四半期報告書-第16期第1四半期(平成29年4月1日-平成29年6月30日)

【提出】
2017/08/10 9:06
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27項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、海外経済の不確実性や金融市場変動のリスク要因はあったものの、日本経済再生と財政健全化の同時実現を目指した各種政策の推進を背景としつつ、個人消費・設備投資の持ち直しなど比較的底堅い内需に支えられた緩やかな回復基調を持続いたしました。
この間、介護業界においては、高齢社会の進行に伴う介護ニーズの増大と介護市場の成長基調が持続しておりますが、他方、社会保障費の増大による財政圧迫を軽減するため、介護報酬の抑制方針が維持されています。このため、介護事業者にとっての収益環境は一段と厳しさを増しており、高品質のサービスを提供しつつ生産性向上とコスト管理徹底により財務の健全性を保持する経営努力が強く求められております。
一方、介護に携わる人材の確保・育成の環境整備を目的として、平成29年度から平均月額1万円相当の介護職員処遇改善加算の増額が実施されました。また、制度・行政面においては、今後を展望したわが国の社会福祉体制及び高齢者福祉制度の基本的設計図としての「地域包括ケアシステム」の構築に向けての体制づくりが進行しております。平成30年度に施行される介護保険法改正、制度改定においては、地域包括ケアシステムの基本的理念の主柱として、自立支援、介護予防・高度化防止の推進が位置づけられる方向性が明示されております。
このような背景のもと、当社のコア事業である「総合ケアセンター」は、国家的重要施策である「地域包括ケアシステム」の構築を踏まえ、その推進拠点として、通所介護、宿泊サービス、サービス付き高齢者向け住宅に加え、生活支援や医療機関との連携を複合した切れ目のない総合的なケアサービスの運営を通じて、自立支援、介護予防・高度化防止に資する高齢社会の社会インフラ機能を担う事業コンセプトの推進に取り組んでおります。
また、完全子会社である株式会社八重洲ライフは、主として高齢者向けのフードサービス及び物品販売を主軸として、介護・医療周辺の生活支援サービスの領域における保険外新規事業を推進しております。
当社グループの営業拠点は、センター事業のサービス付き高齢者向け住宅「なごやかレジデンス」については、当第1四半期連結累計期間に1箇所を開設し、同四半期連結会計期間末において66箇所を運営しております。また、直営通所介護事業の「かがやきデイサービス」については、同四半期連結累計期間に上記の新規開設サービス付き高齢者向け住宅に併設して1箇所、また満員事業所の利用者の受け皿として近隣の通所事業所1箇所の計2箇所を開設し、同四半期連結会計期間末において66箇所を運営しております。さらに、当第1四半期連結会計期間末において、居宅介護支援事業の「なごやかケアプラン」を4箇所運営しております。
また、フランチャイズ事業については、当第1四半期連結会計期間末におけるフランチャイズによる通所介護事業所「ホームケアセンター」等は26箇所となっております。
次に当第1四半期連結累計期間の収益面については、コアのセンター事業が先進的なイノベーティブな事業であり、事業モデル構築の研究開発及び運営ノウハウ蓄積に多額の先行投資コストを投入してきたため、これまで赤字が累積し、これを黒字化するまでに相当期間を要しております。事業開始後4年1ヵ月の当第1四半期連結会計期間末現在も、多くの拠点において高齢者住宅の入居率向上及び併設通所介護事業所の利用者獲得の途上にあります。この結果、過年度の集中的な新規開設による初期投資コストの圧迫が持続し、当第1四半期連結累計期間の損益ではなお赤字が残存いたしました。
しかし、稼働率向上により収益は改善の方向にあり、営業総利益ベースの黒字幅は漸次拡大傾向にあります。
なお、前年同期比では、営業収入が減収となっていますが、前年同期は平成28年6月1日を効力発生日として吸収分割により承継会社に承継した単独通所介護事業に係る損益が含まれているためであり、当該承継事業を除くセンター事業ベースでは、営業収入は30.4%増収、営業総利益ベースでは101百万円の改善となっております。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における当社の営業収入は1,494,513千円(前年同期比86.2%)、営業損失62,643千円(前年同期は営業損失151,451千円)、経常損失82,630千円(前年同期は経常損失178,011千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失90,010千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益2,847,389千円)となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当社のコア事業は、「高齢者住まい法」にもとづくサービス付き高齢者向け住宅事業及び「介護保険法」にもとづく通所介護事業であり、該当事項はありません。
(4) 当社の課題と今後の方針について
今連結会計年度は、過年度の先行投資の収益寄与に全力を傾注して、コアの総合ケアセンター事業の各拠点における入居率の満室化及び通所介護の利用者増加により、全拠点の黒字化を早期に達成することが優先課題であります。
同時に、当社の総合ケアセンターを、わが国の社会福祉体制の基本設計図としての国家的重要施策である「地域包括ケアシステム」の推進拠点として、通所介護、宿泊サービス、高齢者向け住宅に加え、医療機関との連携及び生活支援を複合した切れ目のない総合的なケアサービスの運営を通じて、高齢社会の社会インフラ機能を果たしてまいる所存であります。
また、経営目標の達成を阻害するリスクの発生及びその影響を最小化することを目標として、継続的に内部統制の充実・強化を推進し、業務の適正を確保する体制を整備・運用してまいります。
(5) サービス付き高齢者向け住宅事業についてのリスク
当社グループは、サービス付き高齢者向け住宅事業を拠点とし、それに併設する通所介護を中心に複合的な在宅
サービスを提供する総合ケアセンター事業をコア事業としております。
しかし、サービス付き高齢者向け住宅事業は、付随する在宅サービス事業の介護報酬が伸びない場合には撤退を
余儀なくされる可能性があり、当該住宅の長期リースに係る違約金の支払いが発生する場合があります。
(6) 事業等のリスクに記載した重要事象等を解消するための対応策
前記のとおり、コアのセンター事業は先進的なイノベーティブな事業であり、事業モデル構築の研究開発及び運営ノウハウ蓄積に多額の先行投資コストを投入してきたため、これまで赤字が累積し、これを黒字化するまでに相当期間を要しております。事業開始後4年1ヵ月の当第1四半期連結会計期間末現在も、多くの拠点において高齢者住宅の入居率向上及び併設通所介護事業所の利用者獲得の途上にあります。この結果、過年度の集中的な新規開設による初期投資コストの圧迫が持続し、当第1四半期連結累計期間の損益ではなお赤字が残存いたしました。しかし、稼働率向上により収益は改善の方向にあり、営業総利益ベースの黒字幅は漸次拡大傾向にあります。
このような状況のもと、当連結会計年度は、センター事業拠点の新規開設を3箇所に限定して、初期赤字の発生を最小限に抑制するとともに、過年度開設拠点の稼働率の向上によって先行投資コストの回収加速化を図るベく、当社の事業モデルの先進性・優位性をお客様に実感していただくことを通じて、高齢者住宅の早期満室化と通所介護利用者の増加に全力を注入すると同時に、厳正なコスト管理の徹底を通じて、黒字の早期定着化とその増幅及び資金の安定化達成に鋭意取組んでおります。