有価証券報告書-第15期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/23 11:15
【資料】
PDFをみる
【項目】
156項目
1.経営成績等の状況の概要
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度において、当社グループが事業を行う西日本地域は、大雨により令和元年7月に九州自動車道(溝辺鹿児島空港インターチェンジ~加治木ジャンクション)が、令和元年8月に長崎自動車道武雄ジャンクション(武雄北方インターチェンジ~嬉野インターチェンジ)が、令和元年9月に中国自動車道(北房インターチェンジ~新見インターチェンジ)が相次いで被災しました。
これらの災害に伴い、通行止め等の通行の制限を余儀なくされたほか、構造物等に損傷が生じましたが、その都度、関係機関等からのご協力のもと、当社グループの総力を集結し復旧を進めました。
こうしたなかで、当社グループは、「私たちはリスクマネジメントを徹底し、高速道路の安全・安心を最優先に、お客さまの満足度を高め、地域の発展に寄与することにより、社会から信頼され成長する企業グループをめざします」というグループ理念のもと、100%の安全・安心の確保を目指し、さらに満足度の高い機能・サービスの提供を行うべく事業を展開しました。
一方、わが国の経済は、海外経済の減速等を背景に外需が弱いものの、雇用・所得環境の改善等により、内需を中心に緩やかに回復が続く状況で推移しましたが、当連結会計年度末にかけて、新型コロナウイルス感染症の影響により足下で大幅に下押しされ、厳しい状況に陥りました。
当社グループが運営する高速道路事業においては、通行台数は、景気回復の影響等により前期比2.0%増となり、料金収入は、前期比2.0%増(798,216百万円)となりました。
また、高速道路ネットワークの形成・充実に向けて道路建設事業を着実に行い、長崎自動車道(長崎芒塚インターチェンジ~長崎多良見インターチェンジ)の4車線化が完成したほか、中国自動車道湯田温泉スマートインターチェンジ等の供用を開始しました。
高速道路事業以外の事業においては、SA・PA事業を中心に展開し、新型コロナウイルスの感染拡大の影響等により、店舗及びガスステーションの売上は前期比0.8%減の161,965百万円となりました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は1,087,036百万円(前連結会計年度比0.8%増)、営業費用は1,080,288百万円(同1.1%増)、営業利益は6,747百万円(同32.8%減)、経常利益は9,689百万円(同25.0%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は6,531百万円(同33.5%減)となりました。
今後、「高速道路における安全・安心基本計画」(令和元年9月国土交通省)を踏まえ、令和元年12月に策定した「高速道路における安全・安心実施計画」に基づき、暫定2車線区間の解消、災害時におけるネットワークの確保等の高速道路の更なる機能強化を図る各種事業を着実に推進していきます。
各セグメントの概況は次のとおりです。
(高速道路事業)
高速道路事業においては、機構との協定、特措法第3条の規定による許可及び同法第4条の規定に基づき、高速道路の新設、改築、維持、修繕、災害復旧その他の管理等を行いました。
まず、道路管理事業については、平成30年9月4日に上陸した台風21号に伴いタンカー船が衝突し橋桁に大きな損傷を受けた関西国際空港連絡橋(下り線)においては、平成31年4月8日に当該区間の6車線復旧を完了させたほか、平成30年7月豪雨に伴う土砂崩落により立川橋(上り線)の上部工が流失した高知自動車道(新宮インターチェンジ~大豊インターチェンジ)においては、令和元年7月8日に上下線各2車線の4車線復旧を完了させる等、当社グループと関係機関等が一丸となって迅速な復旧に取り組みました。また、令和元年7月の大雨の影響により土砂崩れが生じた九州自動車道(溝辺鹿児島空港インターチェンジ~加治木ジャンクション)、令和元年9月の大雨の影響により土砂崩れが生じた中国自動車道(北房インターチェンジ~新見インターチェンジ)について復旧を行ったほか、令和元年8月の大雨の影響によりのり面変状が発生した長崎自動車道武雄ジャンクション(武雄北方インターチェンジ~嬉野インターチェンジ)については、現在上り線を利用して対面通行として運用しており、令和2年秋頃までの4車線復旧を目指して鋭意取り組んでいます。
高速道路リニューアルプロジェクトについては、地方部での事業の推進に加えて、関西圏の都市部での大規模な交通規制を伴う工事の着手に向け、関係機関との調整等を着実に推進しました。また、地震に強い道路を目指して、平成28年熊本地震の被災状況を踏まえ、橋梁の更なる耐震補強を推進しました。
災害対応力の強化については、令和元年度に発生した長崎自動車道武雄ジャンクションにおけるのり面防災等を踏まえ、長期的な復旧体制の運用方法や通行止め時の迂回路広報等について、防災業務の標準的な作業手順や留意点を記した防災対策業務必携の改訂を行いました。また、昼夜を問わず復旧活動を行うために必要な宿泊施設及び移動手段の確保を目的として、旅行会社と協力協定を締結しました。
冬季の高速道路の安全・安心については、テレビCMによる安全走行の啓発、ホームページ等による事前の通行止め予想の情報提供や温塩水散布車の全支社への配備等の取組みにより、安全で円滑な交通確保に努めました。また、事務所間での雪氷対策車両の連携応援、警察との調整が完了した区間におけるチェーン規制の導入や、気象・交通状況の共有など他の道路管理者、交通管理者等との連携により道路ネットワークの機能への影響を最小化するための取組みを進めました。
より安心かつ快適な道路環境を提供するため、事故多発箇所を中心としたハード対策や交通安全キャンペーン等によるソフト対策等、引き続き交通安全対策に取り組みました。対面通行区間での正面衝突事故防止のため、これまでのラバーポールに代えてワイヤロープを設置したほか、逆走による重大事故ゼロの実現のため、行先を誤ったお客さまに対して適切な対処方法をご案内する看板の設置や一般道接続部等での誤進入対策、一般公募で寄せられた逆走防止技術の現地展開を進めました。道路の劣化を進行させる要因の一つである、重量超過等の車両制限令に違反する車両に対しては、積載物の軽減や通行の中止など厳格な措置を実施し、警察への告発を行うものなど、指導及び取り締まりに引き続き取り組みました。また、交通事故をゼロにするための危険運転撲滅プロジェクト(通称「SNDプロジェクト」)をラジオ局や他の高速道路会社と共同で始動し、継続的な交通安全啓発活動への取組みを開始しました。
また、令和元年10月には、山陽自動車道(河内インターチェンジ~五日市インターチェンジ)において、ETC2.0等のデータを活用しAIにより補正した所要時間の提供を試行的に開始しました。
上記の取組みに加え、点検から補修までの、一連の業務サイクルである「保全事業システム」を推進し、技術者の育成、点検の精度向上及び点検作業の安全性向上を目的に点検支援技術の活用を開始しました。
近畿圏の新たな高速道路料金については、平成31年4月1日に、第二神明道路が新たな料金に移行し対距離料金の導入や5車種区分への統一を行ったほか、阪神高速8号京都線(鴨川東インターチェンジ~巨椋池本線料金所)及び第二阪奈有料道路が当社に移管され新たな料金に移行しました。
令和2年3月30日には、高速道路を迂回した中型車以上の自動車が地域の生活道路に入り込みにくくし、地域の安全性を向上させることを目的として、延岡南道路の通行料金を変更しました。
また、システム上の制約にとらわれず、必要な料金施策を必要な時期に実施出来るようにするため、様々な料金施策に迅速かつ正確に対応可能な新料金システムの構築に向けて、検討に着手しました。
次に、道路建設事業については、新名神高速道路の着実な整備や4車線化を推進するなど、高速道路ネットワークの形成及び充実を図りました。令和元年6月28日に長崎自動車道(長崎芒塚インターチェンジ~長崎多良見インターチェンジ)間の4車線化が完了しました。その他、東九州自動車道佐伯弥生パーキングエリア(上り線)や、東九州自動車道国富スマートインターチェンジ他3箇所のスマートインターチェンジの供用を開始しました。
工事の安全対策については、全社的な工事安全レベルの向上を図るため、各支社において安全協議会の「安全対策部会」を、本社において「工事安全推進会議」をそれぞれ開催し、発注者による安全確認や啓発活動を通して、工事施工会社の安全意識を高めるとともに、重大事故リスクアセスメントの実施等、受発注者一体となり工事安全管理に取り組みました。
また、令和元年9月27日に徳島自動車道阿波スマートインターチェンジ(仮称)、令和2年3月31日に新名神高速道路(大津ジャンクション~城陽ジャンクション・インターチェンジ、八幡京田辺ジャンクション・インターチェンジ~高槻ジャンクション・インターチェンジ)の6車線化、舞鶴若狭自動車道(大飯高浜インターチェンジ~小浜西インターチェンジ)他5箇所の4車線化等について事業許可を受けました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は1,040,914百万円(前連結会計年度比1.2%増)、営業費用は1,038,360百万円(同1.3%増)となり、営業利益は2,553百万円(同39.0%減)となりました。
(受託事業)
受託事業においては、高速道路の計画、建設及び管理の各段階を通じ、これまで培ってきた技術力及びノウハウを活かして、国及び地方公共団体等の委託に基づき道路の新設、改築、維持、修繕等を実施しました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は5,631百万円(前連結会計年度比23.3%減)、営業費用は5,718百万円(同20.2%減)となり、営業損失は87百万円(前連結会計年度は営業利益174百万円)となりました。
(SA・PA事業)
SA・PA事業においては、テナント各社と協力し、SA・PAを「くつろぎ、楽しさ、にぎわい」を実感していただける「お客さま満足施設」へ変革することを目指し、地域性や交通特性を踏まえた店づくり、エリア毎のお客さまニーズに合った品揃え等による店舗展開を実施するとともに、令和元年10月1日からの消費税の適用税率の変更について、お客さまにわかりやすい説明に努め、円滑に導入することができました。
また、宮崎自動車道山之口サービスエリア(上り線・下り線)及び中国自動車道安富パーキングエリア(上り線・下り線)のリニューアルオープンなど、老朽化への対応を着実に実施しました。特に、山之口サービスエリア(上り線・下り線)においては、建替工事期間中のお客さまサービスの低下を改善するため、曳家を活用した建替を実施するなど、新たな取組みにチャレンジしました。
地域とともに発展するエリアを目指し、地域の観光PR等に使っていただけるスペースを提供するとともに、地域物産展や地元自治体等と連携したイベントを積極的に開催するなど、地域との連携の強化及び推進を図りました。また、小さなお子さまをお連れのご家族が快適に高速道路をご利用いただけるよう、24時間利用可能なベビーコーナーの設置や乳児用液体ミルクの販売を開始するなど、子育て応援の取組みを実施しました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は33,070百万円(前連結会計年度比2.0%減)、営業費用は29,831百万円(同2.5%増)となり、営業利益は3,238百万円(同30.0%減)となりました。
(その他)
その他においては、福岡市天神地区における駐車場事業、建設等のコンサルティング事業、一般自動車道事業、ウルトラファインバブル事業、広告事業、海外における高速道路事業、佐賀県鳥栖市及び熊本市東区の2ヶ所におけるトラックターミナル事業等を行っています。
また、インドネシアにおける有料道路事業の拡大を目指して、令和2年3月30日にインドネシアの高速道路運営会社PT Margautama Nusantara(マルガウタマ ヌサンタラ)株式の一部を取得する契約を締結しました。
当連結会計年度のその他全体としては、営業収益は9,248百万円(前連結会計年度比7.5%減)、営業費用は8,208百万円(同7.9%減)となり、営業利益は1,040百万円(同4.6%減)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ14,590百万円減少し、1,380,434百万円となりました。有価証券が減少したことが主な要因です。
負債は、前連結会計年度末に比べ22,650百万円減少し、1,159,891百万円となりました。高速道路事業営業未払金が減少したことが主な要因です。
純資産は、前連結会計年度末に比べ8,059百万円増加し、220,543百万円となりました。当期純利益の計上による利益剰余金の増加が主な要因です。
自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.8ポイント上昇し、16.0%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の期末残高は220,271百万円(前連結会計年度比21.8%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は85,594百万円(前連結会計年度比3.7%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益8,999百万円に加え、減価償却費27,952百万円の資金の獲得があったものの、たな卸資産の増加額80,373百万円に加え、仕入債務の減少額80,190百万円や法人税等の支払額5,780百万円といった資金の使用があったためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は33,269百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。これは主に、料金収受機械、ETC装置等の設備投資32,801百万円の資金の使用があったためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は57,581百万円(前連結会計年度比67.5%減)となりました。これは主に、長期借入れ及び道路建設関係社債発行による資金の獲得300,687百万円があったものの、長期借入金の返済及び道路建設関係社債償還による資金の使用242,082百万円(機構法第15条第1項による債務引受額241,718百万円を含みます。)があったためです。
なお、建設投資(仕掛道路資産)に係る有利子負債は、建設投資(仕掛道路資産)を機構に引き渡す際に同時に機構が債務を引き受けます。
(参考情報)
提出会社の当事業年度(自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日)における「高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表」は、以下のとおりです。
なお、「高速道路事業営業費用、営業外費用及び特別損失等明細表」については、後記「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 ②損益計算書 営業費用明細書のうち高速道路事業原価明細書」をご参照ください。
(注) 本明細表は、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)第6条の規定により作成しています。
高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表
当事業年度(自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日)
区分金額(百万円)
1.営業収益
料金収入798,427
道路資産完成高239,641
受託業務収入0
その他の売上高8541,038,924
2.営業外収益
受取利息0
有価証券利息0
受取配当金900
土地物件貸付料4
雑収入3661,270
3.特別利益
固定資産売却益88
高速道路事業営業収益等合計1,040,203

(注) 収益の配賦基準は次のとおりです。
1.高速道路事業又はその他収益として事業が特定できるものは、各々の特定の事業部門に直接
配賦しています。
2.事業が特定できないものについては、営業損益比により各事業へ配賦しています。
(3)生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を、金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「1.経営成績等の状況の概要」において各セグメントの業績に関連付けて記載しています。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針、所感等の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因について
① 高速道路事業の非営利性等について
高速道路事業においては、高速道路会社法及び機構法の規定により機構と締結した協定並びに特措法の規定による事業許可に基づき、機構から道路資産を借受けた上、道路利用者より料金を徴収、かかる料金収入から機構への賃借料及び管理費用の支払いに充てています。
かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社の徴収する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされています。なお、各連結会計年度においては、料金収入や管理費用等の実績と当初計画との乖離等により利益又は損失が生じる場合がありますが機構との協定に基づき、賃借料の着実な支払いを行うことが重要であるとの認識から、将来の社会経済変動及び自然災害の発生により料金収入が変動した場合等を想定し、高速道路事業に係る利益を備えのために積み立てています。
また、高速道路事業においては、冬期における交通確保のための雪氷対策や維持修繕関係の工事が下半期に完成することが多いことから、上半期よりも下半期に費用がより多く計上される傾向にあります。他方、夏季の好天や長期休暇が多いこと等に伴い、料金収入は上半期のほうがより多い傾向にあります。
なお、高速道路事業の収益には、インセンティブ助成金収入が含まれています。インセンティブ助成金とは、機構法第12条第1項第8号の規定に基づき、当社が経営努力による高速道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理に要する費用の縮減を行った際に、機構より縮減額の一部を助成されるものです。当連結会計年度におけるインセンティブ助成金を原資とする支出は35百万円となっています。当連結会計年度末におけるインセンティブ助成金残高は556百万円であり、利益剰余金に留保されています。
② 機構による債務引受け等について
既述のとおり、当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところですが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされています。
当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を原則として弁済期日が到来する順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定すること、債務引受けは重畳的(併存的)債務引受けの方法によること等、債務引受けの実際の運用について確認しています。
なお、高速道路にかかる道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表及び財務諸表に計上されないこととなりますが、当該債務について、原則当社は引き続き機構と連帯してその弁済の責めを負うこととされており、かかる債務の履行に関する主たる取扱いは機構が行うこととなります。
また、日本道路公団の民営化に伴い当社、機構、東日本高速道路㈱及び中日本高速道路㈱が承継した日本道路公団の債務の一部について、当社と、機構、東日本高速道路㈱及び中日本高速道路㈱との間に、連帯債務関係が生じています(民営化関係法施行法第16条)。
(2)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。かかる連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用の金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを行う必要があります。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき合理的に判断を行い、継続して評価を行っていますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に以下の会計方針が、当社グループの連結財務諸表においては重要であると考えています。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する繰延税金資産の回収可能性の判断等の会計上の見積りについては、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しています。
① 仕掛道路資産
高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧の結果生じた資産は、当社連結財務諸表において「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上されますが、かかる資産の取得原価は、建設価額に用地取得に係る費用その他の附帯費用を加算した価額に労務費・人件費等のうち道路建設に要した費用として区分された費用の額及び除却工事費用等その他道路資産の取得に要した費用の額を加えた額となります。なお、仕掛道路資産の建設に充当した借入資金の利息で、当該資産の工事完了の日までに発生したものは上記建設価額に算入しています。
なお、上記「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因について ② 機構による債務引受け等について」に記載のとおり、かかる資産は、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき道路資産として機構に帰属すると同時に、協定に基づき当社が機構から借受けることとなりますが、かかる借受けについてはオペレーティング・リースとして処理し、借受けに係る資産及び負債は当社グループの連結財務諸表には計上されないこととなります。
② 完成工事高の計上基準
営業収益のうち、直轄高速道路事業収入及び受託業務収入等、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しています。
なお、営業収益のうち、道路資産完成高の計上は、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)に基づき、仕掛道路資産を機構に引き渡した日に行っています。
③ ETCマイレージサービス引当金
ETCマイレージサービス制度による無料走行に備えるため、当連結会計年度末におけるポイント発行残高に対する将来の使用見込額を計上しています。
④ 退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しています。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び長期期待運用収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響する可能性があります。
⑤ 固定資産の減損
当社グループは、多くの固定資産を保有しています。これら固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等多くの前提条件に基づき算出し、減損の要否を検討しています。
⑥ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を判断する際、将来の課税所得を合理的に見積もっています。よって、将来の課税所得の見積額に変更が生じた場合、繰延税金資産が増額又は減額され、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)経営成績の分析
① 営業収益
当連結会計年度における高速道路事業の営業収益については、道路資産完成高の減少があったものの、長崎自動車道(長崎芒塚インターチェンジ~長崎多良見インターチェンジ)の4車線化が完成したほか、中国自動車道湯田温泉スマートインターチェンジ等の供用を開始したことや、景気回復の影響等により1,040,914百万円(前連結会計年度比1.2%増)となりました。受託事業の営業収益については、国及び地方公共団体の委託に基づく工事が減少したこと等により5,631百万円(同23.3%減)、SA・PA事業の営業収益については、新型コロナウイルスの感染拡大の影響等により33,070百万円(同2.0%減)、その他の営業収益については、連結子会社の外販が減少したこと等により9,248百万円(同7.5%減)となりました。以上により、当連結会計年度における営業収益合計は、1,087,036百万円(同0.8%増)となりました。
② 営業利益
当連結会計年度における高速道路事業にかかる営業費用は、道路資産賃借料の増加等により1,038,360百万円(前連結会計年度比1.3%増)となり、受託事業の営業費用については、国及び地方公共団体の委託に基づく工事が減少したこと等により5,718百万円(同20.2%減)、SA・PA事業の営業費用については、消費税率の変更に伴うシステム改修等により29,831百万円(同2.5%増)、その他の営業費用については8,208百万円(同7.9%減)となりました。以上により、当連結会計年度における営業費用合計は、1,080,288百万円(同1.1%増)となりました。
その結果、当連結会計年度における営業利益は、6,747百万円(同32.8%減)となりました。その内訳は、高速道路事業の営業利益は2,553百万円(同39.0%減)、受託事業の営業損失は87百万円(前連結会計年度は営業利益174百万円)、SA・PA事業の営業利益は3,238百万円(前連結会計年度比30.0%減)、その他の営業利益は1,040百万円(同4.6%減)です。
③ 経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、土地物件貸付料763百万円等の計上により3,336百万円(前連結会計年度比2.8%増)となり、営業外費用は、損害賠償金197百万円等の計上により394百万円(同9.2%増)となりました。
その結果、当連結会計年度の経常利益は、9,689百万円(同25.0%減)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、固定資産売却益55百万円等の計上により110百万円(前連結会計年度比84.8%減)となり、特別損失は、減損損失624百万円及び投資有価証券評価損103百万円等の計上により800百万円(前連結会計年度は266百万円)となりました。
その結果、税金等調整前当期純利益は8,999百万円(前連結会計年度比32.8%減)となり、これから法人税等合計2,473百万円(同30.4%減)及び非支配株主に帰属する当期純損失5百万円(前連結会計年度は非支配株主に帰属する当期純利益15百万円)を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、6,531百万円(前連結会計年度比33.5%減)となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析は、前記「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
② 資金調達
資金の調達は、高速道路料金の徴収等の営業活動のほか、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産にかかる投資については、道路建設関係社債の発行及び機構からの無利子借入れ並びに金融機関等からの借入れを通じて実施しました。
資金の調達においては低利且つ安定的な調達を目指し、道路建設関係社債の発行を基軸としつつ、金融機関等からの借入れも実施し、調達バランスの最適化を図っています。
また、令和2年度においては、財政融資資金の借入れを行います。
③ 資金需要と設備投資
当社グループの主な資金需要は、協定に基づく機構への賃借料に加え、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の建設資金及び事業用設備に係る設備投資資金です。
道路資産賃借料の支払いには高速道路料金収入を、道路資産の建設資金には道路建設関係社債の発行及び機構からの無利子借入金並びに金融機関等からの借入金を充てております。
なお、資産及び設備の概要については後記「第3 設備の状況」に記載しています。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。