有価証券届出書(新規公開時)

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2018/11/12 15:10
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59項目

コーポレート・ガバナンスの状況

(1) 【コーポレート・ガバナンスの状況】
当社グループは、「自由・公正・革新」を基本思想に掲げ、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、国内での通信事業を基盤に企業価値の最大化を図り、最先端テクノロジーを活用した製品やサービスの提供に取り組んでいます。
当社グループでは、このビジョンを実現するためにはコーポレート・ガバナンスの実効性の確保が不可欠との認識を有しており、親会社であるソフトバンクグループ㈱を含めたグループ全体の基本思想や理念の共有を図る「ソフトバンクグループ憲章」、およびグループ会社に対する管理方針・管理体制等を規定する「ソフトバンクグループグループ会社管理規程」を定めるとともに、グループ会社およびその役職員が遵守すべき各種規則等に基づき、グループ内のガバナンスを強化しています。

本書提出日現在、当社の機関設計の概要は、以下の通りです。
・取締役会は、社外取締役4名を含む取締役11名で構成されており、その任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとしています。また、取締役候補者の選定にあたっては指名委員会の提言を最大限尊重するものとしています。
・取締役会の諮問機関として任意の指名委員会・報酬委員会を設置しています。指名委員会・報酬委員会は、CEOおよび独立社外取締役で構成され、委員会の独立性を確保しています。
・監査役会は、社外監査役2名を含む4名の監査役で構成されています。
・2007年6月に執行役員制度を導入し、取締役会の経営監督機能の明確化と業務執行機能のさらなる強化を図るとともに、経営の迅速化を確保しています。
・当社と取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)および監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が定める最低責任限度額としています。
a. 内部統制システムの整備の状況(リスク管理体制の整備の状況を含む。)
当社は、取締役の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制、その他業務の適正を確保するための体制について、会社法および法務省令に則り、取締役会において以下の事項を決定しています。
(a) 取締役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
当社は、法令の遵守にとどまらず、高い倫理観に基づいた企業活動を行うため、すべての取締役および使用人が遵守すべきコンプライアンスに関する行動規範として、親会社が定める「ソフトバンクグループ役職員・コンプライアンスコード」を適用するとともにコンプライアンス体制の継続的な強化のため、以下の体制を整備しています。
ⅰ チーフコンプライアンスオフィサー(CCO)を選任し、CCOは当社のコンプライアンス体制の確立・強化に必要な施策を立案・実施する。
ⅱ コンプライアンス事務局を置き、コンプライアンス事務局はCCOの補佐を行う。
ⅲ 各本部にコンプライアンス本部責任者およびコンプライアンス推進者を置きコンプライアンスの徹底を図る。
ⅳ 取締役・使用人が直接報告・相談できる社内外のホットライン(コンプライアンス通報窓口)を設置し、企業活動上の不適切な問題を早期に発見・改善し、再発防止を図る。なお、当社は、「コンプライアンス規程」において、ホットラインに報告・相談を行ったことを理由として不利な取扱いをすることを禁止することにより、報告・相談を行った者が不利な取扱いを受けないことを確保する。
ⅴ 監査役および監査役会は、法令および定款の遵守体制に問題があると認められた場合は、改善策を講ずるよう取締役会に求める。
(b) 取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
当社は、取締役会議事録や決裁書等、取締役の職務執行に係る文書およびその他の重要な情報について、適切に保存・管理するため、以下の体制を整備しています。
ⅰ 「情報管理規程」に基づき、保存の期間や方法、事故に対する措置を定め機密度に応じて分類のうえ保存・管理する。
ⅱ 「情報セキュリティ基本規程」に基づき、情報セキュリティ管理責任者であるチーフインフォメーションセキュリティオフィサー(CISO)を任命するとともに、各本部に情報セキュリティ責任者を置き、情報の保存および管理に関する体制を整備する。
(c) 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
当社は、事業運営におけるさまざまなリスクに対し、回避、軽減その他の必要な措置を行うため、以下の体制を整備しています。
ⅰ 「リスク管理規程」に基づき、各リスクに対応する責任部署を特定し、各責任部署においてリスクの管理を行い、リスクの低減およびその未然防止を図る。緊急事態発生時においては、「インシデント管理規程」 に規定のフローに則り、緊急対策本部を設置し、緊急対策本部の指示のもと、被害(損失)の極小化を図る。
ⅱ 内部監査部門は、各部署が実施したリスクに対する評価・分析および対策・対応についての進捗状況を取りまとめ、その結果を定期的に取締役会に報告する。
(d) 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社は、効率的な運営体制を確保するため、以下の体制を整備しています。
ⅰ 「取締役会規則」を定め、取締役会の決議事項および報告事項を明確にするとともに、「稟議規程」等の機関決定に関する規程を定め、決裁権限を明確にする。
ⅱ 業務執行の監督機能を強化し、経営の客観性を向上させるため、 取締役会に独立した立場の社外取締役を含める。
ⅲ 取締役が取締役会において十分に審議できるようにするため、取締役会資料を事前に送付するとともに、取締役から要請があった場合には、取締役会資料に追加・補足を行う。
ⅳ 「組織管理規程」を定め、業務遂行に必要な職務の範囲および責任を明確にする。
(e) 当社ならびにその親会社および子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社は、親会社が定める「ソフトバンクグループ憲章」等に則り、グループの基本思想・理念を共有し、管理体制とコンプライアンスを強化するとともに、当社および当社子会社の取締役および使用人に、グループ会社共通の各種規則等を適用し、以下の体制を整備しています。
ⅰ CCOは、当社グループ各社のコンプライアンス体制を確立・強化し、コンプライアンスを実践するにあたり、当該活動が当社グループのコンプライアンスに関する基本方針に則したものとなるよう各グループ会社のCCOに対し助言・指導・命令を行う。また、当社グループ各社の取締役および使用人からの報告・相談を受け付けるコンプライアンス通報窓口を設置し、企業活動上の不適切な問題を早期に発見・改善し、再発防止を図る。なお、当社は、「コンプライアンス規程」において、ホットラインに報告・相談を行ったことを理由として不利な取扱いをすることを禁止することにより、報告・相談を行った者が不利な取扱いを受けないことを確保する。
ⅱ セキュリティ部門は、グループチーフインフォメーションセキュリティオフィサー(GCISO)を長とする、「グループITガバナンス連絡協議会」に定期的に参加し、情報セキュリティに関する制度対応や対策状況、知識・技術等の情報の共有を行う。
ⅲ 代表者は、親会社に対する財務報告に係る経営者確認書を親会社に提出し、ソフトバンクグループ全体としての有価証券報告書等の内容の適正性を確保する。
ⅳ 内部監査部門は、過去の監査実績のほか、財務状況等を総合的に判断し、リスクが高いと判断する当社グループ各社に対して監査を行う。
ⅴ 当社グループ各社においてリスクの管理を行い、リスクの低減およびその未然防止を図るとともに、緊急事態発生時においては、当社の指示のもと、被害(損失)の最小化を図る。
(f) 反社会的勢力排除に向けた体制
当社は、「反社会的勢力への対応に関する規程」において、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力とは一切の関わりを持たない方針を明示している。反社会的勢力に関する社内の体制整備後、責任部署を置いて全体管理を実施する。なお、反社会的勢力から不当要求等を受けた場合は、警察等の外部専門機関と連携の上、毅然とした態度で臨み、断固として拒否するものとしています。
(g) 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項、当該使用人の取締役からの独立性に関する事項および当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
当社は、監査役の職務を補助する組織として監査役室を設置し、専属の使用人を配置しています。また、当該使用人の任命については、監査役へ通知し、その人事異動・人事評価等は、監査役の同意を得るとともに、当該使用人への指揮・命令は監査役が行うことにより、指示の実効性を確保しています。
(h) 取締役および使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
取締役および使用人は、監査役または監査役会に対して遅滞なく、(ただし、会社に著しい損害を及ぼすおそれがある事実のほか緊急を要する事項については直ちに)次の事項を報告するものとしています。
ⅰ コンプライアンス体制に関する事項およびコンプライアンス通報窓口利用状況
ⅱ 財務に関する事項(財務報告および予算計画に対する実績状況を含む)
ⅲ 人事に関する事項(労務管理を含む)
ⅳ 情報セキュリティに関するリスク事項に対する職務の状況
ⅴ 大規模災害、ネットワーク障害等に対する職務の状況
ⅵ 内部統制の整備状況
ⅶ 外部不正調査に対する職務の状況
ⅷ 法令・定款違反事項
ⅸ 内部監査部門による監査結果
ⅹ その他会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事項および監査役がその職務遂行上報告を受ける必要があると判断した事項
(i) その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制として次の事項を整備しています。
ⅰ 当社は、監査役が必要と認めた場合、当社および当社グループの取締役および使用人にヒアリングを実施する機会を設ける。また、監査役は、会計監査人や重要な子会社の監査役等との定期的な会合を設け連携を図るとともに、重要な会議に出席する。
ⅱ 当社は、監査役に報告・相談を行ったことを理由として、報告・相談を行った者が不利な取扱いを受けない体制を確保する。
ⅲ 会計監査人・弁護士等に係る費用その他の監査役の職務の執行について生じる費用は、当社が負担する。
b. 業務の適正を確保するための体制の運用状況の概要
(a) コンプライアンスに関する事項
取締役・使用人を対象としたコンプライアンス研修を実施しているほか、コンプライアンス体制の強化のための情報提供、必要に応じた助言等を継続的に実施しています。また、当社および子会社の取締役・使用人が直接報告・相談できるホットラインの設置・運用を通して、当社のコンプライアンスの実効性確保に努めています。なお、これらの施策の効果について随時検証し、改善を行っています。
(b) リスクに関する事項
「リスク管理規程」に基づき、各リスクに対応する責任部門がリスクの低減およびその未然防止を継続的に図っているほか、内部監査部門が各責任部門で実施したリスクに対する評価・分析および対策・対応についての進捗状況を取りまとめ、その結果を定期的に取締役会に報告しています。当社グループ各社においても各社でリスクの低減およびその未然防止を継続的に図っています。
(c) 内部監査に関する事項
内部監査部門により、当社の法令および定款の遵守体制・リスク管理プロセスの有効性についての監査を行うほか、リスクが高いと判断する当社グループ各社への監査を継続して実施しており、監査結果を都度社長に報告しています。
(d) 取締役・使用人の職務執行に関する事項
「取締役会規則」「稟議規程」「組織管理規程」等の社内規程に基づき、当社の取締役・使用人の職務執行の効率性を確保しているほか、取締役会においては十分に審議できる環境を確保しています。
(e) 監査役の職務に関する事項
監査役は当社の重要な会議に出席し、必要に応じて当社および当社グループの取締役および使用人にヒアリングをする機会を設けるほか、会計監査人や重要な子会社の監査役等との定期的な会合を設け連携を継続的に図ることで、監査の実効性を確保しています。
c. 内部監査および監査役監査の状況
内部監査室(32名)は、社長直下の独立した組織として、当社の業務全般を対象に内部監査を実施しているほか、親会社として子会社を対象に監査を実施しています。業務の遵法性および内部統制の有効性等を評価し、内部監査の結果については、当社の社長ならびに取締役会に報告するとともに監査役に説明しています。
当社は、監査役制度を採用しており、監査役会は、社外監査役2名を含めた4名で構成され、各監査役は監査役会が定めた「監査の方針」および「監査計画」にしたがい監査活動を実施し、重要会議への出席、報告聴取、重要書類の閲覧、実地調査等を通じ、取締役の職務の執行状況について効率的で実効性のある監査を実施しています。さらに、内部監査部門の報告を受けるとともに、必要に応じて、内部監査の状況と結果について説明を受けています。また、独立監査人については、独立の立場を保持し、かつ、適正な監査を実施しているかを検証するとともに、その職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求めるなど、連携を密にし、監査体制の強化に努めています。
d. 会計監査の状況
当社の会計監査業務を執行した公認会計士は、中山一郎、山田政之、大枝和之であり、有限責任監査法人トーマツに所属しています。業務を執行した公認会計士で、継続監査年数が7年を超える者はいません。なお、第33期より、業務執行社員が中山一郎から丸山友康に交代しています。当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士31名、会計士補等40名、合計71名です。
e. 社外取締役との関係
当社の社外取締役は4名です。
当社は、社外取締役堀場厚氏が代表取締役を務める㈱堀場製作所との間に、当社が提供する通信サービスの取引関係があります。ただし、その取引額は当社の「営業収益」の0.1%未満であり、極めて僅少です。また、社外取締役上釜健宏氏がミッションエグゼクティブを務めるTDK㈱との間に、当社が提供する通信サービスの取引関係があります。ただし、その取引額は当社の「営業収益」の0.1%未満であり、極めて僅少です。
そのほか、当社社外取締役と当社との間には、特別の利害関係はありません。
f. 社外監査役との関係
当社の社外監査役は2名です。
社外監査役山田康治氏は、金融機関において、リスク管理・コンプライアンスに関する豊富な知識と経験があり、財務および会計に関する相当程度の知見を有しています。
社外監査役阿部謙一郎氏は、公認会計士として豊富な知識と経験があり、財務および会計に関する相当程度の知見を有しています。なお、当社は、同氏が監事を務める公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(B.LEAGUE)と、B.LEAGUE最上位カテゴリースポンサーである「B.LEAGUEトップパートナー」契約を締結しています。ただし、その取引額は当社の「営業費用」の1%未満であり、極めて僅少です。
そのほか、当社社外監査役と当社との間には、特別の利害関係はありません。
g. 役員の報酬等
(a) 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
役員区分報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円)対象となる役員
の員数(名)
基本報酬賞与株式報酬
取締役
(社外取締役を除く)
1,5094561,018358
監査役
(社外監査役を除く)
1212--1
社外取締役-----
社外監査役1212--2

(注) 1 上記の他、2018年6月に第32期事業年度に係る取締役7名に対する役員賞与引当金繰入額との差額525百万
円が発生しています。
2 第32期事業年度において支給した取締役の報酬等に、第31期事業年度に係る取締役7名に対する役員賞与引
当金繰入額との差額128百万円が発生していますが、上記には含めていません。
(b) 提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額等
氏名連結報酬等
の総額
(百万円)
役員区分会社区分連結報酬等の種類別の額(百万円)
基本報酬賞与株式報酬その他
宮内 謙330取締役提出会社602637-
榛葉 淳248取締役提出会社781664-
今井 康之234取締役提出会社781524-
宮川 潤一196取締役提出会社601324-
藤原 和彦160取締役提出会社60973-
久木田 修一174取締役提出会社601113-
エリック・ガン160取締役提出会社60973-

(注) 1 連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しています。
2 上記の他、2018年6月に第32期事業年度に係る取締役7名に対する役員賞与引当金繰入額との差額525百万
円が発生しています。
h. 役員の報酬等の額の決定に関する方針
役員の報酬等の額は、株主総会で決議された総額の範囲内で、取締役については取締役会決議、監査役については監査役の協議によって決定しています。
i. 取締役の定数
当社の取締役は15名以内とする旨を定款に定めています。
j. 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、また、取締役の選任については累積投票によらない旨を定款に定めています。
k. 剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる旨を定款に定めています。これは、当社の剰余金の配当等に関する基本方針に従い、機動的な決定を行うことを目的とするものです。
l. 取締役および監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む)および監査役(監査役であった者を含む)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨、および、会社法第427条第1項の規定により取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)および監査役との間に、法令が規定する額を限度として、任務を怠ったことによる損害賠償責任を限定する契約を締結することができる旨、定款に定めています。これは、取締役および監査役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものです。
m. 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。これは、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。