営化に伴い当社、機構、中日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱が承継した道路公団の債務の一部について、当社と、機構、中日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱との間に、連帯債務関係が生じております(民営化関係法施行法第16条)。
(2) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。かかる連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用の金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを行う必要があります。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき合理的に判断を行い、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の会計方針が、当社グループの連結財務諸表においては重要であると考えております。
① 仕掛道路資産
高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧の結果生じた資産は、当社グループの連結財務諸表において「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上されますが、かかる資産の取得原価は、建設価額に用地取得に係る費用その他の附帯費用を加算した価額に労務費、人件費のうち道路建設に要した費用として区分された費用の額及び除却工事費用等資産の取得に要した費用の額を加えた額となります。なお、仕掛道路資産の建設に充当した借入資金の利息で、当該資産の工事完了の日までに発生したものは上記建設価額に算入しております。
なお、上記「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因について ②機構による債務引受け等について」に記載のとおり、かかる資産は、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき道路資産として機構に帰属すると同時に、協定に基づき当社が機構から借り受けることとなりますが、かかる借受けについてはオペレーティング・リースとして処理し、借受けに係る資産及び負債は当社グループの連結財務諸表には計上されないこととなります。
② 完成工事高及び完成工事原価の計上基準
高速道路事業に係る道路資産完成高及び道路資産完成原価の計上は、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)に基づき、仕掛道路資産を機構に引き渡した日に行っております。
また、受託事業等に係る工事のうち、進捗部分について成果の確実性が見込まれる工事契約については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を適用し、その他の工事契約については工事完成基準を適用しております。
なお、平成21年3月31日以前に着手した工事契約のうち、請負金額が50億円以上の長期工事(工期2年超)については工事進行基準を適用しております。
③ ETCマイレージサービス引当金
当社グループは、ETCマイレージサービス制度による無料走行に備えるため、連結会計年度末におけるポイント発行残高に対する将来の使用見込額を計上しております。
④ 退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び期待運用収益率等が含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響する可能性があります。
(3) 経営成績の分析
① 営業収益
当連結会計年度における営業収益は、合計で1,056,448百万円(前期比2.1%増)となりました。高速道路事業については、首都圏中央連絡自動車道の開通による交通量の増加等により、料金収入に料金引下げ措置等に対する減収補てんを加えた額は、838,242百万円(同1.8%増)となる一方で、特措法第51条第2項及び第4項の規定に基づき機構に帰属した資産の額が129,327百万円(同5.1%増)となったこと等により975,573百万円(同2.2%増)となりました。受託事業については、国及び地方公共団体等の委託に基づく工事が進捗したこと等により42,153百万円(同0.7%増)、道路休憩所事業については、下半期の天候不順等の影響で飲食・物販の店舗売上高が減少したこと等により41,699百万円(同0.8%減)、その他については、外販事業の実施等により3,453百万円(同47.3%増)となりました。
② 営業利益
当連結会計年度における営業費用は、合計で1,056,618百万円(前期比4.0%増)となりました。高速道路事業については、特措法第51条第2項及び第4項の規定に基づき機構に帰属した道路資産の額の増加により道路資産完成原価が129,327百万円(同5.1%増)、協定に基づく機構への賃借料が601,847百万円(同3.8%増)となったこと等により978,340百万円(同4.3%増)となりました。受託事業については、国及び地方公共団体等の委託に基づく工事が進捗したこと等により42,111百万円(同0.5%増)、道路休憩所事業については、店舗売上高の減少により売上原価が減少したことに加えて、連結子会社の業務効率化により販促費、一般管理費等が減少したこと等により39,243百万円(同1.6%減)、その他については、外販事業の実施等により3,370百万円(同33.4%増)となりました。
以上により、当連結会計年度における営業損失は合計で169百万円(前期は営業利益19,021百万円)となりました。その内訳は、高速道路事業が営業損失2,766百万円(前期は営業利益17,118百万円)、受託事業が営業利益42百万円(前期は営業損失48百万円)、道路休憩所事業が営業利益2,455百万円(同15.2%増)、その他が営業利益82百万円(前期は営業損失183百万円)であります。
③ 営業外損益
当連結会計年度の営業外収益は、持分法による投資利益1,296百万円及び違約金収入511百万円等の計上により3,605百万円(前期比12.4%増)、営業外費用は控除対象外消費税57百万円等の計上により131百万円(同3.9%減)となりました。
④ 経常利益
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は3,304百万円(前期比85.0%減)となりました。
⑤ 特別損益
特別利益は、厚生年金基金代行返上益28,129百万円等の計上により28,732百万円(前期比74,263.4%増、なお前期は38百万円)となりました。
特別損失は、固定資産除却損156百万円等の計上により228百万円(同44.7%減)となりました。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益
法人税、住民税及び事業税の減少及び厚生年金基金の代行部分の過去分返上による繰延税金資産の解消に伴う法人税等調整額の計上により親会社株主に帰属する当期純利益は20,858百万円(前期比13.9%減)となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性について
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、前記「1 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、必要とする資金の調達は、料金の収受等の営業活動のほか、道路建設関係社債の発行及び金融機関等からの借入れを通じて実施いたしました。
当社グループの今後の資金需要として主なものは、協定に基づき機構に支払う道路資産賃借料に加え、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の建設資金及び事業用設備に係る設備投資資金であり、かかる資産及び設備の概要については後記「第3 設備の状況」に記載しております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本の経済は、企業収益や雇用・所得環境が継続的に改善する中で、設備投資や個人消費についても持ち直し、民需の改善もみられるなど、緩やかな回復が続きました。
このような事業環境のなか、当社は、グループ一体経営を推進しつつ、経営方針である「お客さま第一」、「公正で透明な企業活動」、「終わりなき効率化の追求」、「チャレンジ精神の重視」及び「CSR経営の推進」を常に念頭に置き、お客さまに安全・安心・快適・便利な高速道路空間を提供すべく、当社設立から20年後にあたる2025年に達成したい姿を描いた「グループ長期ビジョン2025」の実現に向け、新たに策定した「NEXCO東日本グループ中期経営計画(平成29~32年度)」の初年度として、「安全・安心・快適・便利な高速道路サービスの提供」「地域社会への貢献とインバウンド・環境保全への対応」「社会に貢献する技術開発の推進」「関連事業の収益力強化」「グループ全体の経営力強化」という5つの基本方針のもと、着実に事業を実施してまいりました。
また、事業の実施にあたっては、コンプライアンス体制やリスクマネジメント体制などの内部統制システムの構築を図り、コーポレート・ガバナンスを充実させ適正かつ効率的に業務を遂行するとともに、明るく健康的な職場環境をつくり、ワーク・ライフ・バランスの充実を図るために「E-Shokuba(ES)づくり運動」に取り組みました。
当連結会計年度の営業収益は1,056,448百万円(前期比2.1%増)、営業損失が169百万円(前期は営業利益19,021百万円)、経常利益が3,304百万円(前期比85.0%減)となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は20,858百万円(同13.9%減)となりました。
(高速道路事業)
高速道路事業においては、安全・快適に走行できる道路空間を確保するため、道路機能の向上、清掃や点検、道路の補修等の道路管理事業を適正かつ効率的に行うとともに、高速道路ネットワークの早期整備に向け高速道路の新設及び改築に取り組んできました。
当連結会計年度末現在で管理延長は計43道路3,880㎞となっております。
安心・安全を次の世代へ引き継ぐため、インフラ老朽化への対策として実施する大規模更新・修繕事業(高速道路リニューアルプロジェクト)については、平成27年度より事業に着手し、引き続き同事業の推進に向け、必要な各種調査・設計を進めるとともに工事を計画的に進めております。
加えて、道路構造物の劣化に多大な影響を与え、重大な交通事故を惹起する恐れのある車両制限令違反車両への対応として、大口・多頻度割引制度における車両制限令違反者に対する割引停止措置等の見直しや車両重量自動計測装置の整備等取締強化を進めました。
交通事故削減に向け、高速道路での逆走事故ゼロを目指しハード対策・ソフト対策を継続的に実施するとともに、更なる逆走対策を推進するため一般から公募した逆走検知や抑制に係る技術の実地検証を実施したほか、対面通行区間における突破・正面衝突事故の防止に向け、ワイヤロープ式防護柵の試行運用・検証を開始しました。
生産年齢人口や雇用環境の変化を見据えた、道路管理事業における効率性・生産性向上も喫緊の課題であり、ICTなどの最新技術を活用した次世代インフラ総合マネジメントシステム「SMH」の実現に向けた取り組みを進めております。各種インフラデータを統合的に可視化するためのシステム開発については、2020年度 の全社導入に向けて、試行検証フェーズに入りました。また、準天頂衛星を活用した除雪車運転支援システムの試行導入や、人工知能(AI)を活用した渋滞予測実証実験の開始等、様々な技術の活用を図りました。
高速道路の更なる利便性向上のため、多様なニーズに応えた料金割引等、高速道路の料金サービスを拡充しました。ETCを活用した時間帯割引、ETCマイレージサービスに加え、ETC周遊割引「ドラ割」について、二輪車向けの「首都圏ツーリングプラン」や訪日外国人旅行者向けに全国版の定額乗り放題パス「Japan Expressway Pass」を初めて発売したほか、「ウインターパス2017-2018」などのプラン内容や販売期間の充実を図りました。
日本は非常に自然災害の多い国であり、緊急時や災害時には命の道として救援・復旧・復興のため交通路を確保することも当社グループの大きな使命です。
防災・減災の強化として、高速道路機能が損なわれることを防ぐため、巨大地震発生時に落橋に至る可能性があるロッキングピアを有する橋梁の耐震補強工事に着手しました。
また、当社グループが管轄する事業エリアは、冬期の気象条件が厳しい地域が多いという特徴があり、当連結会計年度においては、各地で記録的な積雪がある中、安全な冬期交通を確保するため、効率的に雪氷対策を実施するとともに関係機関との連携強化やお客さまへの事前情報提供等の強化に努めました 。
平成28年8月に発生した台風10号で被害を受けた北海道道央地方と道東地方を結ぶ一般国道274号(日勝峠)の通行止めは平成29年10月28日まで続きました。その間国道の代替路として道東自動車道の並行区間を無料措置し、道民の生活や道内経済を支えました。
福島第一原子力発電所事故により警戒区域等から避難されている方を対象として平成23年6月から国の施策に基づき開始した高速道路の無料措置(注1)を当連結会計年度においても継続するとともに、福島第一原子力発電所事故による母子避難者等を対象とした高速道路の無料措置(注2)についても継続しました。
一方、計6道路147㎞の区間で高速道路の新設事業を実施し、当連結会計年度においては、東関東自動車道(鉾田インターチェンジ(以下「IC」といいます。)~茨城空港北IC)の1道1区間について新規開通しました。この結果、当連結会計年度において、全体計画延長4,018㎞の約97%にあたる3,880㎞の高速道路ネットワークを形成させました。
新設事業のうち東京外環自動車道(三郷南IC~高谷JCT)、北海道横断自動車道(余市IC~小樽JCT)及び東北中央自動車道(南陽高畠IC~山形上山IC)の3区間63㎞につきましては、平成30年度の開通に向け着実に事業進捗を図ってきました。
また、平成29年8月10日に4箇所のスマートIC整備等を、平成30年3月30日には一般国道468号首都圏中央連絡自動車道(久喜白岡JCT~大栄JCT)における4車線化事業及び同自動車道(大栄JCT~松尾横芝IC)の整備加速等を、それぞれ行う高速道路事業の変更について、国土交通大臣から許可を受けました。
4車線化拡幅等の改築事業は、計19道路211kmの区間で実施しました。
高速道路の新設及び改築事業にあたっては、良好な沿道環境の保全や地域との調和を図るため、遮音壁の設置や盛土のり面の樹林化等を進め、地球温暖化防止等にも寄与すべく努力してきました。
加えて、コスト削減の取組みにつきましては、トンネル設備における新技術の採用や北関東自動車道(足利IC~岩舟JCT)の早期供用等について、機構との協定に基づき助成金を獲得しました。
当連結会計年度の高速道路事業における営業収益は975,573百万円(前期比2.2%増)、営業費用は978,340百万円(同4.3%増)となりました。以上の結果、営業損失は2,766百万円(前期は営業利益17,118百万円)となりました。
(受託事業)
受託事業においては、国及び地方公共団体等の委託に基づく道路の新設、改築、維持、修繕等で、経済性、効率性等から当社が行う事業と一体として実施することが適当と認められる工事等について、事業を推進してきました。
当連結会計年度の受託事業における営業収益は42,153百万円(前期比0.7%増)、営業費用は42,111百万円(同0.5%増)となりました。以上の結果、営業利益は42百万円(前期は営業損失48百万円)となりました。
(道路休憩所事業)
道路休憩所事業においては、地元の特産品や名産品等の地域産品を紹介・応援することを目的とした「地域産品応援フェア!」や、お客さまにSA・PAで地域の味を楽しんでいたたくことを目的とした「NEXCO東日本新メニューコンテスト」を開催する等、地域の「ショーウィンドウ」化を推進するとともに、エリアコンシェルジェによる通訳クラウドサービスやフードメニューの外国語表示等、訪日外国人のお客さまへ柔軟に対応するための取組みを推進してきました。
また、平成29年4月に道央自動車道輪厚PA(上り線)を地域性・旅の楽しみを凝縮した旅のドラマを演出する「ドラマチックエリア」としてリニューアルしたほか、同年4月には上信越自動車道千曲川さかきPA(上下線)、同年8月には常磐自動車道四倉PA(下り線)において、お客さまへのサービス・利便性の向上のためこれまで商業施設の無かったPAに新たに商業施設を設置する等、お客さまにご満足いただけるエリアづくりに努めました。
当連結会計年度の道路休憩所事業における営業収益は41,699百万円(前期比0.8%減)、営業費用は39,243百万円(同1.6%減)となりました。以上の結果、営業利益は2,455百万円(同15.2%増)となりました。
(その他)
その他の事業においては、旅行事業では平成29年11月から12月に東京湾アクアラインの風の塔等を見学コースとしたクルージングツアー等のインフラツーリズムの取組みを実施したほか、当社の会員カード「E-NEXCO pass」では、平成29年7月から「イオン E-NEXCO passカード 2017夏のキャンペーン」を実施する等、事業の拡大に努めてまいりました。更には、日比谷駐車場事業、仙台南及び郡山トラックターミナルで実施しているトラックターミナル事業、高速道路の高架下における占用施設活用事業等を行いました。
また、新規事業開発につきましては、新たな事業領域への展開、新たな技術や成長分野を踏まえたサービスの開発・拡充を図るため、社内ビッグデータや人工知能技術の利活用に関する調査検討や実用化に向けた実証実験を実施しました。
国内のコンサルティング事業としましては、国土交通省が事業促進PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)として発注した「三陸沿岸道路事業監理業務(気仙沼唐桑工区)」(10km)を平成24年6月から平成30年3月まで実施しました。
なお、本業務は、平成30年4月に新たな契約を締結し、平成30年4月から2020年3月まで実施することになりました。
海外事業の分野では、他社と共同でインドの有料道路運営に参画することについて基本合意をする等、インド道路事業への本格参入を進めるとともに、高速道路事業を通じて蓄積された技術とノウハウを活用し、インド、ミャンマー等においてODAコンサルティング業務を行いました。
当連結会計年度のその他の事業における営業収益は3,453百万円(前期比47.3%増)、営業費用は3,370百万円(同33.4%増)となりました。以上の結果、営業利益は82百万円(前期は営業損失183百万円)となりました。
(注)1. 福島第一原子力発電所事故により国として避難を指示又は勧奨している区域等から避難されている方を対象とした生活再建に向けた一時帰宅等の移動の支援を目的として実施している無料措置をいいます。この無料措置は特定のICを入口又は出口とする走行に対して適用され、2020年3月31日までの予定で継続されております。
2. 福島第一原子力発電所事故により警戒区域等を除く福島県浜通り・中通り等の対象地域から避難して二重生活を強いられている母子等及び対象地域内に残る父親等を対象とした生活支援を目的として実施している無料措置をいいます。この無料措置は母子等避難先の最寄りICと父親等居住地の最寄りIC間の走行に対して適用され、平成31年3月31日までの予定で継続されております。
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益31,808百万円に加え、減価償却費24,701百万円等の資金増加要因があった一方、たな卸資産の増加額265,425百万円等の資金減少要因があったことから、営業活動によるキャッシュ・フローは229,338百万円の資金支出(前期比17,925百万円増)となりました。
なお、上記たな卸資産の増加額のうち264,733百万円は、特措法第51条第2項及び第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の増加であります。かかる資産は、連結貸借対照表上は「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上され、その建設には財務活動の結果得られた資金を充てております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有価証券の売却による収入196,000百万円等があった一方、料金機械、ETC装置等の設備投資による支出26,863百万円、有価証券の取得による支出229,970百万円等があったことから、投資活動によるキャッシュ・フローは59,976百万円の資金支出(前期比12,947百万円減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金債務の返済等130,004百万円(機構法第15条第1項による債務引受額130,000百万円を含みます。)等の支出があった一方、道路建設関係社債の発行による収入426,091百万円及び長期借入れによる収入30,386百万円があったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは324,908百万円の資金収入(前期比58,427百万円増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、162,770百万円(前期比35,592百万円の増)となりました。
(参考情報)
提出会社の当事業年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)における、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)第6条の規定により作成した「高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表」は、以下のとおりであります。
| 高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表 | ||||
| (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||||
| (百万円) | ||||
| 1. | 営業収益 | |||
| 料金収入 | 837,695 | |||
| 道路資産完成高 | 129,327 | |||
| 受託業務収入 | 4 | |||
| その他の売上高 | 966 | 967,994 | ||
| 2. | 営業外収益 | |||
| 受取利息 | 0 | |||
| 受取配当金 | 5,079 | |||
| 土地物件貸付料 | 1 | |||
| 雑収入 | 836 | 5,917 | ||
| 3. | 特別利益 | |||
| 固定資産売却益 | 21 | |||
| 厚生年金基金代行返上益 | 26,065 | 26,087 | ||
| 高速道路事業営業収益等合計 | 999,999 | |||
(注) 配賦基準は下記のとおりであります。
・高速道路事業又はその他の事業の収益として事業が特定できるものは、各々の特定の事業部門に直接配賦
・事業が特定できないものについては、以下の方法により各事業に配賦
営業外収益及び特別利益については、営業損益比
(3) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「業績等の概要」においてセグメント別の業績に関連付けて記載しております。
2 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針、所感等の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
(1) 経営成績等の状況に重要な影響を与える要因について
① 高速道路事業の特性について
高速道路事業においては、高速道路会社法及び機構法の規定により機構と平成18年3月31日付けで締結した協定(後記「第2 4 経営上の重要な契約等 (1)機構と締結する協定について」を参照ください。)並びに特措法の規定による同日付事業許可に基づき、機構から道路資産を借り受けた上、道路利用者より料金を収受、かかる料金収入を機構への道路資産賃借料及び当社が負担する管理費用の支払いに充てております。
かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社の収受する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされております。なお、各会計年度においては、料金収入や管理費用等の実績と当初計画との乖離等により利益又は損失が生じる場合があり、かかる利益は、高速道路事業における将来の経済情勢の変動や自然災害等のリスクに備え、積み立てることとしております。
また、高速道路事業においては、冬季における交通確保のための雪氷対策や維持修繕関係の工事が下半期に完成することが多いこと等から、上半期よりも下半期に費用がより多く計上される傾向にあります。他方、夏季の好天や長期休暇が多いこと等に伴い、料金収入は上半期のほうがより多い傾向にあります。
② 機構による債務引受け等について
既述のとおり、当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところでありますが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされております。
当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を原則として弁済期日が到来する順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定すること、債務引受けは重畳的債務引受けの方法によること等、債務引受けの実際の運用について確認しております。
なお、高速道路に係る道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表ないし財務諸表に計上されないこととなりますが、当該債務について、当社は引き続き機構と連帯してその弁済の責めを負うこととされており、かかる債務の履行に関する主たる取扱いは機構が行うこととなります。
また、道路公団の民営化に伴い当社、機構、中日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱が承継した道路公団の債務の一部について、当社と、機構、中日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱との間に、連帯債務関係が生じております(民営化関係法施行法第16条)。
(2) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。かかる連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用の金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを行う必要があります。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき合理的に判断を行い、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の会計方針が、当社グループの連結財務諸表においては重要であると考えております。
① 仕掛道路資産
高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧の結果生じた資産は、当社グループの連結財務諸表において「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上されますが、かかる資産の取得原価は、建設価額に用地取得に係る費用その他の附帯費用を加算した価額に労務費、人件費のうち道路建設に要した費用として区分された費用の額及び除却工事費用等資産の取得に要した費用の額を加えた額となります。なお、仕掛道路資産の建設に充当した借入資金の利息で、当該資産の工事完了の日までに発生したものは上記建設価額に算入しております。
なお、上記「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因について ②機構による債務引受け等について」に記載のとおり、かかる資産は、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき道路資産として機構に帰属すると同時に、協定に基づき当社が機構から借り受けることとなりますが、かかる借受けについてはオペレーティング・リースとして処理し、借受けに係る資産及び負債は当社グループの連結財務諸表には計上されないこととなります。
② 完成工事高及び完成工事原価の計上基準
高速道路事業に係る道路資産完成高及び道路資産完成原価の計上は、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)に基づき、仕掛道路資産を機構に引き渡した日に行っております。
また、受託事業等に係る工事のうち、進捗部分について成果の確実性が見込まれる工事契約については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を適用し、その他の工事契約については工事完成基準を適用しております。
なお、平成21年3月31日以前に着手した工事契約のうち、請負金額が50億円以上の長期工事(工期2年超)については工事進行基準を適用しております。
③ ETCマイレージサービス引当金
当社グループは、ETCマイレージサービス制度による無料走行に備えるため、連結会計年度末におけるポイント発行残高に対する将来の使用見込額を計上しております。
④ 退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び期待運用収益率等が含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響する可能性があります。
(3) 経営成績の分析
① 営業収益
当連結会計年度における営業収益は、合計で1,056,448百万円(前期比2.1%増)となりました。高速道路事業については、首都圏中央連絡自動車道の開通による交通量の増加等により、料金収入に料金引下げ措置等に対する減収補てんを加えた額は、838,242百万円(同1.8%増)となる一方で、特措法第51条第2項及び第4項の規定に基づき機構に帰属した資産の額が129,327百万円(同5.1%増)となったこと等により975,573百万円(同2.2%増)となりました。受託事業については、国及び地方公共団体等の委託に基づく工事が進捗したこと等により42,153百万円(同0.7%増)、道路休憩所事業については、下半期の天候不順等の影響で飲食・物販の店舗売上高が減少したこと等により41,699百万円(同0.8%減)、その他については、外販事業の実施等により3,453百万円(同47.3%増)となりました。
② 営業利益
当連結会計年度における営業費用は、合計で1,056,618百万円(前期比4.0%増)となりました。高速道路事業については、特措法第51条第2項及び第4項の規定に基づき機構に帰属した道路資産の額の増加により道路資産完成原価が129,327百万円(同5.1%増)、協定に基づく機構への賃借料が601,847百万円(同3.8%増)となったこと等により978,340百万円(同4.3%増)となりました。受託事業については、国及び地方公共団体等の委託に基づく工事が進捗したこと等により42,111百万円(同0.5%増)、道路休憩所事業については、店舗売上高の減少により売上原価が減少したことに加えて、連結子会社の業務効率化により販促費、一般管理費等が減少したこと等により39,243百万円(同1.6%減)、その他については、外販事業の実施等により3,370百万円(同33.4%増)となりました。
以上により、当連結会計年度における営業損失は合計で169百万円(前期は営業利益19,021百万円)となりました。その内訳は、高速道路事業が営業損失2,766百万円(前期は営業利益17,118百万円)、受託事業が営業利益42百万円(前期は営業損失48百万円)、道路休憩所事業が営業利益2,455百万円(同15.2%増)、その他が営業利益82百万円(前期は営業損失183百万円)であります。
③ 営業外損益
当連結会計年度の営業外収益は、持分法による投資利益1,296百万円及び違約金収入511百万円等の計上により3,605百万円(前期比12.4%増)、営業外費用は控除対象外消費税57百万円等の計上により131百万円(同3.9%減)となりました。
④ 経常利益
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は3,304百万円(前期比85.0%減)となりました。
⑤ 特別損益
特別利益は、厚生年金基金代行返上益28,129百万円等の計上により28,732百万円(前期比74,263.4%増、なお前期は38百万円)となりました。
特別損失は、固定資産除却損156百万円等の計上により228百万円(同44.7%減)となりました。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益
法人税、住民税及び事業税の減少及び厚生年金基金の代行部分の過去分返上による繰延税金資産の解消に伴う法人税等調整額の計上により親会社株主に帰属する当期純利益は20,858百万円(前期比13.9%減)となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性について
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、前記「1 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、必要とする資金の調達は、料金の収受等の営業活動のほか、道路建設関係社債の発行及び金融機関等からの借入れを通じて実施いたしました。
当社グループの今後の資金需要として主なものは、協定に基づき機構に支払う道路資産賃借料に加え、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の建設資金及び事業用設備に係る設備投資資金であり、かかる資産及び設備の概要については後記「第3 設備の状況」に記載しております。