有価証券報告書-第53期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/23 14:25
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136項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 当社を取り巻く事業環境と対処すべき課題
国内のITサービス市場は、さらなるクラウド化の進行、デジタル化やDXの加速等により、企業のIT戦略、IT投資に質的変化が生じ、ビジネスとITとの関係が一層密接になっております。また、Withコロナ時代における感染防止と経済活動を両立した、いわゆる「ニューノーマル(新常態)」な日常を実現する上で、デジタル技術の有効活用が重要なファクターになってきております。
ITサービスに求められる人材像は「課題解決型」から「価値創造型」へと変化し、顧客企業も含めたIT人材の獲得競争が激化すると考えております。顧客企業においてもDXの加速に伴い、業界を越えた共通サービス、融合サービスの提供が拡大していくなかで、顧客企業自身が内製化へシフトする傾向が予測されます。
このような事業環境の変化のなか、企業が持続的な成長を果たしていくためには、より長期的な視点から社会の本質的な変化を捉える必要があります。したがって当社グループが掲げる「夢ある未来を、共に創る」の経営理念に立ち返り、「サステナビリティ経営」を実践していく上で、優先的に取り組む領域を決めて共有するために「マテリアリティ(重要課題)」を策定し、当該方向性を踏まえた2030年の目指す姿としてのグランドデザイン、実現のステップとしての中期経営計画を2020年4月に発表いたしました。

<マテリアリティ>当社グループの事業と当社グループならではの強み、社会に対して果たすべき役割から、以下7つのマテリアリティを策定しております。
社会課題解決を通じた持続的な事業成長持続的な成長を支える基盤
・ 豊かな未来社会の創造
・ 安心・安全な社会の提供
・ いきいきと活躍できる社会の実現
・ 地球環境への貢献
・ 多様なプロフェッショナルの活躍
・ 健全なバリューチェーンの確立
・ 透明性の高いガバナンスの実践

<グランドデザイン2030>経営理念とマテリアリティを当社グループの存在意義と定義した上で、社会と共に持続的発展を目指し、「2030年 共創ITカンパニー」を実現いたします。
コア事業であるITサービスによって顧客企業や社会への価値提供を拡大するとともに、自らも主体的に価値創出に取り組み、顧客企業や社会と共に成長してまいります。また、2030年 売上高1兆円に挑戦いたします。

<中期経営計画(FY2020~2022)>「2030年 共創ITカンパニー」の実現に向けて、最初のステップとして、以下の3つの基本戦略と経営基盤強化により、グローバルベースでの事業拡大を目指してまいります。

⦅基本戦略⦆
① 事業革新 - コア事業において、業務プロセスと顧客接点の革新で競争優位を確立
② DX事業化 - 顧客・異業種・グローバル共創により新たな事業を創出
③ 人財投資 - 高度化・多様化・拡充で事業成長を加速
⦅経営基盤強化⦆
① グループ総合力強化
② 人を活かす経営の推進
③ 共創の企業文化づくり
⦅投資⦆
将来の成長に繋げるべく、積極的な投資姿勢を継続(3年間合計:1,000億円レベル)
⦅経営指標⦆
持続的な事業の拡大と、さらなる大きな成長に向けた挑戦を通じ、企業価値の向上を目指すという観点から、以下を経営指標とします。
- 売上高 5,000億円以上
- 営業利益率 10.0~12.0%
- ROE 15.0%以上
※中期経営計画期間中のROIC維持目標レベル:10~12%
(2) 中期経営計画の進捗
<基本戦略>(ⅰ) 事業革新
当社グループの持続的成長に向けた、コア事業の継続的な高度化・拡大が必要であることに加えて、「2025年の崖」で示された企業のシステム課題として挙げられる、レガシーシステム問題やシステムの個別最適化によるデータ連携・利活用の停滞、IT技術者不足等に対して、ITサービスを提供する企業グループとして、その解決を強力に支援してまいります。当社グループでは、コア事業を以下2つの視点で革新し、業務プロセスと顧客接点を強化することで、そのニーズに応え、競争優位性を確立してまいります。
① 「ものづくり革新」
2020年4月にリリースいたしました、自社開発のものづくり革新プラットフォーム「S-Cred+(Smart Co-work on Relationship , Engineering and Design Plus)」を核として、サービスの生産性・品質・柔軟性の向上に取り組み、ビジネス変化への対応スピードの向上やサービスモデルの多様化、SOE・SORシステムの最適化を推進しております。
② 「分室革新」 ※分室:顧客先の常駐拠点
「現場重視」を掲げる当社グループの大きな特徴でもあり、強みである「分室」のビジネスを、「常駐型」から、顧客企業のビジネス・IT戦略を支える「価値共創型」に転換してまいります。
顧客企業には、戦略・ニーズを深耕する「サービスマネージャ」と、ビジネスの変化に迅速かつ最適なサービスを提供する「高度技術者」の配置を進め、顧客接点を強化、また、分室と当社拠点との連携を強化しながら、顧客企業との共創ステージへの進化の実現に取り組んでおります。
(ⅱ) DX事業化
昨今のデジタル技術の革新を受け、顧客企業においては、これを活用した事業競争力の強化や、事業モデル変革を企図した攻めのIT投資需要が拡大し、さらには、業界の壁を越えた企業間共創によって、従来の枠組みにとらわれず、新たな事業やサービスを生み出そうとする動きが活発化しております。このような市場変化を当社グループのさらなる成長への機会と捉え、コア事業の強みを活かしつつも、自らが主体となり、「共創」により、社会への新たな価値の創出を実現する事業に挑戦しております。
DX事業化の実現に向けてのアプローチとして、「顧客との共創」「業界をターゲットとした異業種共創」「住友商事㈱等とのグローバル共創」の3つに着目して取り組んでおり、現時点では「モビリティ」「金融サービスプラットフォーム」「ヘルスケア」「カスタマーエクスペリエンス」の4領域を重点領域として、各領域における社会課題に対して、新たな価値を生み出す事業創出に取り組んでおります。なお、2021年4月には、本取組みを加速するため、新規事業の創出に注力・特化する「ビジネスデザイングループ」を新設し、ヘルスケア領域、カスタマーエクスペリエンス領域を担当する組織を設置しております。
<取り組み例>・モビリティ
当社は、日系自動車メーカー、サプライヤにおける車載システム開発での豊富な開発実績を有しており、開発の品質や効率を高めるモデルベース開発(MBD)にいち早く着手したこともあり、年々事業を拡大しております。また、車載ソフトウェアの標準アーキテクチャ規格である「AUTOSAR(オートザー)」に準拠する、リアルタイムOS搭載の国産BSW「QINeS BSW(クインズ ビーエスダブリュー)」を独自開発し、2015年10月から製品販売及び構築支援サービスの提供を実施しております。こうした車載システム開発・検証で培った知見・実績とコネクティッド/テレマティクス事業におけるサービスを融合し、MaaS領域でのDX事業の展開に取り組んでおります。
・金融サービスプラットフォーム
一般消費者の資産形成・運用をサポートする専門的な資産運用アドバイスに対する需要の高まりを受け、今後中長期的に増加が見込まれるIFA(独立系金融アドバイザー)事業者や、生命保険会社、保険代理店、地域銀行等の参入が見込まれる金融商品・サービス仲介事業者に対し、どの金融機関にも依存しない中立的な事業支援プラットフォームを構築・運営することを目指し、日本版TAMP(Turnkey Asset Management Platform)事業に取り組んでおります。まずは、2021年上半期を目処に、米国の代表的TAMP事業者とのパートナーシップを通じ、その既存ツールを日本向けに改修する形で、金融商品・サービス仲介事業者向けシステムソリューションの提供を開始する予定で取組みを進めております。
・ヘルスケア
製薬会社向けに2021年1月から、医薬品流通・処方情報提供サービス「Pharmacy-Scope(ファーマシースコープ)」の提供を開始いたしました。同サービスは、調剤薬局の「入庫」「処方」「在庫」に関する情報を一気通貫で、かつリアルタイムで提供するものとして、2020年9月から一部大手製薬会社に先行導入しております。
・カスタマーエクスペリエンス
2020年12月からDX時代に求められる顧客接点の高度化に特化したサービス「altcircle(オルトサークル)」の提供を開始いたしました。同サービスは集客・接客・販売といった顧客接点において、コンサルティング、システム、運用支援、アウトソーシング等をワンストップで提供するものです。最高の顧客体験を実現するための最適なサービスをスピーディーに提供することにより、デジタルシフト、顧客ビジネスの拡大に寄与いたします。
(ⅲ)人財投資
当社グループの最大の財産かつ、成長の原動力は「人/社員」であります。人材の高度化・多様化・拡充の観点で、社員への投資を積極的に行い、事業成長を加速してまいります。なお、2020年7月1日付で、能力・役割に見合った報酬水準への移行と、高い専門性を有する高度人材の獲得を目指し、当社の人事制度を刷新しております。国内の人材拡充においては、地方拠点での採用をより積極的に拡大し、雇用創出や、UIターン促進、IT人材育成等により、地方創生にも力を注いでまいります。
<経営基盤強化>3つの基本戦略を推進する経営基盤の強化として、以下の3つに取り組んでおります。
①「グループ総合力強化」
当社グループがもつ多様なリソース・知見を組み合わせ、高い価値を生み出し、他社には真似のできない総合力を発揮いたします。
②「人を活かす経営の推進」
マテリアリティで掲げる「いきいきと活躍できる社会の実現」を当社グループでも実現いたします。これまでの健康経営や働きやすさの追求に加え、働きがいの推進やエンゲージメントの向上に取り組んでまいります。
③「共創の企業文化づくり」
当社グループが主体的に「繋げる・融合する」ことを推進していく文化を築き、「共創」による価値創出を実現する企業グループを目指してまいります。
<取り組み例>グループ再編による新たなマーケットの開拓として、当社の完全子会社である㈱MinoriソリューションズがWinテクノロジ㈱と㈱CSIソリューションズを吸収合併すること、及び㈱Minoriソリューションズの九州地域向け事業を吸収分割によりSCSK九州㈱に移管することを当社の取締役会において決議し、2021年3月25日に発表しております。当社グループの対象顧客層として、拡大余地のある中堅企業においては、デジタル化、働き方改革、危機管理等のIT活用の本格化、加えてWith/Afterコロナに伴うビジネスモデル変革を目的としたIT投資需要の拡大が見込まれます。当該市場に対し当社グループは、蓄積した各種資産・多様なリソースや知見を元に、事業拡大の対象分野として本格的に取り組み、日本経済の持続的成長に不可欠な同市場の健全な発展に貢献してまいります。
また、デジタル社会に求められる経営のスピード感への対応、戦略のダイナミック化、意思決定の迅速化、組織間の共創促進等を目的に、2021年4月1日に組織体制を改編いたしました。当社グループの中核事業を担う事業グループを「CORE事業グループ」、次世代の中核事業となるべく事業化に取り組む事業グループを「NextCORE事業グループ」と定義・設定し、中期経営計画の取組みを一層加速させてまいります。

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