有価証券報告書-第14期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
1.経営成績等の状況の概要
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度において、当社グループが事業を行う西日本地域は、平成30年6月に発生した大阪府北部を震源とする地震、その翌月の平成30年7月豪雨、平成30年9月に上陸した台風21号等、相次いで大きな災害に見舞われました。これらの災害に伴い、当社グループが運営する高速道路においても、広範囲にわたって通行の制限を余儀なくされたほか、構造物等に損傷が生じましたが、その都度、関係機関からのご協力のもと、当社グループの総力を集結した取組みにより、概ね秋までには復旧することができました。なお、上部工が流失した高知自動車道については、令和元年夏休み前の全面復旧に向けて鋭意取り組んでまいります。
さて、当連結会計年度のわが国の経済は、輸出はおおむね横ばいとなっているものの、企業収益が過去最高を記録する中で設備投資が増加するとともに、雇用・所得環境の改善により個人消費の持ち直しが続くなど、緩やかな回復が続く状況で推移しました。
こうしたなかで、当社グループは、「私たちはリスクマネジメントを徹底し、高速道路の安全・安心を最優先に、お客さまの満足度を高め、地域の発展に寄与することにより、社会から信頼され成長する企業グループをめざします」というグループ理念のもと、100%の安全・安心の確保を目指し、さらに満足度の高い機能・サービスの提供を行うべく事業を展開しました。
当社グループが運営する高速道路事業においては、通行台数は、景気回復の影響等により前期比4.1%増となり、料金収入は、前期比2.4%増(782,651百万円)となりました。
また、高速道路ネットワークの形成・充実に向けて道路建設事業を着実に行い、舞鶴若狭自動車道(綾部パーキングエリア~舞鶴西インターチェンジ)及び高松自動車道(鳴門インターチェンジ~高松市境)の4車線化が完成したほか、阪和自動車道和歌山南スマートインターチェンジ等の供用を開始しました。
高速道路事業以外の事業においては、SA・PA事業を中心に展開し、平成30年3月の新名神高速道路宝塚北サービスエリアの新規オープン及びガソリン価格の上昇の影響等により、店舗及びガスステーションの売上は前期比9.3%増の163,231百万円となりました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は1,078,362百万円(前連結会計年度比33.5%減)、営業費用は1,068,322百万円(同33.9%減)、営業利益は10,040百万円(前連結会計年度は4,873百万円)、経常利益は12,923百万円(前連結会計年度比74.9%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は9,815百万円(同57.4%減)となりました。
各セグメントの概況は次のとおりです。
(高速道路事業)
高速道路事業においては、機構との協定、特措法第3条の規定による許可及び同法第4条の規定に基づき、高速道路の新設、改築、維持、修繕、災害復旧その他の管理等を行いました。
まず、道路管理事業については、平成30年7月豪雨に伴い、広島呉道路における盛土崩落等、高速道路本線に影響のある被害が49箇所で発生し、通行止め総延長は管内の約65%にあたる2,299㎞に及びました。24時間体制で応急復旧工事に取り組んだ結果、発災から約3ヵ月後の平成30年9月27日の広島呉道路の通行止め解除により、全ての区間で通行が可能となりました。なお、土砂崩落により立川橋(上り線)の上部工が流失した高知自動車道(新宮インターチェンジ~大豊インターチェンジ)については、現在下り線を利用して対面通行として運用しており、令和元年夏休み前の4車線復旧を目指して鋭意取り組んでおります。また、平成30年9月4日に上陸した台風21号に伴い、関西国際空港連絡橋(下り線)にタンカー船が衝突し、橋桁が大きく損傷を受けました。被害のなかった上り線を利用して早期に通行を確保し、橋桁を再架設するなど、当社グループと関係機関が一丸となって迅速な復旧に取り組んだ結果、平成31年4月8日に当該区間の6車線復旧が完了しました。
高速道路リニューアルプロジェクトについて、地方部での事業の推進に加えて、関係機関との調整や交通の確保等がさらに必要となる中国自動車道(吹田ジャンクション~中国池田インターチェンジ)等の都市圏での事業に着手しました。また、災害に強い道路を目指して、平成28年熊本地震の被災状況を踏まえ、橋梁の更なる耐震補強を推進しました。災害対応力の強化については、災害事象での対応を通じて得られた課題について防災体制の見直し等の対策を推進しており、さらに、災害からの迅速な復旧活動の展開を目的に、当社管内における各電力会社と連携協定を締結しました。
冬季の高速道路の安全・安心については、事前の通行止め予想の情報提供、情報提供カメラ増設、除雪車等の追加配備等の取組みにより、安全で円滑な交通確保に努めました。また、通行止めの最小化を目的に、警察との調整が完了した区間においてチェーン規制を導入し、道路ネットワークの機能への影響を最小化するための取組みを進めました。
より安心かつ快適な道路環境を提供するため、事故多発箇所を中心としたハード対策や交通安全キャンペーン等によるソフト対策等、引き続き交通安全対策に取り組みました。対面通行区間での正面衝突事故防止のため、これまでのラバーポールに代えてワイヤロープを設置したほか、逆走事故ゼロの実現のため、料金所前後の開口部や一般道接続部等での誤進入対策、一般公募で寄せられた逆走防止技術の現地展開を進めております。道路の劣化を進行させる要因の一つである、重量超過等の車両制限令に違反する車両に対しては、積載物の軽減や通行の中止など厳格な措置を実施し、警察への告発を行うものなど、指導及び取り締まりを強化しました。
上記の取組みに加え、点検から補修、監視を行う一連の業務サイクルである「保全事業システム」を推進し、技術者の育成、点検の高度化や効率化のための点検支援技術を導入しました。
また、近畿圏の新たな高速道路料金については、平成30年4月1日から堺泉北有料道路及び南阪奈有料道路が当社に移管され、対距離料金の導入や5車種区分への統一を行いました。加えて近畿自動車道、阪和自動車道、西名阪自動車道及び第二京阪道路においては、ETC車については、出口で対距離料金の案内を開始しました。
なお、平成31年4月1日には、第二神明道路が新たな料金に移行し、阪神高速8号京都線及び第二阪奈有料道路が当社に移管され、新たな料金に移行しております。
その他、ETCを活用した各種料金割引に加え、「佐賀・長崎ドライブパス」等の地域と連携したドライブパス(企画割引)を実施したほか、二輪車限定のツーリングプランを新たに実施しました。
次に、道路建設事業については、新名神高速道路の着実な整備や4車線化を推進するなど、高速道路ネットワークの形成及び充実を図りました。平成30年11月3日に舞鶴若狭自動車道綾部パーキングエリア~舞鶴西インターチェンジ間の4車線化及び平成31年3月8日に高松自動車道鳴門インターチェンジ~高松市境の4車線化がそれぞれ完了しました。その他、東九州自動車道別府湾スマートインターチェンジ(上り線)他3箇所のスマートインターチェンジの供用を開始しました。
新名神高速道路の整備につきましては、平成30年3月18日に川西インターチェンジ~神戸ジャンクション間が開通し、高槻ジャンクション~神戸ジャンクション間が全て開通したことにより、名神高速道路及び中国自動車道とのダブルネットワークが形成され、この区間における開通後1年間の渋滞回数が開通前と比べ約7割減少するなどの効果が表れました。
工事の安全対策については、全社的な工事安全レベルの向上を図るため、各支社の安全協議会に「安全対策部会」を、本社に「工事安全推進会議」を設置し、工事安全管理体制を強化しました。発注者による安全確認や啓発活動を通して、工事施工会社の安全意識を高めるとともに、重大事故リスクアセスメントの実施等、受発注者一体となり工事安全管理に取り組みました。
また、平成30年8月10日に松山自動車道東温スマートインターチェンジ(仮称)及び九州自動車道味坂スマートインターチェンジ(仮称)、平成31年3月29日に新名神高速道路(甲賀土山インターチェンジ~大津ジャンクション)の6車線化、広島呉道路(坂北インターチェンジ~呉インターチェンジ)他11箇所の4車線化等についての事業許可を受けました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は1,028,875百万円(前連結会計年度比34.4%減)、営業費用は1,024,691百万円(同34.7%減)となり、営業利益は4,183百万円(前連結会計年度は営業損失1,168百万円)となりました。
(受託事業)
受託事業においては、高速道路の計画、建設及び管理の各段階を通じ、これまで培ってきた技術力及びノウハウを活かして、国及び地方公共団体等の委託に基づき道路の新設、改築、維持、修繕等を実施しました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は7,345百万円(前連結会計年度比38.8%減)、営業費用は7,170百万円(同40.6%減)となり、営業利益は174百万円(前連結会計年度は営業損失60百万円)となりました。
(SA・PA事業)
SA・PA事業においては、テナント各社と協力し、SA・PAを「くつろぎ、楽しさ、にぎわい」を実感していただける「お客さま満足施設」への変革を目指し、地域性や交通特性を踏まえた店づくり、エリア毎のお客さまニーズに合った品揃え等による店舗展開を実施しました。平成30年4月には九州自動車道古賀サービスエリア(下り線)をリニューアルオープンし、九州の特色を活かしたお食事や商品を取り揃え、楽しく快適にお食事やお買い物をお楽しみいただけるようになりました。また、中国自動車道上月パーキングエリア(上り線)のリニューアルオープンなど、老朽化への対応等を着実に実施しました。
地域とともに発展するエリアを目指し、地域の観光PR等に使っていただけるスペースを提供するとともに、地域物産展や地元自治体等と連携したイベントを積極的に開催するなど、地域との連携の強化及び推進を図りました。また、小さなお子様をお連れのご家族が快適に高速道路をご利用いただけるよう、24時間利用可能なベビーコーナーの設置など、子育て応援の取組みを実施しました。
その他、岡山自動車道高梁サービスエリア(下り線)において、休止していたガスステーションの運営を再開したことにより、高速道路におけるガソリンスタンドの配置間隔を改善しました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は33,734百万円(前連結会計年度比2.1%増)、営業費用は29,104百万円(同3.8%増)となり、営業利益は4,630百万円(同7.3%減)となりました。
(その他)
その他においては、福岡市天神地区における駐車場事業、建設等のコンサルティング事業、一般自動車道事業、ウルトラファインバブル事業、広告事業、海外における高速道路事業、佐賀県鳥栖市及び熊本県熊本市の2ヶ所におけるトラックターミナル事業等を行っています。
当連結会計年度のその他全体としては、営業収益は9,999百万円(前連結会計年度比2.3%増)、営業費用は8,909百万円(同3.1%増)となり、営業利益は1,090百万円(同3.9%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の期末残高は281,555百万円(前連結会計年度比23.5%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は88,902百万円(前連結会計年度は423,861百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益13,387百万円に加え、仕入債務の増加額57,170百万円や減価償却費26,382百万円の資金の獲得があったものの、たな卸資産の増加額123,599百万円に加え、売上債権の増加額9,726百万円や利息の支払額2,709百万円といった資金の使用があったためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は34,431百万円(前連結会計年度比16.1%減)となりました。これは主に、料金収受機械、ETC装置等の設備投資35,192百万円の資金の使用があったためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は176,991百万円(前連結会計年度は360,309百万円の資金の使用)となりました。これは主に、長期借入れ及び道路建設関係社債発行による資金の獲得432,129百万円があったものの、長期借入金の返済及び道路建設関係社債償還による資金の使用254,176百万円(機構法第15条第1項による債務引受額254,176百万円を含みます。)があったためです。
なお、建設投資(仕掛道路資産)に係る有利子負債は、建設投資(仕掛道路資産)を機構に引き渡す際に同時に機構が債務を引き受けます。
(参考情報)
提出会社の当事業年度(自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日)における「高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表」は、以下のとおりです。
なお、「高速道路事業営業費用、営業外費用及び特別損失等明細表」については、後記「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 ②損益計算書 営業費用明細書のうち高速道路事業原価明細書」をご参照ください。
(注) 本明細表は、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)第6条の規定により作成しています。
高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表
当事業年度(自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日)
(注) 収益の配賦基準は次のとおりです。
1.高速道路事業又はその他収益として事業が特定できるものは、各々の特定の事業部門に直接
配賦しています。
2.事業が特定できないものについては、営業損益比により各事業へ配賦しています。
(3)生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を、金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「1.経営成績等の状況の概要」において各セグメントの業績に関連付けて記載しています。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針、所感等の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因について
① 高速道路事業の非営利性等について
高速道路事業においては、高速道路会社法及び機構法の規定により機構と締結した協定並びに特措法の規定による事業許可に基づき、機構から道路資産を借受けた上、道路利用者より料金を徴収、かかる料金収入から機構への賃借料及び管理費用の支払いに充てています。
かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社の徴収する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされています。なお、各連結会計年度においては、料金収入や管理費用等の実績と当初計画との乖離等により利益又は損失が生じる場合がありますが機構との協定に基づき、賃借料の着実な支払いを行うことが重要であるとの認識から、将来の社会経済変動及び自然災害の発生により料金収入が変動した場合等を想定し、高速道路事業に係る利益を備えのために積み立てています。
また、高速道路事業においては、冬期における交通確保のための雪氷対策や維持修繕関係の工事が下半期に完成することが多いことから、上半期よりも下半期に費用がより多く計上される傾向にあります。他方、夏季の好天や長期休暇が多いこと等に伴い、料金収入は上半期のほうがより多い傾向にあります。
なお、高速道路事業の収益には、インセンティブ助成金収入が含まれています。インセンティブ助成金とは、機構法第12条第1項第8号の規定に基づき、当社が経営努力による高速道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理に要する費用の縮減を行った際に、機構より縮減額の一部を助成されるものです。当連結会計年度におけるインセンティブ助成金を原資とする支出は262百万円となっています。当連結会計年度末におけるインセンティブ助成金残高は579百万円であり、利益剰余金に留保されています。
② 機構による債務引受け等について
既述のとおり、当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところですが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされています。
当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を原則として弁済期日が到来する順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定すること、債務引受けは重畳的債務引受けの方法によること等、債務引受けの実際の運用について確認しています。
なお、高速道路にかかる道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表及び財務諸表に計上されないこととなりますが、当該債務について、当社は引き続き機構と連帯してその弁済の責めを負うこととされており、かかる債務の履行に関する主たる取扱いは機構が行うこととなります。
また、日本道路公団の民営化に伴い当社、機構、東日本高速道路㈱及び中日本高速道路㈱が承継した日本道路公団の債務の一部について、当社と、機構、東日本高速道路㈱及び中日本高速道路㈱との間に、連帯債務関係が生じています(民営化関係法施行法第16条)。
(2)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。かかる連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用の金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを行う必要があります。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき合理的に判断を行い、継続して評価を行っていますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に以下の会計方針が、当社グループの連結財務諸表においては重要であると考えています。
① 仕掛道路資産
高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧の結果生じた資産は、当社連結財務諸表において「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上されますが、かかる資産の取得原価は、建設価額に用地取得に係る費用その他の附帯費用を加算した価額に労務費・人件費等のうち道路建設に要した費用として区分された費用の額及び除却工事費用等その他道路資産の取得に要した費用の額を加えた額となります。なお、仕掛道路資産の建設に充当した借入資金の利息で、当該資産の工事完了の日までに発生したものは上記建設価額に算入しています。
なお、上記「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因について ② 機構による債務引受け等について」に記載のとおり、かかる資産は、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき道路資産として機構に帰属すると同時に、協定に基づき当社が機構から借受けることとなりますが、かかる借受けについてはオペレーティング・リースとして処理し、借受けに係る資産及び負債は当社グループの連結財務諸表には計上されないこととなります。
② 完成工事高の計上基準
営業収益のうち、直轄高速道路事業収入及び受託業務収入等、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しています。
なお、営業収益のうち、道路資産完成高の計上は、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)に基づき、仕掛道路資産を機構に引き渡した日に行っています。
③ ETCマイレージサービス引当金
ETCマイレージサービス制度による無料走行に備えるため、当連結会計年度末におけるポイント発行残高に対する将来の使用見込額を計上しています。
④ 退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しています。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び長期期待運用収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響する可能性があります。
⑤ 固定資産の減損
当社グループは、多くの固定資産を保有しています。これら固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等多くの前提条件に基づき算出し、減損の要否を検討しています。
(3)経営成績の分析
① 営業収益
当連結会計年度における高速道路事業の営業収益については、舞鶴若狭自動車道(綾部パーキングエリア~舞鶴西インターチェンジ)及び高松自動車道(鳴門インターチェンジ~高松市境)の4車線化が完成したこと等による交通量の増加等により料金収入の増加があったものの、道路資産完成高の減少により1,028,875百万円(前連結会計年度比34.4%減)となりました。受託事業の営業収益については、国及び地方公共団体の委託に基づく工事が減少したこと等により7,345百万円(同38.8%減)、SA・PA事業の営業収益については、平成30年3月の新名神高速道路宝塚北サービスエリアの新規オープン等による収益の増加等により33,734百万円(同2.1%増)、その他の営業収益については、連結子会社の外販増等により9,999百万円(同2.3%増)となりました。以上により、当連結会計年度における営業収益合計は、1,078,362百万円(同33.5%減)となりました。
② 営業利益
当連結会計年度における高速道路事業にかかる営業費用は、道路資産完成原価の減少により1,024,691百万円(前連結会計年度比34.7%減)となり、受託事業の営業費用については、国及び地方公共団体の委託に基づく工事が減少したこと等により7,170百万円(同40.6%減)、SA・PA事業の営業費用については、店舗リニューアルに伴う建物撤去費用や維持管理・建物点検等による費用の増加により29,104百万円(同3.8%増)、その他の営業費用については、連結子会社の外販増等により8,909百万円(同3.1%増)となりました。以上により、当連結会計年度における営業費用合計は、1,068,322百万円(同33.9%減)となりました。
その結果、当連結会計年度における営業利益は、10,040百万円(前連結会計年度は4,873百万円)となりました。その内訳は、高速道路事業の営業利益は4,183百万円(前連結会計年度は営業損失1,168百万円)、受託事業の営業利益は174百万円(同営業損失60百万円)、SA・PA事業の営業利益は4,630百万円(前連結会計年度比7.3%減)、その他の営業利益は1,090百万円(同3.9%減)です。
③ 経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、土地物件貸付料825百万円等の計上により3,243百万円(前連結会計年度比16.3%増)となり、営業外費用は、損害賠償金158百万円等の計上により361百万円(同32.9%増)となりました。
その結果、当連結会計年度の経常利益は、12,923百万円(同74.9%増)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、固定資産売却益463百万円等の計上により729百万円(前連結会計年度比97.3%減)となり、特別損失は、固定資産売却損221百万円等の計上により266百万円(同50.6%増)となりました。
その結果、税金等調整前当期純利益は13,387百万円(同61.1%減)となり、これから法人税等合計3,556百万円(同68.6%減)及び非支配株主に帰属する当期純利益15百万円(同7.0%増)を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、9,815百万円(同57.4%減)となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析は、前記「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
② 資金調達
資金調達は、高速道路料金の徴収等の営業活動のほか、道路建設関係社債(普通社債)の発行及び金融機関等からの長期借入れを通じて実施しました。
③ 資金需要と設備投資
今後の当社グループの主な資金需要は、協定に基づく機構への賃借料に加え、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の建設資金及び事業用設備に係る設備投資資金です。資産及び設備の概要については後記「第3 設備の状況」に記載しています。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度において、当社グループが事業を行う西日本地域は、平成30年6月に発生した大阪府北部を震源とする地震、その翌月の平成30年7月豪雨、平成30年9月に上陸した台風21号等、相次いで大きな災害に見舞われました。これらの災害に伴い、当社グループが運営する高速道路においても、広範囲にわたって通行の制限を余儀なくされたほか、構造物等に損傷が生じましたが、その都度、関係機関からのご協力のもと、当社グループの総力を集結した取組みにより、概ね秋までには復旧することができました。なお、上部工が流失した高知自動車道については、令和元年夏休み前の全面復旧に向けて鋭意取り組んでまいります。
さて、当連結会計年度のわが国の経済は、輸出はおおむね横ばいとなっているものの、企業収益が過去最高を記録する中で設備投資が増加するとともに、雇用・所得環境の改善により個人消費の持ち直しが続くなど、緩やかな回復が続く状況で推移しました。
こうしたなかで、当社グループは、「私たちはリスクマネジメントを徹底し、高速道路の安全・安心を最優先に、お客さまの満足度を高め、地域の発展に寄与することにより、社会から信頼され成長する企業グループをめざします」というグループ理念のもと、100%の安全・安心の確保を目指し、さらに満足度の高い機能・サービスの提供を行うべく事業を展開しました。
当社グループが運営する高速道路事業においては、通行台数は、景気回復の影響等により前期比4.1%増となり、料金収入は、前期比2.4%増(782,651百万円)となりました。
また、高速道路ネットワークの形成・充実に向けて道路建設事業を着実に行い、舞鶴若狭自動車道(綾部パーキングエリア~舞鶴西インターチェンジ)及び高松自動車道(鳴門インターチェンジ~高松市境)の4車線化が完成したほか、阪和自動車道和歌山南スマートインターチェンジ等の供用を開始しました。
高速道路事業以外の事業においては、SA・PA事業を中心に展開し、平成30年3月の新名神高速道路宝塚北サービスエリアの新規オープン及びガソリン価格の上昇の影響等により、店舗及びガスステーションの売上は前期比9.3%増の163,231百万円となりました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は1,078,362百万円(前連結会計年度比33.5%減)、営業費用は1,068,322百万円(同33.9%減)、営業利益は10,040百万円(前連結会計年度は4,873百万円)、経常利益は12,923百万円(前連結会計年度比74.9%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は9,815百万円(同57.4%減)となりました。
各セグメントの概況は次のとおりです。
(高速道路事業)
高速道路事業においては、機構との協定、特措法第3条の規定による許可及び同法第4条の規定に基づき、高速道路の新設、改築、維持、修繕、災害復旧その他の管理等を行いました。
まず、道路管理事業については、平成30年7月豪雨に伴い、広島呉道路における盛土崩落等、高速道路本線に影響のある被害が49箇所で発生し、通行止め総延長は管内の約65%にあたる2,299㎞に及びました。24時間体制で応急復旧工事に取り組んだ結果、発災から約3ヵ月後の平成30年9月27日の広島呉道路の通行止め解除により、全ての区間で通行が可能となりました。なお、土砂崩落により立川橋(上り線)の上部工が流失した高知自動車道(新宮インターチェンジ~大豊インターチェンジ)については、現在下り線を利用して対面通行として運用しており、令和元年夏休み前の4車線復旧を目指して鋭意取り組んでおります。また、平成30年9月4日に上陸した台風21号に伴い、関西国際空港連絡橋(下り線)にタンカー船が衝突し、橋桁が大きく損傷を受けました。被害のなかった上り線を利用して早期に通行を確保し、橋桁を再架設するなど、当社グループと関係機関が一丸となって迅速な復旧に取り組んだ結果、平成31年4月8日に当該区間の6車線復旧が完了しました。
高速道路リニューアルプロジェクトについて、地方部での事業の推進に加えて、関係機関との調整や交通の確保等がさらに必要となる中国自動車道(吹田ジャンクション~中国池田インターチェンジ)等の都市圏での事業に着手しました。また、災害に強い道路を目指して、平成28年熊本地震の被災状況を踏まえ、橋梁の更なる耐震補強を推進しました。災害対応力の強化については、災害事象での対応を通じて得られた課題について防災体制の見直し等の対策を推進しており、さらに、災害からの迅速な復旧活動の展開を目的に、当社管内における各電力会社と連携協定を締結しました。
冬季の高速道路の安全・安心については、事前の通行止め予想の情報提供、情報提供カメラ増設、除雪車等の追加配備等の取組みにより、安全で円滑な交通確保に努めました。また、通行止めの最小化を目的に、警察との調整が完了した区間においてチェーン規制を導入し、道路ネットワークの機能への影響を最小化するための取組みを進めました。
より安心かつ快適な道路環境を提供するため、事故多発箇所を中心としたハード対策や交通安全キャンペーン等によるソフト対策等、引き続き交通安全対策に取り組みました。対面通行区間での正面衝突事故防止のため、これまでのラバーポールに代えてワイヤロープを設置したほか、逆走事故ゼロの実現のため、料金所前後の開口部や一般道接続部等での誤進入対策、一般公募で寄せられた逆走防止技術の現地展開を進めております。道路の劣化を進行させる要因の一つである、重量超過等の車両制限令に違反する車両に対しては、積載物の軽減や通行の中止など厳格な措置を実施し、警察への告発を行うものなど、指導及び取り締まりを強化しました。
上記の取組みに加え、点検から補修、監視を行う一連の業務サイクルである「保全事業システム」を推進し、技術者の育成、点検の高度化や効率化のための点検支援技術を導入しました。
また、近畿圏の新たな高速道路料金については、平成30年4月1日から堺泉北有料道路及び南阪奈有料道路が当社に移管され、対距離料金の導入や5車種区分への統一を行いました。加えて近畿自動車道、阪和自動車道、西名阪自動車道及び第二京阪道路においては、ETC車については、出口で対距離料金の案内を開始しました。
なお、平成31年4月1日には、第二神明道路が新たな料金に移行し、阪神高速8号京都線及び第二阪奈有料道路が当社に移管され、新たな料金に移行しております。
その他、ETCを活用した各種料金割引に加え、「佐賀・長崎ドライブパス」等の地域と連携したドライブパス(企画割引)を実施したほか、二輪車限定のツーリングプランを新たに実施しました。
次に、道路建設事業については、新名神高速道路の着実な整備や4車線化を推進するなど、高速道路ネットワークの形成及び充実を図りました。平成30年11月3日に舞鶴若狭自動車道綾部パーキングエリア~舞鶴西インターチェンジ間の4車線化及び平成31年3月8日に高松自動車道鳴門インターチェンジ~高松市境の4車線化がそれぞれ完了しました。その他、東九州自動車道別府湾スマートインターチェンジ(上り線)他3箇所のスマートインターチェンジの供用を開始しました。
新名神高速道路の整備につきましては、平成30年3月18日に川西インターチェンジ~神戸ジャンクション間が開通し、高槻ジャンクション~神戸ジャンクション間が全て開通したことにより、名神高速道路及び中国自動車道とのダブルネットワークが形成され、この区間における開通後1年間の渋滞回数が開通前と比べ約7割減少するなどの効果が表れました。
工事の安全対策については、全社的な工事安全レベルの向上を図るため、各支社の安全協議会に「安全対策部会」を、本社に「工事安全推進会議」を設置し、工事安全管理体制を強化しました。発注者による安全確認や啓発活動を通して、工事施工会社の安全意識を高めるとともに、重大事故リスクアセスメントの実施等、受発注者一体となり工事安全管理に取り組みました。
また、平成30年8月10日に松山自動車道東温スマートインターチェンジ(仮称)及び九州自動車道味坂スマートインターチェンジ(仮称)、平成31年3月29日に新名神高速道路(甲賀土山インターチェンジ~大津ジャンクション)の6車線化、広島呉道路(坂北インターチェンジ~呉インターチェンジ)他11箇所の4車線化等についての事業許可を受けました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は1,028,875百万円(前連結会計年度比34.4%減)、営業費用は1,024,691百万円(同34.7%減)となり、営業利益は4,183百万円(前連結会計年度は営業損失1,168百万円)となりました。
(受託事業)
受託事業においては、高速道路の計画、建設及び管理の各段階を通じ、これまで培ってきた技術力及びノウハウを活かして、国及び地方公共団体等の委託に基づき道路の新設、改築、維持、修繕等を実施しました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は7,345百万円(前連結会計年度比38.8%減)、営業費用は7,170百万円(同40.6%減)となり、営業利益は174百万円(前連結会計年度は営業損失60百万円)となりました。
(SA・PA事業)
SA・PA事業においては、テナント各社と協力し、SA・PAを「くつろぎ、楽しさ、にぎわい」を実感していただける「お客さま満足施設」への変革を目指し、地域性や交通特性を踏まえた店づくり、エリア毎のお客さまニーズに合った品揃え等による店舗展開を実施しました。平成30年4月には九州自動車道古賀サービスエリア(下り線)をリニューアルオープンし、九州の特色を活かしたお食事や商品を取り揃え、楽しく快適にお食事やお買い物をお楽しみいただけるようになりました。また、中国自動車道上月パーキングエリア(上り線)のリニューアルオープンなど、老朽化への対応等を着実に実施しました。
地域とともに発展するエリアを目指し、地域の観光PR等に使っていただけるスペースを提供するとともに、地域物産展や地元自治体等と連携したイベントを積極的に開催するなど、地域との連携の強化及び推進を図りました。また、小さなお子様をお連れのご家族が快適に高速道路をご利用いただけるよう、24時間利用可能なベビーコーナーの設置など、子育て応援の取組みを実施しました。
その他、岡山自動車道高梁サービスエリア(下り線)において、休止していたガスステーションの運営を再開したことにより、高速道路におけるガソリンスタンドの配置間隔を改善しました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は33,734百万円(前連結会計年度比2.1%増)、営業費用は29,104百万円(同3.8%増)となり、営業利益は4,630百万円(同7.3%減)となりました。
(その他)
その他においては、福岡市天神地区における駐車場事業、建設等のコンサルティング事業、一般自動車道事業、ウルトラファインバブル事業、広告事業、海外における高速道路事業、佐賀県鳥栖市及び熊本県熊本市の2ヶ所におけるトラックターミナル事業等を行っています。
当連結会計年度のその他全体としては、営業収益は9,999百万円(前連結会計年度比2.3%増)、営業費用は8,909百万円(同3.1%増)となり、営業利益は1,090百万円(同3.9%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の期末残高は281,555百万円(前連結会計年度比23.5%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は88,902百万円(前連結会計年度は423,861百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益13,387百万円に加え、仕入債務の増加額57,170百万円や減価償却費26,382百万円の資金の獲得があったものの、たな卸資産の増加額123,599百万円に加え、売上債権の増加額9,726百万円や利息の支払額2,709百万円といった資金の使用があったためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は34,431百万円(前連結会計年度比16.1%減)となりました。これは主に、料金収受機械、ETC装置等の設備投資35,192百万円の資金の使用があったためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は176,991百万円(前連結会計年度は360,309百万円の資金の使用)となりました。これは主に、長期借入れ及び道路建設関係社債発行による資金の獲得432,129百万円があったものの、長期借入金の返済及び道路建設関係社債償還による資金の使用254,176百万円(機構法第15条第1項による債務引受額254,176百万円を含みます。)があったためです。
なお、建設投資(仕掛道路資産)に係る有利子負債は、建設投資(仕掛道路資産)を機構に引き渡す際に同時に機構が債務を引き受けます。
(参考情報)
提出会社の当事業年度(自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日)における「高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表」は、以下のとおりです。
なお、「高速道路事業営業費用、営業外費用及び特別損失等明細表」については、後記「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 ②損益計算書 営業費用明細書のうち高速道路事業原価明細書」をご参照ください。
(注) 本明細表は、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)第6条の規定により作成しています。
高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表
当事業年度(自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日)
| 区分 | 金額(百万円) | |
| 1.営業収益 | ||
| 料金収入 | 782,864 | |
| 道路資産完成高 | 243,322 | |
| 受託業務収入 | 0 | |
| その他の売上高 | 840 | 1,027,027 |
| 2.営業外収益 | ||
| 受取利息 | 5 | |
| 有価証券利息 | 7 | |
| 受取配当金 | 900 | |
| 土地物件貸付料 | 232 | |
| 違約金収入 | 772 | |
| 雑収入 | 326 | 2,245 |
| 3.特別利益 | ||
| 固定資産売却益 | 208 | 208 |
| 高速道路事業営業収益等合計 | 1,029,481 | |
(注) 収益の配賦基準は次のとおりです。
1.高速道路事業又はその他収益として事業が特定できるものは、各々の特定の事業部門に直接
配賦しています。
2.事業が特定できないものについては、営業損益比により各事業へ配賦しています。
(3)生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を、金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「1.経営成績等の状況の概要」において各セグメントの業績に関連付けて記載しています。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針、所感等の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因について
① 高速道路事業の非営利性等について
高速道路事業においては、高速道路会社法及び機構法の規定により機構と締結した協定並びに特措法の規定による事業許可に基づき、機構から道路資産を借受けた上、道路利用者より料金を徴収、かかる料金収入から機構への賃借料及び管理費用の支払いに充てています。
かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社の徴収する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされています。なお、各連結会計年度においては、料金収入や管理費用等の実績と当初計画との乖離等により利益又は損失が生じる場合がありますが機構との協定に基づき、賃借料の着実な支払いを行うことが重要であるとの認識から、将来の社会経済変動及び自然災害の発生により料金収入が変動した場合等を想定し、高速道路事業に係る利益を備えのために積み立てています。
また、高速道路事業においては、冬期における交通確保のための雪氷対策や維持修繕関係の工事が下半期に完成することが多いことから、上半期よりも下半期に費用がより多く計上される傾向にあります。他方、夏季の好天や長期休暇が多いこと等に伴い、料金収入は上半期のほうがより多い傾向にあります。
なお、高速道路事業の収益には、インセンティブ助成金収入が含まれています。インセンティブ助成金とは、機構法第12条第1項第8号の規定に基づき、当社が経営努力による高速道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理に要する費用の縮減を行った際に、機構より縮減額の一部を助成されるものです。当連結会計年度におけるインセンティブ助成金を原資とする支出は262百万円となっています。当連結会計年度末におけるインセンティブ助成金残高は579百万円であり、利益剰余金に留保されています。
② 機構による債務引受け等について
既述のとおり、当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところですが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされています。
当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を原則として弁済期日が到来する順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定すること、債務引受けは重畳的債務引受けの方法によること等、債務引受けの実際の運用について確認しています。
なお、高速道路にかかる道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表及び財務諸表に計上されないこととなりますが、当該債務について、当社は引き続き機構と連帯してその弁済の責めを負うこととされており、かかる債務の履行に関する主たる取扱いは機構が行うこととなります。
また、日本道路公団の民営化に伴い当社、機構、東日本高速道路㈱及び中日本高速道路㈱が承継した日本道路公団の債務の一部について、当社と、機構、東日本高速道路㈱及び中日本高速道路㈱との間に、連帯債務関係が生じています(民営化関係法施行法第16条)。
(2)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。かかる連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用の金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを行う必要があります。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき合理的に判断を行い、継続して評価を行っていますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に以下の会計方針が、当社グループの連結財務諸表においては重要であると考えています。
① 仕掛道路資産
高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧の結果生じた資産は、当社連結財務諸表において「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上されますが、かかる資産の取得原価は、建設価額に用地取得に係る費用その他の附帯費用を加算した価額に労務費・人件費等のうち道路建設に要した費用として区分された費用の額及び除却工事費用等その他道路資産の取得に要した費用の額を加えた額となります。なお、仕掛道路資産の建設に充当した借入資金の利息で、当該資産の工事完了の日までに発生したものは上記建設価額に算入しています。
なお、上記「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因について ② 機構による債務引受け等について」に記載のとおり、かかる資産は、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき道路資産として機構に帰属すると同時に、協定に基づき当社が機構から借受けることとなりますが、かかる借受けについてはオペレーティング・リースとして処理し、借受けに係る資産及び負債は当社グループの連結財務諸表には計上されないこととなります。
② 完成工事高の計上基準
営業収益のうち、直轄高速道路事業収入及び受託業務収入等、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しています。
なお、営業収益のうち、道路資産完成高の計上は、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)に基づき、仕掛道路資産を機構に引き渡した日に行っています。
③ ETCマイレージサービス引当金
ETCマイレージサービス制度による無料走行に備えるため、当連結会計年度末におけるポイント発行残高に対する将来の使用見込額を計上しています。
④ 退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しています。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び長期期待運用収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響する可能性があります。
⑤ 固定資産の減損
当社グループは、多くの固定資産を保有しています。これら固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等多くの前提条件に基づき算出し、減損の要否を検討しています。
(3)経営成績の分析
① 営業収益
当連結会計年度における高速道路事業の営業収益については、舞鶴若狭自動車道(綾部パーキングエリア~舞鶴西インターチェンジ)及び高松自動車道(鳴門インターチェンジ~高松市境)の4車線化が完成したこと等による交通量の増加等により料金収入の増加があったものの、道路資産完成高の減少により1,028,875百万円(前連結会計年度比34.4%減)となりました。受託事業の営業収益については、国及び地方公共団体の委託に基づく工事が減少したこと等により7,345百万円(同38.8%減)、SA・PA事業の営業収益については、平成30年3月の新名神高速道路宝塚北サービスエリアの新規オープン等による収益の増加等により33,734百万円(同2.1%増)、その他の営業収益については、連結子会社の外販増等により9,999百万円(同2.3%増)となりました。以上により、当連結会計年度における営業収益合計は、1,078,362百万円(同33.5%減)となりました。
② 営業利益
当連結会計年度における高速道路事業にかかる営業費用は、道路資産完成原価の減少により1,024,691百万円(前連結会計年度比34.7%減)となり、受託事業の営業費用については、国及び地方公共団体の委託に基づく工事が減少したこと等により7,170百万円(同40.6%減)、SA・PA事業の営業費用については、店舗リニューアルに伴う建物撤去費用や維持管理・建物点検等による費用の増加により29,104百万円(同3.8%増)、その他の営業費用については、連結子会社の外販増等により8,909百万円(同3.1%増)となりました。以上により、当連結会計年度における営業費用合計は、1,068,322百万円(同33.9%減)となりました。
その結果、当連結会計年度における営業利益は、10,040百万円(前連結会計年度は4,873百万円)となりました。その内訳は、高速道路事業の営業利益は4,183百万円(前連結会計年度は営業損失1,168百万円)、受託事業の営業利益は174百万円(同営業損失60百万円)、SA・PA事業の営業利益は4,630百万円(前連結会計年度比7.3%減)、その他の営業利益は1,090百万円(同3.9%減)です。
③ 経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、土地物件貸付料825百万円等の計上により3,243百万円(前連結会計年度比16.3%増)となり、営業外費用は、損害賠償金158百万円等の計上により361百万円(同32.9%増)となりました。
その結果、当連結会計年度の経常利益は、12,923百万円(同74.9%増)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、固定資産売却益463百万円等の計上により729百万円(前連結会計年度比97.3%減)となり、特別損失は、固定資産売却損221百万円等の計上により266百万円(同50.6%増)となりました。
その結果、税金等調整前当期純利益は13,387百万円(同61.1%減)となり、これから法人税等合計3,556百万円(同68.6%減)及び非支配株主に帰属する当期純利益15百万円(同7.0%増)を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、9,815百万円(同57.4%減)となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析は、前記「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
② 資金調達
資金調達は、高速道路料金の徴収等の営業活動のほか、道路建設関係社債(普通社債)の発行及び金融機関等からの長期借入れを通じて実施しました。
③ 資金需要と設備投資
今後の当社グループの主な資金需要は、協定に基づく機構への賃借料に加え、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の建設資金及び事業用設備に係る設備投資資金です。資産及び設備の概要については後記「第3 設備の状況」に記載しています。