有価証券報告書-第109期(平成30年2月1日-平成31年1月31日)

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2019/04/25 15:00
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、本格的な個人消費の回復まではあとひと息という状況ではあるものの、企業収益は高い水準を維持しており、総じて良好に推移しました。
当社グループにおいては、健康志向やスポーツ・コンサートイベント関連の需要は底堅く、インバウンド消費などにも恵まれ、良好な事業環境に支えられました。
先行きについては、近隣諸国を取り巻く海外情勢や予定される消費増税の影響などの懸念もある一方、今秋開催されるラグビーワールドカップや、近づく東京オリンピック・パラリンピックの景気への寄与が期待されます。
このような状況のもと、当社グループは、2016年2月から2021年1月までを対象期間とする中期経営計画「新機軸」に掲げた経営目標の達成に向け、総力を挙げて以下のアクションプランに取り組みました。
「東京ドームシティ(以下、「TDC」といいます。)に、将来にわたり持続的に価値をもたらすための環境整備」につきましては、東京ドームにおいて、当社の創立80周年事業として2016年より3ヶ年計画でリニューアル工事を実施して参りました。最終年度の仕上げとして、専用ラウンジでの飲食サービスがセットになった「バックスクリーンクラブ」の新設に加え、1階コンコースの飲食売店の増設、ドーム外周部の環境整備を計画通り完了いたしました。また、開場後初めて外野フェンスの張り替えを実施し、クッション性の高いラバーフェンスとすることで安全性の向上を図り、選手の全力プレーをサポートしております。
黄色いビルにおいては、オフト後楽園を6、7階フロアに移設いたしました。そのうち7階フロアにはお客様の多様なニーズに対応すべく、全席有料指定席となる「ラウンジセブン」を新設し、リクライニングシートやタブレットを配した半個室のブース席のほか、4名様まで一緒に座れるボックス席などを配置しました。昨年7月のオープン以来、満席近い稼働を維持しております。
同じく7月には、卓球場「TaKuSuRu(タクスル)」をオープンいたしました。一般の時間貸し利用に加え、元女子卓球日本代表監督や世界卓球メダリストを講師とする本格的な卓球教室として活用されております。
東京ドームシティ アトラクションズにおいては、夏期イベントとして人気キャラクターの「ポケモン」とコラボレーションした脱出ゲームを開催し、幅広い年代のお客様にお楽しみいただきました。秋には、YouTubeの人気クリエイターとタイアップしたイベントが好評を博し、新たな層の集客に繋げました。新アトラクションとしては、デジタルアートやSNSを活用した、お化け屋敷「怨霊座敷」を昨年4月にラクーアエリアにオープンいたしました。
「アソボ~ノ!」では、開業7年目を迎えた今期に売上の新記録を更新するなど、ハードとソフトのクオリティを高水準に保つことで、都内の人気屋内型キッズ施設としての地位を確立しております。
「熱海後楽園ホテルのリニューアル」につきましては、行楽客の増加により熱海が観光地としての活気を取り戻しつつあるなか、新たな複合型リゾートの誕生に向けて取り巻く環境は良好に推移しております。また、観光経済新聞社の「2018年度 旅行業のプロが選ぶ人気温泉旅館ホテル250選」で熱海地区唯一の五つ星を獲得し、ブランドイメージを更に高めております。
「TDC内外における新規事業の追求及び新規顧客の獲得」につきましては、TDCに新たな付加価値をもたらすミュージアム事業として、2年目を迎える「Gallery AaMo(ギャラリー アーモ)」において、“エンタテインメントとアートの融合による大人のための遊べるギャラリー”というコンセプトを軸に、ジャンルにとらわれない魅力的なイベントの開催や誘致を行いました。昨春の人気ゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪」のイベントにおいては、開場以来最高の集客・売上を記録し、また、秋に開催した日本初となる「イグ・ノーベル賞の世界展」は、多数のメディアに取り上げられるなど大きな話題を呼びました。
毎年1月の東京ドームでの定番イベント「ふるさと祭り東京」は11回目を数え、これまで培ったノウハウを活かし、他県で開催される物産イベントにおいて人気コンテンツである「どんぶり選手権」の出店プロデュースを行うなど、新たな事業展開も追求しております。
「TDC外の既存事業の事業性の維持と向上」につきましては、流通事業において、化粧品市場の好況を背景に、売れ筋商品の把握と品揃えの充実を図ることで前期に続き売上を伸ばしております。特に関西エリアでは、訪日外国人のまとめ買い需要も追い風となりました。
公共施設などの運営・管理を受託する指定管理事業については、これまでに積み上げたノウハウの活用と安定した収益性の確保を念頭に展開を図り、大型案件の西東京市のスポーツ・運動施設10施設などを新規獲得し、引き続き事業規模を拡大しております。
「グローバル化・ユニバーサル化を視野に入れた環境整備」につきましては、増加する訪日外国人への対応として、昨年1月に更新した当社多言語サイトへ誘引する取り組みをアジア諸国に向けて重点的に実施し、TDCの認知度向上に加え、その魅力や楽しみ方のPRをスタートさせました。これまでにWEB・SNS広告、日本紹介サイト、インフルエンサーによる情報拡散、海外セールスなどのプロモーションを展開しております。
TDC構内においては、フリーWi-Fiの整備やデジタルクーポンサイトの新設、パンフレットや構内サインの多言語化、免税店舗の拡大などを実施し、外国人来場者が快適にお楽しみいただける環境整備を行いました。特にフリーWi-Fiに関しましては、TDCの屋外エリアのほとんどをカバーし、災害時にもスマートフォンなどによる通信のご利用が可能となっております。
「いつも安全・安心な環境を保ち続けること」につきましては、グループ内で発生した設備の不具合やヒヤリハット事例、他社施設の事故・災害に関する情報をデータベース化した「インシデント情報管理システム」で、関連情報を全役職員で共有することにより継続的な安全啓発を図っております。昨夏に発生した東京ドームホテル内のレストランにおける食中毒事故、東京ドーム場内売店における異物混入について、多大なご心配とご迷惑をお掛けしましたが、これら事案を省察し再発防止策の徹底ならびに従業員への教育指導の再徹底に取り組み、当社グループの安全に関する活動の更なる推進に努めて参ります。
また、非常時にはお客様に安全・安心に避難していただくため、各施設毎の防災訓練に加え、年3回の全体訓練を実施しております。実際の災害に近い状況を想定しながら、避難誘導方法や経路の確認はもちろん、通信機器や情報共有体制の確認も行っております。また、警察署や消防署と連携した総合防災訓練では、近隣の方々にもご参加いただいており、防災力の強化に努めております。
「人的資源の獲得・育成」につきましては、専門職社員制度による正規雇用を推進し、人材の獲得とレベルアップを図るとともに、アルバイトについては募集・採用・教育の組織を一本化して養成活動を強化しております。また、ハラスメント防止研修などを通じてコンプライアンス教育強化にグループ全体で取り組みました。
「グループ経営体制の再構築」につきましては、リスク管理体制の見直しを行い、業務の効率化、対応の迅速性の確保、リスク管理教育の一元化を図っております。
経営陣のインセンティブ付けとなる報酬体系の見直しも図り、株式報酬を導入いたします。従来の固定報酬の一定部分を株式による報酬として退任時に支給することで、中長期的な企業価値向上を目指す経営を促して参ります。
また、資本効率の向上ならびに機動的な資本政策の遂行、及び株主の皆様への利益還元を目的として、自己株式の取得を実施いたしました。
当連結会計年度においては、東京ドームにおけるコンサートイベントの開催増と物販の好調、昨春にオープンした「Gallery AaMo(ギャラリー アーモ)」の通期稼働による寄与、及び松戸競輪場における本場開催の増加などにより、売上高は870億4千8百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益は114億8千1百万円(前年同期比0.8%増)、経常利益は104億2百万円(前年同期比3.4%増)となりましたが、投資有価証券売却益の減少により、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては69億6千2百万円(前年同期比14.2%減)となりました。
次に事業の種類別セグメント(セグメント間の内部売上高または振替高を含む)の概況をご報告申し上げます。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
<東京ドームシティ>(東京ドーム)
東京ドームは、コンサートイベントの開催日数の増加と物販の好調により、増収となりました。
(東京ドームシティ アトラクションズ)
東京ドームシティ アトラクションズは、各アトラクションや「アソボ~ノ!」の利用増により、増収となりました。
(東京ドームホテル)
東京ドームホテルは、客室稼働率は上昇したものの、レストラン・宴会部門の利用が減少したことにより、減収となりました。
(ラクーア)
スパ ラクーアは、前期にリニューアル工事を行った関係で、通期稼働となった当期は営業日数が増加したことにより、増収となりました。
(黄色いビル)
黄色いビルは、一部フロアの返還により、減収となりました。なお、返還された6、7階フロアにオフト後楽園を移設いたしました。
以上の結果、東京ドームシティ事業全体での売上高は687億7千5百万円(前年同期比4.4%増)となりましたが、売上原価の増加、黄色いビルの再開発に係る初期費用などの負担により、営業利益は156億3千2百万円(前年同期比0.7%減)となりました。
<流通>既存店について、特に関西地区において自然災害の影響を受けたものの、好調を維持したことにより増収となりましたが、新業態展開に伴う負担により、減益となりました。
以上の結果、売上高は80億7千3百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益は1千9百万円(前年同期比41.8%減)となりました。
<不動産>新規物件の取得により増収となりましたが、諸税課金の負担により、減益となりました。
以上の結果、売上高は15億8千4百万円(前年同期比0.6%増)、営業利益は5億4百万円(前年同期比9.1%減)となりました。
<熱海>熱海後楽園ホテルは、熱海地区の観光地としての評価の高まりを背景にリニューアルしたタワー館が好調に推移し、増収となりましたが、新館オープンの準備費用などの負担により、減益となりました。
以上の結果、売上高は23億7千5百万円(前年同期比5.8%増)、営業損失は5億7千万円(前年同期比2千5百万円の損失増)となりました。
<競輪>松戸競輪は、千葉市営競輪の代替開催など本場開催が増加したことにより、増収となりました。
以上の結果、売上高は20億7千7百万円(前年同期比23.1%増)、営業利益は1億6百万円(前年同期比2億7千3百万円の改善)となりました。
<その他>公共施設の運営を請け負う指定管理事業について、受託施設の増加はあったものの、東京ドームホテル 札幌が一昨年4月をもって営業を終了したことにより、減収となりました。
以上の結果、売上高は55億4千2百万円(前年同期比4.3%減)、営業利益は3千5百万円(前年同期比73.1%減)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
該当事項ありません。
② 受注実績
該当事項ありません。
③ 販売の状況
当連結会計年度における販売の状況をセグメントごとに示すと次の通りであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
東京ドームシティ67,474+4.3
流通8,073+3.6
不動産1,579+0.6
熱海2,369+5.8
競輪2,077+23.1
その他5,474△4.4
合計87,048+4.0

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
<資産>資産合計は、2,995億7千4百万円(前年同期比71億2百万円減)となり、連結ROAにつきましては、3.4%(前年同期比0.1%増)となりました。
流動資産については、熱海後楽園ホテルのリニューアルに基づく設備投資の増加や、有利子負債の圧縮により現金及び預金が減少しました。その結果、流動資産合計は、186億8千5百万円(前年同期比82億7千5百万円減)となりました。
固定資産については、株式市場における株価低迷の影響や投資有価証券の売却により投資有価証券が減少したものの、熱海後楽園ホテルのリニューアルに基づく設備投資により建設仮勘定が増加しました。その結果、固定資産合計は、2,789億7千4百万円(前年同期比11億5千万円増)となりました。
<負債>負債合計は、1,975億3百万円(前年同期比37億3千3百万円減)となりました。上記のとおり、有利子負債の圧縮が順調に進み、有利子負債(長期・短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債の合計)は、1,343億7千8百万円(前年同期比61億3千4百万円減)となりました。
<純資産>純資産合計は、1,020億7千万円(前年同期比33億6千9百万円減)となり、連結ROEにつきましては、6.7%(前年同期比1.4%減)となりました。
株主資本については、自己株式の取得に伴う減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加しました。その結果、株主資本合計は370億1千万円(前年同期比21億5千9百万円増)となりました。
その他の包括利益累計額については、株式市場における株価低迷の影響や投資有価証券の売却により、その他有価証券評価差額金が減少しました。その結果、その他の包括利益累計額は、650億6千万円(前年同期比55億2千8百万円減)となりました。
なお、中期経営計画「新機軸」に掲げております目標とする経営指標につきましては、連結有利子負債の削減目標においては、2期前倒しで達成しており、連結ROEにつきましても3期連続で目標値を達成しております。連結ROAにつきましては、目標値には満たないものの順調に推移しており、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の課題に取り組み、目標とする経営指標の達成を目指します。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、以下の要因により、前連結会計年度に比べ70億2千9百万円(39.9%)減少し、105億6千6百万円となりました。
項目前連結会計年度当連結会計年度比較増減
(百万円)
自 2017年2月1日
至 2018年1月31日
(百万円)
自 2018年2月1日
至 2019年1月31日
(百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー17,67616,845△830
投資活動によるキャッシュ・フロー△6,657△11,311△4,654
財務活動によるキャッシュ・フロー△14,062△12,5631,498
現金及び現金同等物の増減額△3,043△7,029△3,985
現金及び現金同等物の期首残高20,63917,595△3,043
現金及び現金同等物の期末残高17,59510,566△7,029

営業活動によるキャッシュ・フローは、168億4千5百万円の収入となり、前年同期比で8億3千万円の収入減となりました。これは、黄色いビルにおいて一部フロアの返還があったことや、前期においては補償金の受取があったこと等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、113億1千1百万円の支出となり、前年同期比で46億5千4百万円の支出増となりました。これは熱海後楽園ホテルのリニューアルに基づく設備投資の増加等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、125億6千3百万円の支出となり、前年同期比で14億9千8百万円の支出減となりましたが、有利子負債の削減は順調に進んでおります。
資本の財源及び資金の流動性は、次の通りであります。
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び設備投資資金であります。
当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入れ及び社債の発行により資金調達を行っております。
なお、重要な資本的支出の予定につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであり、その資金につきましては、営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの長期借入金により賄う予定であります。

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