四半期報告書-第13期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/02/14 16:29
【資料】
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【項目】
24項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、米国の保護主義的な経済政策、英国のEU離脱問題の不透明感や中東・アジアの地政学的リスクの高まり等の懸念により、株式市場や為替動向を含めて、不安定な状況となっています。また、我が国経済につきましては、政府の経済政策や日本銀行による金融緩和策などを背景に、企業収益や雇用・所得環境の改善が見られ、緩やかな回復基調が継続する展開となっています。
このような経済情勢の中で、医薬品業界におきましては、薬価基準の引き下げや後発品の普及促進などの薬剤費削減策の強化、主力製品の特許切れ問題及び世界的な新薬の承認審査の厳格化などにより、医薬品開発の競争はますます激化しております。
また、当社グループが属する医薬品開発業務受託(CRO;Contract Research Organization)業界及び医薬品販売支援(CSO;Contract Sales Organization)業界は、医薬品開発・販売のアウトソーシング化及び国際共同治験(注)の増加を背景として、市場規模は緩やかに拡大しております。
このような環境の下、当第3四半期連結累計期間の業績は、受託案件の増加により売上高は6,712百万円(前年同四半期比8.3%増)となりました。一方、営業利益は先行的な人材投資による人件費の増加及び東京オフィス移転に伴う費用等の発生により1,348百万円(前年同四半期比18.3%減)となりました。経常利益は、投資有価証券評価損が生じたこと等から1,338百万円(前年同四半期比17.1%減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は900百万円(前年同四半期比15.5%減)となりました。
(注)「国際共同治験」とは、主要市場国における早期・同時上市を図るため、臨床試験を複数の国または地域において同時並行的に行うことをいいます。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①CRO事業
当社グループのCRO事業につきましては、日本、アジア、米国、欧州におけるグローバル受託体制の構築を引き続き強力に推し進めた結果、国際共同治験を中心とした受注案件が増加し、売上に貢献いたしました。一方、利益面においては、日本、アジア、欧州で開始予定であった大型国際共同治験の延期等が発生したため、期初に見込まれていなかった案件の開拓を進め、日本主導の日本・欧州での国際共同治験等の受注を獲得しましたが、上記の遅れを挽回するには至らず売上の増加が当初の想定を下回りました。一方、前期から既に内定していたものの開始されなかった上記案件等を含めた受注計画に従い、期初に人員の採用や増床を目的とする東京オフィスの移転を行ったこと等により、人件費や家賃等が計画どおり増加したことから減益となりました。この結果、売上高は6,061百万円(前年同四半期比7.7%増)、営業利益は2,030百万円(前年同四半期比8.7%減)となりました。
②育薬事業
当社グループの育薬事業につきましては、日本主導の日本・台湾・韓国での国際臨床研究等の企業主導型臨床研究を中心とした案件の受注増加により売上に貢献いたしました。一方、利益面においては、売上の増加が当初の想定を下回ったため、先行的な人材投資による人件費の増加や東京オフィス移転に伴う費用等を吸収しきれず、減益となりました。この結果、売上高は651百万円(前年同四半期比14.3%増)、営業利益は201百万円(前年同四半期比1.2%減)となりました。
(2)財政状態の分析
① 資産の部
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ872百万円(10.5%)増加し、9,172百万円となりました。これは、主に現金及び預金、売掛金の増加によるものであります。
② 負債の部
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ75百万円(1.8%)増加し、4,279百万円となりました。これは、主に短期借入金、預り金が増加する一方、未払法人税等、未払消費税等及び長期借入金が減少したことによるものであります。
③ 純資産の部
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べ796百万円(19.5%)増加し、4,892百万円となりました。これは、主に利益剰余金の増加によるものであります。
(3)経営成績の分析
① 売上高
当第3四半期連結累計期間の売上高は、(1)業績の状況に記載の要因により、6,712百万円(前年同四半期比8.3%増)となりました。
② 売上原価
当第3四半期連結累計期間の売上原価は、主に治験業務受託件数の拡大に備え人員を増加させた結果、4,101百万円(前年同四半期比20.5%増)となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当第3四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、主に会社規模拡大に伴う管理部門の人員増強による人件費が増加した結果、1,263百万円(前年同四半期比10.4%増)となりました。
④ 営業利益
当第3四半期連結累計期間の営業利益は、(1)業績の状況に記載の要因により、1,348百万円(前年同四半期比18.3%減)となりました。
⑤ 経常利益
当第3四半期連結累計期間の経常利益は、(1)業績の状況に記載の要因により、1,338百万円(前年同四半期比17.1%減)となりました。
⑥ 税金等調整前四半期純利益
当第3四半期連結累計期間の税金等調整前四半期純利益は、経常利益が減少した結果、1,338百万円(前年同四半期比14.0%減)となりました。
⑦ 親会社株主に帰属する四半期純利益
当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は、900百万円(前年同四半期比15.5%減)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)経営戦略の現状と見通し
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営戦略の現状と見通しについて重要な変更はありません。
引き続き、当社グループは受託業務の選択と集中を推し進めることによって既存のCROとの差別化を図り、大手製薬会社と同等の立場で医薬品開発を実行・サポートできる知識・技術・経験を有するCROすなわち「CDO(Contract Development Organization)」を目指していく方針であります。