有価証券報告書-第29期(平成30年9月1日-令和1年8月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の経営成績、財政状態、キャッシュ・フロー及び販売及び仕入の実績(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、緩やかな回復局面にあるものの、米中貿易摩擦の長期化などにより、企業業績の先行き不透明感が強まっております。一方で、個人消費は、持ち直しの動きが続いているものの、消費増税が控える中で、消費者の節約志向も強まり、力強い回復には至っておりません。また、景気回復基調が続く中、人材採用難の長期化が大きな経営課題となっております。
このような状況下、当社は、厳選した新規出店と既存店対策、新業態店 Le Bonheur Parfait(ル・ボヌール パルフェ)の拡大、EC(ネット通販)事業における競合対策の強化等を当事業年度の重点課題として取り組んでまいりました。
店舗展開につきましては、11月に津南店、3月に Le Bonheur Parfait トレッサ横浜店、4月に Le Bonheur Parfait 名取店、同春日部店を新規出店したことで、当事業年度の新規出店は4店舗となり、期末店舗数は80店舗となりました。また、ファッションビルへの出店第1号として、2019年9月に津田沼パルコへ出店することを決定いたしました。
既存店舗の活性化につきましては、下妻店、長岡店、甲府昭和店、松本店、新小松店、長久手店、神戸店、むさし村山店、名取店、成田店の合計10店舗の改装を実施いたしました。
営業施策につきましては、値ごろ感のある価格帯の商品拡充を継続し、売れ筋の高額ナショナルブランドの販売強化にも努め、時計フェアやアウトレットセール等の販促企画を実施いたしました。
オリジナルブランド商品につきましては、シーズンの新作リリースにあわせたファッション誌への掲載を行いました。さらにラボグロウンダイヤモンド商品の店頭での取り扱いを開始するなどの施策を実施いたしました。
新事業といたしましては、ブランド品買取事業者数社と協業または業務提携を行い、紹介手数料収入に加えて、下取りに伴う当社商品の販売機会の拡大を図っております。
また、オリジナルブランド商品の卸売事業への布石として、2月に開催された第87回東京インターナショナルギフトショーへ、バッグ・財布小物を中心としたブースを出店し、パートナーの選定と事業の具体化へ向けての準備を進め、5月より一部小売事業者へ向けてオリジナルブランド商品の卸売りを開始いたしました。さらに、オリジナルブランド商品の百貨店販売への布石として、人気エリアにある百貨店にて期間限定ショップを出店し、販路の拡大及び知名度向上に努めました。
ECにつきましては、前年度に引き続き買い上げ率向上へ向けての施策や大手通販サイト内の店舗の強化を図り、10月からはアウトレット商品の取り扱いを開始いたしました。また、一部商品について物流の外注化を開始し、業務効率と運営コストの改善を図りました。
従業員のモチベーションアップにつながる施策につきましては、前年度に引き続き、すべての準社員・正社員を対象としたストックオプションを発行するとともに、店舗スタッフの表彰基準の拡大などを実施いたしました。
2019年1月15日に開示いたしました「元従業員による不正行為に関する調査結果のお知らせ」のとおり、不正行為による被害総額 54,570千円を、第1四半期会計期間において、店舗盗難損失として特別損失に計上いたしております。また、外部の弁護士等を含む調査委員会を設置したことにより、不正調査費用17,391千円が発生し、第2四半期会計期間に販売費及び一般管理費に計上いたしております。
さらに、閉店予定店舗2店舗の減損損失 2,879千円を、特別損失に計上いたしております。
以上の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(財政状態)
当事業年度末における資産合計は10,719,248千円(前事業年度末比7.6%増)となりました。
当事業年度末における負債合計は8,143,184千円(前事業年度末比6.8%増)となりました。
当事業年度末における純資産合計は2,576,064千円(前事業年度末比9.9%増)となりました。
詳細については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 イ.財政状態の分析」をご参照ください。
(経営成績)
当事業年度の売上高は20,760,050千円(前事業年度比2.1%増)となりました。
当事業年度の営業利益は544,448千円(前事業年度比5.4%増)となりました。
当事業年度の経常利益は521,646千円(前事業年度比5.5%増)となりました。
当事業年度の当期純利益は269,221千円(前事業年度比0.5%減)となりました。
詳細については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ロ.経営成績の分析」をご参照ください。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ202,589千円増加し、2,427,582千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は178,429千円(前事業年度は212,869千円の支出)となりました。これは、主として売上債権の増加347,526千円、新規出店等に伴うたな卸資産の増加293,772千円、法人税等の支払額153,343千円があった一方で、税引前当期純利益459,004千円、減価償却費215,028千円、仕入債務の増加63,855千円があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は51,961千円(前事業年度は124,842千円の支出)となりました。これは、主として敷金及び保証金の回収による収入20,145千円があった一方で、新規出店及び改装等に伴う有形固定資産の取得22,949千円、敷金及び保証金の差入31,710千円、定期預金の預入による支出12,008千円があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は76,121千円(前事業年度は138,680千円の支出)となりました。これは、長期借入金の返済1,903,767千円、長期未払金の支払311,841千円、配当金の支払56,859千円があった一方で、長期借入れによる収入2,050,000千円があったこと等によるものです。
③販売及び仕入の実績
当社の事業内容は、インポートブランドを中心とした宝飾品、時計及びバッグ・小物等の販売であり、区分すべき事業セグメントが存在しないため、商品の品目別に販売及び仕入の実績を記載しております。
イ. 販売実績
a. 品目別販売実績
当事業年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 当事業年度 (自 2018年9月1日 至 2019年8月31日) | |
| 売上高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 宝飾品 | 3,444,695 | 101.6 |
| 時計 | 6,558,288 | 101.7 |
| バッグ・小物 | 10,757,066 | 102.4 |
| 合計 | 20,760,050 | 102.1 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
・宝飾品は、店頭での各種販売キャンペーンに加え、人気商品の展開やオリジナルブランド商品を強化したこと、及び、ラボグロウンダイヤモンド商品の導入と下期からの商品ライン拡大により、売上高 3,444,695千円(前事業年度比 1.6%増)となりました。
・時計は、展開強化を図った海外ブランドの販売が好調に推移し、売上高 6,558,288千円(同 1.7%増)となりました。
・バッグ・小物は、海外主力ブランドの販売フェアを強化したことに加え、新規ブランドの導入や、人気の財布の展開を強化したことにより、売上高 10,757,066千円(同 2.4%増)となりました。
b. 地域別売上高
当事業年度の地域別売上高は次のとおりであります。
| 地域 | 当事業年度 (自 2018年9月1日 至 2019年8月31日) | |
| 売上高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 北海道地区 | 697,889 | 95.2 |
| 東北地区 | 2,499,221 | 106.1 |
| 関東地区 | 6,310,460 | 102.1 |
| 中部地区 | 2,622,840 | 95.9 |
| 関西地区 | 2,360,074 | 113.6 |
| 中国・四国地区 | 2,078,117 | 98.0 |
| 九州・沖縄地区 | 3,836,219 | 99.3 |
| EC事業 | 347,940 | 135.6 |
| その他 | 7,286 | 35.8 |
| 合計 | 20,760,050 | 102.1 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ.仕入実績
当事業年度の仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 当事業年度 (自 2018年9月1日 至 2019年8月31日) | |
| 仕入高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 宝飾品 | 2,241,942 | 98.6 |
| 時計 | 5,546,109 | 98.9 |
| バッグ・小物 | 8,396,401 | 102.0 |
| 合計 | 16,184,453 | 100.4 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりましては、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りや評価が含まれております。詳細については、後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.財政状態の分析
a. 流動資産
当事業年度末における流動資産の残高は、8,802,554千円となり、前事業年度末と比較して771,052千円増加しております。これは主として、現金及び預金が202,594千円増加、売掛金が344,990千円増加、商品が240,823千円増加したことが要因であります。
b. 固定資産
当事業年度末における固定資産の残高は、1,916,694千円となり、前事業年度末と比較して13,428千円減少しております。これは主として、敷金及び保証金が11,515千円増加、長期預金が12,004千円増加したものの、建物が10,772千円減少、工具、器具及び備品が16,631千円減少したことが要因であります。
c. 流動負債
当事業年度末における流動負債の残高は、4,188,221千円となり、前事業年度末と比較して446,329千円増加しております。これは主として、未払金が58,576千円減少したものの、仕入債務(支払手形、買掛金、電子記録債務の合計)が63,855千円増加、当座借越として短期借入金が300,000千円増加、未払消費税等が56,912千円増加したことが要因であります。
d. 固定負債
当事業年度末における固定負債の残高は、3,954,962千円となり、前事業年度末と比較して78,397千円増加しております。これは主として、長期未払金が80,401千円減少したものの、長期借入金が155,438千円増加したことが要因であります。
e. 純資産
当事業年度末における純資産の残高は、2,576,064千円となり、前事業年度末と比較して232,897千円増加しております。これは主として、利益剰余金が212,315千円増加したことが要因であります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。
ロ.経営成績の分析
a. 売上高
売上高は、前事業年度より429,149千円増加し、20,760,050千円となりました。
当事業年度は4店舗を新規出店いたしました。値ごろ感のある価格帯の商品拡充を継続し、高額ナショナルブランド等の展開強化にも努め、オリジナルブランド商品を引き続き強化するとともに、ラボグロウンダイヤモンド商品については、商品ラインを拡大する等の施策を実施したことで、売上高の増加につながりました。
b. 売上総利益
売上総利益は、前事業年度より57,524千円増加し、4,816,420千円となり、売上総利益率は、前事業年度から0.2ポイント減少し23.2%となりました。
c. 営業利益
営業利益は、元従業員による不正行為に関する調査費用の発生があったものの、販売費及び一般管理費の削減に努めたことで、27,916千円増加し、544,448千円となりました。販売費及び一般管理費比率は前事業年度より0.2ポイント減少しました。
d. 経常利益
経常利益は、営業利益の増加に伴い前事業年度より27,400千円増加し、521,646千円となりました。
e. 特別損益
特別利益は、当事業年度の発生はありません。特別損失は、元従業員による不正行為による店舗盗難損失54,570千円、閉店予定店舗2店舗の減損損失2,879千円等を計上したことで、前事業年度より10,558千円増加し、62,642千円となりました。
f. 法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額
法人税、住民税及び事業税189,330千円、法人税等調整額452千円となり合計額は前事業年度より18,219千円増加し189,783千円となりました。
g. 当期純利益
当期純利益は、閉店予定店舗の減損損失2,879千円及び不正行為による被害額54,570千円等を特別損失に計上したことにより269,221千円となりましたが、前事業年度当期純利益270,599千円に対し0.5%減に留めることができました。
ハ.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、前記「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
ニ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績に重要な影響を与える要因としては、企業業績・雇用の改善が続く中で、景気回復基調が持続するものの、2019年10月より消費税の増税が実施されたこともあり、消費者の節約志向が一層強まるものと予想され、個人消費の回復は引き続き不透明な状況が続くものと予想されます。また、労働需給の変化に伴う人材採用難の長期化が大きな経営課題となっております。
このような環境において当社は、2020年8月期を初年度とする中期3ヵ年計画を策定いたしました。新規出店を厳選化しつつ、不振店対策を強化し、既存店収支の向上を図るとともに、商品仕入れ方針の見直しを行い、在庫管理手法の改善を通じて在庫回転率の向上に取り組んでまいります。また、引き続き従業員の働き方改革や社会貢献活動等を通じた企業イメージの向上に取り組むとともに、自社商品ブランド Happy Candle (ハッピー キャンドル)及び H&D (エイチ アンド ディ)の確立を図ってまいります。EC事業につきましては、引き続き販売体制の改善と実店舗支援、競合EC店対策の強化に取り組んでまいります。
さらに、前事業年度より重点課題としている、役職者の育成を目的とした研修の実施、生産性向上を目的としたエリア単位の研修の実施とあわせて、新入社員の入社時本社研修を実施してまいります。これにより、全社的な交流の場作りを積極的に進め、人材育成の強化に努めてまいります。また、従業員の待遇改善策につきましては、今後とも積極的に取り組んでまいります。
ホ.資本の財源及び資金の流動性の分析
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また投資を目的とした資金需要は、新規出店と既存店改装に関わる設備投資等であります。
当社は事業活動の維持拡大に必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入により対応し、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入等を基本としております。