有価証券報告書-第21期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/29 10:45
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1.経営成績等の状況の概要
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、緩やかな回復を続けている状況にある中、当社グループとしては、24時間365日、我が国の大動脈として生活・経済活動に欠かせない重要なインフラである高速道路の機能・サービスを間断なく提供するとともに、「私たちは、高速道路の安全・安心を最優先に、高速道路の進化に挑み続け、地域の発展と豊かな未来の実現に貢献します」というグループ理念のもと、安全・安心の確保を目指し、さらに満足度の高い機能・サービスの提供を行うべく事業を展開しました。
その結果、当連結会計年度の通行台数は、前期比2.3%増となり、料金収入は、前期比3.1%増(804,151百万円)となりました。
高速道路事業以外の事業においては、SA・PA事業を中心に展開し、各種販売促進施策の取組み等により、店舗及びガスステーションの売上は前期比3.0%増の185,654百万円となりました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は1,283,362百万円(前連結会計年度比3.0%増)、営業費用は1,282,485百万円(同3.5%増)、営業利益は877百万円(同87.1%減)、経常利益は8,032百万円(同28.1%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は6,681百万円(同26.9%減)となりました。
今後、「高速道路における安全・安心基本計画」(令和元年9月国土交通省)を踏まえ、令和元年12月に策定した「高速道路における安全・安心実施計画」に基づき、暫定2車線区間の解消、災害時におけるネットワークの確保等の高速道路の更なる機能強化を図る各種事業を着実に推進していきます。
各セグメントの概況は次のとおりです。
(高速道路事業)
高速道路事業においては、高速道路株式会社法(平成16年法律第99号)第6条第1項に基づき機構と平成18年3月31日に締結した全国路線網協定及び平成31年3月26日に締結した八木山バイパス協定(その2)(その後の協定変更を含みます。)並びに特措法第3条の規定等による許可及び同法第4条の規定に基づき、高速道路の新設、改築、維持、修繕、災害復旧その他の管理等を行いました。
特に今般、新名神高速道路建設や高速道路リニューアルプロジェクト、度重なる大雨・大雪への対応や日常的な維持管理業務など、事業量が増大する中、当社グループの使命を果たすべく社員一丸となって事業を推進しました。
交通安全対策については、より安心かつ快適な道路環境を提供するため、事故多発箇所を中心としたハード対策や交通安全キャンペーン等によるソフト対策等に引き続き取組みました。対面通行区間での正面衝突事故防止のため、これまでのラバーポールに代えてワイヤロ-プの設置を進めるとともに、長大橋・トンネル区間において区画柵の試行設置を推進しており、令和7年度は徳島自動車道等において区画柵を設置しました。
逆走による重大事故ゼロの実現に向けては、行先を誤ったお客さまに対して適切な対処方法をご案内する看板の設置や一般道接続部等での誤進入対策、一般公募で寄せられた逆走防止技術の現地展開を実施したほか、これら対策実施後も、なお重大事故が発生している箇所等を重点対策箇所として位置付け、視覚的な対策に加え、路面埋込型ブレード等の物理的対策を主体とした逆走対策を推進するため、実施計画を策定し対策を推進しました。
道路の劣化を進行させる要因の一つである重量超過等の車両制限令に違反する車両に対しては、積載物の軽減や通行の中止など厳格な措置を実施し、指導及び取り締まりに引き続き取組みました。
また、阪神高速道路株式会社、本州四国連絡高速道路株式会社及び株式会社エフエム大阪と共同で進めている、“ながら運転撲滅活動”(通称「SNDプロジェクト」)により交通安全啓発活動への取組みを推進しました。
さらに、SA・PAにおける大型車駐車エリアの混雑緩和を目的として、大型車駐車マスの拡充や短時間限定駐車マスの整備拡大のほか、「出発時間指定 大型車3列駐車マス」の試行運用を実施しました。
高速道路の維持管理については、高速道路資産を確実に点検し正確に健全性を把握するため、高解像度カメラや、赤外線カメラを活用した点検に取組むとともに、構造物点検の更なる効率化を図ることを目的に無人航空機(UAV)で撮影した動画による鋼橋の点検を実施しました。また、タブレット端末を使用した点検結果の記録に取組むなど、点検から補修までの一連のサイクルである「保全事業システム」の高度化、効率化を推進しました。
通行料金の割引制度については、観光周遊の促進を目的として実施している周遊割引(ドライブパス)の一層の利用拡大を図るため、自治体と連携したプランや観光施設チケットとのセットプランにおいて新たな商品の販売を実施しました。また、交通混雑期等における観光需要平準化や交通分散のため、令和4年度以降はゴールデンウイーク、お盆及び年末年始において、加えて令和6年度以降はシルバーウイークにおいて、休日割引を適用しないこととしており、令和7年度以降は新たに3連休においても適用しないこととしました。
なお、今後、割引適用待ち車両の滞留等が課題となっている深夜割引を見直し、走行分に応じた形にするとともに、割引が適用される時間帯を拡大することとしております。
通行料金システムについては、既存のシステム上の制約にとらわれず、必要な料金施策を必要な時期に実施できるようにするため、様々な料金施策に迅速かつ正確に対応可能な新料金システムの構築を推進しました。
その他、料金所のキャッシュレス化・タッチレス化に向け、令和7年10月から新名神高速道路 八幡京田辺料金所他3箇所を、令和8年3月から中国自動車道 宝塚料金所他22箇所をETC専用料金所として運用開始するとともに、ETC車載器購入助成キャンペーンを実施しました。
災害対応については、令和7年8月の大雨により当社が管理する高速道路の複数箇所で土砂崩れ等の被害が生じましたが、速やかに応急復旧のうえ交通確保を行いました。特に、九州自動車道(松橋インターチェンジ~八代インターチェンジ他)では、切土のり面の崩壊に伴う通行止めが生じましたが、速やかな応急復旧により早期に通行止めを解除することができました。また、当社管内の高速道路において毎年災害が発生していることを踏まえ、災害対応力を強化するため、災害発生時に迅速な対応ができるよう、当社及びグループ会社にて策定している事業継続計画(災害対応編)をもとに、グループ全体で連携を図りました。
大規模災害時に備え、お客さまの安全確保を第一に速やかな緊急車両の通行確保を目的とした関係機関との災害時協力協定に基づく定期的な調整会議及び訓練を実施するとともに、災害時の活動状況について広く理解を得るため、被災状況や復旧状況等をホームページやSNSを用いて情報発信する取組みを行いました。
冬季の高速道路の安全・安心については、「人命を最優先に、幹線道路上で大規模な車両滞留を徹底的に回避すること」という基本方針のもと、幅広い事前の外出自粛・広域迂回等の呼びかけや関係機関と連携した躊躇ない広範囲での予防的な通行規制を実施するとともに、早期交通確保に向けた集中除雪の実施やSNS等各種ツールを用いた情報の発信に努めました。また、お客さまや地域の安全・安心の確保、東西幹線物流への影響の軽減を図るため、令和6年度の降雪・交通状況等を踏まえ、関係機関と協働して名神高速道路・新名神高速道路に関わる広域的な降雪時の雪害対応方針を改定し、実行しました。
関門トンネルについては、令和7年9月29日付で国土交通大臣より事業許可を受け、令和7年10月以降も当社が引き続き維持管理を実施することとなりました。また、関門トンネルの通行料金は、コスト管理を徹底するなどの取組みを行うことで長期にわたり現在の料金水準を維持してきましたが、安全・サービスの維持向上、老朽化した構造物や設備の更新及び建設資材価格・労務費等の上昇など取り巻く環境の変化に対応しつつ、関門海峡の重要な交通機能を確実に確保していくため、令和8年1月21日付で国土交通大臣より事業許可を受け、令和8年度より通行料金を段階的に改定していくこととなりました。
高速道路リニューアルプロジェクトについては、地方部での事業に加え、関西都市圏の事業を推進しました。中国自動車道(宝塚インターチェンジ~神戸ジャンクション)においては、交通混雑期を除き、終日車線規制により4車線運用、阪和自動車道(泉南インターチェンジ~和歌山南スマートインターチェンジ)においては、夜間通行止めや終日幅員減少規制により床版取替を実施しました。これらの工事においては、テレビCMやリニューアル工事専用ウェブサイトを活用し、渋滞予測やリアルタイム所要時間等の情報提供を積極的に行うなど、関係機関と連携しながら、工事中の社会的影響を最小化させるよう取組みました。
また、既に完了している落橋・倒壊を防止する対策に加え、橋としての機能を速やかに回復させるために必要な対策として更なる耐震補強を推進しており、大規模地震発生確率の高い地域を中心に事業進捗を図りました。
次に、道路建設事業については、新名神高速道路の着実な整備や4・6車線化を推進するなど、高速道路ネットワークの形成及び充実を図りました。
令和7年4月19日に松山自動車道伊予インターチェンジ~内子五十崎インターチェンジ間の一部4車線化(6.3㎞)、同年6月15日に東九州自動車道(隼人道路)隼人東インターチェンジ~隼人西インターチェンジ間の4車線化(3.7km)、同年12月12日に東九州自動車道宇佐インターチェンジ~院内インターチェンジ間(本線から宇佐料金所まで)の4車線化(1.5㎞)、同年12月20日に東九州自動車道宮崎パーキングエリア~清武インターチェンジ間の4車線化(3.7km)が完成しました。
新たな事業として、令和7年12月5日に山陽自動車道 高陽スマートインターチェンジ他1箇所のスマートインターチェンジについて事業許可を受けました。
工事の安全対策については、全社的な工事安全レベルの向上を図るため各支社安全協議会において「安全対策部会」を、本社において「工事安全推進会議」をそれぞれ開催しました。また、発注者による安全確認や啓発活動を通して、工事受注者の安全意識を高めるとともに、重大事故リスクアセスメントの実施等、受発注者一体となり工事安全管理に取組みました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は1,230,919百万円(前連結会計年度比2.8%増)、営業費用は1,235,930百万円(同3.3%増)となり、営業損失は5,010百万円(前連結会計年度は営業利益860百万円)となりました。
(受託事業)
受託事業においては、高速道路の計画、建設及び管理の各段階を通じ、これまで培ってきた技術力及びノウハウを活かして、国及び地方公共団体等の委託に基づき、道路の新設、改築、維持、修繕等を実施しました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は9,685百万円(前連結会計年度比10.6%増)、営業費用は9,563百万円(同9.9%増)となり、営業利益は122百万円(前連結会計年度は営業利益55百万円)となりました。
(SA・PA事業)
SA・PA事業においては、お客さま満足度の向上を目的に、お客さまに対して新しい体験と感動を提案する取組みを行いました。
令和7年12月に九州自動車道 広川サービスエリア(上り線)がリニューアルオープンしました。筑後地方の伝統工芸品をイメージした外観や内装が特徴で、ご当地食材を活かした飲食メニューや人気名産品を取り揃え、筑後の恵みと広川の風情を感じられるエリアとして、より快適にお食事やお買物をお楽しみいただけるようになりました。
また、SA・PAへの立寄り動機の創出を目的として、大阪・関西万博の開催に合わせ、万博関連商品を取り揃えた専用コーナーの設置や万博チケットの提示による割引サービスを実施するとともに、旅の思い出づくりにふさわしい機会を創出する目的で、「第10回 西イチグルメ決定戦2025 『SA・PA肉万博』」と題したメニューコンテストを実施しました。
さらに、地域とともに発展するSA・PAを目指し、旅先で使えるチケットが入った運試し型のチケット販売機をSA・PAに設置し、偶発性と体験性を演出するクルマ旅キャンペーン(旅っチャ)を愛媛県伊予市他4自治体で開催しました。
また、九州産業大学との産学共創による、学生主体の地域アンテナショップ「KSUちはやサービスエリア」の展開など、地域の魅力を発掘するプロジェクトを推進しました。
その他、山陽自動車道 宮島サービスエリア(下り線)において、任天堂株式会社のキャラクターである「ピクミン」をテーマにした「ピクミンテラスin宮島SA」を開催しました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は34,827百万円(前連結会計年度比5.1%増)、営業費用は29,924百万円(同7.1%増)となり、営業利益は4,903百万円(同6.0%減)となりました。
(その他)
その他の事業においては、不動産事業として、大阪府八尾市、広島県福山市を含む4箇所で、当社として初めて宅地分譲を実施したほか、福岡県福岡市に新たに建設した集合住宅の賃貸を開始しました。
駐車場事業として、福岡県福岡市天神地区において福岡中央自動車駐車場の運営を行いました。なお、同駐車場は、当社の前身である日本道路公団が建設を行い、昭和41年から供用していましたが、福岡市において都市部への自動車交通を削減・抑制する取組みがなされていること、設備の老朽化が進んでいることを踏まえ、令和8年3月31日をもって営業を終了しました。
トラックターミナル事業として、佐賀県鳥栖市及び熊本県熊本市の2箇所で事業を行いました。
海外事業として、子会社であるNEXCO-West USA,Inc.を通じて、米国における非破壊点検事業に取り組んだほか、点検結果を活用して道路保全計画を立案する道路保全コンサルティング業務を新たに受注しました。インドネシアにおいては、出資先である同国の高速道路運営会社PT Margautama Nusantaraに対し、当社からの出向社員が技術指導等を行い、道路維持管理の品質向上に寄与したほか、経済産業省からの補助金を活用し、同国における赤外線点検技術の実証調査を行いました。
当連結会計年度のその他全体としては、営業収益は9,442百万円(前連結会計年度比26.7%増)、営業費用は8,542百万円(同26.8%増)となり、営業利益は900百万円(同25.8%増)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ53,733百万円増加し、2,744,466百万円となりました。仕掛道路資産が増加したことが主な要因です。
負債は、前連結会計年度末に比べ38,498百万円増加し、2,462,896百万円となりました。道路建設長期借入金が増加したことが主な要因です。
純資産は、前連結会計年度末に比べ15,234百万円増加し、281,569百万円となりました。退職給付に係る調整累計額の増加が主な要因です。
自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.4ポイント増加し、10.3%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の期末残高は288,734百万円(前連結会計年度比43.6%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は232,695百万円(前連結会計年度比8.7%増)となりました。これは主に、減価償却費33,071百万円の資金の獲得があったものの、棚卸資産の増加額230,236百万円の資金の使用があったためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は51,552百万円(前連結会計年度比43.8%増)となりました。これは主に、料金収受機械、ETC装置等の設備投資51,907百万円の資金の使用があったためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は61,379百万円(前連結会計年度比69.8%減)となりました。これは主に、長期借入れ及び道路建設関係社債発行による資金の獲得533,647百万円があったものの、長期借入金の返済及び道路建設関係社債償還による資金の使用470,000百万円(機構法第15条第1項による債務引受額470,000百万円を含みます。)があったためです。
なお、建設投資(仕掛道路資産)に係る有利子負債は、建設投資(仕掛道路資産)を機構に引き渡す際に同時に機構が債務を引き受けます。
(参考情報)
提出会社の当事業年度(自 令和7年4月1日 至 令和8年3月31日)における「高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表」は、以下のとおりです。
なお、「高速道路事業営業費用、営業外費用及び特別損失等明細表」については、後記「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 ②損益計算書 営業費用明細書のうち高速道路事業原価明細書」をご参照下さい。
(注) 本明細表は、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)第6条の規定により作成しています。
高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表
当事業年度(自 令和7年4月1日 至 令和8年3月31日)
区分金額(百万円)
1.営業収益
料金収入804,352
道路資産完成高422,906
受託業務収入0
その他の売上高1,0321,228,292
2.営業外収益
受取利息0
有価証券利息1
受取配当金975
土地物件貸付料24
雑収入8251,827
3.特別利益
固定資産売却益4444
高速道路事業営業収益等合計1,230,164

(注) 収益の配賦基準は次のとおりです。
1.高速道路事業又はその他収益として事業が特定できるものは、各々の特定の事業部門に直接
配賦しています。
2.事業が特定できないものについては、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)
第24条の規定により各事業へ配賦しています。
(3)生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を、金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「1.経営成績等の状況の概要」において各セグメントの業績に関連付けて記載しています。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針、所感等の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因について
① 高速道路事業の非営利性等について
高速道路事業においては、高速道路会社法及び機構法の規定により機構と締結した協定並びに特措法の規定による事業許可に基づき、機構から道路資産を借受けた上、道路利用者より料金を徴収、かかる料金収入から機構への道路資産賃借料及び管理費用の支払いに充てています。
かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社の徴収する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされています。なお、各連結会計年度においては、料金収入や管理費用等の実績と当初計画との乖離等により利益又は損失が生じる場合がありますが、機構との協定に基づき道路資産賃借料の着実な支払いを行うことが重要であるとの認識から、将来の社会経済変動及び自然災害の発生により料金収入が変動した場合等を想定し、高速道路事業に係る利益を備えのために積み立てています。
また、高速道路事業においては、冬期における交通確保のための雪氷対策や維持修繕関係の工事が下半期に完成することが多いことから、上半期よりも下半期に費用がより多く計上される傾向にあります。他方、夏季の好天や長期休暇が多いこと等に伴い、料金収入は上半期のほうがより多い傾向にあります。
なお、高速道路事業の収益には、インセンティブ助成金収入が含まれています。インセンティブ助成金とは、機構法第12条第1項第9号の規定に基づき、当社が経営努力による高速道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理に要する費用の縮減を行った際に、機構より縮減額の一部を助成されるものです。当連結会計年度におけるインセンティブ助成金を原資とする支出は73百万円となっています。当連結会計年度末におけるインセンティブ助成金残高は855百万円であり、利益剰余金に留保されています。
② 機構による債務引受け等について
既述のとおり、当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところですが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされています。
当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を原則として弁済期日が到来する順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定すること、債務引受けは併存的(重畳的)債務引受けの方法によること等、債務引受けの実際の運用について確認しています。
なお、高速道路にかかる道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表及び財務諸表に計上されないこととなりますが、当該債務について、原則当社は引き続き機構と連帯してその弁済の責めを負うこととされており、かかる債務の履行に関する主たる取扱いは機構が行うこととなります。
また、日本道路公団の民営化に伴い当社、機構、東日本高速道路㈱及び中日本高速道路㈱が承継した日本道路公団の債務の一部について、当社と、機構、東日本高速道路㈱及び中日本高速道路㈱との間に、連帯債務関係が生じています(民営化関係法施行法第16条)。
(2)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。かかる連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用の金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを行う必要があります。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき合理的に判断を行い、継続して評価を行っていますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に以下の会計方針が、当社グループの連結財務諸表においては重要であると考えています。
① 仕掛道路資産
高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧の結果生じた資産は、当社連結財務諸表において「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上されますが、かかる資産の取得原価は、建設価額に用地取得に係る費用その他の附帯費用を加算した価額に労務費・人件費等のうち道路建設に要した費用として区分された費用の額及び除却工事費用等その他道路資産の取得に要した費用の額を加えた額となります。なお、仕掛道路資産の建設に充当した借入資金の利息で、当該資産の工事完了の日までに発生したものは上記建設価額に算入しています。
なお、上記「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因について ② 機構による債務引受け等について」に記載のとおり、かかる資産は、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき道路資産として機構に帰属すると同時に、協定に基づき当社が機構から借受けることとなりますが、かかる借受けについてはオペレーティング・リースとして処理し、借受けに係る資産及び負債は当社グループの連結財務諸表には計上されないこととなります。
② 料金収入等の計上基準
営業収益のうち、料金収入については、顧客が当社の管理する道路を通行した時点で収益を計上しています。
なお、ETCマイレージサービス制度に係る将来の無料走行に使用できるポイント等を付与した場合、当該ポイント等にて追加のサービスを顧客に提供したものとして、将来、当該サービスが顧客に移転した時に履行義務が充足するものとして収益を計上しています。また、営業収益のうち、道路資産完成高の計上は、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)に基づき、仕掛道路資産を機構に引き渡した日に行っています。
③ 受託業務収入等の計上基準
営業収益のうち、受託業務収入等については、履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を計上しています。ただし、契約における取引開始日から履行義務の全部を充足すると見込まれる時点までの期間が短い等、重要性が乏しい場合は、引き渡し時点において履行義務が充足されたものとして収益を計上しています。
④ 退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しています。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び長期期待運用収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響する可能性があります。
⑤ 固定資産の減損
当社グループは、多くの固定資産を保有しています。これら固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等多くの前提条件に基づき算出し、減損の要否を検討しています。
⑥ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を判断する際、将来の課税所得を合理的に見積もっています。よって、将来の課税所得の見積額に変更が生じた場合、繰延税金資産が増額又は減額され、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)経営成績の分析
① 営業収益
当連結会計年度における高速道路事業の営業収益については、料金収入が増加したこと等により1,230,919百万円(前連結会計年度比2.8%増)となりました。受託事業の営業収益については、9,685百万円(同10.6%増)、SA・PA事業の営業収益については、34,827百万円(同5.1%増)、その他の営業収益については、9,442百万円(同26.7%増)となりました。以上により、当連結会計年度における営業収益合計は、1,283,362百万円(同3.0%増)となりました。
② 営業利益
当連結会計年度における高速道路事業にかかる営業費用は、道路資産賃借料が増加したこと等により1,235,930百万円(前連結会計年度比3.3%増)となり、受託事業の営業費用については、9,563百万円(同9.9%増)、SA・PA事業の営業費用については、29,924百万円(同7.1%増)、その他の営業費用については8,542百万円(同26.8%増)となりました。以上により、当連結会計年度における営業費用合計は、1,282,485百万円(同3.5%増)となりました。
その結果、当連結会計年度における営業利益は、877百万円(前連結会計年度比87.1%減)となりました。その内訳は、高速道路事業の営業損失は5,010百万円(前連結会計年度は営業利益860百万円)、受託事業の営業利益は122百万円(前連結会計年度は営業利益55百万円)、SA・PA事業の営業利益は4,903百万円(前連結会計年度比6.0%減)、その他の営業利益は900百万円(同25.8%増)です。
③ 経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、受取利息3,492百万円等の計上により7,413百万円(前連結会計年度比60.8%増)となり、営業外費用は、棚卸資産処分損83百万円等の計上により258百万円(同3.4%増)となりました。
その結果、当連結会計年度の経常利益は、8,032百万円(同28.1%減)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、固定資産売却益221百万円等の計上により224百万円(前連結会計年度比2.3%増)となり、特別損失は、減損損失312百万円等の計上により641百万円(同33.9%増)となりました。
その結果、税金等調整前当期純利益は7,615百万円(同30.2%減)となり、これから法人税等合計923百万円(同47.8%減)及び非支配株主に帰属する当期純利益10百万円(同39.4%増)を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、6,681百万円(同26.9%減)となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析は、前記「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
② 資金調達
資金の調達は、高速道路料金の徴収等の営業活動のほか、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産にかかる投資については、道路建設関係社債の発行及び機構からの無利子借入れ並びに金融機関等からの借入れを通じて実施しました。
資金の調達においては低利且つ安定的な調達を目指し、道路建設関係社債の発行を基軸としつつ、金融機関等からの借入れも実施し、調達バランスの最適化を図っています。
③ 資金需要と設備投資
当社グループの主な資金需要は、協定に基づく機構への賃借料に加え、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の建設資金及び事業用設備に係る設備投資資金です。
道路資産賃借料の支払いには高速道路料金収入を、道路資産の建設資金には道路建設関係社債の発行並びに機構からの無利子借入金及び金融機関等からの借入金を充てています。
なお、資産及び設備の概要については後記「第3 設備の状況」に記載しています。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

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  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

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  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。