有価証券報告書-第8期(平成30年3月1日-平成31年2月28日)

【提出】
2019/05/24 15:01
【資料】
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【項目】
121項目

対処すべき課題

当社グループは、2019年度をスタートとする3ヶ年の中期経営計画を新たに策定し、2019年4月に公表しました。当社グループは「The Brand Builder 〜“最強のブランドビルダー”になる」をテーマとして掲げ、事業の重心とグループ構造の変革を図ることにより、3年後に売上高2,000億円、営業利益70億円及びROE4.6%を達成することを目標としてまいります。
この基本方針のもと、以下の5項目を重点施策としてグループ全体で取り組む所存です。
①グループ構造の見直し
グループのスケールメリットを発揮し、グループの全体最適の目線で間接費構造を抜本的に見直すことで、効率化とスリム化を促進してまいります。
a.共有プラットフォーム機能の拡充
管理、生産、物流、システム及び店舗開発などの各機能部門についてグループ内の集約化を進め、業務の標準化とスケールメリットの拡大による効率化を図ります。
b.グループ体制の最適化
事業子会社については、ブランドの個性を際立たせるための商品企画やマーチャンダイジングの独立性は維持しつつも、商品特性や市場特性の似通った事業会社については集約を図り、事業運営の迅速化と効率化を進めます。
②プロパービジネス化
当社のブランド群を、(1)個性が際立つブランド、(2)価格競争に巻き込まれないブランド、(3)デジタルと親和性のあるブランド、(4)ロイヤルカスタマーを増やせるブランド、に進化させ、以下の取り組みを促進します。
a.プロパー消化率の改善
セールを前提としないブランディングとビジネスモデルの構築に取り組み、AIによる商品の追加発注の精度向上、商品型数の圧縮、並びにセール時の歩留りを上げることにより粗利益の確保を図ってまいります。
b.オムニチャネル化
店頭とECの両チャネルで購買して頂けるお客様の拡大を図るべく、店頭とEC間の相互送客の促進、デジタルPRの強化、並びにモバイルアプリの拡充を実施します。
c.ロイヤルカスタマー化
購入頻度の高いお客様の会員化、ロイヤルカスタマー化をより積極的に推進するとともに、お客様により長くお買い求め頂ける取り組みを進めてまいります。
③多国籍企業化
海外市場への進出を加速するとともに、国内市場においてもインバウンドを始めとする外国人顧客を積極的に開拓するために、以下の取り組みを進めてまいります。
a. グローバルブランドの展開地域の拡大
海外市場にも通用するブランドは、グループ総力を挙げて更なる海外展開を図ります。
b. 中国事業展開の加速
海外の中でも既に事業展開が進んでいる中国市場については、投入ブランドと出店地域を拡大します。
c. 新規の海外進出と海外M&Aの強化
海外事業の拡大については既存国内ブランドの海外投入だけでなくM&Aも活用します。
d. 管理体制・支援体制の強化
以上の戦略策定と実行支援を担う部署の拡充と管理体制の強化を行ないます。
④デジタル企業化
引き続きオムニチャネルとEC事業を更に拡大させるとともに、リアルビジネスとは一線を画した高収益なデジタル事業の創出に取り組みます。そのために、ECプラットフォームを含むデジタル技術への継続投資、デジタルネイティブブランドの立ち上げ、更にはECプラットフォームのグローバル化や他社への開放等も進めてまいります。
⑤新規事業、新規ブランドの創出
当社グループのブランドポートフォリオについて、前述の通り、(1)個性が際立ち、(2)価格競争に巻き込まれず、(3)デジタルとの親和性が高く、(4)ロイヤルカスタマーの増加に資するブランド群に比重を移すためにも、一定比率の事業やブランドについては入れ替えによる新陳代謝を促進していきます。
そのためにも、M&Aや自社開発などで様々な社内外の経営リソースを最大限に活用し議論を活性化することで、新規の事業やブランドの創出を図ります。
これらの重点施策とともに、長期的な企業価値の向上、更には持続可能な社会の実現を目指したCSR(Corporate Social Responsibility)の推進やコーポレートガバナンスの強化と充実を着実に進めてまいります。