四半期報告書-第7期第2四半期(平成26年7月1日-平成26年9月30日)

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2014/11/10 9:21
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33項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動や海外景気動向に対する懸念等からも弱い動きも見られましたが、全体的には緩やかな回復基調が続きました。
当社グループの属する情報サービス産業は、日銀短観(平成26年9月調査)におけるソフトウェア投資計画(全産業+金融機関)が前年度比4.2%増となり、引き続き改善傾向を示す等、事業環境は好調に推移しました。
このような状況の中、当社グループは、現在遂行中の第2次中期経営計画の基本コンセプトである「トップライン重視」、「as One Company」、「進取果敢」に基づいたグループ経営方針のもと、諸施策の推進に注力しています。
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高172,851百万円(前年同期比5.8%増)、営業利益7,670百万円(同0.2%増)、経常利益7,981百万円(同1.6%増)、四半期純利益3,889百万円(同0.8%増)となりました。
売上高については、顧客のIT投資ニーズを的確に捉えたこと等により好調に推移し、前年同期を大幅に上回りました。利益面については、増収効果や不採算案件の抑制等があった一方、利益率の低い販売系案件の増加、複数の大型開発案件の獲得および遂行に向けた体制強化に係る費用等により、前年同期並みにとどまりました。
セグメント別の状況は以下のとおりです。なお、各セグメントの売上高はセグメント間の売上高を含んでいます。
①ITインフラストラクチャーサービス
当第2四半期連結累計期間の売上高は58,235百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は3,510百万円(同1.0%減)となりました。売上高はデータセンター事業が堅調に推移し、前年同期を上回ったものの、営業利益は一部既存先の規模縮小の影響等により前年同期をやや下回りました。
②金融ITサービス
当第2四半期連結累計期間の売上高は38,839百万円(前年同期比7.6%増)、営業利益は2,732百万円(同4.0%減)となりました。売上高はクレジットカードを中心とする顧客のIT投資拡大の動き等により前年同期を上回ったものの、営業利益は大型開発案件の獲得および遂行に向けた体制強化に係る費用等により、前年同期を下回りました。
③産業ITサービス
当第2四半期連結累計期間の売上高は77,205百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益は829百万円(同4.5%減)となりました。売上高は製造・サービス・流通を中心として全体的に好調に推移して前年同期を上回りました。営業利益は増収効果や不採算案件の抑制等の一方、利益率の低い販売系案件の増加、大型開発案件の獲得および遂行に向けた体制強化に係る費用等により、前年同期を下回りました。
④その他
当第2四半期連結累計期間の売上高は7,290百万円(前年同期比16.8%減)、営業利益は1,150百万円(同4.0%増)となりました。これは主として、コア事業及び成長分野に注力できる体制構築の一環として、TISリース株式会社のリース資産を売却の上、前期末をもってリース事業から撤退した影響等によるものです。
前述の通り、当社グループは、グループが一体となって変革を成し遂げるIT企業グループを目指し、第2次中期経営計画(平成24年度~平成26年度)を遂行中であり、同計画の最終年度となる当期は仕上げの年度と位置付けています。当期は、前期までの実績や施策の取組み状況を踏まえ、中期経営計画の基本コンセプトに基づくグループ経営方針を以下の通りと定め、諸施策の推進に注力しています。
第2次中期経営計画
基本コンセプト
平成27年3月期 グループ経営方針
トップライン重視利益額ならびに利益率に重点を置き、それを確実にするトップラインを獲得する
as One Company「グループコミュニケーション基盤の強固化」をベースとした「グループ一体経営」に重点を置く
進取果敢サービス化・グローバル化の取組みを深化させる

各基本コンセプトの当第2四半期連結累計期間における主な動きとしては、以下が挙げられます。
①「トップライン重視」
グループ企業間の事業連携による成長に向けた事業領域単位での移植・集約の一環として、平成26年10月にTISファーストマネージ株式会社をTISソリューションリンク株式会社に合併させ、顧客常駐型オンサイトビジネスの集約を図りました。あわせて、TISファーストマネージ株式会社の組込系事業についてはクオリカ株式会社に移管し、顧客対応力を強化しました。
また、関西地区におけるデータセンター需要拡大に対応するため、TIS株式会社が株式会社野村総合研究所と協業し、新データセンターを共同で運営していくことで合意し、平成26年4月に基本協定を締結しました。
②「as One Company」
グループ一体経営の実現に向けた一体感の醸成及びブランドの強化のため、グループブランドを統一し、平成26年6月から全グループ会社が同一のコーポレートロゴマークの使用を開始しました。また、グループ会社間コミュニケーションの円滑化・協業推進のため、平成27年夏を目処として大阪地区にあるグループ各社のオフィスを統合することとしました。
加えて、当社は平成26年10月30日開催の取締役会において、連結子会社である株式会社アグレックスを完全子会社とすることを目的として、同社株券等に対する公開買付けを実施することを決議しました。株式会社アグレックスの完全子会社化の目的は、グループ内の機能再編による競争力強化とグループ全体最適による連結経営効率化を通じた企業価値向上の実現であり、そのためには機動的かつ柔軟に事業・機能再編ができるような当社グループの資本関係の再構築が必要であると判断し、株式会社アグレックスを早期に完全子会社化することを決定しました。当社では、完全子会社後の株式会社アグレックスを当社グループにおけるBPO事業のコア・エンティティと位置付け、グループ内に散在するBPO事業を集約する等、より一層の連携強化を図る方針です。
なお、本件詳細については、平成26年10月30日付公表の「子会社である株式会社アグレックス株券等(証券コード4799)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」をご参照下さい。
③「進取果敢」
グローバル化への取組みとしては、アライアンス戦略による面展開を通じて現地での日系企業およびローカル企業向けビジネスの更なる拡大を推進しています。この一環として、TIS株式会社が平成26年4月にタイの上場IT企業でエンタープライズ向けITソリューション提供のリーディングプレイヤーであるMFEC Public Co., Ltd.と資本業務提携をするとともに、平成26年6月にはタイのSAPのトータルソリューションプロバイダーであるI AM Consulting Co., Ltd.を連結子会社化しました。
サービス化への取組みとしては、株式会社インテックが「富山県市町村共同利用型自治体クラウドサービス」を提供する事業者として選定され、システム環境の構築作業を行っています。同社ではこれまでも、自治体クラウドサービスとして、電子入札システム、課税資料検索システム等を提供してきましたが、さらに今回、総合行政情報システム「CIVION-7th」を利用し、自治体の業務やサービスの中核となる基幹システムを共同で提供します。このような基幹システムの共同利用は富山県で初めての事例となります。
また、クオリカ株式会社は、注力分野であるアフターマーケット事業の拡大を目的として、平成26年4月に株式会社小松製作所の「CSS-Net」事業の一部を譲り受けました。これにより、ドキュメント電子化・Web配信システム「CSS-Net」と、自社開発した遠隔監視・予防保全システム「CareQube」との連携が可能となり、より満足度の高いサービスの提供を通じた事業拡大を推進してまいります。
当社グループでは、今後も「グループ全体最適」及び「明確な強み(成長エンジン)の構築と連携」の観点から、諸施策の検討・実施を推進してまいります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前第2四半期会計期間末に比べ4,984百万円増加(16.9%増)し、34,388百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は12,649百万円(前年同期は13,132百万円の獲得)となりました。これは主に、資金の増加として、減価償却費6,235百万円、売上債権の減少額6,155百万円などがあった一方、資金の減少として、たな卸資産の増加額1,288百万円などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は12,947百万円(前年同期は4,793百万円の使用)となりました。これは主に、資金の増加として、投資有価証券の売却及び償還による収入1,105百万円などがあった一方、資金の減少として、投資有価証券の取得による支出3,837百万円、有形固定資産の取得による支出5,454百万円、無形固定資産の取得による支出3,330百万円などがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は8,402百万円(前年同期は7,455百万円の使用)となりました。これは主に、資金の増加として、長期借入れによる収入2,300百万円などがあった一方、資金の減少として、長期借入金の返済による支出7,645百万円、配当金の支払額1,492百万円などがあったことによるものです。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、548百万円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。