有価証券報告書-第16期(2025/04/01-2026/03/31)
ウ.指標と目標 ~カーボンニュートラル基本計画2025年度版~
カーボンニュートラル社会の実現に向けて、当社グループはカーボンニュートラル基本計画2025年度版(2025年5月公表)を策定しました。本計画では、当社グループの温室効果ガス排出削減を製造・事業の効率化やCCS、森林吸収等によって進めるとともに、社会の温室効果ガス排出削減に貢献するため、化石燃料・製品の低炭素化、再生可能エネルギー、バイオマス等の資源利活用、化石燃料の脱炭素化、水素の利活用による「エネルギー・素材のトランジション」と循環資源の活用・省資源化等による「サーキュラーエコノミーの推進」を掲げ、具体的な目標やロードマップを定めています。
当社グループのカーボンニュートラル基本計画2025年度版の詳細は、以下のとおりです。




エ.2025年度の主な取組
(ア)カーボンニュートラル推進委員会
エネルギー・素材をめぐる国際情勢の不確実性が高まる中、事業環境に応じてカーボンニュートラルに関する基本戦略をアップデートするため、2024年5月にCTOを委員長とする「カーボンニュートラル推進委員会」を設置しました。2025年度は主に、温室効果ガス排出削減経路に影響を与える不確実性の高いキードライバーを特定し、複数の社会シナリオを想定したうえで、当社グループのカーボンニュートラル・循環型社会の実現に挑戦する指針となる「カーボンニュートラル基本計画2025年度版」の策定及び時期に応じた内部炭素価格の設定に関する議論等を行いました。今後もカーボンニュートラル戦略に関して経営レベルでの議論を継続し、国や社会とともに、カーボンニュートラル・循環型社会を実現するための各取組を推進します。
(イ)CCS
国内CCSの事業化に向け、石油製品ほかセグメントに属する子会社であるENEOS株式会社(以下、ENEOS)、石油・天然ガス開発セグメントに属する子会社であるENEOS Xplora株式会社(以下、ENEOS Xplora)及び電源開発株式会社の3社で、2024年10月に独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による「先進的CCS事業に係る設計作業等」に採択され、2024年~2025年度にかけてCO₂分離回収・輸送・貯留に関する設計作業及び貯留層評価等を行ってきました。貯留については2023年2月に設立した合弁会社である「西日本カーボン貯留調査株式会社」が主体となり検討を行うことで、ENEOSグループとしてCO₂の分離回収から貯留まで一気通貫したCCSバリューチェーンの構築を目指しています。
これまでの石油・天然ガス開発の知見を活かし、CCSの取組が進む地域の企業との連携を強化しCCSバリューチェーンを構築していくことにより、日本のカーボンニュートラル計画達成に貢献していきます。
(ウ)自然吸収
森林プロジェクトについて、国内では、2025年8月に島根県及び同県内林業機関との包括連携協定を締結し、県内全域で森林由来J-クレジットの創出を推進する取組を新たに開始しました。さらに、2025年度には岩手県一関市や大分県等との連携も開始し、多数の連携先とともにJ-クレジットの創出・活用を進めています。これらの継続的な取組を通じて、連携先の皆様には、森林由来のJ-クレジットによる収益を森林整備に係る事業に活用いただくことで、森林が持つCO₂吸収能力のさらなる活性化を目指します。今後も引き続き、健全な森林の育成を通じて木材生産はもとより、森林の持つ多面的な機能の維持・増進に積極的に取り組んでいきます。
また、海外においては2023年7月に住友林業株式会社グループが組成する米国の森林ファンドEastwood Climate Smart Forestry Fund Iへ出資を行いました。本ファンドは、日本企業10社が各社の米国子会社等を通じて出資参画しています。カーボンクレジットのマーケットや制度が先行している米国でカーボンクレジットの創出を行います。ファンドの仕組みを活用し、森林アセットの購入を通じて、適切に管理する森林を大幅に拡大しグローバルな気候変動対策、生物多様性保全に貢献します。国内外問わず、森林の循環利用による脱炭素・循環型社会の形成に貢献していきます。
さらに、産官学連携による大規模ブルーカーボン創出の検討を2023年12月から開始しています。本検討の一環として2025年5月には環境省より「令和7年度海洋資源を活用したCCUSに関する調査検討業務」を受託し、検討を進めています。海洋生態系に取り込まれた炭素である「ブルーカーボン」は、CO₂の吸収源対策の新たな選択肢として期待されています。大気中のCO₂は、海草・海藻藻場等のブルーカーボン生態系の光合成によって取り込まれ、海底への堆積や海洋中深層での分解過程を経ながら、長期間にわたり留まることによって、ブルーカーボンとして大気から隔離されます。このメカニズムを広域に適用し、人が積極的に関与することにより、大規模ブルーカーボンの創出を目指します。
当社グループにおける、2024年度のGHG排出量(Scope1,2)は2,468万トン、2025年度は2,511万トン(注8)でした。
(注)8.速報値です。確定値については、2026年11月公表予定の「ESGデータブック」をご参照ください。
(2)循環型社会形成の貢献
当社グループは、「循環型社会形成への貢献」に向けて、自社及び社会全体の廃棄物低減や循環資源の活用に努めます。グループ内で資源の有効活用や廃棄物の発生抑制、省資源化等を推進するとともに、サプライチェーン全体でサーキュラーエコノミーの取組を強化していきます。

ア.廃棄物の削減
製油所等から排出される汚泥や集塵ダストのセメント原料化等を推進しています。また、一部の潤滑油製品の開発評価にあたっては、LCA手法(注1)を用いています。それらのほか、当社グループは、生産の効率化による原材料の使用量削減、リサイクル原料の使用量拡大を進めています。
(注)1.製品製造について、原料等の調達から製造、輸送、使用、廃棄までのライフステージ全体の環境影響を定量的に評価する手法。
イ.サーキュラーエコノミーの推進
当社グループは、従来型資源に依存しない循環型社会の実現に向けて、サーキュラーエコノミー(注2)を推進します。
社会が、リニアエコノミー(注3)からサーキュラーエコノミーへ、すなわち、大量生産・大量消費型の経済から資源循環型の経済へと移行しつつあります。3Rから一歩進み、製品設計段階からの配慮、メンテナンスによる製品寿命の延長、リースやシェアリングによる利用効率の向上等も重視されています。
当社グループは、循環資源を活用した製品の供給や省資源化に寄与する素材・サービスの提供を通じて、限りある資源を守ります。また、廃棄物の利活用及び資源循環の取組に必要なクリーンエネルギーの供給を担うことでサプライチェーン全体のCO₂排出を削減し、環境への負荷を低減します。消費者の行動変容や環境貢献の価値化といった社会変化を機会と捉え、サーキュラーエコノミーを推進することで、カーボンニュートラル・循環型社会の実現に貢献していきます。
(注)2.バリューチェーン上のあらゆる段階における資源の効率的な利用により資源循環を目指す経済の仕組み
3.消費された資源をリサイクル・再利用することなく廃棄してしまい、直線的(Linear)にモノが流れる経済の仕組み

ウ.指標と目標
当社グループは、「ゼロエミッション(最終処分率1%未満)の維持」を目標に掲げ、廃棄物の適正管理・再資源化に取り組んでおり、2024年度の実績は0.8%、2025年度の実績は1.7%(注4)でした。
(注)4.速報値です。確定値については、2026年11月公表予定の「ESGデータブック」をご参照ください。
また、廃棄物の削減に加え、カーボンニュートラル基本計画2025年度版では、サーキュラーエコノミーの推進として、グリーンケミカルの製品比率・グリーン潤滑油の生産量の目標を掲げています。2025年7月には、鹿島コンビナートにおいて商業ベースでは国内最大規模である年間2万トンの処理能力を備えたケミカルリサイクル設備を竣工する等、サーキュラーエコノミーの推進に向けて取組を進めています。
(3)生物多様性リスクの適切な把握・管理
当社グループは、操業・生産拠点の周辺環境に影響を与えかねない事業特性を持つことから、生物多様性の保全を重要なテーマと考えており、これをENEOSグループ行動基準に定めています。
操業・生産拠点の新設等にあたっては、あらかじめ環境影響調査を行い、植生や鳥類・動物・海洋生物等の生態系を確認する等、事業活動のあらゆる分野で生物多様性に配慮した取組を推進しています。
また、生産拠点の多いENEOSでは、「エネルギーグループ(注1)生物多様性ガイドライン」を定めています。

(注)1.ENEOS及びそのグループ会社。
ア.国内での主な取組
当社グループは製造拠点において、地域の生物多様性保全活動に参加するほか、周辺の広大な緑地を豊かな生態系ネットワークの1つとして保全する活動に取り組んでいます。その他の事業所においても、周辺環境に合わせた環境保全活動を実施しています。
(ア)緑地管理の事例
ENEOS根岸製油所は、東京湾に面し、周囲を三渓園や根岸森林公園などの緑地に囲まれた、海と山の自然が交差する地域に位置しています。このような環境を踏まえ、里山管理の手法を取り入れ、地域の生態系ネットワークの拠点の一つとなることを目指して環境整備に取り組んでおり、山羊による緑地内の除草やふれあいイベントを定期的に開催するなどの取組を拡充しながら、緑地の活用と維持管理を進めています。また、ENEOS仙台製油所は、2024年度に生物多様性のモデルエリアとして、新たに緑地やビオトープを設置し、これらを所内外のコミュニケーションの場として活用するとともに、地域の皆様や所員が生物多様性の恵みや大切さを実感できるよう、「工場の中の里山づくり」を目指した間伐や緑地の維持管理などの活動を行っています。
(注)2.一般社団法人企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)が開発した、いきもの共生事業所推進ガイドラインの考え方に沿って計画・管理され、かつ土地利用通信簿で基準点以上を満たし、当審査過程において認証された事業所のこと。
(注)3.Other Effective area-based Conservation Measures。国立公園などの保護地域以外の生物多様性保全に資する区域のこと。「自然共生サイト」認定区域は、保護地域との重複を除き、「OECM」として国際データベースに登録されます。
(イ)藻場創出の事例
ENEOS堺製油所は大阪湾奥部に位置しています。大阪湾奥部は、陸域から流入する窒素・燐等の栄養塩が滞留しやすく、赤潮発生が見られる等、いきものの棲みにくい水質と言われています。同製油所では、護岸部に藻類が着生するためのブロックを設置し、藻場創出に取り組んでいます。藻場創出により、栄養塩の吸収と酸素の供給による水質改善、海生生物の産卵・成育場所の増加、藻類の光合成を通じたブルーカーボンの蓄積等、多面的な効果を期待できます。
(ウ)国外での主な取組
①バラスト水(海水)対策
日本から産油国へ向かうタンカーは、空船時の運航安定性を維持するため、「重し」としてバラスト水を積んでいます。そのため、日本の海域に生息する微生物やプランクトンがバラスト水とともに遠く産油国の海域に運ばれ、生態系バランスを崩す原因となっていました。
当社グループでは、2004年から外洋でバラスト水を入れ替える方法や新造船にはバラスト水処理装置(注4)を搭載する方法を採用し、産油国の湾内海域の生態系バランスに配慮しています。2022年度に、当社グループが所有するタンカー15隻全船にバラスト水処理装置の搭載を完了しました。
(注)4.バラスト水中の水生生物を一定基準以下にして排水する装置。
イ.指標と目標
「生物多様性リスクの適切な把握・管理」は2025年度サステナビリティ重点課題として、「主要な事業セクターのサプライチェーンにおける自然資本への依存度及び影響度の把握」を行いました。2026年度は、「主要な事業会社における自然資本への依存度及び影響度の把握と評価」を行っていく予定としています。
カーボンニュートラル社会の実現に向けて、当社グループはカーボンニュートラル基本計画2025年度版(2025年5月公表)を策定しました。本計画では、当社グループの温室効果ガス排出削減を製造・事業の効率化やCCS、森林吸収等によって進めるとともに、社会の温室効果ガス排出削減に貢献するため、化石燃料・製品の低炭素化、再生可能エネルギー、バイオマス等の資源利活用、化石燃料の脱炭素化、水素の利活用による「エネルギー・素材のトランジション」と循環資源の活用・省資源化等による「サーキュラーエコノミーの推進」を掲げ、具体的な目標やロードマップを定めています。
当社グループのカーボンニュートラル基本計画2025年度版の詳細は、以下のとおりです。




エ.2025年度の主な取組
(ア)カーボンニュートラル推進委員会
エネルギー・素材をめぐる国際情勢の不確実性が高まる中、事業環境に応じてカーボンニュートラルに関する基本戦略をアップデートするため、2024年5月にCTOを委員長とする「カーボンニュートラル推進委員会」を設置しました。2025年度は主に、温室効果ガス排出削減経路に影響を与える不確実性の高いキードライバーを特定し、複数の社会シナリオを想定したうえで、当社グループのカーボンニュートラル・循環型社会の実現に挑戦する指針となる「カーボンニュートラル基本計画2025年度版」の策定及び時期に応じた内部炭素価格の設定に関する議論等を行いました。今後もカーボンニュートラル戦略に関して経営レベルでの議論を継続し、国や社会とともに、カーボンニュートラル・循環型社会を実現するための各取組を推進します。
(イ)CCS
国内CCSの事業化に向け、石油製品ほかセグメントに属する子会社であるENEOS株式会社(以下、ENEOS)、石油・天然ガス開発セグメントに属する子会社であるENEOS Xplora株式会社(以下、ENEOS Xplora)及び電源開発株式会社の3社で、2024年10月に独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による「先進的CCS事業に係る設計作業等」に採択され、2024年~2025年度にかけてCO₂分離回収・輸送・貯留に関する設計作業及び貯留層評価等を行ってきました。貯留については2023年2月に設立した合弁会社である「西日本カーボン貯留調査株式会社」が主体となり検討を行うことで、ENEOSグループとしてCO₂の分離回収から貯留まで一気通貫したCCSバリューチェーンの構築を目指しています。
これまでの石油・天然ガス開発の知見を活かし、CCSの取組が進む地域の企業との連携を強化しCCSバリューチェーンを構築していくことにより、日本のカーボンニュートラル計画達成に貢献していきます。
(ウ)自然吸収
森林プロジェクトについて、国内では、2025年8月に島根県及び同県内林業機関との包括連携協定を締結し、県内全域で森林由来J-クレジットの創出を推進する取組を新たに開始しました。さらに、2025年度には岩手県一関市や大分県等との連携も開始し、多数の連携先とともにJ-クレジットの創出・活用を進めています。これらの継続的な取組を通じて、連携先の皆様には、森林由来のJ-クレジットによる収益を森林整備に係る事業に活用いただくことで、森林が持つCO₂吸収能力のさらなる活性化を目指します。今後も引き続き、健全な森林の育成を通じて木材生産はもとより、森林の持つ多面的な機能の維持・増進に積極的に取り組んでいきます。
また、海外においては2023年7月に住友林業株式会社グループが組成する米国の森林ファンドEastwood Climate Smart Forestry Fund Iへ出資を行いました。本ファンドは、日本企業10社が各社の米国子会社等を通じて出資参画しています。カーボンクレジットのマーケットや制度が先行している米国でカーボンクレジットの創出を行います。ファンドの仕組みを活用し、森林アセットの購入を通じて、適切に管理する森林を大幅に拡大しグローバルな気候変動対策、生物多様性保全に貢献します。国内外問わず、森林の循環利用による脱炭素・循環型社会の形成に貢献していきます。
さらに、産官学連携による大規模ブルーカーボン創出の検討を2023年12月から開始しています。本検討の一環として2025年5月には環境省より「令和7年度海洋資源を活用したCCUSに関する調査検討業務」を受託し、検討を進めています。海洋生態系に取り込まれた炭素である「ブルーカーボン」は、CO₂の吸収源対策の新たな選択肢として期待されています。大気中のCO₂は、海草・海藻藻場等のブルーカーボン生態系の光合成によって取り込まれ、海底への堆積や海洋中深層での分解過程を経ながら、長期間にわたり留まることによって、ブルーカーボンとして大気から隔離されます。このメカニズムを広域に適用し、人が積極的に関与することにより、大規模ブルーカーボンの創出を目指します。
当社グループにおける、2024年度のGHG排出量(Scope1,2)は2,468万トン、2025年度は2,511万トン(注8)でした。
(注)8.速報値です。確定値については、2026年11月公表予定の「ESGデータブック」をご参照ください。
(2)循環型社会形成の貢献
当社グループは、「循環型社会形成への貢献」に向けて、自社及び社会全体の廃棄物低減や循環資源の活用に努めます。グループ内で資源の有効活用や廃棄物の発生抑制、省資源化等を推進するとともに、サプライチェーン全体でサーキュラーエコノミーの取組を強化していきます。

ア.廃棄物の削減
製油所等から排出される汚泥や集塵ダストのセメント原料化等を推進しています。また、一部の潤滑油製品の開発評価にあたっては、LCA手法(注1)を用いています。それらのほか、当社グループは、生産の効率化による原材料の使用量削減、リサイクル原料の使用量拡大を進めています。
(注)1.製品製造について、原料等の調達から製造、輸送、使用、廃棄までのライフステージ全体の環境影響を定量的に評価する手法。
イ.サーキュラーエコノミーの推進
当社グループは、従来型資源に依存しない循環型社会の実現に向けて、サーキュラーエコノミー(注2)を推進します。
社会が、リニアエコノミー(注3)からサーキュラーエコノミーへ、すなわち、大量生産・大量消費型の経済から資源循環型の経済へと移行しつつあります。3Rから一歩進み、製品設計段階からの配慮、メンテナンスによる製品寿命の延長、リースやシェアリングによる利用効率の向上等も重視されています。
当社グループは、循環資源を活用した製品の供給や省資源化に寄与する素材・サービスの提供を通じて、限りある資源を守ります。また、廃棄物の利活用及び資源循環の取組に必要なクリーンエネルギーの供給を担うことでサプライチェーン全体のCO₂排出を削減し、環境への負荷を低減します。消費者の行動変容や環境貢献の価値化といった社会変化を機会と捉え、サーキュラーエコノミーを推進することで、カーボンニュートラル・循環型社会の実現に貢献していきます。
(注)2.バリューチェーン上のあらゆる段階における資源の効率的な利用により資源循環を目指す経済の仕組み
3.消費された資源をリサイクル・再利用することなく廃棄してしまい、直線的(Linear)にモノが流れる経済の仕組み

ウ.指標と目標
当社グループは、「ゼロエミッション(最終処分率1%未満)の維持」を目標に掲げ、廃棄物の適正管理・再資源化に取り組んでおり、2024年度の実績は0.8%、2025年度の実績は1.7%(注4)でした。
(注)4.速報値です。確定値については、2026年11月公表予定の「ESGデータブック」をご参照ください。
また、廃棄物の削減に加え、カーボンニュートラル基本計画2025年度版では、サーキュラーエコノミーの推進として、グリーンケミカルの製品比率・グリーン潤滑油の生産量の目標を掲げています。2025年7月には、鹿島コンビナートにおいて商業ベースでは国内最大規模である年間2万トンの処理能力を備えたケミカルリサイクル設備を竣工する等、サーキュラーエコノミーの推進に向けて取組を進めています。
(3)生物多様性リスクの適切な把握・管理
当社グループは、操業・生産拠点の周辺環境に影響を与えかねない事業特性を持つことから、生物多様性の保全を重要なテーマと考えており、これをENEOSグループ行動基準に定めています。
操業・生産拠点の新設等にあたっては、あらかじめ環境影響調査を行い、植生や鳥類・動物・海洋生物等の生態系を確認する等、事業活動のあらゆる分野で生物多様性に配慮した取組を推進しています。
また、生産拠点の多いENEOSでは、「エネルギーグループ(注1)生物多様性ガイドライン」を定めています。

(注)1.ENEOS及びそのグループ会社。ア.国内での主な取組
当社グループは製造拠点において、地域の生物多様性保全活動に参加するほか、周辺の広大な緑地を豊かな生態系ネットワークの1つとして保全する活動に取り組んでいます。その他の事業所においても、周辺環境に合わせた環境保全活動を実施しています。
| 内容 | 対象 | 取得・受賞時期 |
| いきもの共生事業所®認証(ABINC認証)(注2) | ENEOS 根岸製油所 中央緑地 | 2020年2月 |
| 環境省自然共生サイトの認定 | ENEOS 根岸製油所 中央緑地 | 2023年10月 |
| OECM登録 (注3) | ENEOS 根岸製油所 中央緑地 | 2024年8月 |
| いきもの共生事業所®認証(ABINC認証)(注2) | ENEOS 仙台製油所 | 2025年2月 |
| ABINC賞 特別賞(工場版) | ENEOS 根岸製油所 中央緑地 | 2025年11月 |
(ア)緑地管理の事例
ENEOS根岸製油所は、東京湾に面し、周囲を三渓園や根岸森林公園などの緑地に囲まれた、海と山の自然が交差する地域に位置しています。このような環境を踏まえ、里山管理の手法を取り入れ、地域の生態系ネットワークの拠点の一つとなることを目指して環境整備に取り組んでおり、山羊による緑地内の除草やふれあいイベントを定期的に開催するなどの取組を拡充しながら、緑地の活用と維持管理を進めています。また、ENEOS仙台製油所は、2024年度に生物多様性のモデルエリアとして、新たに緑地やビオトープを設置し、これらを所内外のコミュニケーションの場として活用するとともに、地域の皆様や所員が生物多様性の恵みや大切さを実感できるよう、「工場の中の里山づくり」を目指した間伐や緑地の維持管理などの活動を行っています。
(注)2.一般社団法人企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)が開発した、いきもの共生事業所推進ガイドラインの考え方に沿って計画・管理され、かつ土地利用通信簿で基準点以上を満たし、当審査過程において認証された事業所のこと。
(注)3.Other Effective area-based Conservation Measures。国立公園などの保護地域以外の生物多様性保全に資する区域のこと。「自然共生サイト」認定区域は、保護地域との重複を除き、「OECM」として国際データベースに登録されます。
(イ)藻場創出の事例
ENEOS堺製油所は大阪湾奥部に位置しています。大阪湾奥部は、陸域から流入する窒素・燐等の栄養塩が滞留しやすく、赤潮発生が見られる等、いきものの棲みにくい水質と言われています。同製油所では、護岸部に藻類が着生するためのブロックを設置し、藻場創出に取り組んでいます。藻場創出により、栄養塩の吸収と酸素の供給による水質改善、海生生物の産卵・成育場所の増加、藻類の光合成を通じたブルーカーボンの蓄積等、多面的な効果を期待できます。
(ウ)国外での主な取組
①バラスト水(海水)対策
日本から産油国へ向かうタンカーは、空船時の運航安定性を維持するため、「重し」としてバラスト水を積んでいます。そのため、日本の海域に生息する微生物やプランクトンがバラスト水とともに遠く産油国の海域に運ばれ、生態系バランスを崩す原因となっていました。
当社グループでは、2004年から外洋でバラスト水を入れ替える方法や新造船にはバラスト水処理装置(注4)を搭載する方法を採用し、産油国の湾内海域の生態系バランスに配慮しています。2022年度に、当社グループが所有するタンカー15隻全船にバラスト水処理装置の搭載を完了しました。
(注)4.バラスト水中の水生生物を一定基準以下にして排水する装置。
イ.指標と目標
「生物多様性リスクの適切な把握・管理」は2025年度サステナビリティ重点課題として、「主要な事業セクターのサプライチェーンにおける自然資本への依存度及び影響度の把握」を行いました。2026年度は、「主要な事業会社における自然資本への依存度及び影響度の把握と評価」を行っていく予定としています。