四半期報告書-第14期第3四半期(平成28年10月1日-平成28年12月31日)

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2017/02/14 16:01
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。なお、平成27年7月31日に行われたEvD, Inc.との企業結合について前第2四半期連結会計期間に暫定的な会計処理を行っておりましたが、第2四半期連結会計期間に確定したため、前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
(1) 業績の状況
当社グループは、創業以来、「企業の誇りと価値を守りたい」との思いから、リーガル事業で企業を支援するデータ解析技術を開発し、その技術を人工知能エンジン「KIBIT(キビット)」へと発展させてまいりました。KIBITは、わずかな教師データから人間の微妙な心の動きを理解し、経験や勘などの“暗黙知”を含めた専門家の判断の仕組みを学習・評価します。現在、KIBITは、わが国で実用化されている数少ない人工知能の一つとして、リーガルの枠を越えヘルスケアやビジネスインテリジェンス、デジタルマーケティングなど様々なシーンで、企業や社会の課題解決に向けたソリューションを提供しております。
リーガル事業につきましては、平成28年7月に米国子会社3社を統合し、業務効率化及び運営コスト削減に向けた諸施策を実施したこと、更には課題であった米国の内部統制確立に一定の目途が立ったこと等から、当第3四半期において営業活動に集中できるようになった結果、米国で案件の獲得が急回復し、売上高は12月単月で過去最高額を達成いたしました。
AI事業につきましては、ビジネスインテリジェンス分野で各種ソフトウェアの顧客企業への導入が堅調に進展していることに加え、ヘルスケア分野、デジタルマーケティング分野においても各プロジェクトが着実に進行しており、事業基盤の拡大が進んでいます。
ビジネスインテリジェンス分野では、平成28年12月に金融機関向けに特化した業務改革ソリューションの提供を発表しました。専門スタッフがKIBITを活用し営業日報を解析することで、顧客課題やニーズの発掘に加え、理解度や投資経験に沿った提案を営業担当者に促すなど、金融機関の営業効率化を攻守両面でサポートいたします。また、ユーザーの裾野を拡大するために、平成28年11月に「AIエキスパート育成講座」及び「AIプロセスアウトソーシング」の提供を開始しました。AIやデータ解析の専門人材が不足する企業でもKIBITの活用による業務改革を容易に実現していただくことを目指し、人材育成やデータ解析のテスト段階からAIの導入、運用の設計をエキスパートの視点でサポートいたします。
ヘルスケア分野では、NTT東日本関東病院と共同で研究開発を進めている「転倒転落予測システム」について、平成28年12月にベータ版が完成し、医療現場での実装に向けてプロジェクトは順調に進行しております。また、「がん個別化医療AIシステム」については、平成29年1月に公益財団法人がん研究会との具体的な開発プロセスを発表いたしました。
デジタルマーケティング分野では、平成29年2月後半より、人工知能エンジンKIBITを搭載したロボット「Kibiro(キビロ)」の一般消費者向け出荷を開始いたします。伊勢丹新宿店の2017年新春福袋企画「夢袋」に選ばれたことも契機となり、メディアで取り上げられる機会が増えました。また、青山ブックセンターの店頭やスターフライヤーのアンテナショップをはじめ各種イベント会場で実際にKibiroとの会話を体感していただく機会を数多く提供することで認知度が向上いたしました。
第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高が8,249,224千円(前年同期比8.5%増)、営業損失826,378千円(前年同期は134,311千円の営業利益)、経常損失804,996千円(前年同期は140,054千円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失930,530千円(前年同期は101,421千円の親会社株主に帰属する四半期純損失)と、前年同期比で増収ながら減益になりました。
各事業の当第3四半期連結累計期間の概況は以下のとおりです。
(リーガル事業)
① eディスカバリ事業
eディスカバリ事業につきましては、平成27年8月にEvD, Inc.を子会社化したことにより販路拡大につながり売上高が大幅に増加したものの、事業統合の正常化のため、米国子会社での収益認識に係る内部統制の確立を優先的に取り組み営業活動を減速せざるを得なかったことに加え、韓国クライアントの大規模訴訟の収束により、売上高は7,738,752千円と前年同期比7.2%増に留まりました。
② リーガル/コンプライアンスプロフェッショナルサービス事業
リーガル/コンプライアンスプロフェッショナルサービス事業につきましては、ペイメントカードのフォレンジック調査やコンサルティングサービスが好調に推移した結果、売上高は290,817千円(前年同期比13.0%増)となりました。
③ その他の事業
その他の事業につきましては、米国のソフトウェア販売が好調に推移したことにより売上高は76,725千円(前年同期比33.7%増)となりました。
以上の結果、リーガル事業の売上高は8,106,294千円と前年同期比で7.6%増となりましたが、325,352千円の営業損失となりました。
これは、前述した韓国クライアントの売上高減少に加えて、プロダクトミックスの変化による売上総利益率の低下、商号変更と米国3社統合に伴い商標権35,601千円を償却したことや買収に伴い増加した新日本有限責任監査法人への監査報酬が241,068千円計上(前年同期は76,425千円計上)されたことなど、一過性の費用を計上したことによるものです。
(AI事業)
AI事業につきましては、第2四半期連結累計期間より、上述のリーガル/コンプライアンスプロフェッショナルサービス事業から切り離し、別掲することにいたしました。
当第3四半期連結累計期間においては、当社独自の人工知能を搭載したソフトウェアの売上が堅調に推移しており、eメール監査ツール「Lit i View EMAIL AUDITOR」、知財戦略支援システム「Lit i View PATENT EXPLORER」、ビジネスデータ分析システム「Lit i View AI助太刀侍」など、いずれも大手企業数社に導入されトライアルも進行中です。
その結果、AI事業の売上高は142,929千円(前年同期比121.3%増)となりましたが、新製品開発や営業・マーケティング活動などの費用を643,955千円計上したことにより、営業損失は501,025千円となりました。当連結累計期間においては先行投資段階にありますが、着実に導入案件数を増やしております。
(2) 財政状態の分析
(資産)
総資産は、前連結会計年度末と比べて3,304,843千円増加し、16,220,943千円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べて3,130,090千円増加し、8,571,255千円となりました。これは主に、現金及び預金の増加2,524,385千円、受取手形及び売掛金の増加558,427千円、その他に含まれている前払金の増加173,810千円によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べて174,752千円増加し、7,649,688千円となりました。これは主に顧客関連資産の増加70,865千円、のれんの増加112,865千円によるものであります。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末と比べて3,785,689千円増加し、12,044,339千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べて224,317千円増加し、3,724,756千円となりました。これは主に買掛金の増加161,813千円、短期借入金の増加948,000千円、未払金の減少1,081,365千円、その他に含まれている前受収益の増加255,975千円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比べて3,561,372千円増加し、8,319,583千円となりました。これは主に新株予約権付社債の増加2,187,500千円、長期借入金の増加1,148,851千円によるものであります。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末と比べて480,846千円減少し、4,176,604千円となりました。これは主に資本金の増加303,120千円、資本剰余金の増加307,120千円、利益剰余金の減少1,037,783千円によるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当社グループは、研究開発活動の内容及び金額を特定のセグメントに関連付けることができないため、一括して記載しております。
(研究開発費の金額)
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は69,486千円であります。
(研究開発の内容)
当社は、独自開発した人工知能エンジン「KIBIT」をデジタルマーケティング、ヘルスケア、ビジネスインテリジェンス分野へ活用するため、新たなソリューションの拡充、製品の開発を行っております。
(5) 従業員数
当第3四半期連結累計期間において、従業員数に著しい変動はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績の著しい変動はありません。
(7) 主要な設備
① 新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第3四半期連結累計期間に著しい変動があった設備は、次のとおりであります。
(新設)
会社名所在地セグメント
の名称
勘定科目設備の内容投資額
(千円)
資金調達
方法
使用開始
年月
提出会社東京都港区日本
(リーガル)
無形固定資産(その他)Lit i View
バージョン7.10
69,986自己資金及び
借入金
平成28年7月
提出会社東京都港区日本
(AI)
無形固定資産(その他)EMAIL AUDITOR
バージョン2.4
15,311自己資金及び
借入金
平成28年7月
提出会社東京都港区日本
(AI)
無形固定資産(その他)PATENT EXPLORER
バージョン1.2
16,968自己資金及び
借入金
平成28年7月
提出会社東京都港区日本
(リーガル)
無形固定資産(その他)Lit i View
バージョン7.11
58,719自己資金及び
借入金
平成28年10月
提出会社東京都港区日本
(AI)
無形固定資産(その他)AI_助太刀侍
バージョン2.0
25,500自己資金及び
借入金
平成28年10月
提出会社東京都港区日本
(リーガル)
無形固定資産(その他)Lit i View
バージョン7.12
53,073自己資金及び
借入金
平成29年1月

② 前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第3四半期連結累計期間に著しい変更はありません。