有価証券報告書-第29期(平成29年7月1日-平成30年6月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(平成29年7月1日~平成30年6月30日)におけるわが国経済は、雇用情勢や所得環境、企業収益に改善傾向が見られ、緩やかな回復基調にあるものの、米国や欧州の政治情勢の不安定さや地政学的な不安の高まりなど、不確実性が増しており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する美容業界におきましても、先行きの不安感などに起因する顧客の節約志向は少なからず影響を及ぼしており、それは来店周期の長期化、低価格サロンの増加による店舗間競争の激化等を招いております。また、美容業界はオーバーストア状態にあるなかで美容専門学校生は減少傾向にあり人材確保が業界全体の課題であり、経営環境は厳しい状況にあります。しかしながら一方では、男性顧客の美容室の利用率の増加、アジアをはじめとする海外での日本の美容サービス・商品に対するニーズは高まっております。そして近年髪に悩みを抱える顧客は増加傾向にあり、その期待に応えることができる信頼と専門性を備えたサロンの需要は増加することが見込まれます。
また、本年、当社グループが展開する「モッズ・ヘア」は、ブランド誕生50周年、日本上陸40周年の佳節を迎えることができました。これもひとえに株主様、お客様をはじめとする全てのステークホルダーの皆様のご支援の賜物と深く感謝いたします。これを機に更に皆様に必要とされるブランドとしての成長、且つ前連結会計年度より注力しておりますモッズ・ヘアサロン運営事業の再建の継続により経営基盤の強化を図ってまいります。
このような状況のもと、 当社グループは、安易な安売り競争に走ることなく、従来通り教育により高い技術を有するスタッフを育成し、質の高いサービスを提供し続けることに重点を置いております。選別消費の傾向が強まるなか、当社がターゲットとする顧客層においては、ヘアケアサービス、ホームケア製品やヘアデザインの再現性を高めるスタイリング製品の購入件数増加など顧客単価は着実に上昇しております。しかし今後収益性を高める上では、リピート回数を増やし顧客として定着する割合を向上させなければなりません。こちらは、従前よりSPC(サービス・プロフィット・チェーン)のフレームワークに基づき、従業員満足度と顧客満足度を同時に高めることにより店舗の収益力を更に向上させるプログラムに取り組んでおり、今後もこれを継続してまいります。そして近年当社グループの新たな取り組みであるメンズ専門ヘアサロンは、既存のモッズ・ヘアサロンに比べ顧客単価は低いものの新たな顧客層の獲得につながっております。このメンズ専門ヘアサロンは直営サロン・BSサロンを問わず需要が高まることが見込まれます。また、業界全体においては美容師の人材不足により大型サロンを維持できず閉店するサロンや後継者不在のため閉店するサロンが増加しております。これは当社のBSサロンにおいても例外ではありません。当社グループのBSサロン運営事業においては、既存BSサロンの健全経営をサポートするとともに、業界を取り巻く環境を見極め戦略的な新規出店を実現することが重要な課題であります。
当連結会計年度の売上高につきましては、直営サロン運営事業、BSサロン運営事業、ヘアメイク事業、美容室支援事業の各セグメントが増収となり、グループ全社の売上高も増収となりました。
営業利益につきましては、前連結会計年度よりモッズ・ヘアサロン運営事業の再建に注力しており、直前2期連続でセグメント損失であった直営サロン運営事業の収益が大きく回復し黒字転換いたしました。また、美容室支援事業も堅調に推移し増益となりました。
経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、営業利益の増益を受けいずれも増益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,071,050千円(前連結会計年度比11.2%増)、営業利益41,508千円(前連結会計年度は営業損失39,255千円)、経常利益42,014千円(前連結会計年度は経常損失67,472千円)、親会社株主に帰属する当期純利益25,864千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失127,431千円)となりました。
また、財政状態の状況につきましては、次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ175,363千円増加し、1,538,929千円となりました。負債につきましては、前連結会計年度末に比べ149,524千円増加し、926,768千円となりました。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ25,838千円増加し、612,160千円となりました。
事業の概況につきましては以下のとおりであります。
(直営サロン運営事業)
日本全国に展開するBSサロン(フランチャイズサロン)のフラッグシップサロンとして、首都圏主要地域を中心に直営サロン15店舗(モッズ・ヘアサロン14店舗、その他1店舗)を展開しております。当連結会計年度におきましては、平成29年8月にモッズ・ヘア自由が丘店を閉店いたしました。
当連結会計年度の業績につきましては、不採算店舗であったモッズ・ヘア自由が丘店の閉店、前連結会計年度より取り組んでいるモッズ・ヘアサロン運営事業の再建策が売上高の伸び、収益性の改善に表れた結果、前年同期に比べ増収増益となりました。
直営サロン運営事業の当連結会計年度の業績は、売上高1,187,236千円(前年同期比8.9%増)、セグメント利益19,447千円(前年同期はセグメント損失48,114千円)となりました。
(BSサロン運営事業)
「モッズ・ヘア」では、本部、加盟店という従来のフランチャイズ関係ではなく、共に一つのブランドをシェアするという意味で、ブランドシェアサロン、BSサロンと呼んでおります。当連結会計年度において国内では閉店3店舗、海外におきましては、韓国ではオープン5店舗、閉店3店舗、中国では17店舗をオープンし、9店舗を閉店いたしました。その結果、当連結会計年度末日現在におきまして、国内49店舗、韓国25店舗、台湾3店舗及び中国22店舗の計99店舗となっております。
当連結会計年度の第2四半期連結会計期間より新体制のもと国内BSサロンの減少に歯止めをかけるべく既存店のフォローと新規開拓に注力しております。また、既存コンテンツ強化策の一つとしてWEB通販における販路の拡大を図ってまいりました。当該WEB通販の売上高は伸びましたが、収益面では広告宣伝費等の先行コストを回収するに留まりました。
当連結会計年度の業績につきましては、BSサロン運営事業の当連結会計年度の業績は、売上高556,753千円(前年同期比18.5%増)、セグメント利益178,970千円(前年同期比0.5%減)となりました。
(ヘアメイク事業)
当社は、「モッズ・ヘア」の原点であるフランス・パリのスタジオワーク専門のヘアメイクチームのプロフェッショナル精神を引き継いだ「モッズ・ヘア」ヘアメイクチームを有しております。
当社のヘアメイクチームは、ヘアメイクアーティストのエージェンシーとして「パリコレクション」や「東京コレクション」等への参加やCM・ファッション雑誌など年間2,000件を超える媒体を手掛けるなど、国内及び海外で高い評価を得ております。
ヘアメイク事業におきましては、売上高はスタジオ部門及びメディア部門は好調に、ブライダル部門は堅調に推移しました。また、将来の業績向上に向けたスタッフの増員により費用が先行したため、当連結会計年度の業績は、ヘアメイク事業の当連結会計年度の業績は、売上高365,990千円(前年同期比1.5%増)、セグメント利益26,827千円(前年同期比8.5%減)となりました。
(美容室支援事業)
当社グループでは、日本国内でのモッズ・ヘアサロンの事業展開を通じて、様々なスケールメリットが創出されます。それをサービス化したクレジット手数料軽減サービス、株式会社ティビィシィ・スキヤツトとの提携による美容サロン向けPOSレジ顧客管理システムを一般のサロンに提供する等の美容室支援事業を行っております。
美容室支援事業の主力であるクレジット手数料軽減サービスの契約件数、取扱高は堅調に推移しており、加えて美容サロン向けPOSレジ顧客管理システムの販売も寄与し、当連結会計年度の業績は、売上高72,336千円(前年同期比5.3%増)、セグメント利益26,529千円(前年同期比29.3%増)となりました。
②キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローがプラスとなる一方、財務活動及び投資活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなり、295,170千円(前連結会計年度比35.2%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は113,983千円(前連結会計年度は使用した資金24,317千円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益42,411千円、減価償却費38,177千円、のれん償却額15,793千円、未払消費税等の増加10,028千円、リース投資資産の減少11,200千円及び法人税等の支払額14,490千円などによるものであります。
(投資活動におけるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は23,072千円(前連結会計年度は使用した資金44,616千円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出4,082千円、差入保証金の差入による支出25,639千円及び差入保証金の回収による収入6,901千円などによるものであります。
(財務活動におけるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は14,000千円(前連結会計年度は使用した資金36,749千円)となりました。これは社債の償還による支出14,000千円によるものであります。
③生産、仕入及び販売の状況
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 直営サロン運営事業 | 114,477 | 3.6 |
| BSサロン運営事業 | 66,638 | 20.6 |
| ヘアメイク事業 | 4,355 | △28.4 |
| 合計 | 185,471 | 8.0 |
(注) 1 金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 直営サロン運営事業 | 1,187,236 | 8.9 |
| BSサロン運営事業 | 445,487 | 30.0 |
| ヘアメイク事業 | 365,990 | 1.5 |
| 美容室支援事業 | 72,336 | 5.3 |
| 合計 | 2,071,050 | 11.2 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日時点において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発事象の開示項目、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断は、その実質価額の判断、将来需要や市況予測、各種統計数値の前提設定及び実現可能性等様々な要因を考慮して行っておりますが、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき行っているため、実際の結果とは異なる場合があります。
②財政状態の分析
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ175,363千円増加し、1,538,929千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加76,858千円、未収入金の増加151,338千円、のれんの減少15,793千円及び差入保証金の減少19,429千円などによるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ149,524千円増加し、926,768千円となりました。主な要因は、社債の償還による減少14,000千円、未払金の増加152,615千円、未払消費税等の増加10,028千円などによるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ25,838千円増加し、612,160千円となりました。主な要因としましては、親会社株主に帰属する当期純利益25,864千円などによるものであります。
③経営成績の分析
当連結会計年度の概要は「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりでありますが、そのポイントは主に次のとおりであります。
売上高は、2,071,050千円と前連結会計年度に比べ208,800千円増加(前連結会計年度比11.2%増)いたしました。主な要因としては、直営サロン運営事業及びBSサロン運営事業の増収によるものであります。直営サロン運営事業においては、前連結会計年度より取り組んでいる再建策の成果が既存店の増収として表れ、前年連結会計年度に比べ96,873千円増加(前連結会計年度比8.9%増)いたしました。BSサロン運営事業においては、既存コンテンツの強化策の一つとしてWEB通販における販路の拡大を図ったこと等により前連結会計年度に比べ86,841千円増加(前連結会計年度比18.5%増)いたしました。なお、ヘアメイク事業及び美容室支援事業も前連結会計年度に比べ増収となり、全セグメントが増収となりました。
営業利益は、41,508千円と前連結会計年度に比べ80,763千円増加いたしました。これは主に直営サロン運営事業と美容室支援事業の増益によるものであります。直営サロン運営事業におきましては、不採算店舗の閉鎖とともに前述の再建策の成果が生産性の向上など収益性の改善に表れた結果、前連結会計年度に比べ67,561千円増加いたしました。美容室支援事業におきましては、主力であるクレジット手数料軽減サービスが堅調に推移したことに加え、美容サロン向けPOSレジ顧客管理システムの販売が寄与し増収となったことが増益につながり、前連結会計年度に比べ6,014千円増加(前連結会計年度比29.3%)いたしました。
経常利益は、42,014千円と前連結会計年度に比べ109,486千円増加いたしました。これは主に前述の営業利益の状況に加え、前連結会計年度において営業外費用に計上した貸倒引当金繰入額が一時的なものであったことによるものであります。
親会社株主に帰属する当期純利益は、25,864千円と前連結会計年度に比べ153,295千円増加いたしました。これは主に前述の経常利益の状況に加え、特別損失の計上額が前連結会計年度に比べ36,123千円減少したこと、法人税等調整額の計上額が9,804千円減少したこと等によるものであります。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、店舗運営に係る人件費や地代家賃等の経費支払、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、主に店舗に関わる設備投資等であります。これらの資金需要は主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金で賄うことを基本としており、資金調達を行う場合には、経済情勢や金融環境を踏まえ、あらゆる選択肢の中から当社グループにとって最適な方法で行いたいと考えております。