有価証券報告書-第171期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/27 15:02
【資料】
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【項目】
92項目

有報資料

国内・海外を問わず、顧客のニーズは従来の広告・コミュニケーション領域を超え、顧客の事業戦略に基づいた統合的な課題解決力や、データを駆使した企画提案・実施力が求められています。それに伴い、コンサルティング業界など広告業界以外の企業と競合するケースが増えつつあり、当社グループを取り巻く競争環境は厳しさを増しています。
この競争環境の下、当社は2020年1月から純粋持株会社「株式会社電通グループ」体制に移行しました。社員ひとりひとりが、グローバルレベルで組織の垣根を越えて多様な視点を持ち寄りオープンかつフラットに繋がることで、イノベーションを活性化すること。さらに、そうした人材が当社グループ内だけでなく、外部の様々なパートナーと柔軟にチームを組むことで、顧客や社会の課題に対して、新しい価値を次々に提供していくこと。純粋持株会社「電通グループ」は、そのような多様性に富んだ自由闊達で能力本位のグループ文化を醸成するために、グループ全体のガバナンス機能を担うに留まらず、価値創造およびイノベーション創発に取り組む全てのグループ内の個社・個人をエンパワーする役割を担う「チーミング・カンパニー」として、グループ全体を下支えします。
「チーミング・カンパニー」としての初年度にあたる2020年は、組織の壁を超えた柔軟なチームづくりを行う環境の整備、事業領域拡張や新規事業立ち上げの機会の提供とサポート体制づくり、イノベーションを生み出すアイデア・エグゼキューション・マネジメントの能力を育む機会の提供、などに重点的に取り組みます。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)2020年までの連結ガイドライン
当社グループが設定した2020年までの連結ガイドラインは下記の通りです。
① 売上総利益のオーガニック成長率3%以上(2020年までの3年間のCAGR)の達成
② オペレーティング・マージンは2018年より改善
③ 株主還元については安定的な配当を堅持しつつ、今後の業績やキャッシュフローの状況を勘案した適切な利益の還元を検討
(2)国内事業
① 労働環境改革の継続的推進
社員ひとりひとりが恒常的に良好なコンディションを維持できる労働環境を整えることは、当社グループが適切に労働法規を遵守する礎となるに留まらず、多様な人材を獲得し、社員のパフォーマンスを活性化および最大化するための前提条件です。株式会社電通において、2019年度は、2017年度および2018年度に実施した労働環境改革の継続的な実行とフォローアップを実施しました。その結果、2018年度に「1,952時間」だった同社の社員1人あたり総労働時間は、2019年度には「1,903時間」に減少しました。当社グループは、社員の労働環境の改善に向けて一層積極的に取り組んでまいります。
② 国内における事業基盤の強化
(ア) デジタル領域におけるケイパビリティの強化
デジタル事業基盤の強化として2018年度に資本業務提携した株式会社セプテーニ・ホールディングス、および株式会社VOYAGE GROUPと株式会社サイバー・コミュニケーションズが統合し新たに設立された株式会社CARTA HOLDINGSを加え、株式会社電通デジタルを軸とした国内グループのデジタル領域は、2019年度に2桁成長を達成しました。両社との協働により従来の電通グループの経営資源と両社の経営資源間の連携・強化を推進でき、国内のデジタル広告領域における業界最高水準のサービス提供に向けて大きな一歩を進めることができました。引き続き、このモメンタムを継続してまいります。
(イ) 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催および成功
2019年度は、世界水泳、世界陸上、ラグビーワールドカップなどの世界的なスポーツイベントに数多く関わりました。特にラグビーワールドカップは世界から大いに注目され、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた機運は大いに高まり、当社グループにとっては、そのアクティベーションに向けた礎を構築できた1年となりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大を受け、2020年3月24日、国際オリンピック委員会と東京2020組織委員会は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を延期し、2021年夏までに開催することで合意した旨の共同声明を発表しました。当社グループは、これまで培ってきたスポーツイベントのアクティベーションやスポーツマーケティングに係る知見を総動員し、東京2020組織委員会をはじめ、関係するスポンサー企業および各種スポーツ競技団体等とも綿密に連携しながら、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催および成功に向け、グループ一丸で取り組んでまいります。
(ウ) 広告・マーケティング周辺領域および広告・マーケティング以外の領域での収益源の確保および拡大
当社グループは従来から広告・マーケティング周辺領域における収益源の拡大、および広告・マーケティング以外の新たな領域での収益源の確保に取り組んでまいりました。この数年は、顧客企業との共同事業への取り組みにも力を入れております。今後も日本社会を活性化しつつ当社の収益源を多様化する新たな領域に積極的に取り組みます。
(3)海外事業
① 事業基盤の整備
当社グループは2013年3月に英国のAegis Group plc(以下、イージス社)を買収して以降、海外事業を電通イージス・ネットワーク社の下で再編し、積極的なM&A活動を行うことでグローバルネットワークを拡充し、また、2016年度には米国のMerkle Group Inc.(以下「マークル社」)の買収によりデータアナリティクス関連の大規模なケイパビリティも獲得し、大きなトップラインの成長を実現してまいりました。
しかし、2019年度は、オーストラリア、中国、ブラジルなど複数の市場で業績が当初計画を下回って推移し、海外事業における売上総利益のオーガニック成長率は△1.9%と厳しい結果に終わりました。しかし、英国、フランス、中国、オーストラリア、ブラジルを除く2019年度の同成長率は2.5%を達成しております。
この結果を踏まえ、今後も着実に収益を拡大しつつオペレーティング・マージンを改善すること、また、急速に変化する当社グループを取り巻く競争環境に柔軟に対応できる事業基盤を整備することを目的として、昨年12月から海外の課題市場(オーストラリア、ブラジル、中国、フランス、ドイツ、シンガポール、英国)で構造改革に着手しました。この構造改革を着実に実行し、海外事業の強靭な事業基盤を構築してまいります。
② 海外事業を取り巻く競争環境への対応
従来、当社グループの海外事業は広告業界におけるメガエージェンシー・グループと競合関係にありましたが、この数年間で、国内事業と同様に他業種との新たな競争環境が生じています。顧客からの広告・マーケティング活動の効率化・最適化の要求が強まり、消費者ひとりひとりにカスタマイズしたマーケティング・ソリューションへの要求が高まる中、データアナリティクス領域、ユーザーエクスペリエンス(UX)・カスタマーエクスペリエンス(CX)領域、コンサルティング領域の企業と競合するケースが増えております。
この競争環境の下で当社グループの提供サービスが市場をリードし続けるために、海外事業をクリエーティブ、メディア、CRMの3つの事業ユニット(ライン・オブ・ビジネス)に再編しました。顧客に対して、クリエーティビティとデータ・テクノロジーの活用を組み合わせた統合的ソリューションを提供できるシンプルかつ柔軟な体制を整えることで、今後の顧客ニーズの変化に万全の対応を行ってまいります。
なお、2019年度は、マークル社のオフショアのケイパビリティ強化を目的として、従業員約1,800人を擁するインドのデータアナリティクス会社「Ugam Solutions Private Limited(ウガム社)」を買収するなど、とりわけCRMユニットの強化に注力しました。
最後になりますが、当社グループはグローバルでの社会課題にも引き続き取り組んでいます。
2019年6月にはG20(持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合)が開催され、気候変動、生物多様性の損失、資源効率性、持続可能な消費と生産、などについてのアクションプランが示されました。いまやこうしたグローバルレベルの社会課題の克服なしには、企業の持続的な成長は実現できない状況に至っており、それに伴い企業も社会との新たな関係性を模索する必要に迫られています。
当社グループが事業として手掛けるマーケティング・コミュニケーション領域は、企業と生活者をつなぐ懸け橋の役割を担うものとして、大きな社会的使命を帯びています。生活者に持続可能性のある消費行動を促すとともに、責任あるコミュニケーションを実践するなど、「ESG(環境、社会、ガバナンス)」の観点を重視して企業経営にあたることは必要不可欠であり、また、「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals: SDGs)への実現にも貢献できるものと捉えています。
今後も、コミュニケーション領域のグローバル・リーディンググループにふさわしい活動を強化して、企業価値の向上に取り組んでいく方針です。
当社グループの環境負荷低減活動、ダイバーシティ&インクルージョン対応、責任あるコミュニケーション・コンテンツ制作方針、SDGsアクションなど、個別活動の詳細については、「電通統合レポート」(https://www.group.dentsu.com/jp/sustainability/reports/)をご覧ください。

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