四半期報告書-第7期第2四半期(平成28年7月1日-平成28年9月30日)

【提出】
2016/11/11 15:01
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34項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるグローバル経済は、米国において雇用環境の改善を背景に景気回復が持続しているものの、ユーロ圏においては英国における先行き不透明感は拭えず中国でも景気減速が持続するなど不確実な状況が続いています。また国内経済においても生産などが持ち直す一方、消費は伸び悩んでいる状況となっています。
このような事業環境の下、当社グループは従来型製品の枠にとらわれることなく時代を先取りする製品の開発や他社との提携及び協業関係を通じた新たな価値の創造を目指しております。
当第2四半期連結累計期間では、不採算製品の販売見直しや円高などにより海外向け売上高の目減りはあったものの、AV事業においてパイオニアグループのホームAV事業との統合によりさまざまなシナジー効果を実現することができたほか、今後の重点セグメントと位置付けているデジタルライフ事業においてはヘッドホンやポータブルデジタルオーディオプレーヤー(DAP)などにおいて市場における一定の地位を確立することができました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の業績は売上高が前年同期比3,670百万円減収の24,124百万円となりました。一方、営業損益につきましてはAV事業におけるシナジー効果実現や統合後のオペレーションの安定化、デジタルライフ事業の伸長や円高ドル安による製品原価の低減などにより、前年同期比1,790百万円増益の736百万円の営業損失となりました。経常損益は前年同期比1,672百万円増益の1,015百万円の経常損失となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純損失につきましては前年同期比1,559百万円増益の1,066百万円となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりです。
①AV事業
当第2四半期連結累計期間におきましては、売上高はHi-Fi2チャンネル製品の堅調な販売に加え、北米最大の家電量販店であるベストバイにおいてTX-SR353,DX-C390など4K映像に対応したエントリーAVレシーバーの販売が好調となりましたが、不採算製品の販売を積極的に見直したことや円高による海外向け売上高の大幅な目減りにより前年同期比3,302百万円減収の16,495百万円となりました。
一方、損益につきましては、パイオニアグループのホームAV事業との統合によりさまざまなシナジー効果を実現することができたことや不採算製品の販売見直し及び、円高ドル安による製品原価の低減などにより前年同期比1,682百万円増益の588百万円のセグメント利益となりました。
②OEM事業
OEM事業における売上高は、車載用スピーカーは堅調に推移しましたが、PC用のマイクロスピーカーの受注が減少したことや円高による海外向け売上高の目減りなどにより前年同期比761百万円減収の3,672百万円となりました。
損益につきましては中国内工場の集約に伴う生産効率の改善などがあったものの、新素材の振動板を活用した次世代ヘッドホン用ドライバー開発への先行投資を行った結果、前年同期比34百万円減益の242百万円のセグメント損失になりました。
③デジタルライフ事業
デジタルライフ事業における売上高は、ポータブルデジタルオーディオプレーヤー(DAP)の販売が伸長したほか、SE-MJ561BTをはじめとするパイオニアブランドのブルートゥースヘッドホンが堅調だったことに加え、オンキヨーブランドの完全ワイヤレスイヤフォンW800BTの初動販売が好調だったことなどにより前年同期比392百万円増収の3,956百万円となりました。
また損益につきましては、上記販売増加に加え電話機など戦略的コストダウンによる製品原価の低減により前年同期比201百万円増益の60百万円のセグメント損失となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,112百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループはデジタルオーディオプレーヤーやワイヤレスヘッドホンなどを中心とするデジラルライフ事業を今後の柱と位置付けておりますが、そのラインアップ拡充に加え日常生活において重要な位置づけとなるスマートフォン等のモバイル端末の開発を強化し、従来技術にアライアンスを通じて他社技術を融合させIoT時代を見据えた次世代製品の開発で「進化するエコシステム」を構築し新しい価値提案を行ってまいります。
OEM事業におきましては、車載用スピーカーを中心とした製品にとどまらず新素材の振動板を活用した高級ヘッドホン市場へ経営資源を投入し収益性の改善を図ってまいります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ3,836百万円減少し28,479百万円となりました。有利子負債は前連結会計年度末比2,490百万円減少の5,200百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末比1,779百万円減少の1,118百万円となりました。
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に対して285百万円増加の2,820百万円となりました。当第2四半期連結累計期間に係る区分ごとの各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期47百万円の支出に対して、784百万円の支出となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失の計上、売上債権、棚卸資産及び仕入債務の増加によるものであります。
また、投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期130百万円の支出に対し、386百万円の支出となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期733百万円の支出に対し、1,689百万円の収入となりました。これは主に短期借入金の返済、担保に供した預金の減少によるものであります。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは経営理念(ビジョン)として『VALUE CREATION』を掲げております。当社は、創業以来、人類の共通語ともいえる音楽の理想的な再生装置の開発を目指してきました。そういった長年のものづくりで培ってきた技術やノウハウに“新しい何かを加えること(+Something NEW)”で、新たな価値提案を行い、驚きと感動を提供していくことを目標とし、下記の「経営方針」の達成に向けて真剣な取組みを続けてまいります。
① 世界の市場で最高水準の品質と性能を維持し、心の琴線に触れる商品・サービスを提供し続けます。
② 環境との共生、調和をスローガンとし、広く社会から信頼される企業活動を行います。
③ グループ全体で経営効率の向上を図り、利益を創出することで、企業価値の向上に努めます。
(7) 継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況を改善するための対応策
「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおり、当社は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しております。
当社グループは、このような状況を解消するため、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(継続企業の前提に関する事項)」に記載のとおり、以下の施策を遂行することで、将来の成長に向けて当該状況を早期に解消し、業績及び財務状況の改善に努めてまいります。
①収益力の改善
・パイオニアホームAV事業との統合によるシナジー効果の実現および不採算製品の見直し
・デジタルライフ事業の拡大
・OEM事業における高級ヘッドホンの販売拡大
・Zylux社との資本業務提携によるOEM生産の拡大
・株式会社河合楽器製作所との資本業務提携による新規市場の開拓
②財務体質の安定
当社はメインバンクを中心に主要取引銀行と緊密な関係を維持しております。「第2 事業の状況 2 経営上の重要な契約等」に記載のとおり、平成28年7月28日付けでシンジケートローン契約を締結しており、定期的に建設的な協議を継続していることから、今後も主要取引銀行より継続的な支援が得られるものと考えております。