有価証券報告書-第17期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により個人消費に持ち直しの動きがみられますが厳しい状況となりました。先行きについては、感染拡大の防止策を講じるなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待されますが、内外の感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要があります。
このような状況のもと、当社グループは、2019年8月27日付けで策定した「中期経営計画(2019年~2021年):テラリバイバルプラン-企業価値向上へ向けた事業戦略-」のもと、「医療を創る」というミッションを実現し、企業価値の向上に向けた取り組みを実行しております。
中期経営計画における重点戦略は、以下のとおりです。
(1)細胞医療事業の増収戦略:国内外の営業活動の強化により、収益アップ
(2)開発品の拡大戦略:現行の開発品を薬事承認申請へ、新規開発品の展開により企業価値向上へ
(3)次世代技術の研究開発戦略:次世代技術の研究を促進し、より優れたがん治療の開発につなげる
(4)子会社の見直し:子会社の見直し、改革へ
当社グループは細胞医療事業における収益回復にむけて、特定細胞加工物の受託製造事業において国内外の医療機関への営業活動を強化しております。また、医薬品事業においては、公立大学法人 和歌山県立医科大学が実施する膵臓がんに対する樹状細胞ワクチン(TLP0-001)の医師主導治験への治験製品の提供に注力するとともに、公立大学法人 福島県立医科大学と医師主導治験に関する契約を締結し、進行再発胸腺がんに対する二次治療としての樹状細胞ワクチン療法の有効性および安全性を評価する第I/II相試験の実施に向けた準備を進めております。
当連結会計年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延、及び細胞医療事業において症例数が減少したことにより、売上高は76,360千円(前年同期比125,822千円減、62.2%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、主に開発費用409,290千円、新株予約権に係る株式報酬費用463,437千円、プロメテウス・バイオテック社における新型コロナウイルス感染症治療法に係る臨床試験のCRO(受託臨床試験機関)費用298,345千円等を計上したために、1,350,147千円(前年同期比77.4%増)となりました。
その結果、営業損失は1,387,582千円(前年同期は716,066千円の損失)、経常損失は1,397,679千円(前年同期は773,236千円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,067,085千円(前年同期は1,026,561千円の損失)となりました。
当連結会計年度における報告セグメント別の業績は次のとおりであります。
a.細胞医療事業
細胞医療事業は、当社独自の樹状細胞ワクチン療法を中心としたがん治療技術・ノウハウの提供を契約医療機関に行うとともに、主にがんに対する免疫細胞治療に係る特定細胞加工物の製造開発を受託しております。2020年12月期末時点での細胞医療事業の提携医療機関における樹状細胞ワクチン療法の症例数は、64症例(前年度170症例)であり、当社設立以降の累計では、約12,264症例となりました。
当連結会計年度につきましては、学校法人慶應義塾からの細胞加工の受託製造やVectorite Biomedical Inc.からのロイヤリティの発生があったものの、症例数が前年同期と比べ減少し、開発費用が142,575千円発生しました。その結果、売上高は76,360千円(前年同期比54.3%減)、営業損失は1,419,153千円(前年同期は765,217千円の損失)となりました。
なお、2020年8月28日、当社は米Cellex社が製造する新型コロナウイルスIgG/IgM迅速抗体検査キットの日本の唯一の正規販売代理権を入手し、9月半ばより、医療機関、検査機関、企業等に販売を開始しました。この売上は、本事業の売上に含まれております。
b.医療支援事業
遺伝子検査サービスに関しては、当社では遺伝子検査サービスの実施を開始すべく準備を進めてまいりましたが、治療に結び付けた有効なサービスが開発できず、サービスの開始には至っておりません。
当連結会計年度につきましては、売上高は計上無し(前年同期比100.0%減)、営業損失は194千円(前年同期は12,398千円の損失)となりました。
c.医薬品事業
医薬品事業は、膵臓がんに対する再生医療等製品としての樹状細胞ワクチンの承認取得を目指した活動を推進しております。
当連結会計年度につきましては、膵臓がんに対する再生医療等製品としての樹状細胞ワクチンの承認取得を目指した開発費用が266,714千円発生しました。その結果、売上高は計上無し、営業損失は272,414千円(前年同期は293,435千円の損失)となりました。
②財政状態の状況
(単位:千円)
| 2019年12月期 | 2020年12月期 | 増 減 | |
| 総資産額 | 1,175,815 | 1,292,960 | 117,144 |
| 総負債額 | 509,572 | 175,705 | △333,866 |
| 純資産額 | 666,243 | 1,117,254 | 451,010 |
当連結会計年度末における総資産額は、前連結会計年度末比117,144千円増加し、1,292,960千円となりました。これは主に、現金及び預金の減少44,658千円、未収入金の増加194,250千円、敷金の減少64,310千円によるものであります。
総負債額は、前連結会計年度末比333,866千円減少し、175,705千円となりました。これは主に、長期預り敷金の減少56,508千円、課徴金引当金の減少223,850千円によるものであります。
純資産額は、前連結会計年度末比451,010千円増加し、1,117,254千円であります。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等による利益剰余金の減少1,067,085千円、新株予約権の権利行使と第三者割当増資により資本金及び資本剰余金がそれぞれ592,969千円増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
(単位:千円)
| 2019年12月期 | 2020年12月期 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | △749,199 | △1,315,470 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | 49,733 | 250,141 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 1,011,901 | 1,020,949 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △244 | △279 |
| 現金及び現金同等物の増減額 | 312,190 | △44,658 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 513,031 | 825,222 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 825,222 | 780,563 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物は780,563千円となり、前連結会計年度末と比較して44,658千円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは1,315,470千円の支出(前年同期は749,199千円の支出)となりました。その主な内訳は、税金等調整前当期純損失1,210,594千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは250,141千円の収入(前年同期は49,733千円の収入)となりました。これは主に、敷金・保証金の回収による収入64,835千円、有形固定資産の売却による収入41,250千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入146,666千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは1,020,949千円の収入(前年同期は1,011,901千円の収入)となりました。その内訳は、社債の発行による収入1,000,000千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入41,881千円、長期借入金の返済による支出20,250千円であります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前期比(%) |
| 細胞医療事業 | 76,360 | 45.7 |
| 医療支援事業 | - | 0.0 |
| 医薬品事業 | - | - |
| 合計 | 76,360 | 37.8 |
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 新横浜かとうクリニック | 45,320 | 22.4 | 27,675 | 36.2 |
| 札幌北楡病院 | 13,782 | 6.8 | 12,558 | 16.5 |
| Vectorite Biomedical Inc. | 36,983 | 18.3 | 6,813 | 8.9 |
| 東京ミッドタウンクリニック | 37,795 | 18.7 | 6,561 | 8.6 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は異なることがあります。
なお、当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
当社グループは収益回復にむけて、営業活動の強化、治験製品の提供、コスト削減に努めてまいります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。なお、当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
運転資金及び設備投資資金など必要な資金需要に対応するため、金融機関からの借入及び資本市場からの資金調達などにより必要資金を確保する方針であります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、細胞医療事業及び医薬品事業において、樹状細胞ワクチンの薬事承認取得へ向けた開発活動、技術・ノウハウ向上のための研究開発活動、細胞医療事業において、細胞加工受託事業の製品製造費用及び固定費用が発生するものと見込んでおります。これらについて経営成績に重要な影響を与える要因であると認識しております。