有価証券報告書-第23期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

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2014/06/18 15:03
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業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における我が国経済は、輸出や設備投資の持ち直しに加え、年度末には消費税率引上げに伴う駆け込み需要の影響もあり、全体的に緩やかな回復基調が続きました。
当社グループが属するICTサービス業界においては、景況感の回復に伴いIT投資も上向き傾向にあるものの、競合他社との競争は激しさを増しており、当社をとりまく経営環境は引き続き厳しい状況が継続しました。
このような中、当社グループは当連結会計年度より新中期経営計画(平成26年3月期~平成27年3月期)をスタートさせました。本計画においては、事業規模の拡大に必要と考える4つの基本戦略(営業力の強化、新ソリューション開発の強化、生産性の向上、収益基盤の改善)を中心に据えており、企業変革を図りながら経営を推進しています。
営業力の強化においては、顧客の事業特性に合わせた新たな組織体制によって、顧客ニーズの掘り起こしと積極的な提案活動を展開しました。
新ソリューション開発の強化においては、独自性のあるサービスを有する金融及びコンタクトセンター分野で、クラウドに対応した新ソリューションを提供開始しました。また、流通分野においてはビッグデータ(※1)を活用した需要予測ソリューションや、スマートフォンのWi-Fi電波から位置情報を把握するサービスを提供開始しました。
収益基盤の構築に向けては、医療・バイオ分野での新ビジネス立ち上げや海外での販売網構築、及びクラウド型ファイル共有サービスの国内提供に向けた米国企業との関係強化を図りました。また、東南アジアにおけるエネルギーマネジメント(※2)ソリューション拡販に向けた業務提携、及びベトナムにおけるネットワーク設備の検証やモバイルアプリケーション開発の受託サービス開始に取り組みました。
しかしながら、新ソリューション開発や新規事業立ち上げに遅れが見られたことに加え、事業の選択と集中による変革が進まなかったこと等により、当初の目標を達成することが出来ませんでした。
当連結会計年度においては、主要顧客向けの売上高減少の影響に加え、システム構築及びネットワーク構築の大型案件減少等の影響を受けた結果、売上高は459億91百万円(前年同期比4.7%減)となりました。利益面においては、売上高減少に伴う売上総利益の減少、及び営業体制の強化による販売費増加により、営業利益は11百万円(同99.4%減)、経常利益は1億49百万円(同92.8%減)、当期純利益は2億3百万円(同83.5%減)となりました。
当連結会計年度における当社グループのセグメント別売上の内訳と概況については、以下のとおりです。
区分当連結会計年度
(自 平成25年4月1日
至 平成26年3月31日)
金額(百万円)構成比(%)
インダストリーサービス35,42977.0
ソリューションサービス8,86419.3
テクニカルサポートサービス6511.4
その他1,0462.3
合計45,991100.0

インダストリーサービス
商社営業部門は、三井物産向けの案件縮小などに伴い計画を下回りました。金融営業部門は、新ソリューションの投入など市場開拓に努めたものの、計画達成には至りませんでした。通信・公共営業部門は、通信キャリア向けの売上高は減少しましたが、地方案件を含むネットワーク構築ビジネスは堅調に推移しました。新たな案件獲得を目標に掲げた流通・不動産および産業営業部門は、積極的な提案活動を推進したものの新規大型案件の獲得には至らず、計画を大幅に下回りました。これらの結果、売上高は354億29百万円となりました。
ソリューションサービス
コンタクトセンターシステム構築を始めとする次世代コミュニケーション事業は、大型案件を中心に堅調に推移しましたが、新サービスのクラウド型コンタクトセンターサービス案件は獲得に遅れが見られました。データセンターやクラウドサービス等のIT基盤サービス事業は、メガソーラ-(※3)設備の遠隔監視サービスの受注が期ずれしたことにより、期初の計画を下回りました。これらの結果、売上高は88億64百万円となりました。
テクニカルサポートサービス
子会社において保守・運用案件を予定どおり獲得出来たことから、ほぼ計画どおりとなりました。その結果、売上高は6億51百万円となりました。
その他
海外事業においてはアジア地域におけるエネルギーマネジメントソリューションの拡販、新規事業分野ではビジネス立ち上げにそれぞれ遅れが見られたことから、期初の計画を下回りました。その結果、売上高は10億46百万円となりました。
なお、当連結会計年度からセグメント区分を変更したため、各セグメントの前年同期との金額比較は記載しておりません。
(※1)ビッグデータとは、主に非定型でリアルタイム性が高い大量データを指します。最近では、この膨大なデータを高速に処理・分析するための様々な手法が検討されており、ビジネスの場においてもこの手法を使って新たなビジネス創出や予測・予防等に活用することに注目が集まっています。
(※2)エネルギーマネジメントとは、建物内で利用する電気やガスといったエネルギー使用量を測定・分析し、機器、設備等の運転管理を調節することでエネルギー消費の効率化やパフォーマンスの向上につなげていこうとする管理手法です。
(※3)メガソーラーとは、出力1メガワット(1,000キロワット)以上の大規模な太陽光発電を指し、再生可能エネルギーの基幹電源として期待されています。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動により6億72百万円の収入、投資活動により1億28百万円の収入、財務活動により5億92百万円の支出があったため、現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2億37百万円の増加となりました。この結果、資金の当連結会計年度末残高は56億21百万円(前年同期比4.4%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは6億72百万円の収入(前年同期比29.4%減)となりました。これは賞与引当金の減少額5億56百万円、投資有価証券売却益3億34百万円、法人税等の支払額12億36百万円等があったものの、税金等調整前当期純利益4億84百万円、減価償却費12億46百万円、売上債権の減少額7億71百万円、法人税等の還付額5億58百万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは1億28百万円の収入(前年同期は30億91百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出10億38百万円、無形固定資産の取得による支出6億92百万円等があったものの、預け金の払い戻しによる収入15億円、投資有価証券の売却による収入5億10百万円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、5億92百万円の支出(前年同期比0.0%減)となりました。これは配当金の支払額5億92百万円があったことによるものです。
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