有価証券報告書-第9期(平成31年3月1日-令和2年2月29日)

【提出】
2020/05/22 15:00
【資料】
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【項目】
160項目

対処すべき課題

当社グループは、2019年度をスタートとする3か年の中期経営計画を策定し、2019年4月に公表しました。当社グループは「The Brand Builder ~ “最強のブランドビルダー”になる」をテーマとして、事業の重心とグループ構造の変革を図るという基本方針のもと、以下の項目を重点施策としてグループ全体で取り組む所存です。
(1) 収益構造の改革
グループとしてのスケールメリットを発揮し、全体最適の観点から売上原価及び販売管理費の双方について徹底的な効率化を図ってまいります。
① 固定費削減による損益分岐点の引き下げ
全社横断的な販管費削減プロジェクトを組成し、要員配置の抜本的な見直しや重複業務の解消を図ることにより生産性の大幅な向上を図ります。また、人件費以外の販売管理費についても集中購買による調達単価の引き下げを図り、損益分岐点を引き下げます。
② 粗利構造の改善
商品の調達ルートを見直すとともに、値引販売及び評価損を抑制し、また商品ロスを低減させるよう商品の製造及び在庫の管理を徹底します。
③ 効率化投資
当社グループが使用している会計システムの更新期到来に伴い、新たにERPパッケージとして“SAP S/4HANA”を導入します。SAPの導入により単純なシステムアップデートに留まらず既存の業務フローを見直すことで業務効率の一層の向上を図ります。また、将来的にはSAPを適用する業務を拡大することにより、業務プロセスの可視化、透明性の向上を目指します。
(2) 事業選別の徹底
低収益事業の選別をより速やかに実行するとともに、将来に向けた事業投資を厳選して実施することにより、成長が見込める事業に経営資源を集中します。
① 低収益事業の見直し
国内外の低収益事業を選別し、収益性の改善を見込むことができる子会社については役割の見直しや事業構造の改革による収益化を図ってまいります。
② 新規展開
既存事業の強みを活かした新規ブランドの創設や新たな海外ブランドのライセンス事業を図るとともに、国内の優良事業については積極的な海外展開を進めます。また、新たにファッションテック分野に特化したベンチャーファンドへの出資も行うことで将来の新規事業展開に備えてまいります。
(3) 組織再編
当社グループ全体の意思決定及び実行をスピードアップさせ、当社のアパレル事業子会社群をより効率的なかたちに再編するとともに、子会社に分散していた生産やECプラットフォームなどの機能を統合します。
① カンパニー制の導入
アパレル事業を営む当社の各子会社を4つのカンパニーに再編し、当社の経営幹部が各カンパニーを直接管掌することで、各社に共通する経営課題に対する迅速且つ一体感のある対応を可能にするとともに、重複する機能の整理、統合を図ります。
② プラットフォーム部の新設
現在、当社及び複数の機能子会社に分散している当社の情報システム、電子商取引、物流及び生産管理といったアパレル事業を支える基盤となるべき各機能を当社プラットフォーム部として集約、統合し、当社において一括管理することとします。アパレル事業を営む各子会社が共通の事業基盤を使用することにより効率化を図り事業の収益率向上に繋げます。
また、これらの重点施策とともに、持続可能な社会の実現を目指すCSR(Corporate Social Responsibility)の推進とコーポレートガバナンスの強化を通じて、これからも継続して長期的な企業価値の向上を図ってまいります。