四半期報告書-第36期第3四半期(平成27年3月1日-平成27年5月31日)

【提出】
2015/07/14 9:58
【資料】
PDFをみる
【項目】
28項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間の家庭用ゲーム業界におきましては、平成26年の国内家庭用ゲーム市場規模が前年度比約10%減の4,039億円(株式会社KADOKAWA・DWANGO調べ)で推移した一方で、「ニンテンドー3DS」向けを中心に複数の有力タイトルが安定した人気を博したほか、「Newニンテンドー3DS/3DS LL」の販売が順調に推移するなど、活発な動きも見られました。また、「プレイステーション4」が欧米において引き続き好調に推移するとともに、国内でも複数の有力タイトルの発売が予定され、省電力化・軽量化を実現した同機の新型機の投入も発表されるなど、今後の普及拡大が期待される状況となりました。
モバイル業界におきましては、平成27年3月末における国内のスマートフォン契約数が6,850万件、スマートフォンとフィーチャーフォンの合計契約数に占める比率が54.1%に拡大した中(株式会社MM総研調べ)、平成26年の国内ゲームアプリ市場規模が前年度比約18%増の7,154億円(株式会社KADOKAWA・DWANGO調べ)となるなど、スマートフォン向けゲーム市場の成長が続きました。また、ライフスタイル、健康、ビジネス、教育といったゲーム以外の幅広い分野でもコンテンツの市場競争が過熱する中、スマートフォンの高い性能を活かしてリッチなコンテンツを楽しめるネイティブアプリやネットワーク上で提供されるコンテンツが拡大し、これらの開発や運営に必要な人材の不足が、スマートフォン向けコンテンツ市場全般において引き続き顕著となりました。
当社グループは、こうした事業環境の変化を成長機会と捉え、当社グループの強みである技術力・開発力を活かした企画・提案力を通じて幅広いクライアントの需要にタイムリーかつ柔軟に対応しました。また、東南アジア向けコンテンツ配信事業においては、早期収益化と事業規模の拡大に向けて、国内でキャラクターやアニメなど有力なIP(知的財産)を保有するクライアントのコンテンツ展開をトータルにサポートすることで、配信サービス及びコンテンツの充実に注力するとともに、新たな配信先の準備やフィリピン現地子会社の開発体制の増強に取り組みました。
この結果、当第3四半期連結累計期間におきましては、ゲームソフト開発事業において顧客による開発スケジュールの変更により、開発完了時期が第1四半期から当第3四半期にずれ込んだパチンコ・パチスロ案件の部分作業や、第2四半期から当第3四半期にずれ込んだ据置型ゲーム機のマルチプラットフォーム向け大型案件の開発業務が発生しましたが、いずれも当第3四半期に完了することができたことに加えて、顧客による仕様追加に伴って開発売上が増加した案件が複数発生しました。また、モバイル開発事業において当期に受注したスマートフォン向け大型案件で試作版の開発売上を計上したことや、ゲームソフト開発事業及びモバイル開発事業におけるロイヤリティ売上が好調に推移した結果、売上高は当初の想定を上回り、35億90百万円(前年同四半期比5.7%減)となりました。
利益面につきましては、新規事業において先行投資の実施と事業の進展に遅れが発生し、収益が想定よりも下回った結果、営業利益は2億64百万円(前年同四半期比23.5%減)となりました。一方で、円安の進行に伴って当社が保有する外貨建資産の為替差益など、営業外収益が想定以上に発生したことにより、経常利益は4億33百万円(前年同四半期比17.2%増)、持分変動利益などの発生により四半期純利益は2億71百万円(前年同四半期比64.1%増)となりました。
なお、開発完了タイトル数は、家庭用ゲーム機向け9タイトル、パソコン向け5タイトル、パチンコ・パチスロ向け2タイトル、アミューズメント向け1タイトル、携帯端末向け10タイトルの合計27タイトルとなりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。
①ゲームソフト開発事業
ゲームソフト開発事業におきましては、引き合い件数の増加など受注環境が良好に推移する中、顧客による開発スケジュールの変更により、開発完了時期が第1四半期から当第3四半期にずれ込んだパチンコ・パチスロ案件の部分作業や、第2四半期から当第3四半期にずれ込んだ据置型ゲーム機のマルチプラットフォーム向け大型案件の開発業務が発生しましたが、いずれも当第3四半期に完了できたことや、顧客による仕様追加に伴って開発売上が増加した案件が複数発生した結果、開発売上は24億20百万円となりました。
運営売上につきましては、第1四半期に開始したスマートフォン向けゲームの運営業務が順調に推移した結果、30百万円となりました。
ロイヤリティ売上につきましては、過年度に開発完了したタイトルを中心に好調に推移した結果、35百万円となりました。
この結果、当事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は24億86百万円(前年同四半期比9.5%減)となり、営業利益は3億49百万円(前年同四半期比5.2%減)となりました。
②モバイル開発事業
モバイル開発事業におきましては、スマートフォン向けコンテンツの旺盛な開発需要を背景に、開発業務は概ね計画通りに推移し、当期に受注したスマートフォン向け大型案件において試作版の開発売上を計上できた結果、開発売上は4億71百万円となりました。
運営売上につきましては、顧客による開発スケジュールの変更により運営業務の開始時期が第1四半期から第2四半期にずれ込んだ大型案件があったことや、既存の非ゲーム系スマートフォン向け案件の運営売上が当初の想定を下回った結果、2億88百万円となりました。
ロイヤリティ売上につきましては、スマートフォン向けコンテンツのロイヤリティ売上が好調に推移した結果、1億11百万円となりました。
この結果、当事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は8億71百万円(前年同四半期比8.9%増)、営業利益は1億34百万円(前年同四半期比16.4%増)となりました。
③その他事業
その他事業におきましては、パソコン向けアバター制作業務が堅調に推移したものの、その他のコンテンツ開発の受注状況が低調に推移した結果、開発売上は1億19百万円となりました。
運営売上につきましては、子会社の株式会社フォネックス・コミュニケーションズが展開するスマートフォン向けコンテンツ配信サービス「テイクアウトライブ/Take Out Live※」において、音楽及びエンターテイメント業界の大型コンサートなどでリピート採用及び新規採用の実績を拡大したほか、ブライダル業界など様々な業種での採用を進めることができた結果、47百万円となりました。
ロイヤリティ売上につきましては、「Wii U」向け家庭用カラオケ楽曲配信事業を中心として、65百万円となりました。
この結果、当事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は2億32百万円(前年同四半期比9.9%減)となりました。また、東南アジア向けコンテンツ配信事業においては、クライアントの有力IPを用いた複数のスマートフォン向けコンテンツの配信を順次開始するなど進展が見られたものの、こうした新規事業の推進にかかる費用が先行していることから、営業損失2億19百万円(前年同四半期は営業損失1億38百万円)となりました。
※テイクアウトライブ/Take Out Live…コンサートやイベントなどのライブ映像や楽曲をイベント終了後すぐにスマートフォンにダウンロードし、視聴できるサービス。


(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産残高は、前連結会計年度末と比較して7億47百万円増加し、74億70百万円となりました。資産の部におきましては、繰延税金資産が減少したものの、現金及び預金、売掛金、有価証券、仕掛品などが増加したことにより、流動資産が7億74百万円増加しております。また、退職給付に係る資産などの増加があったものの、有形固定資産の償却による減少や投資有価証券などが減少したことにより、固定資産が26百万円減少しております。
負債につきましては、未払法人税等などが減少したものの、買掛金、前受金、賞与引当金及び役員賞与引当金などが増加したことにより、前連結会計年度末と比較して5億71百万円増加し、16億55百万円となりました。
純資産につきましては、配当金の支払いにより、利益剰余金の減少があったものの、四半期純利益の計上、その他有価証券評価差額金の変動及びストック・オプションの行使に伴う自己株式の減少などにより、前連結会計年度末と比較して1億76百万円増加し、58億15百万円となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の総額は3,564千円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。