四半期報告書-第36期第2四半期(平成26年7月1日-平成26年9月30日)

【提出】
2014/11/13 10:09
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当企業グループの事業は、ゴルフ事業及びこれに付帯する業務の単一事業であり、また、本邦以外の国又は地域に所在する連結子会社及び在外支店等がないため、セグメント情報による記載は行っておりません。
(1)経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は「アベノミクス」と呼ばれる金融緩和や景気対策などによって、景気は穏やかな回復基調を続けていますが、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動および、円安の進行に伴う輸入原材料価格の値上がりなど不透明要因が生じています。
当企業グループが属するゴルフ業界は、景気回復に対する期待感の高まりを背景として、春先は穏やかな天候が続いたため、プレー需要は総じて安定して推移した一方、6月以降に生じた集中豪雨などによる営業日数の減少に伴い、入場者数は伸び悩みました。
このような状況の下、当企業グループは、ゴルフ場の集客に取り組む一方、2017年3月期(平成28年度)を最終年度とする新中期経営計画における基本戦略(「循環型ビジネス・モデルによるキャピタルゲイン創出」「運営受託事業拡大による安定的キャッシュ創出」)を進め、以下の経営施策に取り組みました。
(ビジネス・トラストによるアセットライト取引等及び自己株式取得の実施)
当社は、当社の経営課題であった資産効率の改善等を目的として、平成26年8月1日、ビジネス・トラストによるアセットライトに関する取引を実施し、これに伴い、シンガポールで組成されたビジネス・トラストであるアコーディア・ゴルフ・トラスト(以下、「AGトラスト」といいます。)の発行する出資証券(ユニット)は、同日付で、シンガポール証券取引所に上場されました。
また、当社は、ビジネス・トラストによるアセットライトに伴い、90コースのゴルフ場(付随する施設等を含みます。)に係る運営事業の譲渡の対価および既存貸付金等の回収金として、合計で、約1,132億円(このうち、当社が取得したビジネス・トラストのユニット(発行された全ユニットの28.85%)に係る金額約253億円については、相殺処理を行ったため、当社による現金の受領はありません。)を受領いたしました。
さらに、当社は、資本効率の改善およびこれに伴う株主資本利益率(ROE)の上昇等を目的として、公開買付期間を平成26年8月5日から同年9月1日とする自己株式の公開買付けを実施し、ビジネス・トラストによるアセットライトを通じて受領した資金の一部等をもって、同年9月29日にその決済を完了いたしました。
(ゴルフ場運営事業)
お客様にリーズナブルな価格で価値のある商品・サービスを気軽に楽しんでいただける仕組みの構築を進めると共に、ゴルフ場ブランドや当社独自のポイントプログラム、直営・提携練習場との連携強化などお客様の集客策などを進めました。当第2四半期連結累計期間におけるゴルフ場入場者数(当企業グループの保有コースおよび運営受託契約を締結しているゴルフ場の入場者数)は、437万人(前年同期間比5万人増加)となりました。
(ゴルフ場の取得とゴルフ場ポートフォリオの最適化)
数年前から進めている優良なゴルフ場を大都市圏に集約し収益基盤を強化するゴルフ場ポートフォリオ戦略に基づき、良好なゴルフ場取得案件に対して、当第2四半期連結累計期間は、ゴルフ場1コース(京都府)の取得契約を締結いたしました。なお、当第2四半期連結累計期間末現在の運営ゴルフ場数は136コース(保有43コース、ゴルフ場の運営に係る契約を締結しているコース数は93コース)となりました。
(ゴルフ練習場運営事業)
スクール運営の積極展開やゴルフ練習場主催のゴルフコンペ開催など当社ゴルフ場との相乗効果を強化いたしました。また、4月にアコーディア・ガーデン福岡を開業する一方、収益の向上が望みにくい施設を太陽光発電所の建設を目的として営業終了とした結果、当第2四半期連結累計期間末現在の運営ゴルフ練習場数は25ヶ所となりました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、当社が実施したビジネス・トラストによるアセットライトに伴い、当企業グループが保有していたゴルフ場133コースのうち90コースの運営事業を譲渡したことで、営業収益が、前第2四半期連結累計期間と比較し(以下対前年同期比という)7,610,781千円(15.6%)減少の41,319,676千円となりました。営業利益は、営業収益減少の影響を受けたこと、また本施策実施にかかった費用が発生したものの、90コースの運営事業譲渡によって営業費用が減少したこと及びグループ全体でコスト削減の取組みを行ったこと等により、対前年同期比2,448,338千円(33.5%)減少の4,870,742千円となりました。経常利益は、新規借入に伴いシンジケートローン手数料が721,750千円増加したこと及びシンガポールで組成されたビジネス・トラストであるAGトラストを持分法で連結範囲に含めたことにより持分法による投資損失が2,155,483千円増加したこと等で対前年同期比5,649,352千円(88.4%)減少の738,098千円となりました。四半期純利益は、AGアセット対象ゴルフ場90コースを保有する当社子会社の株式を匿名組合出資として現物出資し、その匿名組合出資持分を譲渡したこと等により発生した関係会社株式売却益6,180,783千円を主因として、対前年同期比859,501千円(27.5%)増加の3,990,292千円となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して104,626,405千円減少し158,334,897千円となりました。減少の主な内容は、AGトラストがシンガポールにて上場した際、そのユニットを取得したこと等により投資有価証券が20,605,954千円増加したものの、当企業グループが保有していたゴルフ場133コースのうち90コースを譲渡したこと等により、有形固定資産が119,366,078千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末と比較して57,858,541千円減少し112,900,141千円となりました。減少の主な内容は、弁済により短期借入金、1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金が合計で11,024,957千円減少したこと、社債の償還期限到来により一年内償還予定の社債が15,000,000千円減少したこと及び90コースを譲渡したこと等により入会保証金が15,462,182千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末と比較して46,767,863千円減少し45,434,755千円となりました。減少の主な内容は、新株予約権を有償発行したことにより新株予約権が140,424千円発生したものの、当第2四半期連結累計期間に自己株式の公開買付を行ったことにより、自己株式が45,000,200千円増加したこと、当第2四半期連結累計期間の四半期純利益3,990,292千円と利益剰余金からの配当5,748,271千円を差し引き利益剰余金が1,757,979千円減少したこと等によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前第2四半期連結会計期間末と比較して650,001千円増加し5,919,531千円となりました。
各活動別のキャッシュ・フローの状況につきましては以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において営業活動により使用した資金は、10,914,662千円となりました。前第2四半期連結累計期間において営業活動により得た資金は4,808,376千円であったため前第2四半期連結累計期間と比較して15,723,038千円の減少となりました。減少の主な内容は、税金等調整前四半期純利益が478,887千円増加したものの、アセットライト施策により発生した関係会社株式売却益6,180,783千円が営業活動から除外されること、及び子会社からの配当に伴い源泉税納付が発生したことを主因として法人税等の支払額が10,295,471千円増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において投資活動により得られた資金は85,351,664千円となりました。前第2四半期連結累計期間において投資活動により使用した資金は、2,427,935千円であったため前第2四半期連結累計期間と比較して87,779,600千円の増加となりました。増加の主な内容は、アセットライト施策を主因として連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が87,521,825千円増加したこと等によるものであります。
なお、ビジネス・トラストのユニットを取得した対価25,357,232千円については、当該収入より相殺されているため入金額により表示しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において財務活動により使用した資金は、前第2四半期連結累計期間と比較して70,177,863千円増加し73,112,310千円となりました。増加の主な内容は、長期借入れによる収入が47,298,000千円増加したものの、長期借入金の返済による支出が55,931,446千円増加したこと、償還期限が到来したことによる社債の償還による支出が15,000,000千円あったこと、自己株式の公開買付により自己株式の取得による支出が45,000,200千円あったこと等によるものであります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)従業員数
連結会社及び提出会社の状況
当第2四半期連結累計期間において、アセットライト実施に伴い、当企業グループはビジネス・トラスト対象ゴルフ場の運営業務に従事する当社の従業員が、AGアセットへ異動したことにより、5,639名減少しております。
なお、従業員数には臨時従業員(パートタイマー及びアルバイト)を含んでおります。
(6)生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、仕入及び販売の実績が著しく減少しております。
これは、当企業グループが保有していたゴルフ場133コースのうち90コースの運営事業を譲渡したことによるものであり、仕入実績は850,300千円(前年同期比17.7%)、販売実績は7,610,781千円(前年同期比15.6%)減少しました。
(7)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、主要な設備が著しく減少しております。これは、ビジネス・トラストによるアセットライトを実施したことにより、株式会社アコーディアAH11及び株式会社アコーディアAH12の発行済株式の全部が、AGアセットに対して匿名組合出資する方法により移転したことで、株式会社アコーディアAH11、株式会社アコーディアAH12、及び同社の完全子会社であった株式会社アコーディアAH03が保有していたゴルフ場(付随する施設等を含みます。)に係る設備が減少したことによるものであり、前連結会計年度と比べ有形固定資産が120,048,126千円(55.6%)減少しております。