半期報告書-第60期(2024/04/01-2025/03/31)
文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間における我が国経済は、個人消費や輸出の動きに足踏みがみられるものの、生産や設備投資の持ち直し、企業収益の改善などを背景に緩やかな景気回復が継続しました。先行きにつきましては、実質賃金の反転上昇期待を含め雇用・所得環境が改善する下で緩やかな回復が続くことが期待されますが、他方で、日米の選挙結果を受けての為替を含めた金融市場の動向、中東・ウクライナ情勢の緊迫化、中国経済及び欧州経済の下振れリスクなどに注意する必要があります。
警備分野においては、サイバー空間の脅威、高齢者、女性、子ども等の社会的弱者の安全・安心への懸念のほか、街中での犯罪や事故の増加、今年1月に発生した令和6年能登半島地震等の自然災害に伴う治安情勢の変化、インフラ老朽化などを背景に、警備業界に対する社会の期待は高まっており、当社グループに対しては、警備を含むトータルでの安全・安心に関するサービス提供が求められております。加えて、2022年の刑法犯認知件数が2002年以来初めて対前年比増加に転じて以降増加傾向が強まっているほか、首都圏を中心に相次ぐ強盗事件や一部外国人による犯罪の発生等を受けて国内の体感治安が悪化しており、安全・安心を提供する当社グループの役割は増大していると言えます。
このような情勢の中、当社グループは、持続可能な社会への貢献を目指し、社会の安全・安心に関するサービス(セキュリティ事業、FM事業等、介護事業、海外事業)を行う事業者として、適切にサービス提供を継続してまいりました。中期経営計画「Grand Design 2025」に掲げておりますとおり、「社会の多様な安全・安心ニーズに対応する強靭な綜合安全安心サービス業」を目指して、リスクが多様化する中で拡大するお客様と社会の安全・安心ニーズに応えるべく、警備・設備・介護等の多様なサービス機能を組み合わせた新たなサービス提供に取り組んでおります。
以上のような取組みを続ける中、当中間連結会計期間における当社グループの連結業績は、売上高は263,280百万円(前年同期比6.9%増)となりましたが、ベースアップの実施や3G停波対応による費用増、貸倒引当金の増加等により、営業利益は15,603百万円(前年同期比12.5%減)、経常利益は16,994百万円(前年同期比12.4%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は10,091百万円(前年同期比14.9%減)となりました。
セグメント別に見ますと、以下のとおりであります。なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントを従来の「セキュリティ事業」、「綜合管理・防災事業」及び「介護事業」から「セキュリティ事業」、「FM事業等」、「介護事業」及び「海外事業」に変更しております。これに伴い、各セグメントの前年同期比につきましては、前年同期の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えたうえで算出しております。
セキュリティ事業につきましては、売上高は190,422百万円(前年同期比3.1%増)、営業利益は17,224百万円(前年同期比10.3%減)となりました。
機械警備事業においては、法人向けサービスとして、ライブ画像確認を標準装備し、画像蓄積や遠隔地からのオプションを充実させ、お客様の省人化ニーズにも貢献する「ALSOK-G7(ジーセブン)」の販売を推進しており、今後お客様のニーズに合わせてその活用範囲を更に拡大してまいります。今年7月より「ALSOK ITレスキュー」と「ALSOK設備レスキュー」のサービス提供エリアを全国に拡大しました。これらのサービスは、ALSOKの機械警備の既存インフラを活用し、IT機器やビルの設備等に障害等が発生した際にガードマンが駆けつけて専門家による業務支援のもと原因究明や応急措置等を行うサービスです。また、昨年10月に提供を開始した「ALSOKホームページ改ざん検知・復旧サービス」のほか、従来からサービス提供しているソーラーパネルの点検、各種施設の点検・調査等ドローンを活用した事業の拡大にも取り組んでおります。
HOME ALSOK事業においては、昨年4月に提供を開始した「HOME ALSOK Connect」の販売拡大もあり、受注を伸ばしました。この商品は、体感治安が悪化する中で幅広いお客様に安全・安心を提供するものであり、異常の際にALSOKが駆けつける従来型の「オンラインセキュリティ」に加え、ご依頼に応じてALSOKが現場確認するサービスをオプションとして月額料金を抑えた「セルフセキュリティ」のプランをご用意しており、セルフセキュリティはいつでもオンラインセキュリティにアップグレードが可能です。今年5月には、スムーズなスマホ認証による警備の開始/解除操作を可能とし、スマホ忘れ防止機能を搭載した、「HOME ALSOK Connect」用コントローラー「スマホゲート」の提供を開始し、更なる販売拡大に努めております。その他、高齢者向け見守りサービス「HOME ALSOK みまもりサポート」等の販売も推進しております。
常駐警備事業においては、インバウンド需要回復によって再開した空港施設の警備、生産拠点の国内回帰やアフターコロナにおける国内イベントの再開本格化に伴う警備へ対応しております。また、大阪・関西万博関連では、会場警備やパビリオン各館等の警備などを複数受注しており、当社グループを挙げて対応してまいります。また、DX等による更なる常駐警備の省人化・効率化にも注力してまいります。
警備輸送事業においては、金融機関の店舗統廃合等によりATM台数は減少している一方、現金管理業務の効率化ニーズは依然根強く、ATM綜合管理サービスや入(出)金機オンラインシステム等の販売を拡大しております。また、入出金機オンラインシステムを活用して自治体の派出窓口業務を自動化する「税公金受付システム」を提供しております。その他、今年7月に行われた新紙幣発行に向けた機器のリプレース等を推進してまいりました。引き続き、地域金融機関等の業務効率化・コスト低減など様々なアウトソースニーズを捉え、サービス提供の拡大に努めてまいります。
FM事業等につきましては、売上高は33,282百万円(前年同期比0.6%増)、営業利益は2,794百万円(前年同期比2.8%減)となりました。引き続きファシリティマネジメント業務等の拡大に取り組むとともに、サステナビリティへの取組み強化の一環としてEV充電設備の販売、設置工事や保守メンテナンス等を提供してまいります。
介護事業につきましては、施設等の入居率上昇が業績向上に寄与し、売上高は26,457百万円(前年同期比5.0%増)、営業利益は826百万円(前年同期比19.3%増)となりました。その他、2024年9月26日付にて、当社と東京科学大学(旧東京医科歯科大学)及び株式会社エヌジェイアイの共同出資による看護・介護分野の研究開発・人材育成を行う株式会社科学的看護・介護研究機構が事業を開始いたしました。引き続き介護支援ロボット活用等DXによる介護業務の高度化、効率化をすすめ、介護事業の統一ブランド『ALSOKの介護』のもとサービス拡充に努めてまいります。
海外事業につきましては、M&Aの効果もあり、売上高は13,119百万円(前年同期比286.6%増)、営業損失は373百万円(前年同期は318百万円の営業損失)となりました。引き続き、日本で培ったノウハウをもとに、国ごとに最適な商品・サービスを提供し、お客様の海外事業をサポートしていくとともに、積極的な事業展開を図ってまいります。
当社グループは、社会の安全・安心に関するサービスを行う事業者としての責務を果たしつつ、新技術の活用や生産性の向上等に引き続き取り組み、今後も拡大する社会の安全・安心ニーズに的確に応えてまいります。
当中間連結会計期間末における総資産は、前期末比1,955百万円減少し、565,605百万円となりました。警備輸送業務用現金が13,050百万円増加した一方、現金及び預金が8,592百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が8,354百万円減少した結果であります。
負債の部は、前期末比8,978百万円増加し、189,958百万円となりました。短期借入金が18,360百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が7,562百万円減少した結果であります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の営業活動の結果増加した資金は19,814百万円(前年同期比43.0%減)であります。税金等調整前中間純利益により17,149百万円、減価償却による資金の内部留保により9,936百万円、売上債権の減少により9,011百万円の資金が増加した一方、仕入債務の減少により10,914百万円、法人税等の支払により5,257百万円の資金が減少した結果であります。
なお、警備輸送業務に係る資産・負債の増減額には、警備輸送業務用現金及び短期借入金のうち警備輸送業務用に調達した資金等の増減が含まれております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の投資活動の結果使用した資金は4,464百万円(前年同期比39.3%減)であります。子会社の新規連結により4,588百万円の資金が増加した一方、有形固定資産の取得により7,273百万円の資金が減少した結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の財務活動の結果減少した資金は25,345百万円(前年同期比95.5%増)であります。自己株式の取得による支出により15,000百万円、配当金の支払により7,511百万円、リース債務の返済により3,000百万円の資金が減少した結果であります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 生産、受注及び販売の状況
(生産実績)
当社グループは生産活動を行っておりませんが、当中間連結会計期間末日現在実施中の契約件数をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記件数は、当社グループがサービスを提供している対象先の数ではなく、お客様と約定している長期契約(一定期間継続的にサービスを提供する契約)の数を集計したものであります。各セグメントに含まれる代表的なサービスは、次のとおりです。
(販売実績)
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)販売実績が総販売実績の10%以上の相手はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発費は、総額242百万円であり、主にセキュリティ事業に係るものであります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループにおける研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループにおける自己資金の主たる源泉は、セキュリティ事業を中心としたお客様からの月額料金の収受であり、先行きが見通しやすい安定的な収入を毎月得られております。こうした安定的な自己資金を所与として資金の支出を計画していることから、将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないと認識しております。また、外部からの資金調達についても、こうした安定的な自己資金の状況や最近の自己資本比率の動向、主要な金融機関との良好な関係により、安定的に実施できると考えております。
このような資金の源泉に対し、当社グループの主要な資金需要及び資金調達の方法については、以下のとおりです。
(運転資金需要)
当社グループにおける運転資金需要のうち主なものは、労務費や外注費を中心とする売上原価、人件費を中心とする販売費及び一般管理費、並びに警備輸送業務における入(出)金機オンラインシステムによる売上金の入金処理等のための現金であります。
売上原価や販売費及び一般管理費の支払資金については、年間を通して安定的に需要が生じるものが多く、自己資金を充当することを基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの短期借入を実施することとしております。
入(出)金機オンラインシステムによる売上金の入金処理等のための資金については、自己資金及び金融機関からの短期借入を併用して対応することとしております。当該短期借入は、当座貸越を通じて、資金需要に即して実行できるものとなっております。売上金の入金処理の金額は、前日にお客様が入(出)金機に売上金を投入した金額となり、日々大きく変動しますが、特に月曜日や国民の祝日の後の営業日においては、その前日までの休日に投入された売上金にも併せて対応する必要があることから、入金処理金額が増加し、金融機関からの借入への依存度も高まる傾向にあります。
(投資目的の資金需要)
当社グループにおける投資目的の資金需要のうち主なものは、M&Aが挙げられます。これについては、自己資金を充当することを基本としながら、必要に応じて金融機関からの短期借入や長期借入を実施し、対応することとしております。
このほか、機械警備に係る警報機器の経常的な取得も設備投資に含められております。警報機器の取得は、1件当たりの金額が少額で、受注に伴って生じるため、運転資本を構成する棚卸資産と類似の性格も有すると考えており、年間を通じて安定的に資金需要が生じることから、運転資金需要と同様に自己資金をもって対応することを基本としております。
なお、当中間連結会計期間において、前連結会計年度末において計画中であった資本的支出を含む設備投資計画について、重要な変更はありません。
(先行きの資金需要の動向及び資金調達方法に係る経営者の認識)
当中間連結会計期間における警備輸送業務を除いた資金需要については、概ね自己資金の範囲で対応いたしました。当連結会計年度末までについても、現時点ではこれまでの資金需要の傾向から大きな変化を見込んでいないことから、同様に自己資金の範囲で対応することが基本となると認識しております。
(9) 設備の状況
(設備の新設、除却等の計画)
当中間連結会計期間において、前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設、除却等について、重要な変更はありません。また、新たに確定した重要な設備の新設、拡充、改修、除却、売却等の計画はありません。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間における我が国経済は、個人消費や輸出の動きに足踏みがみられるものの、生産や設備投資の持ち直し、企業収益の改善などを背景に緩やかな景気回復が継続しました。先行きにつきましては、実質賃金の反転上昇期待を含め雇用・所得環境が改善する下で緩やかな回復が続くことが期待されますが、他方で、日米の選挙結果を受けての為替を含めた金融市場の動向、中東・ウクライナ情勢の緊迫化、中国経済及び欧州経済の下振れリスクなどに注意する必要があります。
警備分野においては、サイバー空間の脅威、高齢者、女性、子ども等の社会的弱者の安全・安心への懸念のほか、街中での犯罪や事故の増加、今年1月に発生した令和6年能登半島地震等の自然災害に伴う治安情勢の変化、インフラ老朽化などを背景に、警備業界に対する社会の期待は高まっており、当社グループに対しては、警備を含むトータルでの安全・安心に関するサービス提供が求められております。加えて、2022年の刑法犯認知件数が2002年以来初めて対前年比増加に転じて以降増加傾向が強まっているほか、首都圏を中心に相次ぐ強盗事件や一部外国人による犯罪の発生等を受けて国内の体感治安が悪化しており、安全・安心を提供する当社グループの役割は増大していると言えます。
このような情勢の中、当社グループは、持続可能な社会への貢献を目指し、社会の安全・安心に関するサービス(セキュリティ事業、FM事業等、介護事業、海外事業)を行う事業者として、適切にサービス提供を継続してまいりました。中期経営計画「Grand Design 2025」に掲げておりますとおり、「社会の多様な安全・安心ニーズに対応する強靭な綜合安全安心サービス業」を目指して、リスクが多様化する中で拡大するお客様と社会の安全・安心ニーズに応えるべく、警備・設備・介護等の多様なサービス機能を組み合わせた新たなサービス提供に取り組んでおります。
以上のような取組みを続ける中、当中間連結会計期間における当社グループの連結業績は、売上高は263,280百万円(前年同期比6.9%増)となりましたが、ベースアップの実施や3G停波対応による費用増、貸倒引当金の増加等により、営業利益は15,603百万円(前年同期比12.5%減)、経常利益は16,994百万円(前年同期比12.4%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は10,091百万円(前年同期比14.9%減)となりました。
セグメント別に見ますと、以下のとおりであります。なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントを従来の「セキュリティ事業」、「綜合管理・防災事業」及び「介護事業」から「セキュリティ事業」、「FM事業等」、「介護事業」及び「海外事業」に変更しております。これに伴い、各セグメントの前年同期比につきましては、前年同期の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えたうえで算出しております。
セキュリティ事業につきましては、売上高は190,422百万円(前年同期比3.1%増)、営業利益は17,224百万円(前年同期比10.3%減)となりました。
機械警備事業においては、法人向けサービスとして、ライブ画像確認を標準装備し、画像蓄積や遠隔地からのオプションを充実させ、お客様の省人化ニーズにも貢献する「ALSOK-G7(ジーセブン)」の販売を推進しており、今後お客様のニーズに合わせてその活用範囲を更に拡大してまいります。今年7月より「ALSOK ITレスキュー」と「ALSOK設備レスキュー」のサービス提供エリアを全国に拡大しました。これらのサービスは、ALSOKの機械警備の既存インフラを活用し、IT機器やビルの設備等に障害等が発生した際にガードマンが駆けつけて専門家による業務支援のもと原因究明や応急措置等を行うサービスです。また、昨年10月に提供を開始した「ALSOKホームページ改ざん検知・復旧サービス」のほか、従来からサービス提供しているソーラーパネルの点検、各種施設の点検・調査等ドローンを活用した事業の拡大にも取り組んでおります。
HOME ALSOK事業においては、昨年4月に提供を開始した「HOME ALSOK Connect」の販売拡大もあり、受注を伸ばしました。この商品は、体感治安が悪化する中で幅広いお客様に安全・安心を提供するものであり、異常の際にALSOKが駆けつける従来型の「オンラインセキュリティ」に加え、ご依頼に応じてALSOKが現場確認するサービスをオプションとして月額料金を抑えた「セルフセキュリティ」のプランをご用意しており、セルフセキュリティはいつでもオンラインセキュリティにアップグレードが可能です。今年5月には、スムーズなスマホ認証による警備の開始/解除操作を可能とし、スマホ忘れ防止機能を搭載した、「HOME ALSOK Connect」用コントローラー「スマホゲート」の提供を開始し、更なる販売拡大に努めております。その他、高齢者向け見守りサービス「HOME ALSOK みまもりサポート」等の販売も推進しております。
常駐警備事業においては、インバウンド需要回復によって再開した空港施設の警備、生産拠点の国内回帰やアフターコロナにおける国内イベントの再開本格化に伴う警備へ対応しております。また、大阪・関西万博関連では、会場警備やパビリオン各館等の警備などを複数受注しており、当社グループを挙げて対応してまいります。また、DX等による更なる常駐警備の省人化・効率化にも注力してまいります。
警備輸送事業においては、金融機関の店舗統廃合等によりATM台数は減少している一方、現金管理業務の効率化ニーズは依然根強く、ATM綜合管理サービスや入(出)金機オンラインシステム等の販売を拡大しております。また、入出金機オンラインシステムを活用して自治体の派出窓口業務を自動化する「税公金受付システム」を提供しております。その他、今年7月に行われた新紙幣発行に向けた機器のリプレース等を推進してまいりました。引き続き、地域金融機関等の業務効率化・コスト低減など様々なアウトソースニーズを捉え、サービス提供の拡大に努めてまいります。
FM事業等につきましては、売上高は33,282百万円(前年同期比0.6%増)、営業利益は2,794百万円(前年同期比2.8%減)となりました。引き続きファシリティマネジメント業務等の拡大に取り組むとともに、サステナビリティへの取組み強化の一環としてEV充電設備の販売、設置工事や保守メンテナンス等を提供してまいります。
介護事業につきましては、施設等の入居率上昇が業績向上に寄与し、売上高は26,457百万円(前年同期比5.0%増)、営業利益は826百万円(前年同期比19.3%増)となりました。その他、2024年9月26日付にて、当社と東京科学大学(旧東京医科歯科大学)及び株式会社エヌジェイアイの共同出資による看護・介護分野の研究開発・人材育成を行う株式会社科学的看護・介護研究機構が事業を開始いたしました。引き続き介護支援ロボット活用等DXによる介護業務の高度化、効率化をすすめ、介護事業の統一ブランド『ALSOKの介護』のもとサービス拡充に努めてまいります。
海外事業につきましては、M&Aの効果もあり、売上高は13,119百万円(前年同期比286.6%増)、営業損失は373百万円(前年同期は318百万円の営業損失)となりました。引き続き、日本で培ったノウハウをもとに、国ごとに最適な商品・サービスを提供し、お客様の海外事業をサポートしていくとともに、積極的な事業展開を図ってまいります。
当社グループは、社会の安全・安心に関するサービスを行う事業者としての責務を果たしつつ、新技術の活用や生産性の向上等に引き続き取り組み、今後も拡大する社会の安全・安心ニーズに的確に応えてまいります。
当中間連結会計期間末における総資産は、前期末比1,955百万円減少し、565,605百万円となりました。警備輸送業務用現金が13,050百万円増加した一方、現金及び預金が8,592百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が8,354百万円減少した結果であります。
負債の部は、前期末比8,978百万円増加し、189,958百万円となりました。短期借入金が18,360百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が7,562百万円減少した結果であります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の営業活動の結果増加した資金は19,814百万円(前年同期比43.0%減)であります。税金等調整前中間純利益により17,149百万円、減価償却による資金の内部留保により9,936百万円、売上債権の減少により9,011百万円の資金が増加した一方、仕入債務の減少により10,914百万円、法人税等の支払により5,257百万円の資金が減少した結果であります。
なお、警備輸送業務に係る資産・負債の増減額には、警備輸送業務用現金及び短期借入金のうち警備輸送業務用に調達した資金等の増減が含まれております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の投資活動の結果使用した資金は4,464百万円(前年同期比39.3%減)であります。子会社の新規連結により4,588百万円の資金が増加した一方、有形固定資産の取得により7,273百万円の資金が減少した結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の財務活動の結果減少した資金は25,345百万円(前年同期比95.5%増)であります。自己株式の取得による支出により15,000百万円、配当金の支払により7,511百万円、リース債務の返済により3,000百万円の資金が減少した結果であります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 生産、受注及び販売の状況
(生産実績)
当社グループは生産活動を行っておりませんが、当中間連結会計期間末日現在実施中の契約件数をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当中間連結会計期間末 (2024年9月30日) | 前年同期比(%) | |
セキュリティ事業 | |||
機械警備事業 | (千件) | 590 | 3.4 |
HOME ALSOK事業 | (千件) | 512 | 3.5 |
常駐警備事業 | (千件) | 4 | 4.9 |
警備輸送事業 | (千件) | 89 | 2.9 |
合計 | (千件) | 1,196 | 3.4 |
FM事業等 | (千件) | 129 | 4.0 |
介護事業 | (千件) | 28 | 4.1 |
海外事業 | (千件) | 4 | 3.8 |
合計 | (千件) | 1,359 | 3.5 |
(注)上記件数は、当社グループがサービスを提供している対象先の数ではなく、お客様と約定している長期契約(一定期間継続的にサービスを提供する契約)の数を集計したものであります。各セグメントに含まれる代表的なサービスは、次のとおりです。
機械警備事業 | 法人向けのALSOKガードシステム各種 |
HOME ALSOK事業 | 個人向けのホームセキュリティ各種 |
常駐警備事業 | ご契約先施設等に警備員を配置する常駐警備 |
警備輸送事業 | 現金、有価証券等を輸送する現金輸送サービス、入(出)金機オンラインシステム |
FM事業等 | 設備管理、清掃管理、電話対応、施設の維持、管理、運営業務、消防用設備の点検、AEDのレンタル等 |
介護事業 | 訪問介護、デイサービス、有料老人ホーム、グループホーム等 |
海外事業 | 海外子会社が実施するセキュリティ事業、FM事業等 |
(販売実績)
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当中間連結会計期間 (自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) | 前年同期比(%) | |
セキュリティ事業 | |||
機械警備事業 | (百万円) | 82,877 | 2.8 |
HOME ALSOK事業 | (百万円) | 11,845 | 4.2 |
常駐警備事業 | (百万円) | 60,129 | 1.8 |
警備輸送事業 | (百万円) | 35,568 | 5.6 |
合計 | (百万円) | 190,422 | 3.1 |
FM事業等 | (百万円) | 33,282 | 0.6 |
介護事業 | (百万円) | 26,457 | 5.0 |
海外事業 | (百万円) | 13,119 | 286.6 |
合計 | (百万円) | 263,280 | 6.9 |
(注)販売実績が総販売実績の10%以上の相手はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発費は、総額242百万円であり、主にセキュリティ事業に係るものであります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループにおける研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループにおける自己資金の主たる源泉は、セキュリティ事業を中心としたお客様からの月額料金の収受であり、先行きが見通しやすい安定的な収入を毎月得られております。こうした安定的な自己資金を所与として資金の支出を計画していることから、将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないと認識しております。また、外部からの資金調達についても、こうした安定的な自己資金の状況や最近の自己資本比率の動向、主要な金融機関との良好な関係により、安定的に実施できると考えております。
このような資金の源泉に対し、当社グループの主要な資金需要及び資金調達の方法については、以下のとおりです。
(運転資金需要)
当社グループにおける運転資金需要のうち主なものは、労務費や外注費を中心とする売上原価、人件費を中心とする販売費及び一般管理費、並びに警備輸送業務における入(出)金機オンラインシステムによる売上金の入金処理等のための現金であります。
売上原価や販売費及び一般管理費の支払資金については、年間を通して安定的に需要が生じるものが多く、自己資金を充当することを基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの短期借入を実施することとしております。
入(出)金機オンラインシステムによる売上金の入金処理等のための資金については、自己資金及び金融機関からの短期借入を併用して対応することとしております。当該短期借入は、当座貸越を通じて、資金需要に即して実行できるものとなっております。売上金の入金処理の金額は、前日にお客様が入(出)金機に売上金を投入した金額となり、日々大きく変動しますが、特に月曜日や国民の祝日の後の営業日においては、その前日までの休日に投入された売上金にも併せて対応する必要があることから、入金処理金額が増加し、金融機関からの借入への依存度も高まる傾向にあります。
(投資目的の資金需要)
当社グループにおける投資目的の資金需要のうち主なものは、M&Aが挙げられます。これについては、自己資金を充当することを基本としながら、必要に応じて金融機関からの短期借入や長期借入を実施し、対応することとしております。
このほか、機械警備に係る警報機器の経常的な取得も設備投資に含められております。警報機器の取得は、1件当たりの金額が少額で、受注に伴って生じるため、運転資本を構成する棚卸資産と類似の性格も有すると考えており、年間を通じて安定的に資金需要が生じることから、運転資金需要と同様に自己資金をもって対応することを基本としております。
なお、当中間連結会計期間において、前連結会計年度末において計画中であった資本的支出を含む設備投資計画について、重要な変更はありません。
(先行きの資金需要の動向及び資金調達方法に係る経営者の認識)
当中間連結会計期間における警備輸送業務を除いた資金需要については、概ね自己資金の範囲で対応いたしました。当連結会計年度末までについても、現時点ではこれまでの資金需要の傾向から大きな変化を見込んでいないことから、同様に自己資金の範囲で対応することが基本となると認識しております。
(9) 設備の状況
(設備の新設、除却等の計画)
当中間連結会計期間において、前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設、除却等について、重要な変更はありません。また、新たに確定した重要な設備の新設、拡充、改修、除却、売却等の計画はありません。