有価証券報告書-第15期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

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2019/03/29 16:31
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー
(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
医療業界において、免疫チェックポイント阻害剤、CAR-Tに代表される遺伝子改変T細胞療法、ネオアンチゲン等をキーワードとするニュースが国内外で話題となりました。特に、免疫チェックポイント阻害剤やCAR-Tによる治療の効果は広く認知され、将来、免疫治療の市場規模が拡大することが期待されています。
このような環境の下、当社グループは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」を遵守し、連結子会社であるテラファーマ株式会社は、公立大学法人 和歌山県立医科大学が実施する膵臓がんに対する樹状細胞ワクチン(TLP0-001)の医師主導治験への治験製品の提供を行っております。平成30年12月26日付「膵臓がんに対する樹状細胞ワクチン(TLP0-001)の医師主導治験 多施設共同研究に展開し有効性検証へ(経過情報)」にて公表したとおり、この度、中間解析にてTLP0-001の安全性が確認され、本治験が本治験は単一医療機関で安全性を確認する段階から複数の医療機関で有効性を検証する段階に移行することになりました。
細胞医療事業においては、細胞加工の製造開発受託事業に参入するために、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法)」に基づく細胞培養加工施設を関西圏で新たに整備し、平成31年3月に特定細胞加工物製造の許可を取得しております。当施設では、主にがんに対する免疫細胞治療に係る特定細胞加工物の製造開発を受託することを見込んでいます。また、再生・細胞医療に取り組む医療機関や研究機関から、臨床使用を用途とする細胞だけでなく、臨床研究に用いる細胞の製造も受託する予定です。さらに、平成30年9月に台湾の上場バイオテクノロジー企業グループであるVectorite Biomedical Inc. と業務提携契約を締結し、契約一時金80万米ドル(日本円で90,960千円、平成30年11月8日現在の為替レートである、1米ドルあたり113.7円で換算)を同年11月8日に受領しました。
当連結会計年度につきましては、細胞医療事業において症例数が減少したこと、連結子会社バイオメディカ・ソリューション株式会社(BMS)を前連結会計年度に連結の範囲から除外したことが影響し、売上高は516,210千円(前年同期比441,433千円減、46.1%減)となりました。
利益面につきましては、細胞医療事業において症例数が減少したこと、医療法人社団医創会に属する医療機関(セレンクリニック東京、名古屋、神戸、福岡)の延滞債権に対して貸倒引当金繰入額244,176千円(販売費及び一般管理費に計上)を計上したこと、医薬品事業において膵臓がんに対する再生医療等製品としての樹状細胞ワクチンの承認取得を目指した開発活動を推進したことにより、営業損失は685,020千円(前年同期は245,110千円の損失)、経常損失は755,171千円(前年同期は261,697千円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は929,701千円(前年同期は643,644千円の損失)となりました。また、平成30年8月10日付「第三者委員会設置及び平成30年12月期第2四半期決算発表延期に関するお知らせ」において公表したとおり、当社は、第三者委員会を設置し調査を実施いたしました。本件による調査費用及び第三者委員会の調査を踏まえた追加監査に対する監査費用並びに平成27年12月期から平成29年12月期の有価証券報告書の訂正に対する監査費用が確定したため、特別調査費用として162,021千円を特別損失に計上いたしました。
なお、当社の主要取引先である医療法人社団医創会に属する医療機関に建物を転貸しているため、不動産賃貸収入117,855千円を営業外収益として、不動産賃貸原価同額を営業外費用として計上しております。しかしながら、長期にわたる継続的対価及び転貸料の不払が発生しており、今後の支払の見込みもないため、契約違反を理由として、平成31年1月31日までに医療法人社団医創会に属する医療機関とのサービス提供契約及び転貸借契約を解除しております。そのため、平成31年2月以降に上記の医療機関への転貸に係る収益及び費用は発生いたしませんが、当社と賃貸人との契約は継続しており、家賃の支払いが発生します。

当連結会計年度における報告セグメント別の業績は次のとおりであります。
a.細胞医療事業
細胞医療事業は、当社独自の樹状細胞ワクチン療法を中心としたがん治療技術・ノウハウの提供を契約医療機関に行っております。当第4四半期(10月~12月)の契約医療機関における樹状細胞ワクチン療法の症例数は約60症例となり、当社設立以降の累計で約12,030症例となりました。当連結会計年度につきましては、症例数が前年同期と比べ減少したことにより、売上高は367,191千円(前年同期比151,313千円減、29.2%減)、営業損失は440,998千円(前年同期は49,544千円の利益)となりました。細胞加工の製造開発受託事業に参入することで、細胞加工施設(CPC)を持たない医療機関に当社独自の技術を用いた樹状細胞ワクチン等を提供することが可能となります。そうした医療機関をターゲットとして新規顧客開拓を行うことを通じて、収益の回復を図る予定です。また、上記Vectorite Biomedical Inc. との業務提携契約により、同社は当社の技術及びノウハウを用いたがん治療用免疫細胞の加工を実施し、医療機関に提供する計画で、その実施件数に応じたロイヤリティが当社に支払われることになります。
b.医療支援事業
医療支援事業は、CRO事業並びに遺伝子検査サービス事業等を行っております。当連結会計年度につきましては、主に細胞培養関連装置等の受注販売事業を行っていた連結子会社BMSを前連結会計年度において連結の範囲から除外したことにより、売上高は86,719千円(前年同期比460,966千円減、84.2%減)、営業損失は22,480千円(前年同期は37,774千円の損失)となりました。
c.医薬品事業
医薬品事業は、膵臓がんに対する再生医療等製品としての樹状細胞ワクチンの承認取得を目指した活動を推進しております。当連結会計年度につきましては、和歌山県立医科大学での医師主導治験が進捗し、治験製品の製造体制を拡充したこと及び細胞製品の輸送に関するコンサルティング基本契約に基づく治験製品の輸送体制の構築支援が完了したことにより、営業損失は223,912千円(前年同期は229,427千円の損失)となりました。
②財政状態の状況
(単位:千円)
平成29年12月期平成30年12月期増 減
総資産額1,879,612981,557△898,055
総負債額535,746367,361△168,384
純資産額1,343,865614,195△729,670

当連結会計年度末における総資産額は、前連結会計年度末比898,055千円減少し、981,557千円となりました。これは主に、現金及び預金の減少1,005,010千円、受取手形及び売掛金の増加135,189千円、未収入金の増加158,964千円、貸倒引当金の計上による減少289,439千円、前払費用の増加39,827千円、未収還付消費税の増加57,644千円によるものであります。
総負債額は、前連結会計年度末比168,384千円減少し、367,361千円となりました。これは主に、長期借入金の返済138,180千円、リース債務の返済15,584千円によるものであります。
純資産額は、前連結会計年度末比729,670千円減少し、614,195千円であります。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等による利益剰余金の減少929,701千円、第三者割当増資により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ100,015千円増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
(単位:千円)
平成29年12月期平成30年12月期
営業活動によるキャッシュ・フロー47,258△1,032,756
投資活動によるキャッシュ・フロー△371,921△1,844
財務活動によるキャッシュ・フロー1,133,18529,590
現金及び現金同等物の増減額808,522△1,005,010
現金及び現金同等物の期首残高709,5191,518,041
現金及び現金同等物の期末残高1,518,041513,031

当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比較して1,005,010千円減少し、513,031千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは1,032,756千円の減少(前年同期比は47,258千円の増加)となりました。その主な内訳は、税金等調整前当期純損失920,789千円、貸倒引当金の増加額237,923千円、売上債権の増加額135,189千円、未収入金の増加額170,938千円、前払費用の増加額40,131千円、未払金の減少額55,490千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは1,844千円の減少(前年同期比は371,921千円の減少)となりました。その主な内訳は、有形固定資産の取得による支出13,061千円、投資有価証券の売却による収入14,356千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは29,590千円の増加(前年同期比は1,133,185千円の増加)となりました。その主な内訳は、株式の発行による収入183,355千円、長期借入金の返済による支出138,180千円であります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)
細胞医療事業367,191△29.2
医療支援事業79,019△82.0
医薬品事業70,000
合計516,210△46.1

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
Vectorite Biomedical Inc.90,90417.6
アルフレッサ株式会社70,00013.6
新横浜かとうクリニック54,26210.5

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.前連結会計年度のVectorite Biomedical Inc. 、アルフレッサ株式会社、新横浜かとうクリニックに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表」に記載のとおりであります。
② 連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度につきましては、細胞医療事業において症例数が減少したこと、医療支援事業において細胞培養関連装置の受注販売が減少したこと及び当事業を行っていた連結子会社バイオメディカ・ソリューション株式会社(以下「BMS」といいます。)を連結の範囲から除外したことが影響し、売上高は516,210千円(前年同期比441,433千円減、46.1%減)となりました。
利益面につきましては、細胞医療事業において症例数が減少したこと、医療法人社団医創会に属する医療機関(セレンクリニック東京、名古屋、神戸、福岡)の延滞債権に対して貸倒引当金繰入額244,176千円(販売費及び一般管理費に計上)を計上したこと、医薬品事業において膵臓がんに対する再生医療等製品としての樹状細胞ワクチンの承認取得を目指した開発活動を推進したことにより、営業損失は685,020千円(前年同期は245,110千円の損失)、経常損失は755,171千円(前年同期は261,697千円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は929,701千円(前年同期は643,644千円の損失)となりました。また、平成30年8月10日付「第三者委員会設置及び平成30年12月期第2四半期決算発表延期に関するお知らせ」において公表したとおり、当社は、第三者委員会を設置し調査を実施いたしました。本件による調査費用及び第三者委員会の調査を踏まえた追加監査に対する監査費用並びに平成27年12月期から平成29年12月期の有価証券報告書の訂正に対する監査費用が確定したため、特別調査費用として162,021千円を特別損失に計上いたしました。なお、当社の主要取引先である医療法人社団医創会に属する医療機関に建物を転貸しているため、不動産賃貸収入117,855千円を営業外収益として、不動産賃貸原価同額を営業外費用として計上しております。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。なお、当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
運転資金及び設備投資資金など必要な資金需要に対応するため、金融機関からの借入及び資本市場からの資金調達などにより必要資金を確保する方針であります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、細胞医療事業及び医薬品事業において、樹状細胞ワクチンの薬事承認取得へ向けた開発活動、技術・ノウハウ向上のための研究開発活動及び普及活動に伴う広告宣伝等の費用が発生するものと見込んでおります。これらについて経営成績に重要な影響を与える要因であると認識しております。
⑤ 継続企業の前提に関する重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク(7)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。当該状況等を解消し、または改善するための対応策として、①細胞加工受託事業への参入、②海外での新規提携先の確保、③資金の調達に取り組んでおります。これらの対応策の詳細は、「第2 事象の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

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