有価証券報告書-第62期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
当社グループは、主力事業である放送事業において、その公共性を認識し、地域社会の健全な発展に貢献するとともに、経営基盤の持続的な安定と確立を図るために、視聴者ニーズに即した番組制作や放送エリアにおけるステーションイメージのさらなる向上に向けた取り組み等に投資し、収益の拡大を図ります。また、多様な動画配信サービスやソーシャルメディアの台頭、インターネットへの広告費のシフトなど、放送業界を取り巻く環境が厳しさを増す中、グループ全体を通じた人材活用や各事業部門の業務内容の見直し等により総合力を高め、当社グループとしての社会的使命を果たしながら収益力を強化し、地域で最も信頼されるメディア企業グループを目指します。
対処すべき課題として、以下のことに取り組みます。
① 放送事業
放送事業においては、放送事業収入の大きな柱であるスポット収入の確保が最大の課題です。そのためには、視聴率のアップが急務であり、各種視聴率対策や自社制作番組のコンテンツ力強化に向けた適切な投資が必要です。また、放送業界を取り巻くビジネス環境の著しい変化への迅速な対応も求められています。放送事業収入に続く新たな収益源として、既存分野の開発に加え、インターネットメディアや通信デバイスの活用を視野に入れたコンテンツ開発や、知的財産権の取得に戦略的に取り組み、インターネットや海外にも目を向けたビジネス展開で多角的な収入源の開発、拡大を目指します。一方、デジタル放送の開始から十数年を経過して多くの放送設備が更新時期を迎えており、これらの設備投資による利益への圧迫を考慮した抜本的な費用削減が重要課題となっています。そのためにも、生産性の向上は喫緊の課題であり、業務フローの改善、効率化も図りながら、視聴者やスポンサーから支持される番組制作に取り組んでいく必要があります。また、災害などの緊急時にも正確かつ迅速な情報提供で報道機関としての責任を果たし、地域からの揺るぎない信頼を得ることにより、強固な経営基盤の確立につなげていきます。これらの課題への適切な対処、解決を図っていくためにも、持続的な成長を支える人材の育成に取り組み、経営ビジョンを共有し、組織力を強化していきます。
② 不動産賃貸事業
不動産事業においては、賃貸オフィスビルTNC放送会館の入居率が高水準を保っていますが、福岡市街地で進行している「天神ビッグバン」、「博多コネクティッド」等の大規模再開発計画によって、貸ビル業界におけるテナント誘致競争のさらなる激化が予想される中、「百道浜」を看板として積極的な営業を図っていきます。また、今後も入居テナントのニーズの把握と的確なフィードバックで不動産のバリューアップを目指し、商業ゾーンの集客力も高めることで、賃料収入の拡大を図っていきます。当会館が築24年を迎え、主要設備の本格的な更新を迎える中、設備投資には客観的、合理的な検討を重ね、テナントのニーズを反映した機能と容量を確保することにより、競争力及び資産価値を高め、収益力の向上を図っていきます。
③ 情報処理事業
情報処理事業においては、主要分野である放送系ビジネスの基幹システムとして、テレビ・ラジオ営放システム、報道支援システム、事務トータルシステムなどの幅広いソリューションの本番稼働や、FNS系列局の標準マスター更新が順次、進行しています。今後も複数年にわたる大型開発案件が続くため、長期的なスケジュールの過密状況に対応するため、より綿密な要員計画を立て、効率的な作業を進めていきます。また、新型コロナウイルスの影響に伴う市場全体の落ち込みによる影響にも対処していきます。
④ その他の事業
その他の事業のうち、番組制作・CM制作・映像制作などの業務部門においては、グループ外からも受注を拡大していくことに加え、タレントキャスティングビジネスをはじめとした新たな収益の柱の成長にも取り組んでいます。また、従来のテレビCMに加えて、ソーシャルメディアが広告メディアとしても存在感と影響力を増す中、その環境の変化に対応しつつ、映像制作のプロ集団として社会に貢献し、収益の拡大にも結びつけていきます。さらに、映像制作業界を取り巻く環境は、人手不足や人件費の高騰から優秀な人材の争奪が顕著であり、人材の確保と育成に十分な経営資源を集中することにより、高い制作レベルを維持していくよう取り組んでいきます。
人材派遣部門では、グループ外への派遣の拡充と派遣先の分散化を目指し、受託部門では、安定的な放送運行のための人材育成・リスク管理の整備に尽力します。また、広告代理店業務やイベントの企画販売を行うメディア事業部門では、新規事業の開発の成功に向けて取り組んでいきます。
新型コロナウイルスによる影響は、その他の事業の各部門においても共通の課題であり、適切に対処していきます。
⑤ グループ全体
当社グループ全体の利益を拡大するため、グループ各社の特性を活かし、放送事業を中核とした連携による様々な事業展開に戦略的に取り組みます。特に、新型コロナウイルスによる影響は当社グループ各社にとっても共通課題であり、協同して積極的に対処していきます。今後も引き続き、あらゆる面でコストコントロールを徹底し、グループ各社が経営の効率化を推進していくとともに、極力、資金はグループ内で調達するなど、グループとしての経営基盤の強化も図ります。さらに、グループ内で内部統制機能が有効に機能するために、企業集団全体でコンプライアンス意識の向上にも努めます。