有価証券報告書-第13期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
1.経営成績等の状況の概要
(1)財政状態及び経営成績等の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の経済財政政策の推進により、雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかに回復し、海外経済が回復する下で、輸出や生産の持ち直しが続くとともに、個人消費や民間設備投資が持ち直すなど民需が改善する状況で推移しました。
このような経済情勢の下、当社グループは、「私たちはリスクマネジメントを徹底し、高速道路の安全・安心を最優先に、お客さまの満足度を高め、地域の発展に寄与することにより、社会から信頼され成長する企業グループをめざします」というグループ理念のもと、100%の安全・安心の確保を目指し、さらに満足度の高い機能・サービスの提供を行うべく事業を展開しました。
当社グループが運営する高速道路事業においては、通行台数は、景気回復の影響等により前期比1.8%増となり、料金収入は、前期比2.5%増(764,345百万円)となりました。
また、高速道路ネットワークの形成・充実に向けて道路建設事業を着実に行い、新名神高速道路(城陽ジャンクション・インターチェンジ~八幡京田辺ジャンクション・インターチェンジ、高槻ジャンクション・インターチェンジ~神戸ジャンクション)を新たに開通したほか、九州自動車道城南スマートインターチェンジ等の供用を開始しました。
高速道路事業以外の事業においては、SA・PA事業を中心に展開し、ガソリン価格の上昇の影響等により、店舗及びガスステーションの売上は前期比6.3%増の149,303百万円となりました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は1,621,315百万円(前連結会計年度比73.3%増)、営業費用は1,616,441百万円(同74.6%増)、営業利益は4,873百万円(同48.7%減)、経常利益は7,390百万円(同35.3%減)となりました。また、当社が加入する建設関係法人厚生年金基金において、平成29年5月1日付で厚生労働大臣から厚生年金基金代行部分過去分返上の認可を受けたことに伴い、当連結会計年度に27,129百万円を特別利益として計上したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は23,024百万円(同44.3%増)となりました。
各セグメントの概況は次のとおりです。
(高速道路事業)
高速道路事業においては、機構との協定、特措法第3条の規定による許可及び同法第4条の規定に基づき、高速道路の新設、改築、維持、修繕、災害復旧その他の管理等を行いました。
まず、道路管理事業については、高速道路をご利用のお客さまに安心・快適な道路環境を提供するため、事故多発箇所を中心としたハード対策や交通安全キャンペーン等によるソフト対策など、交通安全対策に取り組み、特に落下物防止の啓発活動強化や、逆走事故ゼロを早期に実現するための各種対策を推進しました。
平成28年熊本地震による九州自動車道他の損傷箇所については、平成29年4月28日までに当該区間を全て4車線に復旧させ、引き続き、本復旧工事を実施しました。また、平成29年7月に発生した九州北部豪雨では、料金所の冠水やのり面崩壊による土砂等流入等により、広範囲での通行止めを余儀なくされましたが、関係機関と連携のうえ、道路機能の迅速な回復に努めました。
高速道路ネットワークの機能を長期にわたって健全に保つため、平成28年熊本地震の被災状況を踏まえ、災害に強い道路を目指して、橋梁の耐震補強を推進しました。
特定更新等工事では、中国自動車道や沖縄自動車道にて橋梁床版取替工事等を実施したほか、短期間に数多くの工事を円滑に進めるため、施工者独自の高度な技術を活用する新たな契約方式を導入するなど、順次事業を進めています。
これまで整備の経緯の違い等から料金水準や車種区分が異なっていた近畿圏も高速道路(近畿自動車道、阪和自動車道、西名阪自動車道、第二京阪道路、京滋バイパス)の料金体系について、平成29年6月3日から、対距離制を基本とした利用重視の料金体系へ移行しました。
なお、新料金への移行にあたり、近畿自動車道等において、出口で即時にETC対距離料金を案内するシステムの改修が完了するまでの間、タクシーの高速道路料金を当社で負担する取り扱いを実施しましたが、システムの改修が完了したことから、この取り扱いは平成30年3月31日をもって終了しました。
その他、ETCを活用した各種料金割引に加え、「ぶらり中国ドライブパス2017」など地域と連携した周遊割引や、「Japan Expressway Pass」など訪日外国人旅行者向けの周遊割引を実施しました。
次に、道路建設事業については、新名神高速道路の着実な整備や4車線化事業を推進するなど、高速道路ネットワークの形成・充実を図りました。新名神高速道路は、平成29年4月30日に城陽ジャンクション・インターチェンジ~八幡京田辺ジャンクション・インターチェンジ間、平成29年12月10日に高槻ジャンクション・インターチェンジ~川西インターチェンジ間、平成30年3月18日に川西インターチェンジ~神戸ジャンクション間がそれぞれ開通しました。これにより、高槻ジャンクション~神戸ジャンクション間が開通し、並行する名神高速道路、中国自動車道とのダブルネットワーク化による交通の分散によって、渋滞の緩和など一定の効果を発揮しています。同区間の建設工事においては、作業員が死傷するなどの重大事故が続けて発生したことから、建設工事安全対策本部を設置するとともに、「新名神高速道路 事故根絶非常事態」を宣言し、事故再発防止の取組みを強化しました。その他、九州自動車道城南スマートインターチェンジ他5箇所のスマートインターチェンジの供用を開始しました。
また、平成29年8月10日に2箇所のスマートインターチェンジ、平成30年3月30日に第二神明道路、大和北道路等についての事業許可を受けました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は1,567,997百万円(前連結会計年度比77.9%増)、営業費用は1,569,165百万円(同78.6%増)となり、1,168百万円の営業損失が生じました(前連結会計年度は営業利益2,810百万円)。
(受託事業)
受託事業においては、高速道路の計画・建設・管理の各段階を通じ、これまで培ってきた技術力・ノウハウを活かして、国、地方公共団体等の委託に基づく道路の新設、改築、維持、修繕等を実施しました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は12,002百万円(前連結会計年度比30.5%増)、営業費用は12,062百万円(同32.7%増)となり、60百万円の営業損失が生じました(前連結会計年度は営業利益105百万円)。
(SA・PA事業)
SA・PA事業においては、テナント各社と協力し、SA・PAを「くつろぎ、楽しさ、にぎわい」を実感していただける「お客さま満足施設」への変革を目指し、地域性や交通特性を踏まえた店づくり、エリア毎のお客さまニーズにあった品揃え等による店舗展開を実施しました。当社最大の店舗棟面積となる新名神高速道路宝塚北サービスエリア(上下線)など3店舗を新たにオープンしました。また、九州自動車道山川パーキングエリア(上り線・下り線)のリニューアルオープンなど老朽化への対応等を着実に実施しました。
また、地域とともに発展するエリアを目指し、地域の観光PR等に使っていただけるスペースを提供するとともに、地域物産展や地元自治体等と連携したイベントを積極的に開催するなど、地域との連携の強化・推進を図りました。
その他、東九州自動車道川南パーキングエリア(上下線)など5箇所において、新たにガスステーションを整備しました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は33,027百万円(前連結会計年度比1.5%減)、営業費用は28,031百万円(同0.1%増)となり、営業利益は4,996百万円(同9.6%減)となりました。
(その他)
その他においては、福岡市天神地区における駐車場事業、建設等のコンサルティング事業、一般自動車道事業、ウルトラファインバブル事業、広告事業、海外における高速道路事業、佐賀県鳥栖市及び熊本県熊本市の2ヶ所におけるトラックターミナル事業等を行っています。
当連結会計年度のその他全体としては、営業収益は9,779百万円(前連結会計年度比22.3%減)、営業費用は8,644百万円(同24.9%減)となり、営業利益は1,134百万円(同5.4%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の期末残高は227,895百万円(前連結会計年度比11.0%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は423,861百万円(前連結会計年度は183,432百万円の資金の使用)となりました。これは主に、退職給付に係る資産及び負債の増減額24,939百万円に加え、売上債権の増加額7,579百万円や法人税等の支払額5,867百万円といった資金の使用があったものの、税金等調整前当期純利益34,378百万円に加え、たな卸資産の減少額304,439百万円や仕入債務の増加額69,668百万円といった資金の獲得があったためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は41,018百万円(前連結会計年度比31.9%増)となりました。これは主に、料金収受機械、ETC装置等の設備投資40,666百万円の資金の使用があったためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は360,309百万円(前連結会計年度は250,249百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、長期借入れ及び道路建設関係社債発行による資金の獲得469,640百万円があったものの、長期借入金の返済及び道路建設関係社債償還による資金の使用828,756百万円(機構法第15条第1項による債務引受額828,755百万円を含みます。)があったためです。
なお、建設投資(仕掛道路資産)に係る有利子負債は、建設投資(仕掛道路資産)を機構に引き渡す際に同時に機構が債務を引き受けます。
(参考情報)
提出会社の当事業年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)における「高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表」は、以下のとおりです。
なお、「高速道路事業営業費用、営業外費用及び特別損失等明細表」については、後記「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 ②損益計算書 営業費用明細書のうち高速道路事業原価明細書」をご参照ください。
(注) 本明細表は、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)第6条の規定により作成しています。
高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表
当事業年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
(注) 収益の配賦基準は次のとおりです。
1.高速道路事業又はその他収益として事業が特定できるものは、各々の特定の事業部門に直接
配賦しています。
2.事業が特定できないものについては、営業損益比により各事業へ配賦しています。
(3)生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を、金 額あるいは数量で示すことはしていません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「1.経営成績等の状況の概要」においてセグメントの業 績に関連付けて記載しています。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針、所感等の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因について
① 高速道路事業の非営利性等について
高速道路事業においては、高速道路会社法及び機構法の規定により機構と締結した協定並びに特措法の規定による事業許可に基づき、機構から道路資産を借受けた上、道路利用者より料金を徴収、かかる料金収入から機構への賃借料及び管理費用の支払いに充てています。
かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社の徴収する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされています。なお、各連結会計年度においては、料金収入や管理費用等の実績と当初計画との乖離等により利益又は損失が生じる場合がありますが機構との協定に基づき、賃借料の着実な支払いを行うことが重要であるとの認識から、将来の社会経済変動及び自然災害の発生により料金収入が変動した場合等を想定し、高速道路事業に係る利益を備えのために積み立てています。
また、高速道路事業においては、冬期における交通確保のための雪氷対策や維持修繕関係の工事が下半期に完成することが多いことから、上半期よりも下半期に費用がより多く計上される傾向にあります。他方、夏季の好天や長期休暇が多いこと等に伴い、料金収入は上半期のほうがより多い傾向にあります。
なお、高速道路事業の収益には、インセンティブ助成金収入が含まれています。インセンティブ助成金とは、機構法第12条第1項第8号の規定に基づき、当社が経営努力による高速道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理に要する費用の縮減を行った際に、機構より縮減額の一部を助成されるものです。当連結会計年度におけるインセンティブ助成金収入は105百万円、インセンティブ助成金を原資とする支出は69百万円となっています。当連結会計年度末におけるインセンティブ助成金残高は761百万円であり、利益剰余金に留保されています。
② 機構による債務引受け等について
既述のとおり、当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところですが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされています。
当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を原則として弁済期日が到来する順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定すること、債務引受けは重畳的債務引受けの方法によること等、債務引受けの実際の運用について確認しています。
なお、高速道路にかかる道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表及び財務諸表に計上されないこととなりますが、当該債務について、当社は引き続き機構と連帯してその弁済の責めを負うこととされており、かかる債務の履行に関する主たる取扱いは機構が行うこととなります。
また、日本道路公団の民営化に伴い当社、機構、東日本高速道路㈱及び中日本高速道路㈱が承継した日本道路公団の債務の一部について、当社と、機構、東日本高速道路㈱及び中日本高速道路㈱との間に、連帯債務関係が生じています(民営化関係法施行法第16条)。
(2)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。かかる連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用の金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを行う必要があります。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき合理的に判断を行い、継続して評価を行っていますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に以下の会計方針が、当社グループの連結財務諸表においては重要であると考えています。
① 仕掛道路資産
高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧の結果生じた資産は、当社連結財務諸表において「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上されますが、かかる資産の取得原価は、建設価額に用地取得に係る費用その他の附帯費用を加算した価額に労務費・人件費等のうち道路建設に要した費用として区分された費用の額及び除却工事費用等その他道路資産の取得に要した費用の額を加えた額となります。なお、仕掛道路資産の建設に充当した借入資金の利息で、当該資産の工事完了の日までに発生したものは上記建設価額に算入しています。
なお、上記「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因について ② 機構による債務引受け等について」に記載のとおり、かかる資産は、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき道路資産として機構に帰属すると同時に、協定に基づき当社が機構から借受けることとなりますが、かかる借受けについてはオペレーティング・リースとして処理し、借受けに係る資産及び負債は当社グループの連結財務諸表には計上されないこととなります。
② 完成工事高の計上基準
営業収益のうち、直轄高速道路事業収入及び受託業務収入等、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しています。
なお、営業収益のうち、道路資産完成高の計上は、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)に基づき、仕掛道路資産を機構に引き渡した日に行っています。
③ ETCマイレージサービス引当金
ETCマイレージサービス制度による無料走行に備えるため、当連結会計年度末におけるポイント発行残高に対する将来の使用見込額を計上しています。
④ 退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しています。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び長期期待運用収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響する可能性があります。
⑤ 固定資産の減損
当社グループは、多くの固定資産を保有しています。これら固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等多くの前提条件に基づき算出し、減損の要否を検討しています。
(3)経営成績の分析
① 営業収益
当連結会計年度における高速道路事業の営業収益については、料金収入の増加や、道路資産完成高の増加により1,567,997百万円(前連結会計年度比77.9%増)となりました。受託事業の営業収益については12,002百万円(同30.5%増)、SA・PA事業の営業収益については33,027百万円(同1.5%減)、その他の営業収益については9,779百万円(同22.3%減)となりました。以上により、当連結会計年度における営業収益合計は、1,621,315百万円(同73.3%増)となりました。
② 営業利益
当連結会計年度における高速道路事業にかかる営業費用は、道路資産完成原価の増加により1,569,165百万円(前連結会計年度比78.6%増)となり、受託事業の営業費用については12,062百万円(同32.7%増)、SA・PA事業の営業費用については28,031百万円(同0.1%増)、その他の営業費用については8,644百万円(同24.9%減)となりました。以上により、当連結会計年度における営業費用合計は、1,616,441百万円(同74.6%増)となりました。
その結果、当連結会計年度における営業利益は、4,873百万円(同48.7%減)となりました。その内訳は、高速道路事業の営業損失は1,168百万円(前連結会計年度は営業利益2,810百万円)、受託事業の営業損失は60百万円(同営業利益105百万円)、SA・PA事業の営業利益は4,996百万円(前連結会計年度比9.6%減)、その他の営業利益は1,134百万円(同5.4%増)です。
③ 経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、土地物件貸付料621百万円等の計上により2,788百万円(前連結会計年度比28.4%増)となり、営業外費用は、たな卸資産処分損69百万円等の計上により271百万円(同8.3%増)となりました。
その結果、当連結会計年度の経常利益は、7,390百万円(同35.3%減)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、厚生年金基金代行返上益27,129百万円等の計上により27,164百万円(前連結会計年度は539百万円)となり、特別損失は、固定資産売却損120百万円等の計上により176百万円(前連結会計年度比18.4%増)となりました。
その結果、税金等調整前当期純利益は34,378百万円(前連結会計年度は11,810百万円)となり、これから法人税等合計11,338百万円(同△4,126百万円)及び非支配株主に帰属する当期純利益14百万円(同非支配株主に帰属する当期純損失14百万円)を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、23,024百万円(前連結会計年度比44.3%増)となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析は、前記「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
② 資金調達
資金調達は、高速道路料金の徴収等の営業活動のほか、道路建設関係社債(普通社債)の発行及び金融機関等からの長期借入れを通じて実施しました。
③ 資金需要と設備投資
今後の当社グループの主な資金需要は、協定に基づく機構への賃借料に加え、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の建設資金及び事業用設備に係る設備投資資金です。資産及び設備の概要については後記「第3 設備の状況」に記載しています。
(1)財政状態及び経営成績等の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の経済財政政策の推進により、雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかに回復し、海外経済が回復する下で、輸出や生産の持ち直しが続くとともに、個人消費や民間設備投資が持ち直すなど民需が改善する状況で推移しました。
このような経済情勢の下、当社グループは、「私たちはリスクマネジメントを徹底し、高速道路の安全・安心を最優先に、お客さまの満足度を高め、地域の発展に寄与することにより、社会から信頼され成長する企業グループをめざします」というグループ理念のもと、100%の安全・安心の確保を目指し、さらに満足度の高い機能・サービスの提供を行うべく事業を展開しました。
当社グループが運営する高速道路事業においては、通行台数は、景気回復の影響等により前期比1.8%増となり、料金収入は、前期比2.5%増(764,345百万円)となりました。
また、高速道路ネットワークの形成・充実に向けて道路建設事業を着実に行い、新名神高速道路(城陽ジャンクション・インターチェンジ~八幡京田辺ジャンクション・インターチェンジ、高槻ジャンクション・インターチェンジ~神戸ジャンクション)を新たに開通したほか、九州自動車道城南スマートインターチェンジ等の供用を開始しました。
高速道路事業以外の事業においては、SA・PA事業を中心に展開し、ガソリン価格の上昇の影響等により、店舗及びガスステーションの売上は前期比6.3%増の149,303百万円となりました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は1,621,315百万円(前連結会計年度比73.3%増)、営業費用は1,616,441百万円(同74.6%増)、営業利益は4,873百万円(同48.7%減)、経常利益は7,390百万円(同35.3%減)となりました。また、当社が加入する建設関係法人厚生年金基金において、平成29年5月1日付で厚生労働大臣から厚生年金基金代行部分過去分返上の認可を受けたことに伴い、当連結会計年度に27,129百万円を特別利益として計上したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は23,024百万円(同44.3%増)となりました。
各セグメントの概況は次のとおりです。
(高速道路事業)
高速道路事業においては、機構との協定、特措法第3条の規定による許可及び同法第4条の規定に基づき、高速道路の新設、改築、維持、修繕、災害復旧その他の管理等を行いました。
まず、道路管理事業については、高速道路をご利用のお客さまに安心・快適な道路環境を提供するため、事故多発箇所を中心としたハード対策や交通安全キャンペーン等によるソフト対策など、交通安全対策に取り組み、特に落下物防止の啓発活動強化や、逆走事故ゼロを早期に実現するための各種対策を推進しました。
平成28年熊本地震による九州自動車道他の損傷箇所については、平成29年4月28日までに当該区間を全て4車線に復旧させ、引き続き、本復旧工事を実施しました。また、平成29年7月に発生した九州北部豪雨では、料金所の冠水やのり面崩壊による土砂等流入等により、広範囲での通行止めを余儀なくされましたが、関係機関と連携のうえ、道路機能の迅速な回復に努めました。
高速道路ネットワークの機能を長期にわたって健全に保つため、平成28年熊本地震の被災状況を踏まえ、災害に強い道路を目指して、橋梁の耐震補強を推進しました。
特定更新等工事では、中国自動車道や沖縄自動車道にて橋梁床版取替工事等を実施したほか、短期間に数多くの工事を円滑に進めるため、施工者独自の高度な技術を活用する新たな契約方式を導入するなど、順次事業を進めています。
これまで整備の経緯の違い等から料金水準や車種区分が異なっていた近畿圏も高速道路(近畿自動車道、阪和自動車道、西名阪自動車道、第二京阪道路、京滋バイパス)の料金体系について、平成29年6月3日から、対距離制を基本とした利用重視の料金体系へ移行しました。
なお、新料金への移行にあたり、近畿自動車道等において、出口で即時にETC対距離料金を案内するシステムの改修が完了するまでの間、タクシーの高速道路料金を当社で負担する取り扱いを実施しましたが、システムの改修が完了したことから、この取り扱いは平成30年3月31日をもって終了しました。
その他、ETCを活用した各種料金割引に加え、「ぶらり中国ドライブパス2017」など地域と連携した周遊割引や、「Japan Expressway Pass」など訪日外国人旅行者向けの周遊割引を実施しました。
次に、道路建設事業については、新名神高速道路の着実な整備や4車線化事業を推進するなど、高速道路ネットワークの形成・充実を図りました。新名神高速道路は、平成29年4月30日に城陽ジャンクション・インターチェンジ~八幡京田辺ジャンクション・インターチェンジ間、平成29年12月10日に高槻ジャンクション・インターチェンジ~川西インターチェンジ間、平成30年3月18日に川西インターチェンジ~神戸ジャンクション間がそれぞれ開通しました。これにより、高槻ジャンクション~神戸ジャンクション間が開通し、並行する名神高速道路、中国自動車道とのダブルネットワーク化による交通の分散によって、渋滞の緩和など一定の効果を発揮しています。同区間の建設工事においては、作業員が死傷するなどの重大事故が続けて発生したことから、建設工事安全対策本部を設置するとともに、「新名神高速道路 事故根絶非常事態」を宣言し、事故再発防止の取組みを強化しました。その他、九州自動車道城南スマートインターチェンジ他5箇所のスマートインターチェンジの供用を開始しました。
また、平成29年8月10日に2箇所のスマートインターチェンジ、平成30年3月30日に第二神明道路、大和北道路等についての事業許可を受けました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は1,567,997百万円(前連結会計年度比77.9%増)、営業費用は1,569,165百万円(同78.6%増)となり、1,168百万円の営業損失が生じました(前連結会計年度は営業利益2,810百万円)。
(受託事業)
受託事業においては、高速道路の計画・建設・管理の各段階を通じ、これまで培ってきた技術力・ノウハウを活かして、国、地方公共団体等の委託に基づく道路の新設、改築、維持、修繕等を実施しました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は12,002百万円(前連結会計年度比30.5%増)、営業費用は12,062百万円(同32.7%増)となり、60百万円の営業損失が生じました(前連結会計年度は営業利益105百万円)。
(SA・PA事業)
SA・PA事業においては、テナント各社と協力し、SA・PAを「くつろぎ、楽しさ、にぎわい」を実感していただける「お客さま満足施設」への変革を目指し、地域性や交通特性を踏まえた店づくり、エリア毎のお客さまニーズにあった品揃え等による店舗展開を実施しました。当社最大の店舗棟面積となる新名神高速道路宝塚北サービスエリア(上下線)など3店舗を新たにオープンしました。また、九州自動車道山川パーキングエリア(上り線・下り線)のリニューアルオープンなど老朽化への対応等を着実に実施しました。
また、地域とともに発展するエリアを目指し、地域の観光PR等に使っていただけるスペースを提供するとともに、地域物産展や地元自治体等と連携したイベントを積極的に開催するなど、地域との連携の強化・推進を図りました。
その他、東九州自動車道川南パーキングエリア(上下線)など5箇所において、新たにガスステーションを整備しました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は33,027百万円(前連結会計年度比1.5%減)、営業費用は28,031百万円(同0.1%増)となり、営業利益は4,996百万円(同9.6%減)となりました。
(その他)
その他においては、福岡市天神地区における駐車場事業、建設等のコンサルティング事業、一般自動車道事業、ウルトラファインバブル事業、広告事業、海外における高速道路事業、佐賀県鳥栖市及び熊本県熊本市の2ヶ所におけるトラックターミナル事業等を行っています。
当連結会計年度のその他全体としては、営業収益は9,779百万円(前連結会計年度比22.3%減)、営業費用は8,644百万円(同24.9%減)となり、営業利益は1,134百万円(同5.4%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の期末残高は227,895百万円(前連結会計年度比11.0%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は423,861百万円(前連結会計年度は183,432百万円の資金の使用)となりました。これは主に、退職給付に係る資産及び負債の増減額24,939百万円に加え、売上債権の増加額7,579百万円や法人税等の支払額5,867百万円といった資金の使用があったものの、税金等調整前当期純利益34,378百万円に加え、たな卸資産の減少額304,439百万円や仕入債務の増加額69,668百万円といった資金の獲得があったためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は41,018百万円(前連結会計年度比31.9%増)となりました。これは主に、料金収受機械、ETC装置等の設備投資40,666百万円の資金の使用があったためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は360,309百万円(前連結会計年度は250,249百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、長期借入れ及び道路建設関係社債発行による資金の獲得469,640百万円があったものの、長期借入金の返済及び道路建設関係社債償還による資金の使用828,756百万円(機構法第15条第1項による債務引受額828,755百万円を含みます。)があったためです。
なお、建設投資(仕掛道路資産)に係る有利子負債は、建設投資(仕掛道路資産)を機構に引き渡す際に同時に機構が債務を引き受けます。
(参考情報)
提出会社の当事業年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)における「高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表」は、以下のとおりです。
なお、「高速道路事業営業費用、営業外費用及び特別損失等明細表」については、後記「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 ②損益計算書 営業費用明細書のうち高速道路事業原価明細書」をご参照ください。
(注) 本明細表は、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)第6条の規定により作成しています。
高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表
当事業年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
| 区分 | 金額(百万円) | |
| 1.営業収益 | ||
| 料金収入 | 764,553 | |
| 道路資産完成高 | 800,250 | |
| 受託業務収入 | 1 | |
| その他の売上高 | 980 | 1,565,786 |
| 2.営業外収益 | ||
| 受取利息 | 0 | |
| 有価証券利息 | 0 | |
| 受取配当金 | 2,314 | |
| 土地物件貸付料 | 5 | |
| 雑収入 | 798 | 3,118 |
| 3.特別利益 | ||
| 固定資産売却益 | 21 | |
| 厚生年金基金代行返上益 | 25,176 | |
| その他特別利益 | 0 | 25,197 |
| 高速道路事業営業収益等合計 | 1,594,102 | |
(注) 収益の配賦基準は次のとおりです。
1.高速道路事業又はその他収益として事業が特定できるものは、各々の特定の事業部門に直接
配賦しています。
2.事業が特定できないものについては、営業損益比により各事業へ配賦しています。
(3)生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を、金 額あるいは数量で示すことはしていません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「1.経営成績等の状況の概要」においてセグメントの業 績に関連付けて記載しています。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針、所感等の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因について
① 高速道路事業の非営利性等について
高速道路事業においては、高速道路会社法及び機構法の規定により機構と締結した協定並びに特措法の規定による事業許可に基づき、機構から道路資産を借受けた上、道路利用者より料金を徴収、かかる料金収入から機構への賃借料及び管理費用の支払いに充てています。
かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社の徴収する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされています。なお、各連結会計年度においては、料金収入や管理費用等の実績と当初計画との乖離等により利益又は損失が生じる場合がありますが機構との協定に基づき、賃借料の着実な支払いを行うことが重要であるとの認識から、将来の社会経済変動及び自然災害の発生により料金収入が変動した場合等を想定し、高速道路事業に係る利益を備えのために積み立てています。
また、高速道路事業においては、冬期における交通確保のための雪氷対策や維持修繕関係の工事が下半期に完成することが多いことから、上半期よりも下半期に費用がより多く計上される傾向にあります。他方、夏季の好天や長期休暇が多いこと等に伴い、料金収入は上半期のほうがより多い傾向にあります。
なお、高速道路事業の収益には、インセンティブ助成金収入が含まれています。インセンティブ助成金とは、機構法第12条第1項第8号の規定に基づき、当社が経営努力による高速道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理に要する費用の縮減を行った際に、機構より縮減額の一部を助成されるものです。当連結会計年度におけるインセンティブ助成金収入は105百万円、インセンティブ助成金を原資とする支出は69百万円となっています。当連結会計年度末におけるインセンティブ助成金残高は761百万円であり、利益剰余金に留保されています。
② 機構による債務引受け等について
既述のとおり、当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところですが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされています。
当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を原則として弁済期日が到来する順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定すること、債務引受けは重畳的債務引受けの方法によること等、債務引受けの実際の運用について確認しています。
なお、高速道路にかかる道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表及び財務諸表に計上されないこととなりますが、当該債務について、当社は引き続き機構と連帯してその弁済の責めを負うこととされており、かかる債務の履行に関する主たる取扱いは機構が行うこととなります。
また、日本道路公団の民営化に伴い当社、機構、東日本高速道路㈱及び中日本高速道路㈱が承継した日本道路公団の債務の一部について、当社と、機構、東日本高速道路㈱及び中日本高速道路㈱との間に、連帯債務関係が生じています(民営化関係法施行法第16条)。
(2)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。かかる連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用の金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを行う必要があります。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき合理的に判断を行い、継続して評価を行っていますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に以下の会計方針が、当社グループの連結財務諸表においては重要であると考えています。
① 仕掛道路資産
高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧の結果生じた資産は、当社連結財務諸表において「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上されますが、かかる資産の取得原価は、建設価額に用地取得に係る費用その他の附帯費用を加算した価額に労務費・人件費等のうち道路建設に要した費用として区分された費用の額及び除却工事費用等その他道路資産の取得に要した費用の額を加えた額となります。なお、仕掛道路資産の建設に充当した借入資金の利息で、当該資産の工事完了の日までに発生したものは上記建設価額に算入しています。
なお、上記「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因について ② 機構による債務引受け等について」に記載のとおり、かかる資産は、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき道路資産として機構に帰属すると同時に、協定に基づき当社が機構から借受けることとなりますが、かかる借受けについてはオペレーティング・リースとして処理し、借受けに係る資産及び負債は当社グループの連結財務諸表には計上されないこととなります。
② 完成工事高の計上基準
営業収益のうち、直轄高速道路事業収入及び受託業務収入等、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しています。
なお、営業収益のうち、道路資産完成高の計上は、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)に基づき、仕掛道路資産を機構に引き渡した日に行っています。
③ ETCマイレージサービス引当金
ETCマイレージサービス制度による無料走行に備えるため、当連結会計年度末におけるポイント発行残高に対する将来の使用見込額を計上しています。
④ 退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しています。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び長期期待運用収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響する可能性があります。
⑤ 固定資産の減損
当社グループは、多くの固定資産を保有しています。これら固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等多くの前提条件に基づき算出し、減損の要否を検討しています。
(3)経営成績の分析
① 営業収益
当連結会計年度における高速道路事業の営業収益については、料金収入の増加や、道路資産完成高の増加により1,567,997百万円(前連結会計年度比77.9%増)となりました。受託事業の営業収益については12,002百万円(同30.5%増)、SA・PA事業の営業収益については33,027百万円(同1.5%減)、その他の営業収益については9,779百万円(同22.3%減)となりました。以上により、当連結会計年度における営業収益合計は、1,621,315百万円(同73.3%増)となりました。
② 営業利益
当連結会計年度における高速道路事業にかかる営業費用は、道路資産完成原価の増加により1,569,165百万円(前連結会計年度比78.6%増)となり、受託事業の営業費用については12,062百万円(同32.7%増)、SA・PA事業の営業費用については28,031百万円(同0.1%増)、その他の営業費用については8,644百万円(同24.9%減)となりました。以上により、当連結会計年度における営業費用合計は、1,616,441百万円(同74.6%増)となりました。
その結果、当連結会計年度における営業利益は、4,873百万円(同48.7%減)となりました。その内訳は、高速道路事業の営業損失は1,168百万円(前連結会計年度は営業利益2,810百万円)、受託事業の営業損失は60百万円(同営業利益105百万円)、SA・PA事業の営業利益は4,996百万円(前連結会計年度比9.6%減)、その他の営業利益は1,134百万円(同5.4%増)です。
③ 経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、土地物件貸付料621百万円等の計上により2,788百万円(前連結会計年度比28.4%増)となり、営業外費用は、たな卸資産処分損69百万円等の計上により271百万円(同8.3%増)となりました。
その結果、当連結会計年度の経常利益は、7,390百万円(同35.3%減)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、厚生年金基金代行返上益27,129百万円等の計上により27,164百万円(前連結会計年度は539百万円)となり、特別損失は、固定資産売却損120百万円等の計上により176百万円(前連結会計年度比18.4%増)となりました。
その結果、税金等調整前当期純利益は34,378百万円(前連結会計年度は11,810百万円)となり、これから法人税等合計11,338百万円(同△4,126百万円)及び非支配株主に帰属する当期純利益14百万円(同非支配株主に帰属する当期純損失14百万円)を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、23,024百万円(前連結会計年度比44.3%増)となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析は、前記「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
② 資金調達
資金調達は、高速道路料金の徴収等の営業活動のほか、道路建設関係社債(普通社債)の発行及び金融機関等からの長期借入れを通じて実施しました。
③ 資金需要と設備投資
今後の当社グループの主な資金需要は、協定に基づく機構への賃借料に加え、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の建設資金及び事業用設備に係る設備投資資金です。資産及び設備の概要については後記「第3 設備の状況」に記載しています。