有価証券報告書-第38期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/26 11:28
【資料】
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【項目】
107項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の回復などを背景に緩やかな回復基調で推移しました。その一方で、慢性的な人手不足による人件費の上昇、北朝鮮をめぐる地政学的なリスクの高まりなど、景気の下振れリスクも懸念されており、先行きの見通しは依然として注意が必要な状況が続いております。
当社グループは、情報家電産業、産業設備・工作機械産業、自動車産業、医療機器産業などに代表される「ものづくり企業」へのサービスに特化し、ドキュメンテーション事業、エンジニアリング事業、技術システム事業を展開しております。IT技術を駆使した「ストレート・スルー・プロセシング」を可能とする「技術情報統合マネジメント企業」を目指しており、グループ各社の多種多様な特長と強みを活かすことで、グループ内シナジーを創出し、顧客企業の製品開発から製造・販売・サービスまでのビジネスプロセスの各段階をトータルにサポートしております。
また、高度・多様化する顧客ニーズに対し、常に最新鋭の情報技術力を駆使するとともに、当社独自の特長ある技術力を提案することで、「ものづくり企業」へのサポート体制を強化してまいりました。今後も、“提案力の強化”“高付加価値技術による他社との差別化・競争力強化”に注力し、“既存顧客の囲い込み”“新規顧客の開拓”を進めるほか、IoT、AI、ロボットビジネスをはじめとする“新規事業・新規領域の開拓”“M&Aによる規模の拡大”を図り、オンリーワン企業として業界内での確固たる地位の確立に努めてまいります。
近年では、株式会社バイナスが手掛けるFA・ロボットシステムを中・長期的な戦略ビジネスとして位置づけ、業容拡大に注力しており、ロボットエンジニアリングビジネスの確立に向けた業務展開を積極的に進めていく方針であります。
当連結会計年度の業績は、連結売上高8,502百万円(前期比2.1%増)、営業利益1,052百万円(前期比2.3%増)、経常利益1,059百万円(前期比2.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益670百万円(前期比15.2%増)の増収増益となりました。この主な要因は、エンジニアリング事業、技術システム事業が好調に推移したことによります。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。(各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高または振替高を含みます。)
(ドキュメンテーション事業)
ドキュメンテーション事業におきましては、グループ連携の強化に伴うシナジー効果の拡大、付加価値の高い技術提案による新規顧客の開拓、成長性の高い事業分野への集中などを中心に、事業規模の拡大・収益力の向上に取り組んできましたが、一部の顧客企業で機種開発の抑制などが行われた影響を受け、売上高は3,146百万円(前期比6.7%減)、営業利益は852百万円(前期比5.9%減)の減収減益となりました。
(エンジニアリング事業)
エンジニアリング事業におきましては、株式会社バイナスを中心に、ロボトレーナ(産業ロボット実習装置)の拡販、民間向けロボット・FAシステムの新規開拓に取り組んできた結果、売上高1,674百万円(前期比11.1%増)、営業利益395百万円(前期比14.4%増)の増収増益となりました。
(技術システム事業)
技術システム事業におきましては、新規顧客の開拓による事業拡大、既存ビジネスの付加価値向上と提案型営業の推進、システム開発を中心とした受注確保と高品質・低コスト体質への転換に取り組んできた結果、売上高は3,755百万円(前期比7.3%増)、営業利益は407百万円(前期比7.4%増)の増収増益となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度より142百万円減少し、1,277百万円となりました。
各活動におけるキャッシュ・フローの状況と、それらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、149百万円であり、前連結会計年度より935百万円減少いたしました。
要因としては、税金等調整前当期純利益の計上1,042百万円(前期比51百万円増)、減価償却費138百万円(前期比5百万円減)、たな卸資産の減少52百万円(前期は46百万円の増加)、仕入債務の増加79百万円(前期は161百万円の減少)等の資金の増加があった一方、売上債権の増加709百万円(前期は411百万円の減少)、法人税等の支払額471百万円(前期比79百万円増)等の資金の減少があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動では、有形固定資産の取得による支出275百万円(前期比64百万円減)、無形固定資産の取得による支出47百万円(前期比14百万円増)等により、297百万円の資金を要しました(前期比61百万円減)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動におきましては、短期借入金の増加275百万円(前期は短期借入金の減少195百万円)、配当金の支払272百万円(前期比13百万円増)等があった結果、2百万円の資金を取得しました(前期は資金の支出455百万円)。