訂正有価証券報告書-第31期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/07/08 11:13
【資料】
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【項目】
101項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月21日)現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が入手可能な情報から判断したものであります。なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国における一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積を必要とします。経営者はこれらの見積について、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があることから、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.(1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。
① 繰延税金資産
当社グループは、損失にかかる繰越欠損金及びその他の将来減算一時差異については、将来5年以内の課税所得見込額の範囲内で回収可能性を算定し、回収可能額を超過する残高については、評価性引当額を計上することにより、適正な繰延税金資産残高を計上することとしております。将来の業績の変動により課税所得の見込額が減少又は増加した場合には、繰延税金資産に対する評価性引当額の追加計上又は取崩が必要となる可能性があります。
また、繰延税金資産は現時点における法定実効税率に基づき計上しておりますが、将来税制改正により税率が変更された場合には、繰延税金資産の残高が増減する可能性があります。
② 貸倒引当金
当社グループは、債権の回収不能時に発生する損失の見積額について貸倒引当金を計上しております。一般債権については貸倒実績率により、債権先の財政状態が悪化しその支払能力が低下した場合は、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
③ 無形固定資産(ソフトウェア)
当社グループは、自社利用ソフトウェアの減価償却について、利用可能期間に基づく定額法を採用しております。将来の利用期間が当初利用可能期間を下回った場合には、臨時の損失が発生する可能性があります。
④ 投資有価証券
当社グループは、長期的な取引関係の維持のため、特定の取引先の株式を所有しております。これらの株式の多くは時価を合理的に算定できない非上場会社の株式です。当社グループは、その実質価額が著しく低下したときには、回収可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、投資の減損処理を実施しております。これにより、当連結会計年度において54百万円の投資有価証券評価損を計上しております。
また、実質価額の回復可能性が十分な証拠によって裏付けられるかどうかを判断するに当たって、投資先企業の財政状態、経営成績、事業計画の実行可能性に影響するその他特定の要因、投資先企業が事業を行っている産業の特殊性、実質価額の回復が十分見込まれる期間まで当社が保有しつづけることができるか否か等を考慮いたしますが、時には見積りや予測を必要といたします。
⑤ 退職給付債務
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び期待収益率などが含まれます。このうち、当社グループの割引率は一定の格付けを有する日本の長期社債の市場利回りを参考に決定しております。期待収益率は、年金資産の種類毎に期待される収益率の加重平均に基づいて決定しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。発生した数理計算上の差異については、従業員の平均残存勤務期間にわたり均等に費用処理しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の当社グループの経営成績の概要は「1 業績等の概要 (1) 業績」に記載しておりますが、そのポイントは主に次のとおりです。
① 売上高
ISP事業においてMVNOサービス「NifMo(ニフモ)」の売上高の増加などがあったものの、従来の固定系接続会員数の減少により、売上高が減少いたしました。Webサービス事業において、マーケットプレイス型事業の拡大に伴い、広告売上高が増加したことなどにより、売上高が増加いたしました。クラウド事業において、「ニフティクラウド」が好調に推移したことにより、売上高が増加いたしました。
この結果、売上高は66,833百万円(前年度比0.2%増)となりました。
② 売上原価
ISP事業において従来の固定系接続会員数の減少があったものの、「ニフティクラウド」の売上高増加に伴う売上原価の増加およびWebサービス事業におけるマーケットプレイス型事業の拡大等により、売上原価は48,885百万円(前年度比1.6%増)となりました。
③ 販売費及び一般管理費、営業利益
光コラボレーションモデルへの展開による「@nifty光」の転用費用や「NifMo」の新規獲得費用など積極的に拡販費を投入したことにより、販売費及び一般管理費は16,751百万円(前年度比10.6%増)となり、その結果、営業利益は1,196百万円(前年度比65.6%減)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
関係会社株式の売却益を特別利益として計上いたしましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は648百万円(前年度比70.3%減)となりました。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度の総資産は41,855百万円(前年度比4.5%減)となりました。
① 資産の状況
当連結会計年度末の流動資産は28,719百万円(前年度比9.9%減)となりました。その主な要因は、現金及び預金と預け金の合計額が3,376百万円減少したこと等によるものです。
また、固定資産につきましては、13,136百万円(前年度比9.9%増)となりました。その主な要因は、建物及び構築物225百万円、工具、器具及び備品740百万円の増加があったこと等によるものです。
② 負債の状況
当連結会計年度末の流動負債は9,238百万円(前年度比18.6%減)となりました。その主な要因は、買掛金874百
万円および未払金849百万円の減少があったこと等によるものです。
また、固定負債につきましては、退職給付に係る負債が380百万円増加したこと等により、1,533百万円(前年度比69.5%増)となりました。
③ 純資産の状況
上記の要因等により当連結会計年度末の純資産は31,084百万円(前年度比1.5%減)となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。