有価証券報告書-第24期(2023/11/01-2024/10/31)
(1)経営成績等の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、個人消費の拡大やインバウンド需要の増加等により経済活動の緩やかな持ち直しの動きが見られましたが、日米におけるトップの交代による経済状況の見通し不安やロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の悪化、円安や価格転嫁による物価の上昇等により、景気の先行きは不透明な状況が続いております。経済見通しは、内需を中心に底堅い成長が予測され、物価の影響を考慮した実質賃金も前年比プラスで推移し、個人消費は緩やかに持ち直すと見られております。
我が国における農業界は、耕作放棄地の拡大や高齢化と後継者不足が深刻な問題となっており、農業従事者の平均年齢は67~68歳と言われる中、新規就農者も年々減ってきており、近い将来100万人を下回ることも予測されております。高齢化や人手不足、耕作放棄地の拡大、TPPによる価格競争激化といった課題が数多くあり、これらの課題を解決し、生産力を向上させるためにはスマート農業の推進による省力化・高品質生産、農地の集積・集約による効率化と高い生産性、経営の大規模化、農作物のブランド化が有効であります。また、持続的に成長を続けるためには、農業に携わる人が安定した収入を得て、農業の担い手が増えるような労働環境の整備が不可欠です。そのためには、規格外野菜の有効活用や農産物の適正価格維持など、農業界だけでなく自治体や国、消費者も一丸となり問題解決に取り組む事が求められます。
以上のことから、当社グループを取り巻く環境は不透明な部分があるものの、一方では、農作業の効率化による新規就農者の就業やスマート農業技術・ドローン活用等の高度な先端技術を導入した超省力化も進んでおり、少人数・大規模農場も運営可能となっている現実もございます。
当社グループにおきましては、「日本の農業の為になる、役に立つ会社になることで、農業に革命を興し、人々の食と暮らしを豊かにする」の企業理念に基づき、長期ビジョン(2033)において、3つの事業目標を定めております。
1.「確かな技術と製品で、持続可能な農業を実現し、日本の豊かな食と生活文化を支える企業となる」
2.「農業に関する様々な課題解決に取り組み、当社グループだから出来る成果を生み出す企業となる」
3.「当社グループ社員も含めた農業従事者が、夢と生きがいを持って働くことができる農業を実現する」
それぞれの事業目標を達成するため、経営品質の向上、苗事業の強化、高付加価値ビジネス(新商品・新技術開発)を推進してまいりました。
当連結会計年度におきまして、特に、苗事業における生産体制の業務改善や購買力強化等に取り組んでまいりました。加えて、前連結会計年度に続き適切な価格への見直しも進めてまいりましたが、原材料費や配送費用等の値上げに加え、7月以降続いた猛暑は苗の生育状況に大きく影響し、原材料費や労務費といった製造経費を想定以上に増加させる要因となりました。また、当連結会計年度は、当社の持分法適用関連会社である株式会社むさしのタネの債務超過額全額を当社負担として計上したことにより、営業外費用に持分法による投資損失76,457千円を計上しております。また、当社茨城農場の育苗施設が雹被害をうけたことに伴い特別利益に受取保険金68,347千円、ベルグ福島株式会社の新規植物ワクチン及びワクチン接種苗の研究開発に対する補助金収入37,889千円を計上しております。
その結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高7,094,887千円(前期比0.5%増)、営業利益22,459千円(前期比70.7%減)、経常損失16,125千円(前期は経常利益106,604千円)、親会社株主に帰属する当期純利益39,936千円(前期比48.8%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
(野菜苗・苗関連事業)
当事業部門におきましては、伊予農産株式会社の決算期変更の影響があったものの、適切な価格への見直しを徐々に進める中で、生産が集中する夏季に受注分散を目的とした夏価格の導入を行うなど、高騰する原材料費や労務費に対応してまいりました。また、スイカ、メロン苗の需要が高まったことにより売上が増加いたしました。また、2024年3月には、当社が出資する宮崎ひなたファーム株式会社の生産が開始しました。宮崎県は全国でも有数の農産物の産地であり、宮崎県内始め九州地区に向けた供給体制が更に強化されたことにより、生産者のニーズを掴み受注拡大に向けて営業推進を行ってまいりました。
売上面につきましては、適切な価格へ見直しが進んだことも大きく影響しておりますが、当社オリジナル規格のアースストレート苗(培地部分を生分解性の不織布で包み、そのまま定植ができる環境に優しい製品)の販促活動を行っており、特に、スイカ苗につきましては次世代の生産者による自家育苗から購入苗への切り替えの需要が高まり売上が拡大いたしました。
損益面につきましては、原材料や電力費、配送費用等の値上げに加え、7月以降記録的な猛暑が続き、野菜苗等の生育状況に大きく影響する結果となり、想定以上の種子等の原材料費が増加し、生産や顧客対応のため労務費等が増加いたしました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高6,155,618千円(前期比2.2%増)、セグメント利益(営業利益)478,570千円(前期比6.8%減)となりました。
品目分類別の売上高は次のとおりであります。
(注1) ピーマン類として、ピーマン・パプリカ・シシトウ・トウガラシをまとめて表示しています。
(注2) 玉ねぎ苗、葉菜苗、花苗等を含んでおります。
規格分類別の売上高は次のとおりであります。
(注) ポット苗は、ポリエチレンのポット(ポリ鉢)で育苗した一般的な苗(当社においては、主に断根接ぎ木苗にて育苗した苗)であり、ポットのサイズが大きくなると苗のサイズも大きくなります。セル苗は、小さな穴が連結した容器(セルトレー)で育苗した苗であり、穴数が増えると苗のサイズが小さくなります。
納品地域分類別の売上高は次のとおりであります。
(注) 静岡県は「甲信越」に含めて表示しております。
(農業・園芸用タネ資材販売事業)
当事業部門におきましては、伊予農産株式会社の決算期変更の影響により前年同期から減収となりましたが、オリジナル培土や種子の販売推進に加えて、当期より新たに堆肥配合肥料「てっぺんシリーズ」の販売を開始し、売上拡大に向けて営業活動を行ってまいりました。また、愛媛県内生産者向けに生産設備の改修工事や農業機器の新規導入など特需案件の売上が増加いたしました。損益面につきましては、伊予農産株式会社が前連結会計年度において14ヵ月間の売上高を計上していることや利益率の低い売上が増加したことによる売上原価率の上昇や仕入価格の値上げ等により減益となりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高823,576千円(前期比9.2%減)、セグメント利益(営業利益)10,426千円(前期比61.1%減)となりました。
(小売事業)
当事業部門におきましては、コロナ禍において、家庭菜園やガーデンニングを始める方や観葉植物を育てる方等が増加してきましたが、終息に伴い園芸ブームもひと段落してきました。そのような中、家庭菜園イベントや野菜作り教室の開催や情報発信強化等に取り組んでまいりましたが、園芸ブームの終息による減少に加え、7月以降の記録的な高温が続く中で来店客数が前年同期に比べて減少したことにより売上の減少となりました。また、販売店舗の老朽化により、一部リニューアルを行ったことによる修繕費の増加などによって営業損失が増加いたしました。
今後も、店舗の集客力UPに向け、お客様が何度来ても新しい商品と出会える店舗作りに取り組み、また、外商活動や店舗において、お客様からの直接話を聞くことで新たな商品提案や開発に繋げてまいります。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高115,693千円(前期比13.5%減)、セグメント損失(営業損失)13,629千円(前期はセグメント損失6,548千円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末と比べ60,603千円(2.2%)増加の2,821,698千円となりました。これは、9月以降の売上増加により売掛金の増加131,638千円、電子記録債権の増加30,105千円、現金及び預金の減少77,934千円等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べ55,327千円(1.9%)減少の2,855,822千円となりました。これは減価償却が進んだことにより、建物及び構築物の減少133,925千円、ベルグ福島株式会社の鶴沢農場建設開始による建設仮勘定の増加103,950千円等によるものであります。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末と比べ136,401千円(6.5%)減少の1,972,654千円となりました。これは、支払手形及び買掛金の減少52,454千円、1年内返済予定の長期借入金の減少26,512千円、未払法人税等の減少46,999千円等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比べ103,667千円(7.0%)増加の1,584,532千円となりました。これは、長期借入金の借入による増加110,754千円等によるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末と比べ38,009千円(1.8%)増加の2,120,334千円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末と比べ69,134千円(7.0%)減少の920,359千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、111,461千円(前連結会計年度は177,468千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益88,707千円、減価償却費259,033千円、売上債権の増加額156,945千円、持分法による投資損失76,457千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、241,486千円(前連結会計年度は83,260千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出230,119千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、54,646千円(前連結会計年度は185,258千円の支出)となりました。これは、短期借入れによる収入450,000千円、短期借入金の返済による支出450,000千円、長期借入れによる収入450,000千円、長期借入金の返済による支出365,758千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、当期総製造費用によっております。
b.商品及び製品仕入実績
当連結会計年度における商品及び製品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は7,094,887千円(前期比0.5%増)となりました。詳細につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は5,352,914千円(前期比0.9%増)となりました。
原材料費や電力費等の値上げに加え、7月以降記録的な猛暑が続き、野菜苗の生育状況に大きく影響する結果となり、想定以上の種子等の原材料費や生産に係る労務費が増加いたしました。
この結果、売上総利益は1,741,972千円(前期比0.7%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,719,513千円(前期比2.5%増)となりました。
顧客対応が増加したこと伴い出張が増加したことに加え、公共交通機関や宿泊費の値上げなどにより旅費交通費が増加、生産性向上を目指しコンサルタントの導入や業務効率改善に向けたRPAツールの導入等により支払手数料が増加いたしました。
この結果、営業利益は22,459千円(前期比70.7%減)となりました。
(営業外損益、経常損失)
当連結会計年度における営業外収益は受取手数料20,382千円、受取補填金10,785千円、補助金収入6,067千円等により54,113千円となりました。営業外費用は持分法による投資損失76,457千円、支払利息10,177千円等により92,698千円となりました。
この結果、経常損失は16,125千円(前期は経常利益106,604千円)となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は当社茨城農場の育苗施設が雹被害をうけたこと等による受取保険金73,279千円、補助金収入37,889千円等により124,616千円となりました。特別損失は中国子会社の清算に伴う為替差損6,677千円、投資有価証券評価損5,942千円等により19,783千円となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は88,707千円(前期比38.0%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における税効果会計適用後の法人税等合計は43,931千円、非支配株主に帰属する当期純利益は4,840千円(前期比21.0%増)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は39,936千円(前期比48.8%減)となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、農業を取り巻く国内外の環境変化、法的規制、地震や台風等による大規模災害等様々な要因が挙げられ、詳細につきましては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり認識しております。当社グループでは、外部や事業環境の変化にすばやく対応するための人財育成や組織体制の整備、内部統制の強化等により、経営成績に影響を与える可能性のあるリスクの回避及び発生を抑え、適切な対応に努めて参ります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、野菜苗・苗関連事業における生産設備の新設及び改修等の設備資金、既存事業拡大及び成長戦略の柱である多角化や海外事業での事業投資や技術研究開発投資及び経常の運転資金があります。これらの資金需要に対して、設備等の投資資金については、金融機関による長期借入、運転資金については、金融機関による短期借入を必要に応じて調達する方針としております。
また、当社グループの主要事業である野菜苗・苗関連事業は、季節変動が大きく、第1四半期では支出が先行し営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスになる傾向にあります。その季節的な変動の中で、事業に必要な資金を確保し、機動的かつ安定的な資金調達を行うため、金融機関6行と当座貸越契約を締結しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的な判断に基づき会計上の見積りを行っております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性の評価)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、個人消費の拡大やインバウンド需要の増加等により経済活動の緩やかな持ち直しの動きが見られましたが、日米におけるトップの交代による経済状況の見通し不安やロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の悪化、円安や価格転嫁による物価の上昇等により、景気の先行きは不透明な状況が続いております。経済見通しは、内需を中心に底堅い成長が予測され、物価の影響を考慮した実質賃金も前年比プラスで推移し、個人消費は緩やかに持ち直すと見られております。
我が国における農業界は、耕作放棄地の拡大や高齢化と後継者不足が深刻な問題となっており、農業従事者の平均年齢は67~68歳と言われる中、新規就農者も年々減ってきており、近い将来100万人を下回ることも予測されております。高齢化や人手不足、耕作放棄地の拡大、TPPによる価格競争激化といった課題が数多くあり、これらの課題を解決し、生産力を向上させるためにはスマート農業の推進による省力化・高品質生産、農地の集積・集約による効率化と高い生産性、経営の大規模化、農作物のブランド化が有効であります。また、持続的に成長を続けるためには、農業に携わる人が安定した収入を得て、農業の担い手が増えるような労働環境の整備が不可欠です。そのためには、規格外野菜の有効活用や農産物の適正価格維持など、農業界だけでなく自治体や国、消費者も一丸となり問題解決に取り組む事が求められます。
以上のことから、当社グループを取り巻く環境は不透明な部分があるものの、一方では、農作業の効率化による新規就農者の就業やスマート農業技術・ドローン活用等の高度な先端技術を導入した超省力化も進んでおり、少人数・大規模農場も運営可能となっている現実もございます。
当社グループにおきましては、「日本の農業の為になる、役に立つ会社になることで、農業に革命を興し、人々の食と暮らしを豊かにする」の企業理念に基づき、長期ビジョン(2033)において、3つの事業目標を定めております。
1.「確かな技術と製品で、持続可能な農業を実現し、日本の豊かな食と生活文化を支える企業となる」
2.「農業に関する様々な課題解決に取り組み、当社グループだから出来る成果を生み出す企業となる」
3.「当社グループ社員も含めた農業従事者が、夢と生きがいを持って働くことができる農業を実現する」
それぞれの事業目標を達成するため、経営品質の向上、苗事業の強化、高付加価値ビジネス(新商品・新技術開発)を推進してまいりました。
当連結会計年度におきまして、特に、苗事業における生産体制の業務改善や購買力強化等に取り組んでまいりました。加えて、前連結会計年度に続き適切な価格への見直しも進めてまいりましたが、原材料費や配送費用等の値上げに加え、7月以降続いた猛暑は苗の生育状況に大きく影響し、原材料費や労務費といった製造経費を想定以上に増加させる要因となりました。また、当連結会計年度は、当社の持分法適用関連会社である株式会社むさしのタネの債務超過額全額を当社負担として計上したことにより、営業外費用に持分法による投資損失76,457千円を計上しております。また、当社茨城農場の育苗施設が雹被害をうけたことに伴い特別利益に受取保険金68,347千円、ベルグ福島株式会社の新規植物ワクチン及びワクチン接種苗の研究開発に対する補助金収入37,889千円を計上しております。
その結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高7,094,887千円(前期比0.5%増)、営業利益22,459千円(前期比70.7%減)、経常損失16,125千円(前期は経常利益106,604千円)、親会社株主に帰属する当期純利益39,936千円(前期比48.8%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
(野菜苗・苗関連事業)
当事業部門におきましては、伊予農産株式会社の決算期変更の影響があったものの、適切な価格への見直しを徐々に進める中で、生産が集中する夏季に受注分散を目的とした夏価格の導入を行うなど、高騰する原材料費や労務費に対応してまいりました。また、スイカ、メロン苗の需要が高まったことにより売上が増加いたしました。また、2024年3月には、当社が出資する宮崎ひなたファーム株式会社の生産が開始しました。宮崎県は全国でも有数の農産物の産地であり、宮崎県内始め九州地区に向けた供給体制が更に強化されたことにより、生産者のニーズを掴み受注拡大に向けて営業推進を行ってまいりました。
売上面につきましては、適切な価格へ見直しが進んだことも大きく影響しておりますが、当社オリジナル規格のアースストレート苗(培地部分を生分解性の不織布で包み、そのまま定植ができる環境に優しい製品)の販促活動を行っており、特に、スイカ苗につきましては次世代の生産者による自家育苗から購入苗への切り替えの需要が高まり売上が拡大いたしました。
損益面につきましては、原材料や電力費、配送費用等の値上げに加え、7月以降記録的な猛暑が続き、野菜苗等の生育状況に大きく影響する結果となり、想定以上の種子等の原材料費が増加し、生産や顧客対応のため労務費等が増加いたしました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高6,155,618千円(前期比2.2%増)、セグメント利益(営業利益)478,570千円(前期比6.8%減)となりました。
品目分類別の売上高は次のとおりであります。
| 品目分類 | 売上高(千円) | 前期比(%) |
| トマト苗 | 2,499,590 | 102.7 |
| キュウリ苗 | 1,473,565 | 101.1 |
| ナス苗 | 554,796 | 99.4 |
| スイカ苗 | 472,732 | 108.8 |
| メロン苗 | 288,256 | 110.3 |
| ピーマン類苗(注1) | 291,309 | 109.2 |
| その他(注2) | 575,366 | 94.4 |
| 合計 | 6,155,618 | 102.2 |
(注1) ピーマン類として、ピーマン・パプリカ・シシトウ・トウガラシをまとめて表示しています。
(注2) 玉ねぎ苗、葉菜苗、花苗等を含んでおります。
規格分類別の売上高は次のとおりであります。
| 規格分類 | 売上高(千円) | 前期比(%) |
| ポット苗(7.5㎝~15㎝)(注) | 2,819,078 | 99.6 |
| 当社オリジナル(アースストレート苗、ヌードメイク苗、e苗シリーズ、高接ぎハイレッグ苗、ウィルスガード苗、ツイン苗) | 2,090,366 | 111.0 |
| セル苗(512穴~72穴)(注) | 1,086,499 | 97.9 |
| その他 | 159,673 | 80.8 |
| 合計 | 6,155,618 | 102.2 |
(注) ポット苗は、ポリエチレンのポット(ポリ鉢)で育苗した一般的な苗(当社においては、主に断根接ぎ木苗にて育苗した苗)であり、ポットのサイズが大きくなると苗のサイズも大きくなります。セル苗は、小さな穴が連結した容器(セルトレー)で育苗した苗であり、穴数が増えると苗のサイズが小さくなります。
納品地域分類別の売上高は次のとおりであります。
| 納品地域分類 | 売上高(千円) | 前期比(%) |
| 北海道・東北 | 936,845 | 104.5 |
| 関東 | 1,946,071 | 103.0 |
| 甲信越(注) | 480,199 | 100.1 |
| 中部・北陸 | 416,561 | 99.7 |
| 近畿・中国 | 526,909 | 95.9 |
| 四国 | 736,544 | 103.5 |
| 九州・沖縄 | 1,112,486 | 103.4 |
| 合計 | 6,155,618 | 102.2 |
(注) 静岡県は「甲信越」に含めて表示しております。
(農業・園芸用タネ資材販売事業)
当事業部門におきましては、伊予農産株式会社の決算期変更の影響により前年同期から減収となりましたが、オリジナル培土や種子の販売推進に加えて、当期より新たに堆肥配合肥料「てっぺんシリーズ」の販売を開始し、売上拡大に向けて営業活動を行ってまいりました。また、愛媛県内生産者向けに生産設備の改修工事や農業機器の新規導入など特需案件の売上が増加いたしました。損益面につきましては、伊予農産株式会社が前連結会計年度において14ヵ月間の売上高を計上していることや利益率の低い売上が増加したことによる売上原価率の上昇や仕入価格の値上げ等により減益となりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高823,576千円(前期比9.2%減)、セグメント利益(営業利益)10,426千円(前期比61.1%減)となりました。
(小売事業)
当事業部門におきましては、コロナ禍において、家庭菜園やガーデンニングを始める方や観葉植物を育てる方等が増加してきましたが、終息に伴い園芸ブームもひと段落してきました。そのような中、家庭菜園イベントや野菜作り教室の開催や情報発信強化等に取り組んでまいりましたが、園芸ブームの終息による減少に加え、7月以降の記録的な高温が続く中で来店客数が前年同期に比べて減少したことにより売上の減少となりました。また、販売店舗の老朽化により、一部リニューアルを行ったことによる修繕費の増加などによって営業損失が増加いたしました。
今後も、店舗の集客力UPに向け、お客様が何度来ても新しい商品と出会える店舗作りに取り組み、また、外商活動や店舗において、お客様からの直接話を聞くことで新たな商品提案や開発に繋げてまいります。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高115,693千円(前期比13.5%減)、セグメント損失(営業損失)13,629千円(前期はセグメント損失6,548千円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末と比べ60,603千円(2.2%)増加の2,821,698千円となりました。これは、9月以降の売上増加により売掛金の増加131,638千円、電子記録債権の増加30,105千円、現金及び預金の減少77,934千円等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べ55,327千円(1.9%)減少の2,855,822千円となりました。これは減価償却が進んだことにより、建物及び構築物の減少133,925千円、ベルグ福島株式会社の鶴沢農場建設開始による建設仮勘定の増加103,950千円等によるものであります。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末と比べ136,401千円(6.5%)減少の1,972,654千円となりました。これは、支払手形及び買掛金の減少52,454千円、1年内返済予定の長期借入金の減少26,512千円、未払法人税等の減少46,999千円等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比べ103,667千円(7.0%)増加の1,584,532千円となりました。これは、長期借入金の借入による増加110,754千円等によるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末と比べ38,009千円(1.8%)増加の2,120,334千円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末と比べ69,134千円(7.0%)減少の920,359千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、111,461千円(前連結会計年度は177,468千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益88,707千円、減価償却費259,033千円、売上債権の増加額156,945千円、持分法による投資損失76,457千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、241,486千円(前連結会計年度は83,260千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出230,119千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、54,646千円(前連結会計年度は185,258千円の支出)となりました。これは、短期借入れによる収入450,000千円、短期借入金の返済による支出450,000千円、長期借入れによる収入450,000千円、長期借入金の返済による支出365,758千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| 野菜苗・苗関連事業 | 4,159,350 | 104.6 |
| 合計 | 4,159,350 | 104.6 |
(注) 金額は、当期総製造費用によっております。
b.商品及び製品仕入実績
当連結会計年度における商品及び製品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前年同期比(%) |
| 野菜苗・苗関連事業 | 459,576 | 87.1 |
| 農業・園芸用タネ資材販売事業 | 688,818 | 91.4 |
| 小売事業 | 66,363 | 81.5 |
| 合計 | 1,214,758 | 89.1 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 野菜苗・苗関連事業 | 5,007,350 | 103.9 | 530,806 | 95.5 |
(注) 金額は、販売価格によっております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 野菜苗・苗関連事業 | 6,155,618 | 102.2 |
| 農業・園芸用タネ資材販売事業 | 823,576 | 90.8 |
| 小売事業 | 115,693 | 86.5 |
| 合計 | 7,094,887 | 100.5 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は7,094,887千円(前期比0.5%増)となりました。詳細につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は5,352,914千円(前期比0.9%増)となりました。
原材料費や電力費等の値上げに加え、7月以降記録的な猛暑が続き、野菜苗の生育状況に大きく影響する結果となり、想定以上の種子等の原材料費や生産に係る労務費が増加いたしました。
この結果、売上総利益は1,741,972千円(前期比0.7%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,719,513千円(前期比2.5%増)となりました。
顧客対応が増加したこと伴い出張が増加したことに加え、公共交通機関や宿泊費の値上げなどにより旅費交通費が増加、生産性向上を目指しコンサルタントの導入や業務効率改善に向けたRPAツールの導入等により支払手数料が増加いたしました。
この結果、営業利益は22,459千円(前期比70.7%減)となりました。
(営業外損益、経常損失)
当連結会計年度における営業外収益は受取手数料20,382千円、受取補填金10,785千円、補助金収入6,067千円等により54,113千円となりました。営業外費用は持分法による投資損失76,457千円、支払利息10,177千円等により92,698千円となりました。
この結果、経常損失は16,125千円(前期は経常利益106,604千円)となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は当社茨城農場の育苗施設が雹被害をうけたこと等による受取保険金73,279千円、補助金収入37,889千円等により124,616千円となりました。特別損失は中国子会社の清算に伴う為替差損6,677千円、投資有価証券評価損5,942千円等により19,783千円となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は88,707千円(前期比38.0%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における税効果会計適用後の法人税等合計は43,931千円、非支配株主に帰属する当期純利益は4,840千円(前期比21.0%増)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は39,936千円(前期比48.8%減)となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、農業を取り巻く国内外の環境変化、法的規制、地震や台風等による大規模災害等様々な要因が挙げられ、詳細につきましては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり認識しております。当社グループでは、外部や事業環境の変化にすばやく対応するための人財育成や組織体制の整備、内部統制の強化等により、経営成績に影響を与える可能性のあるリスクの回避及び発生を抑え、適切な対応に努めて参ります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、野菜苗・苗関連事業における生産設備の新設及び改修等の設備資金、既存事業拡大及び成長戦略の柱である多角化や海外事業での事業投資や技術研究開発投資及び経常の運転資金があります。これらの資金需要に対して、設備等の投資資金については、金融機関による長期借入、運転資金については、金融機関による短期借入を必要に応じて調達する方針としております。
また、当社グループの主要事業である野菜苗・苗関連事業は、季節変動が大きく、第1四半期では支出が先行し営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスになる傾向にあります。その季節的な変動の中で、事業に必要な資金を確保し、機動的かつ安定的な資金調達を行うため、金融機関6行と当座貸越契約を締結しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的な判断に基づき会計上の見積りを行っております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性の評価)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。