有価証券報告書-第53期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
ア 財政状態及び経営成績の状況
(業績等の概要)
当連結会計年度における我が国経済は、雇用、所得環境の改善が続くなか、個人消費や輸出が持ち直し、設備投資も緩やかに増加するなど、労働人口の減少を背景とする人手不足のなかにあって、全体として緩やかに回復しました。また、世界経済も、地政学的リスク、通商問題の動向、金融資本市場のボラティリティ拡大等により先行の不透明感が拭えないものの、緩やかに回復しています。
国内治安情勢につきましては、刑法犯認知件数が戦後初めて100万件を割り込んだ平成28年を昨年はさらに下回り約91万件となったものの、高齢者・障がい者等を狙った凶悪な犯罪や特殊詐欺、ストーカー犯罪、子どもや女性を狙った犯罪などの身近な犯罪が後を絶たない状況です。また、自然災害、国際テロ、仮想通貨流出等のサイバー犯罪や情報漏えい等、社会を取り巻くリスクは多様化しており、安全安心に係る社会インフラの一翼を担う企業として、社会のニーズに応える様々なサービスの提供が求められていると認識しております。
このような情勢の中、当社グループは、「お客様が抱える様々なリスクやニーズに的確に応える」との方針のもと、引き続きセキュリティ事業の強化・拡大を推進し、加えて介護事業や設備管理等を含めた綜合管理・防災事業等セキュリティ事業との親和性が高い事業の拡大にも注力してまいりました。また、人材のマルチタスク化やガードセンターの統合等のコスト削減策に取り組んでいるほか、生産性向上を目指して、当社グループ全体での業務改革に取り組むとともに、更なる成長に向けて、AI、IoT、5G等の最新技術を活用した新サービスの開発等にも挑戦いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高は435,982百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益は30,111百万円(前年同期比5.9%増)、経常利益は31,913百万円(前年同期比5.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は19,344百万円(前年同期比5.5%増)となりました。
当社グループの連結損益計算書を項目別に対前年度で比較すると、次のとおりであります。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較して22,638百万円(5.5%)増加し、435,982百万円となりました。
売上原価につきましては、労務費9,870百万円、経費6,157百万円、工事・売却原価3,761百万円の増加により330,493百万円となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、のれん償却額550百万円、給与諸手当453百万円の増加等により75,378百万円となりました。
経常利益につきましては、営業利益の増加に伴い1,604百万円(5.3%)増加し、31,913百万円となりました。
特別利益の減少は、投資有価証券売却益の減少によるものであります。
特別損失の減少は、前期に計上した厚生年金基金解散損失引当金繰入額95百万円の影響が剥落したこと等によるものであります。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、経常利益の増加に伴い1,014百万円(5.5%)増加し、19,344百万円となりました。
なお、包括利益につきましては、2,691百万円(11.8%)増加の25,514百万円となりました。運用資産の評価額が増したことによる退職給付に係る調整額2,370百万円の増加が主たる要因であります。
セグメントごとの経営成績の状況につきましては、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 イ 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。
(連結貸借対照表項目の比較分析)
当社グループの連結貸借対照表を項目別に対前年度で比較すると、次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産総額は、前連結会計年度末と比較して11,287百万円(2.9%)増加し、397,164百万円となりました。うち流動資産は、2,781百万円(1.4%)減少の196,845百万円、固定資産は、14,068百万円(7.6%)増加の200,319百万円となりました。
流動資産の減少につきましては、受取手形及び売掛金が2,167百万円、警備輸送業務用現金が1,970百万円増加した一方、現金及び預金が8,013百万円減少した結果であります。
固定資産の増加につきましては、運用資産の評価額が増したことを受け退職給付に係る資産が3,716百万円、次期以降完成予定の基幹システムへの投資によりソフトウエア仮勘定等のその他の無形固定資産が3,022百万円、ALSOK関東デリバリー株式会社の連結子会社化等に伴いのれんが2,493百万円増加したことが主たる要因であります。このほか、リース資産が2,884百万円、機械装置及び運搬具が2,727百万円、投資有価証券が2,297百万円増加したことも、固定資産の増加の要因であります。
当連結会計年度末の負債総額は、前連結会計年度末と比較して7,864百万円(4.8%)減少し、155,782百万円となりました。うち流動負債は、5,609百万円(5.7%)減少の92,495百万円、固定負債は、2,255百万円(3.4%)減少の63,287百万円となりました。
流動負債の減少につきましては、未払金が5,701百万円、支払手形及び買掛金が1,994百万円増加した一方、短期借入金が13,002百万円減少した結果であります。
固定負債の減少につきましては、リース債務が2,564百万円増加した一方、長期借入金が2,667百万円、退職給付に係る負債が2,244百万円減少した結果であります。
当連結会計年度末の純資産の部総額は、前連結会計年度末と比較して19,151百万円(8.6%)増加し、241,382百万円となりました。
イ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は40,484百万円(前年同期比14.9%減)となりました。
(単位:百万円)
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果増加した資金は25,496百万円(前年同期比53.3%減)であります。資金の主な増加要因は、税金等調整前当期純利益により31,841百万円(前年同期比5.4%増)、減価償却費による資金の内部留保により14,133百万円(前年同期比2.6%増)、仕入債務の増加による資金の増加5,033百万円(前年同期は2,300百万円の減少)であります。これらに対し、資金の主な減少要因は、警備輸送業務に係る資産・負債の増減により13,630百万円(前年同期は18,157百万円の増加)、法人税等の支払により11,591百万円(前年同期比9.2%増)であります。
なお、警備輸送業務に係る資産・負債の増減額には、警備輸送業務用現金及び短期借入金のうち警備輸送業務用に調達した資金等の増減が含まれております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は19,125百万円(前年同期比13.3%減)であります。有形固定資産を11,776百万円(前年同期比7.0%増)、子会社株式を5,973百万円(前年同期比7.0%減)、投資有価証券を1,987百万円(前年同期比31.5%減)取得したことが主たる要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動により減少した資金は13,429百万円(前年同期比34.8%減)であります。配当金の支払により5,780百万円(前年同期比0.0%減)、リース債務の返済により4,420百万円(前年同期比3.6%増)、長期借入金の返済により3,456百万円(前年同期比9.7%減)の資金が減少した結果であります。
ウ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当社グループは生産活動を行っておりませんが、当連結会計年度末日現在実施中の契約件数をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントを変更しております。前期比較にあたっては、前連結会計年度の実績を変更後の区分方法に組み替えて行っております。
(注)上記件数は当社グループがサービスを提供している対象先数ではなく、お客様と約定している契約の数を集計したものであります。
(販売実績)
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントを変更しております。前期比較にあたっては、前連結会計年度の実績を変更後の区分方法に組み替えて行っております。
(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.販売実績が総販売実績の10%以上の相手はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
ア 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
また、当社グループは、連結財務諸表の作成上、各種引当金の見積り計算や繰延税金資産の回収可能性の判断等に対し、現在入手可能な前提に基づく合理的な見積りを反映させておりますが、将来、これらの見積りと大きな差が生じる可能性があります。
なお、重要な会計方針のうち、見積りや仮定等による影響が大きいと考えている項目は、次のとおりであります。
(退職給付会計)
退職給付債務及び年金資産は、金額の算定手続きにおいて、年金数理計算上の見積りや仮定計算が含まれております。算定上の前提とした割引率、将来の給与水準、年金資産の長期期待運用収益率、退職率及び死亡率の見積りや仮定等は、現在把握可能な各種のデータを勘案して設定しております。これらの前提に用いた見積りや仮定等と実績との間に生じる差異については、一定の年数による定額法で償却を行っており、将来における営業費用等に影響を与える場合があります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産は、グループ会社各社の中期利益計画や事業リスク等に基づいて課税所得を見積り、会社別に回収可能性を判断の上、計上しております。従って、グループ会社各社の見積りと実績との差異や税率の変更等により、現在計上している繰延税金資産に影響を与える場合があります。
(固定資産の減損)
固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準及び適用指針」に基づき、減損処理の要否を判定しております。将来の企業環境等の変化等により、回収可能価額が帳簿価額を下回ることとなった場合には、減損処理が必要となる可能性があります。
イ 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営者の視点による分析・検討内容)
当連結会計年度における当社グループの連結業績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ア 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであり、売上は、8期連続で増収、7期連続で過去最高を更新いたしました。利益についても、各利益段階で過去最高を更新し、親会社株主に帰属する当期純利益は、6期連続で増益となりました。当社グループは、M&Aの活用等によりセキュリティ事業を強化するとともに、セキュリティ事業と親和性の高い綜合管理・防災事業等を拡大し、多様化するお客様と社会の安全・安心ニーズに積極的に応えることに注力しております。また、海外事業においては当該国企業に出資する等事業基盤の強化を図りました。
当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高経常利益率とROE(連結自己資本当期純利益率)を重視しております。当連結会計年度は、売上高経常利益率7.3%、ROE9.3%という水準にあり、中期的にはそれぞれ8.0%程度と10.0%程度を目指してまいります。
今後の事業環境を展望すれば、人手不足による制約はあるものの、従来の警備ニーズに加え、内外環境の変化による設備管理・防災等安全・安心ニーズの高まり、ラグビーワールドカップ2019や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けたハード・ソフトのインフラ整備の加速等により、ビジネスチャンスの更なる拡大が期待されます。当社グループは、こうした状況の中で、AI、IoT、5G、ロボット等新技術の活用等により新商品・サービスを開発し、グループ会社を含めたグループ全体での生産性向上を実現することにより、更なる成長を実現してまいります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、当社グループは、資産については事業セグメントに配分していないことから、セグメントごとの財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容は省略しております。また、当連結会計年度より報告セグメントならびに一部の収益及び費用の配分方法を変更しております。前期比較にあたっては、前連結会計年度の実績を変更後の区分および配分方法に組み替えて行っております。
売上高のセグメント別の増減
セキュリティ事業につきましては、機械警備業務においては、法人向けサービスとして、侵入や火災、設備等の監視・管理サービスを備えたセキュリティシステム「ALSOK-ST(スタンダード)」の販売を推進してまいりました。また、昨今の人手不足を背景とした長時間労働の問題や「働き方改革」を背景に、適切な施設管理や勤怠管理に対するニーズの高まりから、画像監視に加え、出退勤情報等の閲覧や、設備の遠隔操作をWeb上で行える「ALSOK情報提供サービス」を備えた「ALSOK-GV(ジーファイブ)」、ALSOK画像クラウドサービス等の防犯カメラシステムや出入管理システム等の販売が好調に推移し売上に貢献しました。
個人向けサービスとしては、高度なセキュリティシステムを標準機能として搭載する「ホームセキュリティBasic」に加え、お客様の多様なご要望や家庭環境に合わせ、さらにきめ細やかな機能を提供する「HOME ALSOK Premium」の販売が堅調に推移しました。また、少子高齢化が進む社会に貢献するサービスとして「HOME ALSOKみまもりサポート」や、地域見守りネットワークの構築を支援する「みまもりタグ」の拡販に努めました。
常駐警備業務においては、人手不足の中で各種リスクに対する高品質な警備や警備強化へのニーズ、製造業等の警備業務アウトソーシングの動き、首都圏等の再開発に伴う警備ニーズ等がますます高まっています。警備輸送業務においては、金融機関における受注が堅調に推移したほか、働き方改革の進展や人手不足を背景として小売・飲食店等からの入(出)金機の受注が好調に推移しました。
これらに加え、M&A効果もあり、セキュリティ事業の売上高は344,302百万円(前年同期比5.2%増)、営業利益は33,292百万円(前年同期比2.0%増)となりました。
綜合管理・防災事業につきましては、グループ内での連携強化による各種施設の維持・管理・運営に関する総合的なマネジメントに注力し、建物の綜合管理や清掃業務、改修工事の受注が売上に貢献しました。そのほか、防災・減災ニーズの高まりによる災害対策用品や住宅用火災警報器等消火設備の販売が売上に貢献しました。さらに、建設需要の高まりを背景に設備工事部門の受注が堅調に推移したこともあり、綜合管理・防災事業の売上高は61,993百万円(前年同期比7.2%増)、営業利益は5,075百万円(前年同期比10.8%増)となりました。
介護事業につきましては、施設介護事業(有料老人ホーム・グループホーム等)の利用者増加が売上に貢献し、売上高は25,631百万円(前年同期比2.8%増)となりました。利益については、要員配置の適正化等の事業効率化に取り組むなど経営改善の効果もあらわれて、単年度において営業利益は105百万円(前年同期は354百万円の営業損失)となり、部門黒字化を果たしました。
当業界においても人手不足が深刻化しており、今後の事業拡大の阻害要因になりかねませんが、新技術の活用や生産性の向上などで課題を克服し、引き続き拡大する社会の安心・安全ニーズに応えていくことが重要であると考えております。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、労務費や外注費を中心とする売上原価、人件費を中心とする販売費及び一般管理費、および警備輸送業務における入金機オンラインシステム契約による売上金の入金処理等のための現金であります。また、投資目的の資金需要のうち主なものは、小口多数の機械警備に係る警報機器の取得によるものであり、当連結会計年度後1年間における資本的支出を含む設備投資計画は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
このような資金需要の状況の下、当社グループの資金調達は短期運転資金の調達が中心となっており、その調達方法としては自己資金および金融機関からの短期借入を基本としております。また、長期運転資金の調達の必要が生じた場合については、金融機関からの長期借入を基本としております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 イ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
また、当連結会計年度末日時点における負債による資金調達の状況につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 ⑤連結附属明細表」における社債明細表および借入金等明細表に記載のとおりであります。なお、同日末時点における主要な借入先別の借入金額は、株式会社みずほ銀行が8,970百万円、株式会社三井住友銀行が4,197百万円、株式会社三菱東京UFJ銀行が2,754百万円、株式会社りそな銀行が1,280百万円となっております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
ア 財政状態及び経営成績の状況
(業績等の概要)
当連結会計年度における我が国経済は、雇用、所得環境の改善が続くなか、個人消費や輸出が持ち直し、設備投資も緩やかに増加するなど、労働人口の減少を背景とする人手不足のなかにあって、全体として緩やかに回復しました。また、世界経済も、地政学的リスク、通商問題の動向、金融資本市場のボラティリティ拡大等により先行の不透明感が拭えないものの、緩やかに回復しています。
国内治安情勢につきましては、刑法犯認知件数が戦後初めて100万件を割り込んだ平成28年を昨年はさらに下回り約91万件となったものの、高齢者・障がい者等を狙った凶悪な犯罪や特殊詐欺、ストーカー犯罪、子どもや女性を狙った犯罪などの身近な犯罪が後を絶たない状況です。また、自然災害、国際テロ、仮想通貨流出等のサイバー犯罪や情報漏えい等、社会を取り巻くリスクは多様化しており、安全安心に係る社会インフラの一翼を担う企業として、社会のニーズに応える様々なサービスの提供が求められていると認識しております。
このような情勢の中、当社グループは、「お客様が抱える様々なリスクやニーズに的確に応える」との方針のもと、引き続きセキュリティ事業の強化・拡大を推進し、加えて介護事業や設備管理等を含めた綜合管理・防災事業等セキュリティ事業との親和性が高い事業の拡大にも注力してまいりました。また、人材のマルチタスク化やガードセンターの統合等のコスト削減策に取り組んでいるほか、生産性向上を目指して、当社グループ全体での業務改革に取り組むとともに、更なる成長に向けて、AI、IoT、5G等の最新技術を活用した新サービスの開発等にも挑戦いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高は435,982百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益は30,111百万円(前年同期比5.9%増)、経常利益は31,913百万円(前年同期比5.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は19,344百万円(前年同期比5.5%増)となりました。
当社グループの連結損益計算書を項目別に対前年度で比較すると、次のとおりであります。
項目 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前年同期比 | |||
金額 | 百分比 | 金額 | 百分比 | 増減額 | 増減率 | |
(百万円) | (%) | (百万円) | (%) | (百万円) | (%) | |
売上高 | 413,343 | 100.0 | 435,982 | 100.0 | 22,638 | 5.5 |
売上原価 | 310,704 | 75.2 | 330,493 | 75.8 | 19,788 | 6.4 |
売上総利益 | 102,639 | 24.8 | 105,489 | 24.2 | 2,849 | 2.8 |
販売費及び 一般管理費 | 74,217 | 18.0 | 75,378 | 17.3 | 1,161 | 1.6 |
営業利益 | 28,422 | 6.9 | 30,111 | 6.9 | 1,688 | 5.9 |
営業外収益 | 3,798 | 0.9 | 3,810 | 0.9 | 12 | 0.3 |
営業外費用 | 1,911 | 0.5 | 2,008 | 0.5 | 96 | 5.1 |
経常利益 | 30,309 | 7.3 | 31,913 | 7.3 | 1,604 | 5.3 |
特別利益 | 59 | 0.0 | 1 | 0.0 | △57 | △96.8 |
特別損失 | 153 | 0.0 | 74 | 0.0 | △79 | △51.8 |
法人税等 | 10,281 | 2.5 | 10,893 | 2.5 | 612 | 6.0 |
非支配株主に帰属する当期純利益 | 1,603 | 0.4 | 1,603 | 0.4 | △0 | △0.0 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 18,330 | 4.4 | 19,344 | 4.4 | 1,014 | 5.5 |
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較して22,638百万円(5.5%)増加し、435,982百万円となりました。
売上原価につきましては、労務費9,870百万円、経費6,157百万円、工事・売却原価3,761百万円の増加により330,493百万円となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、のれん償却額550百万円、給与諸手当453百万円の増加等により75,378百万円となりました。
経常利益につきましては、営業利益の増加に伴い1,604百万円(5.3%)増加し、31,913百万円となりました。
特別利益の減少は、投資有価証券売却益の減少によるものであります。
特別損失の減少は、前期に計上した厚生年金基金解散損失引当金繰入額95百万円の影響が剥落したこと等によるものであります。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、経常利益の増加に伴い1,014百万円(5.5%)増加し、19,344百万円となりました。
なお、包括利益につきましては、2,691百万円(11.8%)増加の25,514百万円となりました。運用資産の評価額が増したことによる退職給付に係る調整額2,370百万円の増加が主たる要因であります。
セグメントごとの経営成績の状況につきましては、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 イ 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。
(連結貸借対照表項目の比較分析)
当社グループの連結貸借対照表を項目別に対前年度で比較すると、次のとおりであります。
項目 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前年同期比 | ||||
金額 | 構成比 | 金額 | 構成比 | 増減額 | 増減率 | ||
(百万円) | (%) | (百万円) | (%) | (百万円) | (%) | ||
資産の部 | 流動資産 | 199,627 | 51.7 | 196,845 | 49.6 | △2,781 | △1.4 |
固定資産 | 186,250 | 48.3 | 200,319 | 50.4 | 14,068 | 7.6 | |
資産総額 | 385,877 | 100.0 | 397,164 | 100.0 | 11,287 | 2.9 | |
負債の部 | 流動負債 | 98,104 | 25.4 | 92,495 | 23.3 | △5,609 | △5.7 |
固定負債 | 65,542 | 17.0 | 63,287 | 15.9 | △2,255 | △3.4 | |
負債総額 | 163,647 | 42.4 | 155,782 | 39.2 | △7,864 | △4.8 | |
純資産の部総額 | 222,230 | 57.6 | 241,382 | 60.8 | 19,151 | 8.6 |
当連結会計年度末の資産総額は、前連結会計年度末と比較して11,287百万円(2.9%)増加し、397,164百万円となりました。うち流動資産は、2,781百万円(1.4%)減少の196,845百万円、固定資産は、14,068百万円(7.6%)増加の200,319百万円となりました。
流動資産の減少につきましては、受取手形及び売掛金が2,167百万円、警備輸送業務用現金が1,970百万円増加した一方、現金及び預金が8,013百万円減少した結果であります。
固定資産の増加につきましては、運用資産の評価額が増したことを受け退職給付に係る資産が3,716百万円、次期以降完成予定の基幹システムへの投資によりソフトウエア仮勘定等のその他の無形固定資産が3,022百万円、ALSOK関東デリバリー株式会社の連結子会社化等に伴いのれんが2,493百万円増加したことが主たる要因であります。このほか、リース資産が2,884百万円、機械装置及び運搬具が2,727百万円、投資有価証券が2,297百万円増加したことも、固定資産の増加の要因であります。
当連結会計年度末の負債総額は、前連結会計年度末と比較して7,864百万円(4.8%)減少し、155,782百万円となりました。うち流動負債は、5,609百万円(5.7%)減少の92,495百万円、固定負債は、2,255百万円(3.4%)減少の63,287百万円となりました。
流動負債の減少につきましては、未払金が5,701百万円、支払手形及び買掛金が1,994百万円増加した一方、短期借入金が13,002百万円減少した結果であります。
固定負債の減少につきましては、リース債務が2,564百万円増加した一方、長期借入金が2,667百万円、退職給付に係る負債が2,244百万円減少した結果であります。
当連結会計年度末の純資産の部総額は、前連結会計年度末と比較して19,151百万円(8.6%)増加し、241,382百万円となりました。
イ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は40,484百万円(前年同期比14.9%減)となりました。
(単位:百万円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前年同期比 (%) | |
(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
営業活動によるキャッシュ・フロー | 54,561 | 25,496 | △53.3 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △22,055 | △19,125 | △13.3 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △20,582 | △13,429 | △34.8 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | △4 | △7 | 78.2 |
現金及び現金同等物の増加額 (△は減少) | 11,919 | △7,064 | - |
現金及び現金同等物の期首残高 | 35,630 | 47,549 | 33.5 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 47,549 | 40,484 | △14.9 |
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果増加した資金は25,496百万円(前年同期比53.3%減)であります。資金の主な増加要因は、税金等調整前当期純利益により31,841百万円(前年同期比5.4%増)、減価償却費による資金の内部留保により14,133百万円(前年同期比2.6%増)、仕入債務の増加による資金の増加5,033百万円(前年同期は2,300百万円の減少)であります。これらに対し、資金の主な減少要因は、警備輸送業務に係る資産・負債の増減により13,630百万円(前年同期は18,157百万円の増加)、法人税等の支払により11,591百万円(前年同期比9.2%増)であります。
なお、警備輸送業務に係る資産・負債の増減額には、警備輸送業務用現金及び短期借入金のうち警備輸送業務用に調達した資金等の増減が含まれております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は19,125百万円(前年同期比13.3%減)であります。有形固定資産を11,776百万円(前年同期比7.0%増)、子会社株式を5,973百万円(前年同期比7.0%減)、投資有価証券を1,987百万円(前年同期比31.5%減)取得したことが主たる要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動により減少した資金は13,429百万円(前年同期比34.8%減)であります。配当金の支払により5,780百万円(前年同期比0.0%減)、リース債務の返済により4,420百万円(前年同期比3.6%増)、長期借入金の返済により3,456百万円(前年同期比9.7%減)の資金が減少した結果であります。
ウ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当社グループは生産活動を行っておりませんが、当連結会計年度末日現在実施中の契約件数をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントを変更しております。前期比較にあたっては、前連結会計年度の実績を変更後の区分方法に組み替えて行っております。
セグメントの名称 | 前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | 前年同期比 (%) |
セキュリティ事業 | |||
機械警備業務 (件) | 888,955 | 922,928 | 3.8 |
常駐警備業務 (件) | 4,213 | 4,357 | 3.4 |
警備輸送業務 (件) | 65,755 | 72,454 | 10.2 |
合計 (件) | 958,923 | 999,739 | 4.3 |
綜合管理・防災事業 (件) | 89,670 | 98,044 | 9.3 |
介護事業 (件) | 22,628 | 21,234 | △6.2 |
報告セグメント計 (件) | 1,071,221 | 1,119,017 | 4.5 |
その他 (件) | 22,285 | 25,263 | 13.4 |
合計 (件) | 1,093,506 | 1,144,280 | 4.6 |
(注)上記件数は当社グループがサービスを提供している対象先数ではなく、お客様と約定している契約の数を集計したものであります。
(販売実績)
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントを変更しております。前期比較にあたっては、前連結会計年度の実績を変更後の区分方法に組み替えて行っております。
セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比 (%) |
セキュリティ事業 | |||
機械警備業務 (百万円) | 170,585 | 173,849 | 1.9 |
常駐警備業務 (百万円) | 100,465 | 110,243 | 9.7 |
警備輸送業務 (百万円) | 56,119 | 60,209 | 7.3 |
合計 (百万円) | 327,169 | 344,302 | 5.2 |
綜合管理・防災事業 (百万円) | 57,819 | 61,993 | 7.2 |
介護事業 (百万円) | 24,921 | 25,631 | 2.8 |
報告セグメント計 (百万円) | 409,910 | 431,927 | 5.4 |
その他 (百万円) | 3,433 | 4,055 | 18.1 |
合計 (百万円) | 413,343 | 435,982 | 5.5 |
(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.販売実績が総販売実績の10%以上の相手はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
ア 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
また、当社グループは、連結財務諸表の作成上、各種引当金の見積り計算や繰延税金資産の回収可能性の判断等に対し、現在入手可能な前提に基づく合理的な見積りを反映させておりますが、将来、これらの見積りと大きな差が生じる可能性があります。
なお、重要な会計方針のうち、見積りや仮定等による影響が大きいと考えている項目は、次のとおりであります。
(退職給付会計)
退職給付債務及び年金資産は、金額の算定手続きにおいて、年金数理計算上の見積りや仮定計算が含まれております。算定上の前提とした割引率、将来の給与水準、年金資産の長期期待運用収益率、退職率及び死亡率の見積りや仮定等は、現在把握可能な各種のデータを勘案して設定しております。これらの前提に用いた見積りや仮定等と実績との間に生じる差異については、一定の年数による定額法で償却を行っており、将来における営業費用等に影響を与える場合があります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産は、グループ会社各社の中期利益計画や事業リスク等に基づいて課税所得を見積り、会社別に回収可能性を判断の上、計上しております。従って、グループ会社各社の見積りと実績との差異や税率の変更等により、現在計上している繰延税金資産に影響を与える場合があります。
(固定資産の減損)
固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準及び適用指針」に基づき、減損処理の要否を判定しております。将来の企業環境等の変化等により、回収可能価額が帳簿価額を下回ることとなった場合には、減損処理が必要となる可能性があります。
イ 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営者の視点による分析・検討内容)
当連結会計年度における当社グループの連結業績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ア 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであり、売上は、8期連続で増収、7期連続で過去最高を更新いたしました。利益についても、各利益段階で過去最高を更新し、親会社株主に帰属する当期純利益は、6期連続で増益となりました。当社グループは、M&Aの活用等によりセキュリティ事業を強化するとともに、セキュリティ事業と親和性の高い綜合管理・防災事業等を拡大し、多様化するお客様と社会の安全・安心ニーズに積極的に応えることに注力しております。また、海外事業においては当該国企業に出資する等事業基盤の強化を図りました。
当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高経常利益率とROE(連結自己資本当期純利益率)を重視しております。当連結会計年度は、売上高経常利益率7.3%、ROE9.3%という水準にあり、中期的にはそれぞれ8.0%程度と10.0%程度を目指してまいります。
今後の事業環境を展望すれば、人手不足による制約はあるものの、従来の警備ニーズに加え、内外環境の変化による設備管理・防災等安全・安心ニーズの高まり、ラグビーワールドカップ2019や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けたハード・ソフトのインフラ整備の加速等により、ビジネスチャンスの更なる拡大が期待されます。当社グループは、こうした状況の中で、AI、IoT、5G、ロボット等新技術の活用等により新商品・サービスを開発し、グループ会社を含めたグループ全体での生産性向上を実現することにより、更なる成長を実現してまいります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、当社グループは、資産については事業セグメントに配分していないことから、セグメントごとの財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容は省略しております。また、当連結会計年度より報告セグメントならびに一部の収益及び費用の配分方法を変更しております。前期比較にあたっては、前連結会計年度の実績を変更後の区分および配分方法に組み替えて行っております。
売上高のセグメント別の増減
セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前年同期比 | |||
金額 (百万円) | 構成比 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 金額 (百万円) | 増減率 (%) | |
セキュリティ事業 | ||||||
機械警備業務 | 170,585 | 41.3 | 173,849 | 39.9 | 3,264 | 1.9 |
常駐警備業務 | 100,465 | 24.3 | 110,243 | 25.3 | 9,777 | 9.7 |
警備輸送業務 | 56,119 | 13.6 | 60,209 | 13.8 | 4,090 | 7.3 |
合計 | 327,169 | 79.2 | 344,302 | 79.0 | 17,132 | 5.2 |
綜合管理・防災事業 | 57,819 | 14.0 | 61,993 | 14.2 | 4,174 | 7.2 |
介護事業 | 24,921 | 6.0 | 25,631 | 5.9 | 709 | 2.8 |
報告セグメント計 | 409,910 | 99.2 | 431,927 | 99.1 | 22,016 | 5.4 |
その他 | 3,433 | 0.8 | 4,055 | 0.9 | 622 | 18.1 |
合計 | 413,343 | 100.0 | 435,982 | 100.0 | 22,638 | 5.5 |
セキュリティ事業につきましては、機械警備業務においては、法人向けサービスとして、侵入や火災、設備等の監視・管理サービスを備えたセキュリティシステム「ALSOK-ST(スタンダード)」の販売を推進してまいりました。また、昨今の人手不足を背景とした長時間労働の問題や「働き方改革」を背景に、適切な施設管理や勤怠管理に対するニーズの高まりから、画像監視に加え、出退勤情報等の閲覧や、設備の遠隔操作をWeb上で行える「ALSOK情報提供サービス」を備えた「ALSOK-GV(ジーファイブ)」、ALSOK画像クラウドサービス等の防犯カメラシステムや出入管理システム等の販売が好調に推移し売上に貢献しました。
個人向けサービスとしては、高度なセキュリティシステムを標準機能として搭載する「ホームセキュリティBasic」に加え、お客様の多様なご要望や家庭環境に合わせ、さらにきめ細やかな機能を提供する「HOME ALSOK Premium」の販売が堅調に推移しました。また、少子高齢化が進む社会に貢献するサービスとして「HOME ALSOKみまもりサポート」や、地域見守りネットワークの構築を支援する「みまもりタグ」の拡販に努めました。
常駐警備業務においては、人手不足の中で各種リスクに対する高品質な警備や警備強化へのニーズ、製造業等の警備業務アウトソーシングの動き、首都圏等の再開発に伴う警備ニーズ等がますます高まっています。警備輸送業務においては、金融機関における受注が堅調に推移したほか、働き方改革の進展や人手不足を背景として小売・飲食店等からの入(出)金機の受注が好調に推移しました。
これらに加え、M&A効果もあり、セキュリティ事業の売上高は344,302百万円(前年同期比5.2%増)、営業利益は33,292百万円(前年同期比2.0%増)となりました。
綜合管理・防災事業につきましては、グループ内での連携強化による各種施設の維持・管理・運営に関する総合的なマネジメントに注力し、建物の綜合管理や清掃業務、改修工事の受注が売上に貢献しました。そのほか、防災・減災ニーズの高まりによる災害対策用品や住宅用火災警報器等消火設備の販売が売上に貢献しました。さらに、建設需要の高まりを背景に設備工事部門の受注が堅調に推移したこともあり、綜合管理・防災事業の売上高は61,993百万円(前年同期比7.2%増)、営業利益は5,075百万円(前年同期比10.8%増)となりました。
介護事業につきましては、施設介護事業(有料老人ホーム・グループホーム等)の利用者増加が売上に貢献し、売上高は25,631百万円(前年同期比2.8%増)となりました。利益については、要員配置の適正化等の事業効率化に取り組むなど経営改善の効果もあらわれて、単年度において営業利益は105百万円(前年同期は354百万円の営業損失)となり、部門黒字化を果たしました。
当業界においても人手不足が深刻化しており、今後の事業拡大の阻害要因になりかねませんが、新技術の活用や生産性の向上などで課題を克服し、引き続き拡大する社会の安心・安全ニーズに応えていくことが重要であると考えております。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、労務費や外注費を中心とする売上原価、人件費を中心とする販売費及び一般管理費、および警備輸送業務における入金機オンラインシステム契約による売上金の入金処理等のための現金であります。また、投資目的の資金需要のうち主なものは、小口多数の機械警備に係る警報機器の取得によるものであり、当連結会計年度後1年間における資本的支出を含む設備投資計画は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
このような資金需要の状況の下、当社グループの資金調達は短期運転資金の調達が中心となっており、その調達方法としては自己資金および金融機関からの短期借入を基本としております。また、長期運転資金の調達の必要が生じた場合については、金融機関からの長期借入を基本としております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 イ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
また、当連結会計年度末日時点における負債による資金調達の状況につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 ⑤連結附属明細表」における社債明細表および借入金等明細表に記載のとおりであります。なお、同日末時点における主要な借入先別の借入金額は、株式会社みずほ銀行が8,970百万円、株式会社三井住友銀行が4,197百万円、株式会社三菱東京UFJ銀行が2,754百万円、株式会社りそな銀行が1,280百万円となっております。