四半期報告書-第21期第1四半期(平成27年1月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/05/14 9:08
【資料】
PDFをみる
【項目】
28項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間(平成27年1月1日~平成27年3月31日)におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀の金融緩和策を背景に、企業収益や雇用・所得環境に改善が見られるなど、景気は消費税引き上げ後のもたつきから持ち直し、緩やかな回復基調で推移いたしました。
一方、世界経済は、米国経済が堅調に推移しているものの、欧州においては債務問題の再燃により景気回復力が弱く、また、中国経済の成長力の鈍化や原油価格下落に伴う産油国経済の低迷等、様々な不安定要因が存在し、我が国の景気を下押しするリスクに留意する必要があります。
当社グループが属する不動産及び不動産金融業におきましては、国土交通省の地価公示によれば、三大都市圏平均では住宅地、商業地ともに上昇が継続し、また、全国平均では住宅地は下落傾向ではあるものの下落率は縮小し、商業地は横這いに転じております。企業業績回復に伴うオフィス賃料の上昇が一部で見られ、主要オフィスエリアにおける空室率の低下も継続しており、不動産賃貸市場は賃料反転の期待が高まっております。不動産売買市場においては、良好な資金調達環境を背景に、物件の取得は引き続き活況を呈しており、期待利回りは低下傾向にあります。また、J-REITを中心に多様な用途の物件取得が進み、不動産の流動性が高まってきております。
こうした中、当社グループでは平成27年2月10日に3ヶ年の新中期経営計画「Partners in Growth 2017」を発表し、①アセットマネジメント事業を中心とする安定収益の成長、②共同投資を中心とする不動産投資事業の推進、③財務の健全性と株主還元の最適なバランスの追求、を基本方針として掲げ、諸施策を着実に実行しております。
当第1四半期連結累計期間において当社は、上記中期経営計画に基づき、住宅や商業施設、ヘルスケア施設への新規投資を積極的に進めるとともに、これらの物件のアセットマネジメント業務を受託すること等により、着実に受託資産を拡充いたしました。また、平成26年12月期決算において、安定した財務基盤を確立したことから、7年ぶりに配当を再開することができました。
当社グループにおいては、2月に商業施設特化型REITであるケネディクス商業リート投資法人が上場したことにより、当社子会社であるケネディクス不動産投資顧問株式会社が運用するREITは、オフィス、住宅、私募に続く4つ目を数えることとなりました。住宅REITと私募REITにおいても、当該連結会計期間に物件取得を伴う増資を実行し、旺盛な投資意欲を有する投資家に対して、投資機会の提供を行ってまいりました。この他、ヘルスケアREIT上場に向けた準備も着実に進展するなど、受託資産の拡充とともに多様化を図ることで、安定したフィービジネスの収益基盤を強化してまいりました。
この結果、当第1四半期連結会計年度末における受託資産(AUM)の総額は1兆5,664億円となり、前連結会計年度末比では、857億円(5.8%)の純増となりました。
財務面につきましては、ファンドの新規組成と物件売却をバランス良く進めたことにより、連結ベースの有利子負債が1,362百万円減少し、有利子負債の総資産に対する比率も52.5%から51.1%に低下しており、健全な財務体質を維持しております。
この結果、当第1四半期連結累計期間の営業収益は前年同四半期比61.6%増加の8,307百万円となり、営業利益、経常利益はそれぞれ4,219百万円(前年同四半期比88.3%増)、3,824百万円(前年同四半期比92.3%増)、四半期純利益は6,304百万円(前年同四半期比90.4%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、当社グループでは当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しております。従来、「アセットマネジメント事業」、「不動産投資事業」、「不動産賃貸事業」の3区分としてきたものを、「アセットマネジメント事業」、「不動産管理事業」、「不動産運営事業」、「不動産投資事業」の4つの区分へ変更しております。
この変更に伴い、以下の各セグメントの説明における比較・分析は、前年同四半期の数値を新セグメント区分で組み替えた数値に基づいております。
①アセットマネジメント事業
アセットマネジメント事業につきましては、アセットマネジメントフィーが安定して推移したほか、資産の取得時において受領するアクイジションフィーが増加したことから、営業収益が前年同四半期と比較して1,018百万円増加しました。この結果、営業収益は3,643百万円(前年同四半期比38.8%増)、営業利益は2,911百万円(同45.0%増)となりました。
②不動産管理事業
不動産管理事業につきましては、前連結会計年度に設立したケネディクス・プロパティ・マネジメントの収益が寄与したものの、経費等の増加もあり、営業収益は330百万円(前年同四半期比73.1%増)、営業利益は44百万円(前年同四半期比35.8%減)となりました。
③不動産運営事業
不動産運営事業につきましては、運営物件の増加によりマスターリース賃料収入は伸長したものの、一部の物件で想定稼働率に届かないものがあったことから、前年同四半期と比較して、営業収益は839百万円(前年同四半期比17.6%増)、営業損失は90百万円(前年同期は90百万円の営業損失)となりました。
④不動産投資事業
不動産投資事業につきましては、棚卸資産の売却益や、顧客投資家との共同投資から生じた匿名組合分配益、さらに連結対象不動産からの賃貸事業収入が増加したことにより、営業収益は3,850百万円(前年同四半期比95.4%増)、営業利益は1,799百万円(前年同四半期比146.5%増)となりました。
(2)財政状態
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、連結対象不動産の売却を積極的に進める一方、回収額の範囲内で再投資を行うリサイクル投資を推進したことにより、前連結会計年度末に比べてほぼ横這いとなる、2,825百万円増加の、206,094百万円となりました。
負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べて1,541百万円減少し、116,375百万円となりました。これは主に、物件売却に伴う有利子負債の減少によるものであります。
純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べて4,367百万円増加し、89,718百万円となりました。これは主に、四半期純利益の発生によるものであります。
また、物件の取得にあたり連結子会社においてノンリコースローンによる資金調達を行う場合がありますが、当該ノンリコースローンは物件を保有している子会社を対象に融資され、返済原資はその子会社が保有する資産に係るキャッシュ・フローの範囲内に限定されるため、当社グループの有利子負債への依存の分析にあたっては、当該ノンリコースローンの影響を控除する必要があります。
有利子負債の自己資本に対する比率(デット・エクイティ・レシオ)の推移は以下のとおりです。
(単位:百万円)
平成23年12月期平成24年12月期平成25年12月期平成26年12月期平成27年3月期
有利子負債①109,76763,62366,025106,615105,253
(うちノンリコースローン②)(60,444)(21,640)(28,347)(82,888)(73,966)
純資産③71,43556,07174,34185,35189,718
現金及び預金④7,70613,81325,79528,54638,143
純有利子負債⑤(①-②-④)41,61728,16811,883△4,819△6,856
ノンリコースローン控除後
ネット・デット・エクイテ
ィ・レシオ⑤/③(%)
58.350.216.0△5.6△7.6

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。