四半期報告書-第54期第3四半期(平成30年10月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/02/05 13:06
【資料】
PDFをみる
【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、雇用、所得環境の改善が続くなか、個人消費が持ち直し、設備投資も増加するなど、労働人口の減少を背景とする人手不足のなかにあって、全体として緩やかに回復しました。一方で、米中貿易摩擦や、中国経済の減速、英国のEU離脱問題をはじめとする欧州経済の混迷、半島情勢や中東情勢に見られる地政学的リスク、不安定な金融市場等を背景に、一段と景気の先行き不透明感が強まっています。また、消費税増税対策を巡る動きにも十分留意する必要があります。
国内治安情勢につきましては、刑法犯認知件数は年々減少を続けているものの、高齢者・障がい者等を狙った凶悪な犯罪や特殊詐欺、ストーカー犯罪、子どもや女性を狙った犯罪、繁華街での暴走事件などの身近な犯罪が後を絶たない状況です。また、相次ぐ自然災害、国際テロ、サイバー犯罪や情報漏えい等、社会を取り巻くリスクは多様化しております。
このような情勢の中、当社グループは、中期経営計画「Grand Design 2020」に掲げたとおり、お客様と社会の安全・安心を支える「綜合安全安心サービス業」を目指して、多様化・高度化する一人一人のお客様と社会の安全・安心ニーズに応えるべく、セキュリティ事業とその関連事業の進化・深化に取り組んでいます。ラグビーワールドカップ2019、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会も視野に入れ、当社グループでは、ウェアラブルカメラなどのICT機器を装着した警備員「ALSOKハイパーセキュリティガード®」をはじめ、センサーや監視カメラ、ロボットなどさまざまなICT機器を駆使して立体的・複合的に監視する「ALSOKゾーンセキュリティマネジメント®」等、会場スタッフ全員が「警備員の目」を持ち、セキュリティ共同体としてネットワーク化されてイベントの安全安心な遂行を支えるシステム等を開発中であり、より迅速な、そしてより広範囲にわたる警備力の向上とコストの最適化を実現させるサービスの展開を図っていきます。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの連結業績は、売上高は324,710百万円(前年同期比1.7%増)、営業利益は21,787百万円(前年同期比5.6%増)、経常利益は22,848百万円(前年同期比4.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は13,850百万円(前年同期比7.5%増)となりました。
セグメント別に見ますと、以下のとおりであります。なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントならびに一部の収益及び費用の配分方法を変更しております。前期比較にあたっては、前年同四半期連結累計期間の実績を変更後の区分および配分方法に組み替えて行っております。
セキュリティ事業につきましては、機械警備業務においては、法人向けサービスとして、侵入、火災、設備等の監視、管理を備えたスタンダードなセキュリティシステム「ALSOK-ST(スタンダード)」、スタンダードな機能に加え、画像監視、出退勤情報等の閲覧、設備の遠隔操作をWeb上で行える機能等を備えた「ALSOK-GV(ジーファイブ)」等により、お客様個々の様々なニーズに対応するソリューションを提供してまいりました。さらに、「事件や事故の抑止」を目指し、画像監視を充実させた新たな警備システムをリリースする予定です。
個人向けサービスとしては、住宅向けスタンダードモデルである「ホームセキュリティBasic」に加え、お客様の多様なご要望や家庭環境に合わせ、さらにきめ細やかな機能を提供する「HOME ALSOK Premium」の販売が堅調に推移しました。また、少子高齢化が進む社会に貢献するサービスとして高齢者を見守る「HOME ALSOKみまもりサポート®」や、地域見守りネットワークの構築を支援する「みまもりタグサービス」の拡販に努めております。
常駐警備業務においては、人手不足の中で製造業等の警備業務アウトソーシングの動き、再開発に伴う新築ビルの警備ニーズ等が強まっており、人件費上昇を反映した値上げが徐々に浸透してきております。
警備輸送業務においては、金融機関におけるATM関係を含む綜合管理等のアウトソースの受注が堅調に推移したほか、働き方改革の進展や人手不足を背景として小売・飲食店等からの入(出)金機オンラインシステムの受注が好調に推移しました。また、インバウンド増加やキャッシュレス進展への対応として、平成30年8月には、警備会社として初めて、複数のQRコード決済が可能な「ALSOKマルチQR決済ソリューション」を、平成30年11月には、資金効率の最適化と管理の厳正化を実現する「ALSOKキャッシュマネジメントサービス」の販売を開始しました。
この結果、セキュリティ事業の売上高は259,094百万円(前年同期比1.7%増)、営業利益は23,910百万円(前年同期比2.2%増)となりました。
綜合管理・防災事業につきましては、グループ内での連携強化による各種施設の維持・管理・運営に関する総合的なマネジメントに注力し、建物の綜合管理や清掃業務、改修工事の受注が売上に貢献し、また、工事採算の改善に努めた結果、売上高は42,520百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益は4,014百万円(前年同期比17.9%増)となりました。
介護事業につきましては、人手不足の中で職員の生産性向上や施設稼働率の向上に取り組んだことや、平成30年6月より連結子会社となった株式会社ケアプラスの寄与もあり、売上高は19,962百万円(前年同期比2.5%増)、営業利益は348百万円(前年同期比97.0%増)となりました。今後も、株式会社ケアプラスの訪問医療マッサージを活用した身体機能改善など、お客様への付加価値向上につながるサービス展開を進めてまいります。
当業界においても人手不足が深刻化しておりますが、新技術の活用や生産性の向上などで課題を克服し、引き続き拡大する社会の安全・安心ニーズに応えていくことが重要であると考えております。
当第3四半期連結会計期間末における財政状態の状況につきましては、次のとおりであります。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は前期末比で21,282百万円増加し、417,918百万円となりました。警備輸送業務用現金が18,674百万円、前払費用等のその他の流動資産が6,874百万円増加した一方、受取手形及び売掛金が7,202百万円減少した結果であります。
負債の部は、前期末比で13,310百万円増加し、168,564百万円となりました。短期借入金が24,510百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が6,810百万円、未払法人税等が3,653百万円減少した結果であります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間の営業活動の結果増加した資金は13,982百万円(前年同期比155.8%増)であります。税金等調整前四半期純利益により22,588百万円、減価償却による資金の内部留保により11,340百万円、売上債権の減少により7,749百万円の資金が増加した一方、法人税等の支払により11,062百万円、仕入債務の減少により7,315百万円、警備輸送業務に係る資産・負債の増減により5,414百万円の資金が減少した結果であります。
なお、警備輸送業務に係る資産・負債の増減額には、警備輸送業務用現金及び短期借入金のうち警備輸送業務用に調達した資金等の増減が含まれております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間の投資活動の結果使用した資金は12,699百万円(前年同期比18.4%減)であります。有形固定資産を8,483百万円、無形固定資産を2,011百万円、子会社株式を1,737百万円取得したことが主たる要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間の財務活動の結果減少した資金は990百万円(前年同期比42.5%減)であります。短期借入金の増加(純額)により10,657百万円の資金が増加した一方、配当金の支払により6,176百万円、リース債務の返済により2,836百万円、長期借入金の返済により2,523百万円の資金が減少した結果であります。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 生産、受注及び販売の状況
(生産実績)
当社グループは生産活動を行っておりませんが、当第3四半期連結会計期間末日現在実施中の契約件数をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当第3四半期連結会計期間末
(平成30年12月31日)
前年同四半期比(%)
セキュリティ事業
機械警備業務(件)945,9343.0
常駐警備業務(件)4,4845.2
警備輸送業務(件)75,1904.4
合計(件)1,025,6083.1
綜合管理・防災事業(件)104,8748.3
介護事業(件)25,87319.1
報告セグメント計(件)1,156,3553.9
その他(件)27,5258.5
合計(件)1,183,8804.0

(注)上記件数は当社グループがサービスを提供している対象先数ではなく、お客様と約定している契約の数を集計したものであります。
(販売実績)
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当第3四半期連結累計期間
(自 平成30年4月1日
至 平成30年12月31日)
前年同四半期比(%)
セキュリティ事業
機械警備業務(百万円)129,2101.5
常駐警備業務(百万円)83,5500.9
警備輸送業務(百万円)46,3333.5
合計(百万円)259,0941.7
綜合管理・防災事業(百万円)42,5201.0
介護事業(百万円)19,9622.5
報告セグメント計(百万円)321,5761.6
その他(百万円)3,1349.8
合計(百万円)324,7101.7

(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.販売実績が総販売実績の10%以上の相手はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費は、総額407百万円であり、主にセキュリティ事業に係るものであります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループにおける研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、労務費や外注費を中心とする売上原価、人件費を中心とする販売費及び一般管理費、および警備輸送業務における入金機オンラインシステム契約による売上金の入金処理等のための現金であります。また、投資目的の資金需要のうち主なものは、小口多数の機械警備に係る警報機器の取得によるものであります。なお、当第3四半期連結累計期間において、前連結会計期間末において計画中であった資本的支出を含む設備投資計画について、重要な変更はありません。
このような資金需要の状況の下、当社グループの資金調達は短期運転資金の調達が中心となっており、その調達方法としては自己資金および金融機関からの短期借入を基本としております。また、長期運転資金の調達の必要が生じた場合については、金融機関からの長期借入を基本としております。