四半期報告書-第59期第1四半期(2023/04/01-2023/06/30)
文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類となったことでコロナ禍も一区切りとなり、社会経済活動の正常化やインバウンド需要の回復もあり緩やかな持ち直しの動きが継続しました。先行きにつきましては、政府の経済対策の効果とも相まって民需主導の緩やかな成長が期待されますが、他方で、世界的なインフレ傾向や、為替・金融市場の急激な変動と金融のシステミックリスク、中国経済や欧米経済のダウンサイドリスク等内外情勢の先行きに注意が必要です。
警備分野においては政府の「世界一安全な日本」創造戦略2022においても示されているように、少子高齢化と労働力人口減少の中にあって、重要インフラ・サプライチェーン等へのサイバー攻撃対策、高齢者、女性、子ども等の社会的弱者の安全・安心への懸念、街中での凶悪な犯罪や事故の増加、相次ぐ自然災害、インフラ老朽化などを背景に、警備業界に対する社会の期待は高まっている中、当社グループに対しては、警備・設備・介護等のトータルでのサービス提供が求められております。加えて、2022年の刑法犯認知件数が2002年以来初めて対前年比増加に転じ、さらに2023年上半期においても増加傾向が強まっているほか、首相襲撃事件や広域強盗傷害事件等の発生を受けて国内の体感治安が悪化しており、安全・安心を守る当社グループの役割は増大していると言えます。
このような情勢の中、当社グループは、国民生活・国民経済の安定確保に不可欠な業務である社会の安全・安心に関するサービス(セキュリティサービス事業、綜合管理・防災事業、介護等生活支援事業)を行う事業者として、適切にサービス提供を継続してまいりました。中期経営計画「Grand Design 2025」に掲げております、「社会の多様な安全・安心ニーズに対応する強靭な綜合安全安心サービス業」を目指して、リスクが多様化する中で拡大するお客様と社会の安全・安心ニーズに応えるべく、警備・設備・介護等の多様なサービス機能を組み合わせた新たなサービス提供に取り組んでおります。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループの連結業績は、前期と比較して大きく改善し、さらにコロナ禍前の2019年3月期第1四半期及び2020年3月期第1四半期と比較しても堅調な結果となり、売上高は121,593百万円(前年同期比6.7%増)、営業利益は8,699百万円(前年同期比21.1%増)、経常利益は9,193百万円(前年同期比16.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5,195百万円(前年同期比16.6%増)となりました。
セグメント別に見ますと、以下のとおりであります。なお、当第1四半期連結会計期間より報告セグメント並びに一部の収益及び費用の配分方法を変更しております。前期比較にあたっては、前年同四半期連結会計期間の実績を変更後の区分及び配分方法に組み替えて行っております。
セキュリティ事業につきましては、売上高は92,370百万円(前年同期比3.5%増)、営業利益は9,210百万円(前年同期比15.8%増)となりました。
機械警備業務においては、法人向けサービスとして、ライブ画像確認を標準装備し、画像蓄積や画像を活用した遠隔監視、遠隔地からの設備制御等のオプションサービスを充実させ、お客様の省人化ニーズにも貢献する「ALSOK-G7(ジーセブン)」の販売を推進してまいりました。今後、お客様のニーズに合わせて、ALSOK-G7の活用の拡大を更に図ります。個人向けサービスとしては、2023年4月に、ホームセキュリティの新商品として「HOME ALSOK Connect」の提供を開始いたしました。この商品は、異常の際にALSOKが駆けつける従来型の「オンラインセキュリティ」に加え、異常通知後のALSOKによる現場確認をオプションサービスとし、月額料金を抑えた「セルフセキュリティ」のプランをご用意しております。セルフセキュリティはいつでもオンラインセキュリティにアップグレードが可能です。また、高齢者向け見守りサービス「HOME ALSOK みまもりサポート」等の販売も引き続き推進してまいりました。
常駐警備業務においては、G7広島サミットをはじめとするG7関連の各種大臣会合の警備やインバウンド需要回復によって再開した空港施設の警備に対応いたしました。今後は、DX等を活用した常駐警備の省人化・効率化に取り組み、生産拠点の国内回帰やアフターコロナにおける国内イベントの再開本格化等にも対応してまいります。
警備輸送業務においては、金融機関の店舗統廃合等によりATM台数は減少している一方、官民における現金管理業務の合理化ニーズは依然根強く、引き続き入(出)金機オンラインシステム等の販売を拡大しております。さらに、入出金機オンラインシステムを活用して自治体の派出窓口業務を自動化する「税公金受付システム」を提供しております。また、地域金融機関等の業務効率化とコスト低減をサポートする新たなソリューションとして、「手形・小切手の電子交換所」の集中業務を提供しております。引き続き様々なアウトソースニーズを捉え、サービス提供の拡大に努めてまいります。
綜合管理・防災事業につきましては、建設工事部門の完工高等が堅調に推移し、売上高は15,429百万円(前年同期比19.1%増)、営業利益は1,200百万円(前年同期比32.2%増)となりました。引き続き「警備と設備・工事の融合」のコンセプトのもと、ファシリティマネジメント業務の拡大に取り組むとともに、EV充電設備の販売、設置工事や保守メンテナンス等サステナビリティへの取組みも強化してまいります。
介護事業につきましては、新規の施設開設、既存施設の入居率向上の他、M&Aの効果等により、売上高は12,538百万円(前年同期比20.2%増)となりましたが、コスト増等により営業利益は326百万円(前年同期比15.2%減)となりました。株式会社エヌジェイアイ及び国立大学法人東京医科歯科大学との間で連携協定を昨秋締結し、介護における看取り予知技術及び緊急イベントの回避・軽減・対応を含むトータルケアパッケージの標準化・ガイドライン開発に関する共同研究を開始しております。引き続き介護支援AIロボット等を活用し介護業務の効率化による経営基盤の強化と施設の拡充を図りつつ、介護事業の統一ブランド『ALSOKの介護』のもとサービス拡充に努めてまいります。
その他の分野につきましては、従来からサービス提供している太陽光施設のパネル点検に加え、各種施設の点検・調査等、ドローンを活用した事業の拡大に引き続き取り組んでおります。
当社グループは、社会の安全・安心に関するサービスを行う事業者としての責務を果たしつつ、新技術の活用や生産性の向上等に引き続き取り組み、今後も拡大する社会の安全・安心ニーズに的確に応えてまいります。
当第1四半期連結会計期間末における財政状態の状況につきましては、次のとおりであります。
当第1四半期連結会計期間末における総資産は前期末比で1,652百万円減少し、514,995百万円となりました。
現金及び預金が12,006百万円、前払費用などのその他の流動資産が7,309百万円増加した一方、警備輸送業務用現金が13,606百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が8,005百万円減少した結果であります。
負債の部は、前期末比で3,138百万円減少し、169,615百万円となりました。預り金などのその他の流動負債が9,583百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が8,660百万円、未払法人税等が3,610百万円減少した結果であります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の営業活動の結果増加した資金は18,287百万円(前年同期比164.4%増)であります。警備輸送業務に係る資産・負債の増減額の増加により10,723百万円、税金等調整前四半期純利益により9,167百万円、売上債権の減少により8,037百万円、減価償却による資金の内部留保により4,492百万円の資金が増加した一方、仕入債務の減少により9,187百万円、法人税等の支払により4,357百万円の資金が減少した結果であります。
なお、警備輸送業務に係る資産・負債の増減額には、警備輸送業務用現金及び短期借入金のうち警備輸送業務用に調達した資金等の増減が含まれております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の投資活動の結果使用した資金は1,839百万円(前年同期比84.4%減)であります。有形固定資産の取得により2,651百万円減少した結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の財務活動の結果減少した資金は3,962百万円(前年同期比31.0%減)であります。短期借入金の増加により3,678百万円増加した一方、配当金の支払により4,354百万円、非支配株主への配当金の支払額1,771百万円、リース債務の返済により1,363百万円減少した結果であります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 生産、受注及び販売の状況
(生産実績)
当社グループは生産活動を行っておりませんが、当第1四半期連結会計期間末日現在実施中の契約件数をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記件数は、当社グループがサービスを提供している対象先の数ではなく、お客様と約定している長期契約(一定期間継続的にサービスを提供する契約)の数を集計したものであります。各セグメントに含まれる代表的なサービスは、次のとおりです。
(販売実績)
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)販売実績が総販売実績の10%以上の相手はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費は、総額147百万円であり、主にセキュリティ事業に係るものであります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループにおける研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループにおける自己資金の主たる源泉は、セキュリティ事業を中心としたお客様からの月額料金の収受であり、先行きが見通しやすい安定的な収入を毎月得られております。こうした安定的な自己資金を所与として資金の支出を計画していることから、将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないと認識しております。また、外部からの資金調達についても、こうした安定的な自己資金の状況や最近の自己資本比率の動向、主要な金融機関との良好な関係により、安定的に実施できると考えております。
このような資金の源泉に対し、当社グループの主要な資金需要及び資金調達の方法については、以下のとおりです。
(運転資金需要)
当社グループにおける運転資金需要のうち主なものは、労務費や外注費を中心とする売上原価、人件費を中心とする販売費及び一般管理費、及び警備輸送業務における入(出)金機オンラインシステムによる売上金の入金処理等のための現金であります。
売上原価や販売費及び一般管理費の支払資金については、年間を通して安定的に需要が生じるものが多く、自己資金を充当することを基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの短期借入を実施することとしております。
入(出)金機オンラインシステムによる売上金の入金処理等のための資金については、自己資金及び金融機関からの短期借入を併用して対応することとしております。当該短期借入は、当座貸越を通じて、資金需要に即して実行できるものとなっております。売上金の入金処理の金額は、前日にお客様が入(出)金機に売上金を投入した金額となり、日々大きく変動しますが、特に月曜日や国民の祝日の後の営業日においては、その前日までの休日に投入された売上金にもあわせて対応する必要があることから、入金処理金額が増加し、金融機関からの借入への依存度も高まる傾向にあります。
(投資目的の資金需要)
当社グループにおける投資目的の資金需要のうち主なものは、M&Aが挙げられます。これについては、自己資金を充当することを基本としながら、必要に応じて金融機関からの短期借入や長期借入を実施し、対応することとしております。
このほか、機械警備に係る警報機器の経常的な取得も設備投資に含められております。警報機器の取得は、1件当たりの金額が少額で、受注に伴って生じるため、運転資本を構成する棚卸資産と類似の性格も有すると考えており、年間を通じて安定的に資金需要が生じることから、運転資金需要と同様に自己資金をもって対応することを基本としております。
なお、当第1四半期連結累計期間において、前連結会計年度末において計画中であった資本的支出を含む設備投資計画について、重要な変更はありません。
(先行きの資金需要の動向及び資金調達方法に係る経営者の認識)
当第1四半期連結累計期間における警備輸送業務を除いた資金需要については、概ね自己資金の範囲で対応いたしました。当連結会計年度末までについても、現時点ではこれまでの資金需要の傾向から大きな変化を見込んでいないことから、同様に自己資金の範囲で対応することが基本となると認識しております。
(9) 設備の状況
(設備の新設、除却等の計画)
当第1四半期連結累計期間において、前連結会計期間末において計画中であった重要な設備の新設、除却等について、重要な変更はありません。また、新たに確定した重要な設備の新設、拡充、改修、除却、売却等の計画はありません。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類となったことでコロナ禍も一区切りとなり、社会経済活動の正常化やインバウンド需要の回復もあり緩やかな持ち直しの動きが継続しました。先行きにつきましては、政府の経済対策の効果とも相まって民需主導の緩やかな成長が期待されますが、他方で、世界的なインフレ傾向や、為替・金融市場の急激な変動と金融のシステミックリスク、中国経済や欧米経済のダウンサイドリスク等内外情勢の先行きに注意が必要です。
警備分野においては政府の「世界一安全な日本」創造戦略2022においても示されているように、少子高齢化と労働力人口減少の中にあって、重要インフラ・サプライチェーン等へのサイバー攻撃対策、高齢者、女性、子ども等の社会的弱者の安全・安心への懸念、街中での凶悪な犯罪や事故の増加、相次ぐ自然災害、インフラ老朽化などを背景に、警備業界に対する社会の期待は高まっている中、当社グループに対しては、警備・設備・介護等のトータルでのサービス提供が求められております。加えて、2022年の刑法犯認知件数が2002年以来初めて対前年比増加に転じ、さらに2023年上半期においても増加傾向が強まっているほか、首相襲撃事件や広域強盗傷害事件等の発生を受けて国内の体感治安が悪化しており、安全・安心を守る当社グループの役割は増大していると言えます。
このような情勢の中、当社グループは、国民生活・国民経済の安定確保に不可欠な業務である社会の安全・安心に関するサービス(セキュリティサービス事業、綜合管理・防災事業、介護等生活支援事業)を行う事業者として、適切にサービス提供を継続してまいりました。中期経営計画「Grand Design 2025」に掲げております、「社会の多様な安全・安心ニーズに対応する強靭な綜合安全安心サービス業」を目指して、リスクが多様化する中で拡大するお客様と社会の安全・安心ニーズに応えるべく、警備・設備・介護等の多様なサービス機能を組み合わせた新たなサービス提供に取り組んでおります。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループの連結業績は、前期と比較して大きく改善し、さらにコロナ禍前の2019年3月期第1四半期及び2020年3月期第1四半期と比較しても堅調な結果となり、売上高は121,593百万円(前年同期比6.7%増)、営業利益は8,699百万円(前年同期比21.1%増)、経常利益は9,193百万円(前年同期比16.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5,195百万円(前年同期比16.6%増)となりました。
セグメント別に見ますと、以下のとおりであります。なお、当第1四半期連結会計期間より報告セグメント並びに一部の収益及び費用の配分方法を変更しております。前期比較にあたっては、前年同四半期連結会計期間の実績を変更後の区分及び配分方法に組み替えて行っております。
セキュリティ事業につきましては、売上高は92,370百万円(前年同期比3.5%増)、営業利益は9,210百万円(前年同期比15.8%増)となりました。
機械警備業務においては、法人向けサービスとして、ライブ画像確認を標準装備し、画像蓄積や画像を活用した遠隔監視、遠隔地からの設備制御等のオプションサービスを充実させ、お客様の省人化ニーズにも貢献する「ALSOK-G7(ジーセブン)」の販売を推進してまいりました。今後、お客様のニーズに合わせて、ALSOK-G7の活用の拡大を更に図ります。個人向けサービスとしては、2023年4月に、ホームセキュリティの新商品として「HOME ALSOK Connect」の提供を開始いたしました。この商品は、異常の際にALSOKが駆けつける従来型の「オンラインセキュリティ」に加え、異常通知後のALSOKによる現場確認をオプションサービスとし、月額料金を抑えた「セルフセキュリティ」のプランをご用意しております。セルフセキュリティはいつでもオンラインセキュリティにアップグレードが可能です。また、高齢者向け見守りサービス「HOME ALSOK みまもりサポート」等の販売も引き続き推進してまいりました。
常駐警備業務においては、G7広島サミットをはじめとするG7関連の各種大臣会合の警備やインバウンド需要回復によって再開した空港施設の警備に対応いたしました。今後は、DX等を活用した常駐警備の省人化・効率化に取り組み、生産拠点の国内回帰やアフターコロナにおける国内イベントの再開本格化等にも対応してまいります。
警備輸送業務においては、金融機関の店舗統廃合等によりATM台数は減少している一方、官民における現金管理業務の合理化ニーズは依然根強く、引き続き入(出)金機オンラインシステム等の販売を拡大しております。さらに、入出金機オンラインシステムを活用して自治体の派出窓口業務を自動化する「税公金受付システム」を提供しております。また、地域金融機関等の業務効率化とコスト低減をサポートする新たなソリューションとして、「手形・小切手の電子交換所」の集中業務を提供しております。引き続き様々なアウトソースニーズを捉え、サービス提供の拡大に努めてまいります。
綜合管理・防災事業につきましては、建設工事部門の完工高等が堅調に推移し、売上高は15,429百万円(前年同期比19.1%増)、営業利益は1,200百万円(前年同期比32.2%増)となりました。引き続き「警備と設備・工事の融合」のコンセプトのもと、ファシリティマネジメント業務の拡大に取り組むとともに、EV充電設備の販売、設置工事や保守メンテナンス等サステナビリティへの取組みも強化してまいります。
介護事業につきましては、新規の施設開設、既存施設の入居率向上の他、M&Aの効果等により、売上高は12,538百万円(前年同期比20.2%増)となりましたが、コスト増等により営業利益は326百万円(前年同期比15.2%減)となりました。株式会社エヌジェイアイ及び国立大学法人東京医科歯科大学との間で連携協定を昨秋締結し、介護における看取り予知技術及び緊急イベントの回避・軽減・対応を含むトータルケアパッケージの標準化・ガイドライン開発に関する共同研究を開始しております。引き続き介護支援AIロボット等を活用し介護業務の効率化による経営基盤の強化と施設の拡充を図りつつ、介護事業の統一ブランド『ALSOKの介護』のもとサービス拡充に努めてまいります。
その他の分野につきましては、従来からサービス提供している太陽光施設のパネル点検に加え、各種施設の点検・調査等、ドローンを活用した事業の拡大に引き続き取り組んでおります。
当社グループは、社会の安全・安心に関するサービスを行う事業者としての責務を果たしつつ、新技術の活用や生産性の向上等に引き続き取り組み、今後も拡大する社会の安全・安心ニーズに的確に応えてまいります。
当第1四半期連結会計期間末における財政状態の状況につきましては、次のとおりであります。
当第1四半期連結会計期間末における総資産は前期末比で1,652百万円減少し、514,995百万円となりました。
現金及び預金が12,006百万円、前払費用などのその他の流動資産が7,309百万円増加した一方、警備輸送業務用現金が13,606百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が8,005百万円減少した結果であります。
負債の部は、前期末比で3,138百万円減少し、169,615百万円となりました。預り金などのその他の流動負債が9,583百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が8,660百万円、未払法人税等が3,610百万円減少した結果であります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の営業活動の結果増加した資金は18,287百万円(前年同期比164.4%増)であります。警備輸送業務に係る資産・負債の増減額の増加により10,723百万円、税金等調整前四半期純利益により9,167百万円、売上債権の減少により8,037百万円、減価償却による資金の内部留保により4,492百万円の資金が増加した一方、仕入債務の減少により9,187百万円、法人税等の支払により4,357百万円の資金が減少した結果であります。
なお、警備輸送業務に係る資産・負債の増減額には、警備輸送業務用現金及び短期借入金のうち警備輸送業務用に調達した資金等の増減が含まれております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の投資活動の結果使用した資金は1,839百万円(前年同期比84.4%減)であります。有形固定資産の取得により2,651百万円減少した結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の財務活動の結果減少した資金は3,962百万円(前年同期比31.0%減)であります。短期借入金の増加により3,678百万円増加した一方、配当金の支払により4,354百万円、非支配株主への配当金の支払額1,771百万円、リース債務の返済により1,363百万円減少した結果であります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 生産、受注及び販売の状況
(生産実績)
当社グループは生産活動を行っておりませんが、当第1四半期連結会計期間末日現在実施中の契約件数をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当第1四半期連結会計期間末 (2023年6月30日) | 前年同四半期比(%) | |
セキュリティ事業 | |||
機械警備業務 | (千件) | 1,049 | 3.4 |
常駐警備業務 | (千件) | 4 | 7.0 |
警備輸送業務 | (千件) | 87 | 2.2 |
合計 | (千件) | 1,141 | 3.3 |
綜合管理・防災事業 | (千件) | 123 | 3.2 |
介護事業 | (千件) | 27 | 4.6 |
報告セグメント計 | (千件) | 1,292 | 3.3 |
その他 | (千件) | 24 | 8.0 |
合計 | (千件) | 1,317 | 3.4 |
(注)上記件数は、当社グループがサービスを提供している対象先の数ではなく、お客様と約定している長期契約(一定期間継続的にサービスを提供する契約)の数を集計したものであります。各セグメントに含まれる代表的なサービスは、次のとおりです。
機械警備業務 | 法人向けのALSOKガードシステム各種、個人向けのホームセキュリティ各種 |
常駐警備業務 | ご契約先施設等に警備員を配置する常駐警備 |
警備輸送業務 | 現金、有価証券等を輸送する現金輸送サービス、入(出)金機オンラインシステム、QRコード決済を中心としたキャッシュレス決済サービス |
綜合管理・防災事業 | 設備管理、清掃管理、電話対応等、施設の維持、管理、運営業務、消防用設備の点検、AEDのレンタル等 |
介護事業 | 訪問介護、デイサービス、有料老人ホーム、グループホーム等 |
その他 | ALSOK PCマネジメントサービス、ホームページ改ざん検知サービス等 |
(販売実績)
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当第1四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) | 前年同四半期比(%) | |
セキュリティ事業 | |||
機械警備業務 | (百万円) | 44,270 | 5.4 |
常駐警備業務 | (百万円) | 31,375 | 2.9 |
警備輸送業務 | (百万円) | 16,724 | △0.3 |
合計 | (百万円) | 92,370 | 3.5 |
綜合管理・防災事業 | (百万円) | 15,429 | 19.1 |
介護事業 | (百万円) | 12,538 | 20.2 |
報告セグメント計 | (百万円) | 120,338 | 6.8 |
その他 | (百万円) | 1,254 | △6.8 |
合計 | (百万円) | 121,593 | 6.7 |
(注)販売実績が総販売実績の10%以上の相手はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費は、総額147百万円であり、主にセキュリティ事業に係るものであります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループにおける研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループにおける自己資金の主たる源泉は、セキュリティ事業を中心としたお客様からの月額料金の収受であり、先行きが見通しやすい安定的な収入を毎月得られております。こうした安定的な自己資金を所与として資金の支出を計画していることから、将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないと認識しております。また、外部からの資金調達についても、こうした安定的な自己資金の状況や最近の自己資本比率の動向、主要な金融機関との良好な関係により、安定的に実施できると考えております。
このような資金の源泉に対し、当社グループの主要な資金需要及び資金調達の方法については、以下のとおりです。
(運転資金需要)
当社グループにおける運転資金需要のうち主なものは、労務費や外注費を中心とする売上原価、人件費を中心とする販売費及び一般管理費、及び警備輸送業務における入(出)金機オンラインシステムによる売上金の入金処理等のための現金であります。
売上原価や販売費及び一般管理費の支払資金については、年間を通して安定的に需要が生じるものが多く、自己資金を充当することを基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの短期借入を実施することとしております。
入(出)金機オンラインシステムによる売上金の入金処理等のための資金については、自己資金及び金融機関からの短期借入を併用して対応することとしております。当該短期借入は、当座貸越を通じて、資金需要に即して実行できるものとなっております。売上金の入金処理の金額は、前日にお客様が入(出)金機に売上金を投入した金額となり、日々大きく変動しますが、特に月曜日や国民の祝日の後の営業日においては、その前日までの休日に投入された売上金にもあわせて対応する必要があることから、入金処理金額が増加し、金融機関からの借入への依存度も高まる傾向にあります。
(投資目的の資金需要)
当社グループにおける投資目的の資金需要のうち主なものは、M&Aが挙げられます。これについては、自己資金を充当することを基本としながら、必要に応じて金融機関からの短期借入や長期借入を実施し、対応することとしております。
このほか、機械警備に係る警報機器の経常的な取得も設備投資に含められております。警報機器の取得は、1件当たりの金額が少額で、受注に伴って生じるため、運転資本を構成する棚卸資産と類似の性格も有すると考えており、年間を通じて安定的に資金需要が生じることから、運転資金需要と同様に自己資金をもって対応することを基本としております。
なお、当第1四半期連結累計期間において、前連結会計年度末において計画中であった資本的支出を含む設備投資計画について、重要な変更はありません。
(先行きの資金需要の動向及び資金調達方法に係る経営者の認識)
当第1四半期連結累計期間における警備輸送業務を除いた資金需要については、概ね自己資金の範囲で対応いたしました。当連結会計年度末までについても、現時点ではこれまでの資金需要の傾向から大きな変化を見込んでいないことから、同様に自己資金の範囲で対応することが基本となると認識しております。
(9) 設備の状況
(設備の新設、除却等の計画)
当第1四半期連結累計期間において、前連結会計期間末において計画中であった重要な設備の新設、除却等について、重要な変更はありません。また、新たに確定した重要な設備の新設、拡充、改修、除却、売却等の計画はありません。