有価証券報告書-第23期(2022/11/01-2023/10/31)
(1)経営成績等の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に分類され、コロナ禍からの緩やかな回復基調となった一方で、エネルギー価格の高騰や円安による原材料価格の上昇などにより、食品を始め各分野で価格転嫁が進み物価の上昇が続いております。
2023年の実質GDP成長率は、2%程度の緩やかな回復が続く見通しでありますが、中国を始め海外経済の減速により輸出は弱含むことが想定されます。ただ、コロナ禍で回復余地が残っている個人消費や設備投資の上向きもあり、内需主導の緩やかな回復が続くとみられています。
我が国における農業界は、高齢化、労働力不足、耕作放棄地の増加、収益の低さ、輸出の弱さなど課題を抱えており、これは戦後農政の影響や世界的な価格競争の影響が原因とされております。しかし、新規参入者や若い農業従事者の成功も見られ、農業の変革期を迎えているとも言えます。農業経営環境は、大きく変化し農業従事者の高齢化や後継者不足、農地の集約化などが進む中で、農業経営の二極化が進むと予測されています。
一方、スマート農業の導入により、少人数で高収益を実現できるチャンスも訪れました。10年後の農業経営を見据えて、生産だけでなく6次産業化や農業の高付加価値化など取組むべき課題はありますが、特に6次産業化は農林水産省も推奨しており、優良事例を毎年表彰しております。
農業界は、様々な課題を抱えておりますが、国力としての食料自給率の向上や食料安全保障の強化への期待が高まっており、持続可能な農業構造の実現に向けた取組みが益々重要になっております。
以上のことから、農業を取り巻く環境は不透明な部分もあるものの、就農人口の減少・高齢化している現実が進む中において、農作業の効率化による新規就農者の増加やスマート農業など高度な先端技術を導入した超省力化も進んでおり、少人数・大規模農場の運営も可能となっております。
当社グループにおきましては、中期経営計画「Change&Innovation2023」の最終年度である2023年10月期は、野菜苗・苗関連事業を中心に事業の拡大と収益力強化、グループの経営資産である、技術力、開発力、自社品種、商品マーケティングなどを最大限に活かすことによる、グループシナジーの強化を図ってまいりました。
特に、価格高騰に伴う重油や電気料金、培土や肥料等の原材料費の値上げによる製造経費が増加する中で、適切な価格への見直しが徐々に進んだことに加え、伊予農産株式会社との経営統合後、資材販売及び購買力強化を進めたことなどが収益改善に繋がりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高7,061,165千円(前期比10.4%増)、営業利益76,614千円(前期は営業損失58,613千円)、経常利益106,604千円(前期は経常損失44,041千円)、親会社株主に帰属する当期純利益78,032千円(前期比61.4%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、当社グループの経営管理及び事業実態に合わせた損益管理を行うため報告セグメントを「野菜苗・苗関連事業」「農業・園芸用タネ資材販売事業」「海外事業」「小売事業」「卸売事業」の5つの報告セグメントから、「野菜苗・苗関連事業」「農業・園芸用タネ資材販売事業」「小売事業」の3つの報告セグメントへ区分を変更しております。前期比較については、数値を変更後のセグメント区分にて組み替えた数値で比較しております。
セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
(野菜苗・苗関連事業)
当事業部門におきましては、当連結会計年度の期首より「卸売事業」にて報告しておりました伊予農産株式会社が行う「野菜苗・苗関連事業」を含めたことに伴い、四国内を中心に売上が増加しております。
また、2022年3月に完成しましたいわて花巻農場の生産設備の通年稼働に伴い、自社での生産能力が拡大したことに加え、物流・運送業界の2024年度問題への対応に向けて、各農場での供給体制を整えるため、生産計画の見直しや生産効率改善に向けて取り組んでまいりました。ベルグ福島株式会社では、既存の植物ワクチンを全て自社生産する体制となり、引き続き、新たな植物ワクチンの開発に注力し、化学農薬に依存しないウイルス病の防除による安心安全の野菜苗が供給できる体制を目指してまいります。
売上面につきましては、ホームセンター向けに企画商品の提案や多品目化に向けた取組みの一環として、花苗や葉菜苗などの推進、ポリ鉢を使用するポット苗ではなく、生分解性の不織布を用いた当社オリジナル規格のアースストレート苗の販促などにより売上が拡大いたしました。
損益面につきましては、燃料費や原材料費の高騰、労務コストが増加する一方で、生産体制の見直しによる生産効率の改善や原材料の調達コストを抑えるための取組みや出荷形態の統一による配送コスト削減を行ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高6,020,602千円(前期比8.7%増)、セグメント利益(営業利益)513,604千円(前期比26.0%増)となりました。
品目分類別の売上高は次のとおりであります。
(注1) ピーマン類として、ピーマン・パプリカ・シシトウ・トウガラシをまとめて表示しています。
(注2) 玉ねぎ苗、葉菜苗、花苗等を含んでおります。
規格分類別の売上高は次のとおりであります。
(注) ポット苗は、ポリエチレンのポット(ポリ鉢)で育苗した一般的な苗(当社においては、主に断根接ぎ木苗にて育苗した苗)であり、ポットのサイズが大きくなると苗のサイズも大きくなります。セル苗は、小さな穴が連結した容器(セルトレー)で育苗した苗であり、穴数が増えると苗のサイズが小さくなります。
納品地域分類別の売上高は次のとおりであります。
(注) 静岡は「甲信越」に含めて表示しております。
(農業・園芸用タネ資材販売事業)
当事業部門におきましては、当連結会計年度の期首より「卸売事業」にて報告しておりました伊予農産株式会社が行う「農業・園芸用タネ資材販売事業」を含めたことに伴い、主に愛媛県内向けに果菜・葉菜類などの種子、肥料・農薬等農業資材の売上が増加しました。また、「海外事業」につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により2021年10月期より中国国内での苗生産販売事業を中断、当連結会計年度より農業資材販売事業の内、主力の肥料販売事業も提携先企業の商流から撤退いたしました。現在は日本国内向けの種子の輸入や新たな販売資材の調達に注力していることに伴い、海外事業を当セグメントに含めることといたしました。引き続き、グループ企業や農業関連メーカーとの商品開発、肥料メーカー等協力企業との連携を深めることにより商品ラインナップの充実を図り売上及び利益の拡大に向けて取り組んでまいります。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高906,767千円(前期比25.3%増)、セグメント利益(営業利益)26,787千円(前期はセグメント損失4,301千円)となりました。
(小売事業)
当事業部門におきましては、各種園芸フェアの開催や希少価値の高いパンジーやビオラなどの花苗の試験販売の実施、当社グループの株式会社むさしのタネのオリジナル品種のトマト「さとみ」の販促、新たに販売を開始した新食感フルーツ「フレ・リモーネ」の試食会を開催するなどマーケティング活動も取り組んでまいりました。当連結会計年度は、8月以降の猛暑日が続いたことにより、客足へ影響しましたが、家庭園芸商品や付加価値の高い花苗等の充実を図り、店舗では季節ごとに園芸フェアや各種イベントを開催し集客力の強化を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高133,795千円(前期比1.5%増)、セグメント損失(営業損失)は6,548千円(前期はセグメント損失7,261千円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末と比べ222,917千円(7.5%)減少の2,761,095千円となりました。これは、現金及び預金の減少94,388千円、伊予農産株式会社の決算月変更の影響に伴う売掛金の減少148,604千円等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べ179,277千円(5.8%)減少の2,911,150千円となりました。これは減価償却が進んだことにより、建物及び構築物の減少175,406千円等によるものであります。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末と比べ638,049千円(23.2%)減少の2,109,056千円となりました。これは、伊予農産株式会社の決算月変更の影響に伴う支払手形及び買掛金の減少346,765千円、短期借入金の返済による減少317,500千円等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度と比べ179,015千円(10.8%)減少の1,480,864千円となりました。これは、長期借入金の返済による減少153,921千円等によるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末と比べ414,870千円(24.9%)増加の2,082,324千円となりました。これは、資本金の増加172,352千円、資本剰余金の増加172,352千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末と比べ91,188千円(8.4%)減少の989,493千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、177,468千円(前連結会計年度は344,562千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益143,141千円、減価償却費275,200千円、売上債権の減少額135,065千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、83,260千円(前連結会計年度は467,486千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出67,471千円、関係会社株式の取得による支出13,700千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、185,258千円(前連結会計年度は49,343千円の収入)となりました。これは、株式の発行による収入298,197千円、新株予約権の発行による収入44,750千円、短期借入れによる収入460,000千円、短期借入金の返済による支出777,500千円、長期借入れによる収入200,000千円、長期借入金の返済による支出382,503千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度より、当社グループの経営管理及び事業実態に合わせた損益管理を行うため報告セグメントを「野菜苗・苗関連事業」「農業・園芸用タネ資材販売事業」「海外事業」「小売事業」「卸売事業」の5つの報告セグメントから、「野菜苗・苗関連事業」「農業・園芸用タネ資材販売事業」「小売事業」の3つの報告セグメントへ区分を変更しております。前年同期比については、数値を変更後のセグメント区分にて組み替えた数値で比較しております。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、当期総製造費用によっております。
b.商品及び製品仕入実績
当連結会計年度における商品及び製品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は7,061,165千円(前期比10.4%増)となりました。詳細につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は5,306,255千円(前期比8.7%増)となりました。
原油価格高騰に伴う重油や電気料金、培土や肥料等の原材料費の値上げにより製造経費が増加、繁忙期の生産量拡大に伴う人員増加などにより労務費が増加いたしました。
この結果、売上総利益は1,754,909千円(前期比16.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,678,295千円(前期比6.9%増)となりました。
間接部門の人員増加による人件費の増加、行動制限がなくなったことにより出張が増加したことに加え、公共交通機関や宿泊費の値上げなどにより旅費交通費が増加、植物ワクチン研究等の研究開発費が増加等によるものであります。
この結果、営業利益は76,614千円(前期は営業損失58,613千円)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は受取手数料18,838千円、補助金収入11,331千円、受取補填金8,830千円等により49,424千円となりました。営業外費用は支払利息9,628千円、持分法による投資損失4,335千円等により19,434千円となりました。この結果、経常利益は106,604千円(前期は経常損失44,041千円)となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は補助金収入35,813千円、受取保険金2,423千円等により38,269千円となりました。特別損失は固定資産除却損1,732千円により1,732千円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は143,141千円(前期比38.9%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における税効果会計適用後の法人税等合計は61,111千円、非支配株主に帰属する当期純利益は3,998千円(前期は非支配株主に帰属する当期純損失6,472千円)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は78,032千円(前期比61.4%減)となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、農業を取り巻く国内外の環境変化、法的規制、地震や台風等による大規模災害等様々な要因が挙げられ、詳細につきましては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり認識しております。当社グループでは、外部や事業環境の変化にすばやく対応するための人材育成や組織体制の整備、内部統制の強化等により、経営成績に影響を与える可能性のあるリスクの回避及び発生を抑え、適切な対応に努めて参ります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、野菜苗・苗関連事業における生産設備の新設及び改修等の設備資金、既存事業拡大及び成長戦略の柱である多角化や海外事業での事業投資や技術研究開発投資及び経常の運転資金があります。これらの資金需要に対して、設備等の投資資金については、金融機関による長期借入、運転資金については、金融機関による短期借入を必要に応じて調達する方針としております。
また、当社グループの主要事業である野菜苗・苗関連事業は、季節変動が大きく、第1四半期では支出が先行し営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスになる傾向にあります。その季節的な変動の中で、事業に必要な資金を確保し、機動的かつ安定的な資金調達を行うため、金融機関6行と当座貸越契約を締結しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的な判断に基づき会計上の見積りを行っております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性の評価)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に分類され、コロナ禍からの緩やかな回復基調となった一方で、エネルギー価格の高騰や円安による原材料価格の上昇などにより、食品を始め各分野で価格転嫁が進み物価の上昇が続いております。
2023年の実質GDP成長率は、2%程度の緩やかな回復が続く見通しでありますが、中国を始め海外経済の減速により輸出は弱含むことが想定されます。ただ、コロナ禍で回復余地が残っている個人消費や設備投資の上向きもあり、内需主導の緩やかな回復が続くとみられています。
我が国における農業界は、高齢化、労働力不足、耕作放棄地の増加、収益の低さ、輸出の弱さなど課題を抱えており、これは戦後農政の影響や世界的な価格競争の影響が原因とされております。しかし、新規参入者や若い農業従事者の成功も見られ、農業の変革期を迎えているとも言えます。農業経営環境は、大きく変化し農業従事者の高齢化や後継者不足、農地の集約化などが進む中で、農業経営の二極化が進むと予測されています。
一方、スマート農業の導入により、少人数で高収益を実現できるチャンスも訪れました。10年後の農業経営を見据えて、生産だけでなく6次産業化や農業の高付加価値化など取組むべき課題はありますが、特に6次産業化は農林水産省も推奨しており、優良事例を毎年表彰しております。
農業界は、様々な課題を抱えておりますが、国力としての食料自給率の向上や食料安全保障の強化への期待が高まっており、持続可能な農業構造の実現に向けた取組みが益々重要になっております。
以上のことから、農業を取り巻く環境は不透明な部分もあるものの、就農人口の減少・高齢化している現実が進む中において、農作業の効率化による新規就農者の増加やスマート農業など高度な先端技術を導入した超省力化も進んでおり、少人数・大規模農場の運営も可能となっております。
当社グループにおきましては、中期経営計画「Change&Innovation2023」の最終年度である2023年10月期は、野菜苗・苗関連事業を中心に事業の拡大と収益力強化、グループの経営資産である、技術力、開発力、自社品種、商品マーケティングなどを最大限に活かすことによる、グループシナジーの強化を図ってまいりました。
特に、価格高騰に伴う重油や電気料金、培土や肥料等の原材料費の値上げによる製造経費が増加する中で、適切な価格への見直しが徐々に進んだことに加え、伊予農産株式会社との経営統合後、資材販売及び購買力強化を進めたことなどが収益改善に繋がりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高7,061,165千円(前期比10.4%増)、営業利益76,614千円(前期は営業損失58,613千円)、経常利益106,604千円(前期は経常損失44,041千円)、親会社株主に帰属する当期純利益78,032千円(前期比61.4%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、当社グループの経営管理及び事業実態に合わせた損益管理を行うため報告セグメントを「野菜苗・苗関連事業」「農業・園芸用タネ資材販売事業」「海外事業」「小売事業」「卸売事業」の5つの報告セグメントから、「野菜苗・苗関連事業」「農業・園芸用タネ資材販売事業」「小売事業」の3つの報告セグメントへ区分を変更しております。前期比較については、数値を変更後のセグメント区分にて組み替えた数値で比較しております。
セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
(野菜苗・苗関連事業)
当事業部門におきましては、当連結会計年度の期首より「卸売事業」にて報告しておりました伊予農産株式会社が行う「野菜苗・苗関連事業」を含めたことに伴い、四国内を中心に売上が増加しております。
また、2022年3月に完成しましたいわて花巻農場の生産設備の通年稼働に伴い、自社での生産能力が拡大したことに加え、物流・運送業界の2024年度問題への対応に向けて、各農場での供給体制を整えるため、生産計画の見直しや生産効率改善に向けて取り組んでまいりました。ベルグ福島株式会社では、既存の植物ワクチンを全て自社生産する体制となり、引き続き、新たな植物ワクチンの開発に注力し、化学農薬に依存しないウイルス病の防除による安心安全の野菜苗が供給できる体制を目指してまいります。
売上面につきましては、ホームセンター向けに企画商品の提案や多品目化に向けた取組みの一環として、花苗や葉菜苗などの推進、ポリ鉢を使用するポット苗ではなく、生分解性の不織布を用いた当社オリジナル規格のアースストレート苗の販促などにより売上が拡大いたしました。
損益面につきましては、燃料費や原材料費の高騰、労務コストが増加する一方で、生産体制の見直しによる生産効率の改善や原材料の調達コストを抑えるための取組みや出荷形態の統一による配送コスト削減を行ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高6,020,602千円(前期比8.7%増)、セグメント利益(営業利益)513,604千円(前期比26.0%増)となりました。
品目分類別の売上高は次のとおりであります。
| 品目分類 | 売上高(千円) | 前期比(%) |
| トマト苗 | 2,433,301 | 104.6 |
| キュウリ苗 | 1,456,953 | 101.8 |
| ナス苗 | 558,153 | 115.3 |
| スイカ苗 | 434,550 | 117.4 |
| メロン苗 | 261,336 | 103.5 |
| ピーマン類苗(注1) | 266,647 | 105.9 |
| その他(注2) | 609,659 | 144.4 |
| 合計 | 6,020,602 | 108.7 |
(注1) ピーマン類として、ピーマン・パプリカ・シシトウ・トウガラシをまとめて表示しています。
(注2) 玉ねぎ苗、葉菜苗、花苗等を含んでおります。
規格分類別の売上高は次のとおりであります。
| 規格分類 | 売上高(千円) | 前期比(%) |
| ポット苗(7.5㎝~15㎝)(注) | 2,830,371 | 107.5 |
| 当社オリジナル(アースストレート苗、ヌードメイク苗、e苗シリーズ、高接ぎハイレッグ苗、ウィルスガード苗、ツイン苗) | 1,882,563 | 105.1 |
| セル苗(512穴~72穴)(注) | 1,110,092 | 111.9 |
| その他 | 197,575 | 162.1 |
| 合計 | 6,020,602 | 108.7 |
(注) ポット苗は、ポリエチレンのポット(ポリ鉢)で育苗した一般的な苗(当社においては、主に断根接ぎ木苗にて育苗した苗)であり、ポットのサイズが大きくなると苗のサイズも大きくなります。セル苗は、小さな穴が連結した容器(セルトレー)で育苗した苗であり、穴数が増えると苗のサイズが小さくなります。
納品地域分類別の売上高は次のとおりであります。
| 納品地域分類 | 売上高(千円) | 前期比(%) |
| 北海道・東北 | 897,124 | 105.8 |
| 関東 | 1,888,806 | 108.6 |
| 甲信越(注) | 479,555 | 105.1 |
| 中部・北陸 | 417,893 | 120.3 |
| 近畿・中国 | 549,354 | 106.4 |
| 四国 | 711,481 | 114.1 |
| 九州・沖縄 | 1,076,386 | 106.8 |
| 合計 | 6,020,602 | 108.7 |
(注) 静岡は「甲信越」に含めて表示しております。
(農業・園芸用タネ資材販売事業)
当事業部門におきましては、当連結会計年度の期首より「卸売事業」にて報告しておりました伊予農産株式会社が行う「農業・園芸用タネ資材販売事業」を含めたことに伴い、主に愛媛県内向けに果菜・葉菜類などの種子、肥料・農薬等農業資材の売上が増加しました。また、「海外事業」につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により2021年10月期より中国国内での苗生産販売事業を中断、当連結会計年度より農業資材販売事業の内、主力の肥料販売事業も提携先企業の商流から撤退いたしました。現在は日本国内向けの種子の輸入や新たな販売資材の調達に注力していることに伴い、海外事業を当セグメントに含めることといたしました。引き続き、グループ企業や農業関連メーカーとの商品開発、肥料メーカー等協力企業との連携を深めることにより商品ラインナップの充実を図り売上及び利益の拡大に向けて取り組んでまいります。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高906,767千円(前期比25.3%増)、セグメント利益(営業利益)26,787千円(前期はセグメント損失4,301千円)となりました。
(小売事業)
当事業部門におきましては、各種園芸フェアの開催や希少価値の高いパンジーやビオラなどの花苗の試験販売の実施、当社グループの株式会社むさしのタネのオリジナル品種のトマト「さとみ」の販促、新たに販売を開始した新食感フルーツ「フレ・リモーネ」の試食会を開催するなどマーケティング活動も取り組んでまいりました。当連結会計年度は、8月以降の猛暑日が続いたことにより、客足へ影響しましたが、家庭園芸商品や付加価値の高い花苗等の充実を図り、店舗では季節ごとに園芸フェアや各種イベントを開催し集客力の強化を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高133,795千円(前期比1.5%増)、セグメント損失(営業損失)は6,548千円(前期はセグメント損失7,261千円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末と比べ222,917千円(7.5%)減少の2,761,095千円となりました。これは、現金及び預金の減少94,388千円、伊予農産株式会社の決算月変更の影響に伴う売掛金の減少148,604千円等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べ179,277千円(5.8%)減少の2,911,150千円となりました。これは減価償却が進んだことにより、建物及び構築物の減少175,406千円等によるものであります。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末と比べ638,049千円(23.2%)減少の2,109,056千円となりました。これは、伊予農産株式会社の決算月変更の影響に伴う支払手形及び買掛金の減少346,765千円、短期借入金の返済による減少317,500千円等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度と比べ179,015千円(10.8%)減少の1,480,864千円となりました。これは、長期借入金の返済による減少153,921千円等によるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末と比べ414,870千円(24.9%)増加の2,082,324千円となりました。これは、資本金の増加172,352千円、資本剰余金の増加172,352千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末と比べ91,188千円(8.4%)減少の989,493千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、177,468千円(前連結会計年度は344,562千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益143,141千円、減価償却費275,200千円、売上債権の減少額135,065千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、83,260千円(前連結会計年度は467,486千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出67,471千円、関係会社株式の取得による支出13,700千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、185,258千円(前連結会計年度は49,343千円の収入)となりました。これは、株式の発行による収入298,197千円、新株予約権の発行による収入44,750千円、短期借入れによる収入460,000千円、短期借入金の返済による支出777,500千円、長期借入れによる収入200,000千円、長期借入金の返済による支出382,503千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度より、当社グループの経営管理及び事業実態に合わせた損益管理を行うため報告セグメントを「野菜苗・苗関連事業」「農業・園芸用タネ資材販売事業」「海外事業」「小売事業」「卸売事業」の5つの報告セグメントから、「野菜苗・苗関連事業」「農業・園芸用タネ資材販売事業」「小売事業」の3つの報告セグメントへ区分を変更しております。前年同期比については、数値を変更後のセグメント区分にて組み替えた数値で比較しております。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| 野菜苗・苗関連事業 | 3,975,528 | 103.0 |
| 合計 | 3,975,528 | 103.0 |
(注) 金額は、当期総製造費用によっております。
b.商品及び製品仕入実績
当連結会計年度における商品及び製品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前年同期比(%) |
| 野菜苗・苗関連事業 | 527,874 | 145.1 |
| 農業・園芸用タネ資材販売事業 | 753,939 | 120.7 |
| 小売事業 | 81,381 | 103.5 |
| 合計 | 1,363,195 | 127.7 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 野菜苗・苗関連事業 | 4,817,170 | 96.4 | 555,587 | 123.7 |
(注) 金額は、販売価格によっております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 野菜苗・苗関連事業 | 6,020,602 | 108.7 |
| 農業・園芸用タネ資材販売事業 | 906,767 | 125.3 |
| 小売事業 | 133,795 | 101.5 |
| 合計 | 7,061,165 | 110.4 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は7,061,165千円(前期比10.4%増)となりました。詳細につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は5,306,255千円(前期比8.7%増)となりました。
原油価格高騰に伴う重油や電気料金、培土や肥料等の原材料費の値上げにより製造経費が増加、繁忙期の生産量拡大に伴う人員増加などにより労務費が増加いたしました。
この結果、売上総利益は1,754,909千円(前期比16.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,678,295千円(前期比6.9%増)となりました。
間接部門の人員増加による人件費の増加、行動制限がなくなったことにより出張が増加したことに加え、公共交通機関や宿泊費の値上げなどにより旅費交通費が増加、植物ワクチン研究等の研究開発費が増加等によるものであります。
この結果、営業利益は76,614千円(前期は営業損失58,613千円)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は受取手数料18,838千円、補助金収入11,331千円、受取補填金8,830千円等により49,424千円となりました。営業外費用は支払利息9,628千円、持分法による投資損失4,335千円等により19,434千円となりました。この結果、経常利益は106,604千円(前期は経常損失44,041千円)となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は補助金収入35,813千円、受取保険金2,423千円等により38,269千円となりました。特別損失は固定資産除却損1,732千円により1,732千円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は143,141千円(前期比38.9%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における税効果会計適用後の法人税等合計は61,111千円、非支配株主に帰属する当期純利益は3,998千円(前期は非支配株主に帰属する当期純損失6,472千円)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は78,032千円(前期比61.4%減)となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、農業を取り巻く国内外の環境変化、法的規制、地震や台風等による大規模災害等様々な要因が挙げられ、詳細につきましては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり認識しております。当社グループでは、外部や事業環境の変化にすばやく対応するための人材育成や組織体制の整備、内部統制の強化等により、経営成績に影響を与える可能性のあるリスクの回避及び発生を抑え、適切な対応に努めて参ります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、野菜苗・苗関連事業における生産設備の新設及び改修等の設備資金、既存事業拡大及び成長戦略の柱である多角化や海外事業での事業投資や技術研究開発投資及び経常の運転資金があります。これらの資金需要に対して、設備等の投資資金については、金融機関による長期借入、運転資金については、金融機関による短期借入を必要に応じて調達する方針としております。
また、当社グループの主要事業である野菜苗・苗関連事業は、季節変動が大きく、第1四半期では支出が先行し営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスになる傾向にあります。その季節的な変動の中で、事業に必要な資金を確保し、機動的かつ安定的な資金調達を行うため、金融機関6行と当座貸越契約を締結しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的な判断に基づき会計上の見積りを行っております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性の評価)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。