四半期報告書-第7期第1四半期(平成28年4月1日-平成28年6月30日)

【提出】
2016/08/10 15:08
【資料】
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【項目】
33項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるグローバル経済は、ユーロ圏における英国のEU離脱問題や米国における経済の減速感があり不透明性が払しょくされていない状況となっています。また、国内経済においても年明けから進行している急激な円高の影響もあり家電業界として消費の回復には至っていない状況となっています。
このような事業環境の下、当社グループは経営理念である新たな価値の創出『 VALUE CREATION 』に基づき異業種も含めた他社との提携及び協業関係を通じた新たな価値の創造を目指しており、その一環として、平成27年3月にパイオニアグループのホームAV事業との統合を行い、前連結会計年度より事業単位をAV事業、OEM事業およびデジタルライフ事業の3事業に組織再編いたしました。また、平成27年11月には㈱河合楽器製作所と資本業務提携契約を締結し、新規市場の開拓を推進しております。
当第1四半期連結累計期間では、円高による海外向け売上高の目減りはあったものの、主にAV事業においてオンキヨーブランド、パイオニアブランド製品の開発プラットフォーム共通化による原価低減等のシナジー効果を一部で実現することができました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の業績は売上高が前年同期比1,415百万円減収の11,096百万円となりました。一方、営業損益につきましては、AV事業においてオンキヨーブランド、パイオニアブランド製品の開発プラットフォーム共通化による原価低減等のシナジー効果実現や統合後のオペレーションの安定化、円高ドル安による製品原価の低減などにより、前年同期比617百万円増益の989百万円の営業損失となりました。経常損益は、前年同期比553百万円増益の1,071百万円の経常損失となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純損失につきましては、前年同期比632百万円増益の992百万円となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりです。
①AV事業
当第1四半期連結累計期間におきましては、売上高は主力のAVレシーバーである話題の新製品TX-NR656が市場導入されたことやHi-Fi 2チャンネル製品の堅調な販売に加え、北米最大の家電量販店であるベストバイにおいてTX-SR353,DX-C390など4Kに対応したエントリーAVレシーバーの販売が好調となりましたが、円高による海外向け売上高の大幅な目減りにより前年同期比1,350百万円減収の7,434百万円となりました。
一方、損益につきましては、オンキヨーブランド、パイオニアブランド製品の開発プラットフォーム共通化による原価低減等のシナジー効果実現や統合後のオペレーションの安定化、円高ドル安による製品原価の低減などにより、前年同期比580百万円増益の191百万円のセグメント損失となりました。
②OEM事業
OEM事業における売上高は、車載用スピーカーは堅調に推移しましたが、PC用のマイクロスピーカーの受注が減少したことや円高による海外向け売上高の目減りなどにより前年同期比254百万円減収の1,832百万円となりました。
一方、損益につきましては、中国内工場の集約に伴う生産効率の改善などにより、前年同期比24百万円増益の180百万円のセグメント損失になりました。
③デジタルライフ事業
デジタルライフ事業における売上高は、ポータブルデジタルオーディオプレーヤー(DAP)の販売や、パイオニア・オンキヨー・フィリップスブランド製品に加えアーティストやアニメーションとのコラボレーションモデルの拡充などヘッドホンの販売が堅調だったことにより、前年同期比189百万円増収の1,829百万円となりました。
また、損益につきましては、円高ドル安による製品原価の低減などにより、前年同期比45百万円増益の121百万円のセグメント損失となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,149百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループは、同業他社であるパイオニアグループのホームAV事業、電話機事業およびヘッドホン関連事業を統合し、従前より当社が得意とするAVレシーバー分野においてゆるぎない市場占有率を確保いたしました。今後、両社のブランドや優れた技術開発力等の経営資源を互いに有効活用し、より魅力的な製品を市場に送り出すとともに、コスト競争力を向上させ、市場での優位性と経営基盤の強化を図ってまいります。しかしながら、AVレシーバーやHi-Fiオーディオの市場占有率は、主要な世界のAV市場の中においては1/4程度に過ぎず、ヘッドホンやブルートゥーススピーカーおよびデジタルオーディオプレーヤー等のポータブルオーディオ市場の方がはるかに大きいばかりか伸長率も高い市場です。当社グループは、パイオニアグループとの事業統合により、ヘッドホン等のモバイルオーディオに関するノウハウを獲得し、さらにGibson Innovations Limited等との協業も深める中で、日本のオーディオメーカー復権を目指し、ヘッドホン、ワイヤレススピーカー、デジタルオーディオプレーヤー等の分野を今後の成長の柱と位置付け、グループの成長に向けてスピード感をもって取り組んでまいります。
OEM事業におきましては、車載用スピーカーを中心とした製品にとどまらず、拡大が見込めるヘッドホン市場へも経営資源を投入し生産拠点の適正化と生産効率と品質の向上をより一層進めることにより、収益性の改善を図ってまいります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ8,460百万円減少し23,855百万円となりました。有利子負債は前連結会計年度末比4,228百万円減少の3,461百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末比1,318百万円減少の1,579百万円となりました。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは経営理念(ビジョン)として『 VALUE CREATION 』を掲げております。当社は、創業以来、人類の共通語ともいえる音楽の理想的な再生装置の開発を目指してきました。そういった長年のものづくりで培ってきた技術やノウハウに “新しい何かを加えること(+Something NEW)” で、新たな価値提案を行い、驚きと感動を提供していくことを目標とし、下記の「経営方針」の達成に向けて真剣な取り組みを続けてまいります。
① 世界の市場で最高水準の品質と性能を維持し、心の琴線に触れる商品・サービスを提供し続けます。
② 環境との共生、調和をスローガンとし、広く社会から信頼される企業活動を行います。
③ グループ全体で経営効率の向上を図り、利益を創出することで、企業価値の向上に努めます。
(7) 継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況を改善するための対応策
「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおり、当社は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しております。
当社グループは、このような状況を解消するため、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(継続企業の前提に関する事項)」に記載のとおり、以下の施策を遂行することで、将来の成長に向けて当該状況を早期に解消し、業績及び財務状況の改善に努めてまいります。
①収益力の改善
・パイオニアホームAV事業との統合によるシナジー効果の実現
・デジタルライフ事業の拡大
・OEM事業の拡大
・Zylux社との資本業務提携によるOEM生産の拡大
・株式会社河合楽器製作所との資本業務提携による新規市場の開拓
②財務体質の安定
当社はメインバンクを中心に主要取引銀行と緊密な関係を維持しております。「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおり、平成28年7月28日付けでシンジケートローン契約を締結しており、定期的に建設的な協議を継続していることから、今後も主要取引銀行より継続的な支援が得られるものと考えております。