有価証券報告書-第58期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/22 9:33
【資料】
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【項目】
111項目

対処すべき課題

当社グループは、現在の事業環境に対する認識をグループ全体が共有し、入手可能な情報に基づく最善の経営方針を立案するよう努めていますが、ここ数年の視聴率の低下やビジネス環境の変化を鑑みますと、我々を取り巻く事業環境は厳しさを増すばかりです。そのための対処すべき課題として、以下のことに取り組みます。
① 放送事業
テレビスポットを中心に放送事業収入を拡大していくことが最大の課題であることは言うまでもありません。しかし、競合他社との競争はより一層厳しさを増しており、視聴率のアップが急務です。そのために各種視聴率対策とローカル編成番組の強化に対する積極的な投資を継続する方針です。既存分野の強化に加え新規事業に積極的に取り組み収入源の多角化も図ります。また一方で、コスト削減は重要な課題であり、従来の支出構造のままでは利益の低下を招きます。そのためには、収益貢献の高い事業構造や事業展開を目指さなくてはなりません。制作工程の効率化を図りながら、TNCらしい良質な番組を制作し視聴者、広告主より一層の支持を得られるよう取り組みます。テレビを取り巻くデジタルビジネス環境の変化は著しく、変化への迅速な対応が不可欠です。経営ビジョンを共有する優秀な人材を確保し、持続的な成長を支える人材を育成すべくそのためのあらゆる対策を継続します。
② 不動産賃貸事業
TNC放送会館は築20年を経過し、主要設備の本格的な更新が続きます。更新に際しましてはテナントニーズに対応し、最新機能や容量を確保してビルの競争力と資産価値の向上を図ります。空調料金の増加や電気料金の値上げによる支出増加が見込まれる一方、百道浜地区の立地条件では新規需要が乏しく、賃料引上げによる収入増も厳しい状況にあり、累積損失の一掃には更に時間を要します。テナントとの意思疎通・信頼関係向上を図り他ビルへの移転防止に努めます。引き続きイベントの充実や集客力を上げるための努力を尽くし、高水準のオフィス入居率を維持しつつ賃料向上を目指します。
③ 情報処理事業
クラウドの登場でハードウエアやソフトウエアの購入費用の低減、過剰投資の削減、保守運用費用、ライセンス費など経常コストの削減を求める企業が増えています。情報化投資が減少している一つの要因にクラウドコンピューティングの利用があり、クラウドを背景とした新たなビジネスモデルへの転換が急務であり、展開へのチャンスとも考えます。放送業界はもとより様々な産業で効率化を高める経営環境にシフトしており、コスト削減、開発期間の短縮、運用の簡素化などの期待に迅速に応えていきます。また、自治体や製造業、一般向けビジネスではデジタルサイネージ分野への進出など、新しいテーマへの取り組みにチャレンジして新規市場の開拓を図ります。受注競争の激化でソフトウエアは価値の観点からの適正な価格と品質が求められており、経営体質のさらなる効率化を目指し努力します。
④ その他の事業
番組制作・CM制作・映像制作などのグループ外からの受注拡大を図るとともに、新たなビジネスにも積極的に取り組み、収益確保を目指します。人材派遣事業は有効求人倍率の上昇により人材の確保が厳しくなってきており、営業力を強化し取り組みます。また、法令の改正など今後の動静にも注視します。広告代理店業務では新規クライアントの獲得に向けて努力します。経費節減と利益確保の意識を徹底させ、さらなる増益を目指します。
⑤ グループ全体
グループ全体の利益を拡大するため、グループ各社の特性を活かし、放送を中核とした連携による様々な事業展開に積極的に取り組みます。そのためにはコストコントロールを徹底し、各社がキャッシュ・フロー経営を目指して経営の効率化を推進していきます。資金は極力グループ内調達を行い経営基盤の強化を図ります。また、グループ内で内部統制機能が有効に機能するために企業集団全体としてのコンプライアンス意識の向上にも努めます。