有価証券報告書-第18期(平成29年11月1日-平成30年10月31日)
(1)経営成績等の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益の堅調な推移により、雇用環境や所得の改善が続く中、緩やかな回復基調が続いております。しかしながら、景気の先行きは、中東情勢の不安定化による原油価格の上昇や、それに伴う原材料の値上げ、また、米国の政策による通商摩擦による懸念等から、先行きに不透明感がみられています。
農業を取り巻く環境は、農業従事者の高齢化や人手不足、少子高齢化や人口減少に伴う食料消費の縮小、耕作放棄地の拡大等の従来からの問題が残る一方、海外からの加工・業務用農産物の輸入は増加しており、そのような中で、日本の農業者の海外進出が増えてきました。また、平成30年は、西日本豪雨災害、北海道胆振東部地震並びに台風などの自然災害が相次ぎ、人的・物的被害のみならず多くの農業関連の被害が発生いたしました。従来からの厳しい農業環境に加え、予測困難な自然環境と向き合い、人々の食と暮らしに寄与する農業を支えることの重要性は益々高まっております。
一方で、国は農業の競争力強化を目的とした制度改革を進めており、異業種からの農業参入、若手生産者を中心とした規模拡大、6次産業化の推進、農産物・食品の輸出拡大、生産・流通コストの削減、農業による地域経済の活性化等を通して農業全体の所得向上に向けて取り組みつつあります。また、国内の食糧消費は減少傾向であるものの、世界的には食料需要が拡大しており、国内外における農作物をはじめとする食料の安定供給に深く関わる農業の果たす役割はより大きくなると考えられます。
このような農業環境のもと、当社グループは、引き続き野菜苗市場におけるシェアの拡大を図るため、産地に密着した営業及び生産体制の強化を図り、野菜苗の安定供給のための品質改善等に努めてまいりました。また、東アジアを中心とした海外事業展開、園芸小売事業に加え、関連会社による育種事業の開始、各分野の専門企業との連携による農業関連資材の開発など、事業のグローバル化及び多角化を積極的に取り組み企業価値の向上に努めてまいりました。
損益面におきましては、主力事業である野菜苗生産販売事業は、人件費や原材料並びに配送費等の増加傾向はあったものの、独自の営業ルートによる推進活動、自社農場の生産量の拡大及び生産効率の向上等により利益改善となりました。また、全体的な間接経費の見直しを行い、事業のグローバル化及び多角化に向け種まきを戦略的に行ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,698,508千円(前期比1.6%増)、営業利益13,641千円(前期は営業損失59,175千円)、経常利益29,277千円(前期は経常損失71,410千円)、親会社株主に帰属する当期純利益29,212千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失69,178千円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
(野菜苗生産販売事業)
当事業部門におきましては、東日本地域では、茨城農場を拠点としての産地営業の推進、品質改善等を取り組んだ結果、年間を通じて安定的な供給体制が可能となり、茨城県向けのピーマン、メロン苗の受注拡大に繋がりました。また、子会社であるベルグ福島株式会社での生産能力拡大もあり、キュウリの露地生産地である福島県内に推進を図り売上増加となりました。家庭園芸向けの売上につきましては、閑散期対策として取り組んでまいりました全国のホームセンター向けの玉ねぎ苗の販売促進に加え、新たに花苗等の取り扱いを開始したことにより、商品ラインナップが増加し、店舗の売場占有を上げることができ、今後の売上拡大に繋げることができました。西日本地域では、苗の受注及び供給体制の強化及び産地への営業推進により、熊本、福岡を中心とした九州向けのトマト苗の受注が拡大いたしました。
一方、損益面におきましては、生産量増加による人件費や原材料費等が増加する中、配送費の値上による負担は特に増加傾向にありますが、当社では、チャーター便や自社配送の利用、生産者に近い農場で二次育苗を行うことにより配送コストの増加を抑えることができました。また、ベルグ福島株式会社の生産能力の拡大や茨城農場の生産設備拡充、全国各地のパートナー農場との連携により生産効率が向上し利益改善に繋がりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,601,799千円(前期比5.9%増)、セグメント利益(営業利益)427,258千円(前期比17.3%増)となりました。
品目分類別の売上高は次のとおりであります。
(注) ピーマン類として、ピーマン・パプリカ・シシトウ・トウガラシをまとめて表示しています。
規格分類別の売上高は次のとおりであります。
(注) ポット苗は、ポリエチレンのポット(ポリ鉢)で育苗した苗(当社においては、主に断根接ぎ木苗にて育苗した苗)であり、ポットのサイズが大きくなると苗のサイズも大きくなります。セル苗は、小さな穴が連結した容器(セルトレー)で育苗した苗であり、穴数が増えると苗のサイズが小さくなります。
納品地域分類別の売上高は次のとおりであります。
(注) 静岡は「関東・甲信越」に含めて表示しております。
(農業・園芸用タネ資材販売事業)
当事業部門におきましては、株式会社むさしのタネの種子の販売を本格的に開始したことにより、種子売上高18,691千円を計上したものの、コンビニエンスストア事業から撤退したことや農産物の仕入販売の縮小により、当連結会計年度の業績は、売上高74,981千円(前期比70.9%減)となりました。一方で収益性が改善されたことにより、セグメント利益(営業利益)3,150千円(前期はセグメント損失12,244千円)となりました。
なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの名称を従来の「流通事業」から変更しております。
(海外事業)
当事業部門におきましては、中国山東省にて野菜苗及び花苗の生産、鉢花(シクラメン)の生産、トマト等の青果物の生産を中心とした施設園芸、生産技術開発のための試験等を行っております。また、東アジア地域への種子・農業資材等の販売を試験的に開始いたしました。平成29年12月に中国北京に新たに設立した合弁会社では、本格的な中国国内での事業展開に向け準備を進めております。様々な取り組みにより、当社グループの技術力や生産モデル等に対する評価を得ており、今後も引き続き、海外事業部を中心に海外での事業拡大に向けて、技術開発並びに中国国内を中心に農業関連のマーケット調査や市場開拓等を積極的に行ってまいります。
当連結会計年度の業績は、売上高18,450千円(前期比1.4%減)、セグメント損失(営業損失)47,850千円(前期はセグメント損失55,241千円)となりました。
(その他の事業)
その他事業におきましては、育種事業及び貸し農園事業を行っております。
当連結会計年度の業績は、売上高3,276千円(前期比434.6%増)、セグメント損失(営業損失)は22,952千円(前期はセグメント損失12,095千円)となりました。
② 財政状態の分析
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末と比べ110,158千円(6.6%)増加の1,778,985千円となりました。これは、現金及び預金が88,409千円、受取手形及び売掛金が40,456千円、それぞれ増加した一方で、育種事業の子会社の連結除外及びコンビニエンスストア事業の撤退により商品及び製品が25,509千円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べ19,791千円(1.0%)減少の1,952,198千円となりました。これは、前連結会計年度より建設中でありました茨城農場の育苗施設が完成したことにより、建物及び構築物が17,084千円増加、本社農場(愛媛)の土地取得により24,026千円が増加した一方で、建設仮勘定が59,040千円減少、有形固定資産の減価償却が進んだことにより、187,081千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末と比べ4,951千円(0.3%)増加の1,518,436千円となりました。これは、短期借入金が30,000千円、未払法人税等が12,568千円増加した一方で、未払金が13,289千円、1年内返済予定の長期借入金が8,363千円、支払手形及び買掛金が6,214千円が減少したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度と比べ74,302千円(9.3%)増加の872,510千円となりました。これは長期借入金が76,242千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末と比べ11,113千円(0.8%)増加の1,340,236千円となりました。これは、利益剰余金が16,514千円増加したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べ88,409千円(21.1%)増加の508,068千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、157,830千円(前連結会計年度は203,516千円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益31,955千円、減価償却費187,081千円、売上債権の増減額△40,456千円、持分法による投資損益9,137千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△185,307千円(前連結会計年度は△106,065千円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出△189,032千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、151,656千円(前連結会計年度は△99,544千円の支出)となりました。これは、短期借入れによる収入600,000千円、短期借入金の返済による支出△550,000千円、長期借入れによる収入315,000千円、長期借入金の返済による支出△247,121千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、当期総製造費用によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.農業・園芸用タネ資材販売事業及びその他の事業については、該当ありません。
b.商品及び製品仕入実績
当連結会計年度における商品及び製品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.その他の事業については、該当ありません。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.農業・園芸用タネ資材販売事業及びその他の事業については、該当ありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.農業・園芸用タネ資材販売事業については、平成29年10月31日をもってコンビンエンスストア事業を撤退したため、前年同期に比べ著しく減少しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的な判断に基づき会計上の見積りを行っております。この連結財務諸表の作成にあたり重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は4,698,508千円(前期比1.6%増)となりました。詳細につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要」をご参照ください。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は3,545,379千円(前期比0.3%減)となりました。
野菜苗生産販売事業の受注増加に伴う製造原価の増加、閑散期の売上拡大のため取り組んできた玉ネギ苗等の製品苗の購入率の増加した一方、青果物の仕入販売事業の見直しやコンビニエンスストア事業の撤退により商品仕入が減少しました。
事業の見直し、売上拡大及び各農場の生産効率が向上した結果、売上総利益は1,153,128千円(前期比7.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,139,487千円(前期比1.1%増)となりました。
事業内容の見直しやコンビニエンスストア事業の撤退により支払手数料、消耗品費等が減少した一方、野菜苗の出荷数量の増加及び配送会社の値上に伴い荷造運賃費が300,637千円(前期比11.7%増)、事業拡大、新規事業等への取り組みに伴う人件費が402,107千円(前期比4.2%増)増加しました。
この結果、営業利益は13,641千円(前期は営業損失59,175千円)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は受取補償金3,500千円、受取手数料4,570千円、補助金収入18,288千円等により29,974千円となりました。営業外費用は支払利息4,591千円、持分法による投資損失9,137千円等により14,338千円となりました。この結果、経常利益は29,277千円(前期は経常損失71,410千円)となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は固定資産売却益400千円、持分変動利益2,959千円により3,359千円となり、特別損失は固定資産除却損681千円により681千円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は31,955千円(前期は税金等調整前当期純損失88,767千円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における税効果会計適用後の法人税等合計は14,705千円(前期は△10,314千円)、非支配株主に帰属する当期純損失は11,962千円(前期は非支配株主に帰属する当期純損失9,273千円)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は29,212千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失69,178千円)となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、農業を取り巻く国内外の環境変化、法的規制、地震や台風等による大規模災害等様々な要因が挙げられ、詳細につきましては「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり認識しております。当社グループでは、外部や事業環境の変化にすばやく対応するための人材育成や組織体制の整備、内部統制強化等により、経営成績に影響を与える可能性のあるリスクの回避及び発生を抑え、適切な対応に努めて参ります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要は、野菜苗生産販売事業における生産設備の新設及び改修等の設備資金、既存事業拡大及び成長戦略の柱である多角化や海外事業での事業投資や技術研究開発投資及び経常の運転資金があります。これらの資金需要に対して、設備等の投資資金については、金融機関による長期借入、運転資金については、金融機関による短期借入を必要に応じて調達する方針としております。
また、当社グループの主要事業である野菜苗生産販売事業は、季節変動が大きく、第1四半期では支出が先行し営業活動キャッシュ・フローがマイナスになる傾向にあります。その季節的な変動の中で、事業に必要な資金を確保し、機動的かつ安定的な資金調達を行うため、金融機関5行と当座貸越契約を締結しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益の堅調な推移により、雇用環境や所得の改善が続く中、緩やかな回復基調が続いております。しかしながら、景気の先行きは、中東情勢の不安定化による原油価格の上昇や、それに伴う原材料の値上げ、また、米国の政策による通商摩擦による懸念等から、先行きに不透明感がみられています。
農業を取り巻く環境は、農業従事者の高齢化や人手不足、少子高齢化や人口減少に伴う食料消費の縮小、耕作放棄地の拡大等の従来からの問題が残る一方、海外からの加工・業務用農産物の輸入は増加しており、そのような中で、日本の農業者の海外進出が増えてきました。また、平成30年は、西日本豪雨災害、北海道胆振東部地震並びに台風などの自然災害が相次ぎ、人的・物的被害のみならず多くの農業関連の被害が発生いたしました。従来からの厳しい農業環境に加え、予測困難な自然環境と向き合い、人々の食と暮らしに寄与する農業を支えることの重要性は益々高まっております。
一方で、国は農業の競争力強化を目的とした制度改革を進めており、異業種からの農業参入、若手生産者を中心とした規模拡大、6次産業化の推進、農産物・食品の輸出拡大、生産・流通コストの削減、農業による地域経済の活性化等を通して農業全体の所得向上に向けて取り組みつつあります。また、国内の食糧消費は減少傾向であるものの、世界的には食料需要が拡大しており、国内外における農作物をはじめとする食料の安定供給に深く関わる農業の果たす役割はより大きくなると考えられます。
このような農業環境のもと、当社グループは、引き続き野菜苗市場におけるシェアの拡大を図るため、産地に密着した営業及び生産体制の強化を図り、野菜苗の安定供給のための品質改善等に努めてまいりました。また、東アジアを中心とした海外事業展開、園芸小売事業に加え、関連会社による育種事業の開始、各分野の専門企業との連携による農業関連資材の開発など、事業のグローバル化及び多角化を積極的に取り組み企業価値の向上に努めてまいりました。
損益面におきましては、主力事業である野菜苗生産販売事業は、人件費や原材料並びに配送費等の増加傾向はあったものの、独自の営業ルートによる推進活動、自社農場の生産量の拡大及び生産効率の向上等により利益改善となりました。また、全体的な間接経費の見直しを行い、事業のグローバル化及び多角化に向け種まきを戦略的に行ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,698,508千円(前期比1.6%増)、営業利益13,641千円(前期は営業損失59,175千円)、経常利益29,277千円(前期は経常損失71,410千円)、親会社株主に帰属する当期純利益29,212千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失69,178千円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
(野菜苗生産販売事業)
当事業部門におきましては、東日本地域では、茨城農場を拠点としての産地営業の推進、品質改善等を取り組んだ結果、年間を通じて安定的な供給体制が可能となり、茨城県向けのピーマン、メロン苗の受注拡大に繋がりました。また、子会社であるベルグ福島株式会社での生産能力拡大もあり、キュウリの露地生産地である福島県内に推進を図り売上増加となりました。家庭園芸向けの売上につきましては、閑散期対策として取り組んでまいりました全国のホームセンター向けの玉ねぎ苗の販売促進に加え、新たに花苗等の取り扱いを開始したことにより、商品ラインナップが増加し、店舗の売場占有を上げることができ、今後の売上拡大に繋げることができました。西日本地域では、苗の受注及び供給体制の強化及び産地への営業推進により、熊本、福岡を中心とした九州向けのトマト苗の受注が拡大いたしました。
一方、損益面におきましては、生産量増加による人件費や原材料費等が増加する中、配送費の値上による負担は特に増加傾向にありますが、当社では、チャーター便や自社配送の利用、生産者に近い農場で二次育苗を行うことにより配送コストの増加を抑えることができました。また、ベルグ福島株式会社の生産能力の拡大や茨城農場の生産設備拡充、全国各地のパートナー農場との連携により生産効率が向上し利益改善に繋がりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,601,799千円(前期比5.9%増)、セグメント利益(営業利益)427,258千円(前期比17.3%増)となりました。
品目分類別の売上高は次のとおりであります。
| 品目分類 | 売上高 (千円) | 前期比 (%) |
| トマト苗 | 2,170,283 | 104.8 |
| キュウリ苗 | 1,212,026 | 102.9 |
| ナス苗 | 369,301 | 101.6 |
| スイカ苗 | 284,900 | 115.2 |
| メロン苗 | 204,210 | 113.4 |
| ピーマン類苗 (注) | 202,025 | 126.0 |
| その他 | 159,051 | 109.5 |
| 合 計 | 4,601,799 | 105.9 |
(注) ピーマン類として、ピーマン・パプリカ・シシトウ・トウガラシをまとめて表示しています。
規格分類別の売上高は次のとおりであります。
| 規格分類 | 売上高 (千円) | 前期比 (%) |
| ポット苗(7.5㎝~15㎝) | 2,460,261 | 109.8 |
| 当社オリジナル(アースストレート苗、ヌードメイク苗、e苗シリーズ等) | 1,314,949 | 98.1 |
| セル苗(288穴~72穴) | 767,409 | 106.8 |
| その他 | 59,179 | 127.9 |
| 合 計 | 4,601,799 | 105.9 |
(注) ポット苗は、ポリエチレンのポット(ポリ鉢)で育苗した苗(当社においては、主に断根接ぎ木苗にて育苗した苗)であり、ポットのサイズが大きくなると苗のサイズも大きくなります。セル苗は、小さな穴が連結した容器(セルトレー)で育苗した苗であり、穴数が増えると苗のサイズが小さくなります。
納品地域分類別の売上高は次のとおりであります。
| 納品地域分類 | 売上高 (千円) | 前期比 (%) |
| 北海道・東北 | 623,488 | 114.2 |
| 関東・甲信越 | 1,996,259 | 106.2 |
| 東日本地域 小計 | 2,619,748 | 108.0 |
| 中部・北陸 | 276,330 | 99.4 |
| 近畿・中国 | 492,564 | 94.0 |
| 四国 | 400,768 | 102.8 |
| 九州・沖縄 | 812,388 | 111.6 |
| 西日本地域 小計 | 1,982,051 | 103.3 |
| 合 計 | 4,601,799 | 105.9 |
(注) 静岡は「関東・甲信越」に含めて表示しております。
(農業・園芸用タネ資材販売事業)
当事業部門におきましては、株式会社むさしのタネの種子の販売を本格的に開始したことにより、種子売上高18,691千円を計上したものの、コンビニエンスストア事業から撤退したことや農産物の仕入販売の縮小により、当連結会計年度の業績は、売上高74,981千円(前期比70.9%減)となりました。一方で収益性が改善されたことにより、セグメント利益(営業利益)3,150千円(前期はセグメント損失12,244千円)となりました。
なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの名称を従来の「流通事業」から変更しております。
(海外事業)
当事業部門におきましては、中国山東省にて野菜苗及び花苗の生産、鉢花(シクラメン)の生産、トマト等の青果物の生産を中心とした施設園芸、生産技術開発のための試験等を行っております。また、東アジア地域への種子・農業資材等の販売を試験的に開始いたしました。平成29年12月に中国北京に新たに設立した合弁会社では、本格的な中国国内での事業展開に向け準備を進めております。様々な取り組みにより、当社グループの技術力や生産モデル等に対する評価を得ており、今後も引き続き、海外事業部を中心に海外での事業拡大に向けて、技術開発並びに中国国内を中心に農業関連のマーケット調査や市場開拓等を積極的に行ってまいります。
当連結会計年度の業績は、売上高18,450千円(前期比1.4%減)、セグメント損失(営業損失)47,850千円(前期はセグメント損失55,241千円)となりました。
(その他の事業)
その他事業におきましては、育種事業及び貸し農園事業を行っております。
当連結会計年度の業績は、売上高3,276千円(前期比434.6%増)、セグメント損失(営業損失)は22,952千円(前期はセグメント損失12,095千円)となりました。
② 財政状態の分析
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末と比べ110,158千円(6.6%)増加の1,778,985千円となりました。これは、現金及び預金が88,409千円、受取手形及び売掛金が40,456千円、それぞれ増加した一方で、育種事業の子会社の連結除外及びコンビニエンスストア事業の撤退により商品及び製品が25,509千円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べ19,791千円(1.0%)減少の1,952,198千円となりました。これは、前連結会計年度より建設中でありました茨城農場の育苗施設が完成したことにより、建物及び構築物が17,084千円増加、本社農場(愛媛)の土地取得により24,026千円が増加した一方で、建設仮勘定が59,040千円減少、有形固定資産の減価償却が進んだことにより、187,081千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末と比べ4,951千円(0.3%)増加の1,518,436千円となりました。これは、短期借入金が30,000千円、未払法人税等が12,568千円増加した一方で、未払金が13,289千円、1年内返済予定の長期借入金が8,363千円、支払手形及び買掛金が6,214千円が減少したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度と比べ74,302千円(9.3%)増加の872,510千円となりました。これは長期借入金が76,242千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末と比べ11,113千円(0.8%)増加の1,340,236千円となりました。これは、利益剰余金が16,514千円増加したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べ88,409千円(21.1%)増加の508,068千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、157,830千円(前連結会計年度は203,516千円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益31,955千円、減価償却費187,081千円、売上債権の増減額△40,456千円、持分法による投資損益9,137千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△185,307千円(前連結会計年度は△106,065千円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出△189,032千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、151,656千円(前連結会計年度は△99,544千円の支出)となりました。これは、短期借入れによる収入600,000千円、短期借入金の返済による支出△550,000千円、長期借入れによる収入315,000千円、長期借入金の返済による支出△247,121千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| 野菜苗生産販売事業 | 3,398,934 | 104.3 |
| 農業・園芸用タネ資材販売事業 | ― | ― |
| 海外事業 | 17,457 | 82.2 |
| その他の事業 | ― | ― |
| 合計 | 3,416,391 | 104.0 |
(注) 1.金額は、当期総製造費用によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.農業・園芸用タネ資材販売事業及びその他の事業については、該当ありません。
b.商品及び製品仕入実績
当連結会計年度における商品及び製品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前年同期比(%) |
| 野菜苗生産販売事業 | 74,689 | 138.6 |
| 農業・園芸用タネ資材販売事業 | 53,951 | 26.0 |
| 海外事業 | 2,824 | ― |
| その他の事業 | ― | ― |
| 合計 | 131,466 | 50.2 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.その他の事業については、該当ありません。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 野菜苗生産販売事業 | 4,411,630 | 104.2 | 347,220 | 90.4 |
| 農業・園芸用タネ資材販売事業 | ― | ― | ― | ― |
| 海外事業 | 2,349 | 33.7 | 132 | 47.7 |
| その他の事業 | ― | ― | ― | ― |
| 合計 | 4,413,979 | 104.1 | 347,353 | 90.4 |
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.農業・園芸用タネ資材販売事業及びその他の事業については、該当ありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 野菜苗生産販売事業 | 4,601,799 | 105.9 |
| 農業・園芸用タネ資材販売事業 | 74,981 | 29.1 |
| 海外事業 | 18,450 | 98.6 |
| その他の事業 | 3,276 | 534.6 |
| 合計 | 4,698,508 | 101.6 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.農業・園芸用タネ資材販売事業については、平成29年10月31日をもってコンビンエンスストア事業を撤退したため、前年同期に比べ著しく減少しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的な判断に基づき会計上の見積りを行っております。この連結財務諸表の作成にあたり重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は4,698,508千円(前期比1.6%増)となりました。詳細につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要」をご参照ください。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は3,545,379千円(前期比0.3%減)となりました。
野菜苗生産販売事業の受注増加に伴う製造原価の増加、閑散期の売上拡大のため取り組んできた玉ネギ苗等の製品苗の購入率の増加した一方、青果物の仕入販売事業の見直しやコンビニエンスストア事業の撤退により商品仕入が減少しました。
事業の見直し、売上拡大及び各農場の生産効率が向上した結果、売上総利益は1,153,128千円(前期比7.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,139,487千円(前期比1.1%増)となりました。
事業内容の見直しやコンビニエンスストア事業の撤退により支払手数料、消耗品費等が減少した一方、野菜苗の出荷数量の増加及び配送会社の値上に伴い荷造運賃費が300,637千円(前期比11.7%増)、事業拡大、新規事業等への取り組みに伴う人件費が402,107千円(前期比4.2%増)増加しました。
この結果、営業利益は13,641千円(前期は営業損失59,175千円)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は受取補償金3,500千円、受取手数料4,570千円、補助金収入18,288千円等により29,974千円となりました。営業外費用は支払利息4,591千円、持分法による投資損失9,137千円等により14,338千円となりました。この結果、経常利益は29,277千円(前期は経常損失71,410千円)となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は固定資産売却益400千円、持分変動利益2,959千円により3,359千円となり、特別損失は固定資産除却損681千円により681千円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は31,955千円(前期は税金等調整前当期純損失88,767千円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における税効果会計適用後の法人税等合計は14,705千円(前期は△10,314千円)、非支配株主に帰属する当期純損失は11,962千円(前期は非支配株主に帰属する当期純損失9,273千円)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は29,212千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失69,178千円)となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、農業を取り巻く国内外の環境変化、法的規制、地震や台風等による大規模災害等様々な要因が挙げられ、詳細につきましては「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり認識しております。当社グループでは、外部や事業環境の変化にすばやく対応するための人材育成や組織体制の整備、内部統制強化等により、経営成績に影響を与える可能性のあるリスクの回避及び発生を抑え、適切な対応に努めて参ります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要は、野菜苗生産販売事業における生産設備の新設及び改修等の設備資金、既存事業拡大及び成長戦略の柱である多角化や海外事業での事業投資や技術研究開発投資及び経常の運転資金があります。これらの資金需要に対して、設備等の投資資金については、金融機関による長期借入、運転資金については、金融機関による短期借入を必要に応じて調達する方針としております。
また、当社グループの主要事業である野菜苗生産販売事業は、季節変動が大きく、第1四半期では支出が先行し営業活動キャッシュ・フローがマイナスになる傾向にあります。その季節的な変動の中で、事業に必要な資金を確保し、機動的かつ安定的な資金調達を行うため、金融機関5行と当座貸越契約を締結しております。